社内SEの仕事や年収アップに必要なスキルを解説

企業内で活躍するシステムエンジニアの実態について、年収水準や職務内容、将来性などの詳細を掘り下げます。
IT業界の人材不足が深刻化する中、社内SEへの関心は高まっています。
しかし、具体的な仕事ぶりや収入面での見通しがつかめずにいる方も多いのではないでしょうか。
本稿では、社内SEの平均年収や最高年収、求められるスキルと有利な資格、需要動向と展望などを丁寧に解説します。
社内SEの年収実態に興味がある方、この職種を志す方、すでに従事している方など、幅広い層の方々に役立つ情報を提供します。

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社内SEの仕事内容

社内SEの仕事内容

当社の内内部システムおよびインフラストラクチャの設計、構築、運用、保守を担当するのが社内SEの役割です。
具体的には、

  • 勤怠管理や会計、在庫管理などの社内システムの実装と運用サポート
  • システムの長期的なメンテナンス、バージョンアップ、データ管理
  • 社員からの要求に応じてシステムの追加機能の設計と実装

を行います。
大企業では複数の部署から同時に開発要求が寄せられることもあり、並行して複数のシステム開発を進めることになります。

さらに、社内SEはネットワークやサーバーなどのインフラ周りの知識と経験、情報セキュリティの知見も必要とされます

  • システムの動作が重くなったり、ネットワーク機器やサーバーが故障した場合の保守対応も担当します
  • 社員からのパスワードリセットや操作方法に関する問い合わせ対応など、ヘルプデスク業務も社内SEの仕事の一部となります

この業務では、システムエンジニアリングの知識に加え、PCやソフトウェアに関する幅広い知識と良好なコミュニケーション能力が求められます。

社内SEの年収

社内SEの年収

この節では、社内システムエンジニア(SE)の収入について説明します。
社内SEとして従業員として勤務する場合と独立フリーランスとして働く場合の年収を比較し、それぞれの平均値、最高値、最低値を提示します。

フリーランスの社内SEの年収は、

  • 平均で690万円
  • 最高で1,440万円
  • 最低で240万円

となっています(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年7月時点)。
この数値は、フリーランス案件の月額単価相場(平均57.5万円、中央値58万円、最高120万円、最低20万円)を年間ベースに換算したものです。

一方、従業員の社内SEの平均年収は498万円と言われています。
これは、全従業員エンジニアの平均年収469万円を上回る水準です。
年代別の従業員エンジニアの平均年収は、

年代 平均年収
20代 373万円
30代 509万円
40代 605万円
50代以上 701万円

となっています。

以上の数値を比較すると、フリーランスの社内SEの方が従業員の社内SEよりも平均年収が192万円(約1.4倍)高いことがわかります。
社内SEとしてキャリアを歩む場合、フリーランスの方が高収入を得やすい傾向にあります。

社内SEの年収アップに必要なスキル

社内SEの年収アップに必要なスキル

この節では、社内システムエンジニアの収入向上に役立つ能力について説明します。
必須の技術力を身につけることで、高い報酬を得られる機会が増えます。
今後この職種に従事する予定の方も、収入アップのための参考情報としてご活用ください。

  • プログラミング言語の習得
  • データベース設計・構築力
  • ネットワーク知識
  • プロジェクト管理能力
言語 年収
Java 600万円
Python 550万円
C++ 580万円

ネットワークスキルが社内SEの年収アップに不可欠

年収向上を目指す社内システムエンジニアにとって、ネットワーク技術の習得が不可欠です。

  • TCP/IPの理解
  • プロバイダーの仕組み
  • ルーター
  • スイッチングハブ
  • DHCP
  • LAN/WAN
  • 無線LAN

などの知見が求められます。
加えて、基礎的なIT知識を備え、最新の動向を常に把握する姿勢が肝心です。

サーバースキルが社内SEの年収アップに必須

年収向上のためには、社内システムエンジニアにとってサーバー関連の専門知識が不可欠です。
システムの構築や運用時には、以下の能力が求められます。

  • LinuxやWindows Server、UNIXなどのサーバーOSを操作する能力

さらに、

各種サービスに関連するソフトウェア
Webサーバー
メールサーバー
ファイル共有サーバー
FTPサーバー
プロキシサーバー
DHCPサーバー
DNSサーバー
データベースサーバー

