エンジニアとして外国で活躍することに関心がある人も多いでしょう。
海外では給与水準が高く、労働環境も良いと言われています。
異文化への憧れも理由の一つかもしれません。
しかし、具体的にどのように海外就職を実現すればよいか分からない人も多数います。
そこで、本稿ではエンジニアが外国で就労するための基本的な情報をまとめました。
- 海外勤務エンジニアの平均年収
- 必要なスキルセット
- 英語力の目安
など、疑問に思うことについて解説しています。
本稿を読めば、海外就職に向けた第一歩を踏み出せるはずです。
外国での仕事に興味のある技術者の方は、ぜひ一読してみてください。
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海外でのエンジニアの実情とは?
エンジニアの待遇について、海外と日本ではどちらが優れているのか、意見が分かれています。
この問題を解明するため、海外におけるエンジニアの実態を詳しく探っていきましょう。
平均年収などの具体的なデータを基に、海外でのエンジニアの実情をまとめました。
- 平均年収
IT技術者の国別年収ランキング
世界各国のIT技術者の年収ランキングが公表されました。
- 首位はスイスで約962万円
- 次いでアメリカが約867万円
- 3位はイスラエルで約827万円
となっています。
一方、日本は18位で約442万円と、上位国に比べて給与水準が低い状況にあります。
この結果から、日本国内よりも海外の方がIT人材への報酬が手厚いことが明らかになりました。
エンジニアの地位と給与の違い
エンジニアの収入が高額となる背景には、国によって専門職としての地位が異なることが挙げられます。
- 海外では、コンピューターサイエンスの学位取得が前提とされ、学術的な裏付けが重視されています。
一方、日本では専門分野を問わずエンジニアへの門戸が開かれているため、供給が多くなり相対的に地位が低くなる傾向にあります。
- また、ベンチャー企業への投資が盛んな米国では、知的生産性の高い分野が優先され、エンジニアの処遇が手厚くなります。
日本でも職務内容や言語によって年収に開きがあり、上流工程や需要の高い分野ほど報酬が増えますが、プログラマーとしての地位自体は海外ほど高くありません。
日本と海外のエンジニア労働環境の違い
日本のIT業界では長時間労働が常態化していましたが、働き方改革の影響で徐々に改善されつつあります。しかし、システムトラブルや納期対応のために休日出勤を強いられるケースも依然として存在します。
一方、海外のエンジニアは残業や休日出勤が少なく、品質重視の傾向が強いです。上長の残業が部下にも影響を与えるような雰囲気もありません。
先進国では総じて労働環境が良好ですが、実力主義が徹底されており、成果が出せない場合は解雇されるリスクがあります。特にアメリカでは期間の定めのない雇用契約であれば、理由の有無に関わらず自由に解約できる制度があります。
海外でエンジニアとして転職する方法
外国で技術者として新しい職を見つける方策について説明します。主な選択肢は3つあります。
- 日本企業に勤め、海外拠点への出向を希望する
- 日本企業の海外拠点で現地採用される
- 現地の会社に就職する
海外転勤の方法と給与体系
海外拠点を持つ日本企業に就職し、将来的に海外勤務を希望する場合、英語力やコミュニケーション能力などを評価された上で、上司から承認を得る必要があります。
ただし、海外赴任が確約されるわけではなく、時期なども自身で決められるものではありません。
現在の雇用主に海外拠点があれば、希望を伝えてみるのが賢明でしょう。
海外勤務となれば、企業内転勤ビザや駐在員ビザの取得が必要となり、手続きは会社側が行います。
ビザの種類は赴任先により異なる可能性があるため、自身でも確認しておくべきです。
給与については、赴任先の水準に合わせられることが一般的ですが、以下の方式のいずれかにより決定されます。
- 購買力補償方式:日本と同等の生活水準を維持できる給与を支給するもの
- 別建方式:現地独自の給与テーブルに従う
- 併用方式:購買力補償方式と別建方式を組み合わせたもの
国内より大幅に低い場合は、本社から一部補填されることもあります。
日系企業の海外支社への現地採用
海外で働く機会を求める方々にとって、日系企業の現地採用は魅力的な選択肢となります。
- 転職サイトやエージェントを活用し、応募から選考を経れば、外国での就労が可能になります。
- すでに渡航済みの方も、その国の求人サービスを利用して企業を探すことができます。
この方法であれば、好機を捉えて海外生活をスタートできるでしょう。
万が一うまくいかない場合でも、希望次第で本国に戻り、国内勤務に切り替えることも可能です。
ただし、現地採用には就労ビザの取得が必須となり、国によって名称は異なります。
給与面では外資系に比べ、やや控えめな水準になる可能性があります。 |
外資系企業への現地採用の方法と注意点
海外の非日系企業への就職は、3つの方法の中で最も難しい選択肢です。
これらの企業には日本人社員がほとんどいないため、以下が求められます。
- 優れた開発スキル
- 高い英語力
- コミュニケーション能力
さらに、海外企業特有の常識や文化に適応する必要があります。
日本の文化や習慣とは異なるため、最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、それも貴重な経験として捉えることをお勧めします。
現地企業への就職には就労ビザが必要です。
外資系企業の給与水準は日系企業よりも高い傾向にありますが、景気や業績次第では解雇リスクもあります。
外資系企業の給与体系は以下のようになっています。
給与体系 | 内容 |
---|---|
基本給 | - |
インセンティブ | 個人の成果に応じて変動 |
海外で働くエンジニアはどのぐらい英語力が必要なの?(2024年6月)
海外で働くエンジニアに求められる英語力は、勤務先の企業によって異なります。
- 日系企業であれば、日常生活で支障がない程度の英語力で問題ありません。なぜなら、同僚も日本人が多く、業務でも日本語が主に使用されるためです。
一方、外資系企業では、ビジネスレベルの英語力が必須となります。
- 周囲に日本人がほとんどいないため、会議などのコミュニケーションは全て英語で行われます。
- 目安としては、TOEIC800点以上の英語力が求められています。
海外勤務後も、継続して英語力を磨く必要があるでしょう。
エンジニアとして海外で必要なこと
国際的な舞台で活躍するエンジニアとなるためには、以下の重要な能力が求められます。
- 実践的な開発経験が不可欠です。
- 英語力の高さが必要不可欠となります。
- 付加価値を生み出せる専門的なスキルを身につける必要があります。
- 円滑なコミュニケーション能力が欠かせません。
これらの要素を兼ね備えることで、グローバルな環境で活躍できるエンジニアになれるでしょう。
海外転職のための実務経験とアピール力
国外で働くためには、技術者としての実践経験と実績が求められます。
日本企業であれ外資系企業であれ、転職には書類審査と面接を通過しなければなりません。
企業によって選考の難易度は異なり、著名な優良企業を志望する場合は特に卓越した職務実績が必要とされます。
外国企業は日本企業と異なり、資格よりも実務経験を重視する傾向にあります。
資格以上に、これまでの実務内容と成果を的確にアピールすることが、面接で問われます。
海外就職に向けた英語力の重要性
国外で職を得るには英語力が不可欠です。
- 日本企業であれば日常会話レベル、外国資本企業であれば業務レベルの英語力が要求されます。
- 業務レベルの英語力とは、職務上で議論や文書のやり取りができることを意味します。
海外就職を目指す方は技術力の向上と並行して、英語力の研鑽にも努めましょう。
海外転職エンジニアに求められる付加価値
日本からの移住エンジニアに対して、企業は大きな期待を寄せています。
海外で働くエンジニアは、その期待に応えるために、付加価値を生み出せる能力が求められます。
- 例えば、日本人ならではの視点から企業の課題に対する解決策を提示することができれば、高い評価につながります。
単に高い技術力を持っているだけでなく、その人ならではの強みがあることが重要視されるのです。
海外で働くためのコミュニケーションスキル
国外で職務を遂行する際にも、コミュニケーション能力が不可欠となります。
顧客のニーズを正確に把握し、課題解決のための提案を行うには、適切なコミュニケーションスキルが必要不可欠です。
外国資本の企業では、日本とは異なる文化的側面が多く存在します。
- 会議の場では積極的に自身の意見を表明し、時には激しい議論を交わすことがあります。
このような海外の文化的違いがあっても対応できるだけのコミュニケーション力が求められます。
まとめ
この記事では、エンジニアの海外転職について説明しました。
海外転職に必要な能力や、具体的な転職方法などを理解していただけたと思います。
海外転職は決して簡単な道のりではありませんが、
- 収入アップが期待できる
- 労働環境が良好である
などのメリットもあります。
また、海外でエンジニアとして勤務した経験は、日本に戻った後も高く評価される貴重な経歴となります。
エンジニアとして海外生活に関心があれば、海外転職を目指すのも良い選択肢かもしれません。
この記事が皆様の助けとなれば幸いです。