など、幅広い知見が必要とされます。

クラウド知識が社内SEの年収アップに必須

企業内のシステムエンジニアにとって収入を向上させるためには、クラウド関連の知識と技能が不可欠となっています。
近年、クラウドサービスが広く普及したことで、

  • 仮想化の概念や技術を理解し、それらを考慮したシステム設計力が求められるようになりました。
  • IaaSやPaaS、SaaSなどのクラウドサービス全般に関する知見を持つことが重要視されています。

つまり、クラウド技術に精通していることが、社内システムエンジニアの能力向上と収入アップにつながるのです。

セキュリティスキルが社内SEの年収アップに不可欠

社内システムエンジニアにとって収入を向上させるための重要なスキルは、セキュリティに関する専門知識と対策能力です。

個人情報や企業の機密データなど、外部に漏洩してはならない重要な情報がサーバーに多数存在しています。
そのため、システムの設計段階からセキュリティ対策を講じることが不可欠となります。

  • セキュリティ管理
  • ファイアウォール設定
  • セキュリティソフトウェアの活用

など、幅広いセキュリティ関連の知識とスキルを身に付けることが年収アップにつながるでしょう。

社内SEのマネジメントスキル

企業内のシステムエンジニアにとって収入を向上させるための重要な能力は、プロジェクト管理の技術です。
システムエンジニアは、社内のIT環境を整備するための開発作業に従事することがあります。
開発プロセスに外部の企業も関与する場合、プロジェクトやスケジュールの管理が求められます。
そのため、システムエンジニアにはプロジェクト管理能力が不可欠となります。
この能力は短期間で身につくものではないため、日々意識して磨いていく必要があります。

社内SEの年収アップに必要なコミュニケーションスキル

社内システムエンジニアにとって収入を向上させるための重要な能力は、円滑な対話力です。
業務には社内システムの不具合対応や他部門との連携が含まれるため、組織内外を問わず、相手の意向を汲み取り、適切に情報を伝達しながら課題解決に導くコミュニケーション力が求められます。
つまり、相手の話に耳を傾け、要望や意見を踏まえつつ、的確な対応ができる対話能力が年収アップのカギとなるのです。

社内SEの年収アップにおすすめの資格

社内SEの年収アップにおすすめの資格

この節では、企業内システムエンジニアの収入増加に役立つ資格について説明します。
社内SEとなるためには多岐にわたる能力が求められるため、関連資格の取得により、自身の専門性を裏付けることができます。

基本情報技術者試験の重要性

情報技術分野における基礎的な知識と能力を評価する試験が基本情報技術者試験です。
この資格は、システムエンジニアに限らず、IT関連の多くの職種で求められています。
企業内のシステムエンジニアとしても、この資格を持っていれば業務をスムーズに遂行できる可能性が高まります。
将来的にシステムエンジニアを目指す方や情報技術業界への就職を希望する方にとって、有益な資格と言えるでしょう。

応用情報技術者試験の概要と重要性

情報技術分野における上級レベルの資格である応用情報技術者試験は、基礎的な知識を超えた高度な専門性と実践力が求められます。
この資格を取得することで、

  • システムエンジニアとしての幅広い知見と応用能力を備えていることが証明され
  • 企業内でのシステム開発や運用管理などの役割を果たすのに適した資格となります。

ITサービスマネージャ試験の概要

ITサービスの専門家として認められる国家資格試験があります。
この試験では、

  • システムの導入
  • 維持管理
  • セキュリティ対策
  • 障害対応
  • サービス改善

に至るまで、幅広い知識が問われます。
システム開発の一連のプロセスを体系的に学べるため、企業内のシステムエンジニアにとって有益な資格と言えるでしょう。

情報セキュリティマネジメント試験の概要

情報保護に関する知識と技能を評価する試験があります。この資格は、以下のことを行い、セキュリティ水準の維持向上を目指しています。

  • サイバーセキュリティに関する情報の収集
  • 調査
  • 分析
  • 評価
  • 指導

企業内のシステムエンジニアにとって、

情報保護管理 セキュリティ技術 対策方法 関連法規

などを学ぶ機会となるため、取得をおすすめできる資格です。

シスコ技術者認定の概要と取得のメリット

ネットワーク機器大手のCisco Systemsが提供する認定資格がシスコ技術者認定です。
Ciscoの製品は世界中で幅広く利用されているため、この資格は国際的な基準となっており、ネットワーク業界では多くの取得者がいます。
Ciscoのネットワーク機器を活用している企業が多数あるため、社内のネットワーク専門家としてスキルと知識を証明するには適した資格です。
シスコ技術者認定には

  • 5つの段階があり
  • エントリーレベルを除くアソシエイト以上の資格取得が推奨されています。

フリーランス求人・案件数から見る社内SEのニーズ

フリーランス求人・案件数から見る社内SEのニーズ

この節では、フリーランス求人プラットフォームの情報を基に、社内システムエンジニアに対する需要について説明します。
フリーランス求人サイトの職種別案件数を分析すると、社内システムエンジニアの案件は530件に上ります(2021年7月時点の調査)。
同サイトで取り扱われている全案件数は198,943件であり、社内システムエンジニアの案件は全体の約0.3%を占めています。
また、前年と比較して社内システムエンジニアの案件数は増加傾向にあります。
以上の結果から、一定数の社内システムエンジニア需要があると言えるでしょう。

社内SEの将来性

社内SEの将来性

本稿では、社内システムエンジニア(SE)の将来展望について論じます。
社内SEの需要は今後も堅調に推移すると見込まれています。
この理由として、

  • ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」において、社内SEの案件数が一定数存在すること

が挙げられます。

IT市場の動向を分析すると、社内SEの需要が堅調であることが裏付けられます。

  • Canalysの報告書によれば、2019年第4四半期の企業によるクラウドインフラ支出額は前年比37%増と高水準でした。さらに2024年には支出総額が2840億ドルに達すると予測されています。
  • また、ガートナーの調査では、日本のIT支出は2019年に3.0%増と高い伸びを示し、2023年までに年平均1.9%増で29兆円に達すると見込まれています。

加えて、

  • AI、IoT、ビッグデータ等の新技術の台頭
  • IT技術の急速な進化
  • エンジニアの高齢化

等を背景に、社内SEを含むIT人材の需給ギャップが深刻化すると予想されます。2030年までに79万人のIT人材不足に陥る可能性があるとの指摘もあります。

以上の様々な分析を踏まえると、社内SEの需要は短期的にも中長期的にも堅調に推移すると考えられます。

まとめ

まとめ

この記事では、社内SEの職種に焦点を当て、その年収の詳細仕事内容必要なスキル有益な資格需要将来性について詳しく説明しました。
社内SEとして明確な目標を設定し、継続的に学習することが重要です。
そうすれば、年収アップにつながるでしょう。
高年収を望む場合は、実務経験を積んだ後にフリーランスとして独立することをお勧めします。
ただし、未経験者がフリーランスとして参入できる案件は限られています。
会社員として経験を積み、その後フリーランスを検討するのが賢明です。
社内SEとしてキャリアアップの第一歩を踏み出しましょう。
フリーランスに関心がある方は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」をご利用ください。
この記事が皆様の助けとなれば幸いです。