PHPのライブラリとは?おすすめライブラリとインストール方法を解説

Webサービス開発に適したプログラミング言語であるPHPは、構文が簡潔で理解しやすいため、初学者にとって最初に学ぶ言語として適しています。
PHPでプログラミングを行う際に役立つのが、様々な機能を集約した「ライブラリ」です。
ライブラリを活用することで、効率的な開発が可能になります。
しかし、PHPのライブラリは300種類以上存在すると言われており、「どのライブラリを選択すべきか判断に困る」という方もいるかもしれません。
そこで本記事では、

  • PHPライブラリの基礎知識
  • 推奨ライブラリ

について解説します。
この記事を読めば、PHPライブラリに関する理解が深まるでしょう。

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PHPの「ライブラリ」とは

PHPの「ライブラリ」とは

PHPにおいて、頻繁に利用される機能は「ライブラリ」としてまとめられています。
ライブラリは、プログラムの集合体であり、クラスやメソッドを呼び出すことで、様々な機能を活用できます。
複雑な処理を簡潔なコードで実現できるため、積極的に活用することが推奨されます。

例えば、

  • 「String」というライブラリでは、文字列の変換、デコード、ハッシュ化などの処理を簡単に行えます。

ライブラリがなければ、必要な機能ごとにプログラムを作成する必要があります。
適切なライブラリを利用することで、効率的にアプリケーションやWebサイトの開発が可能となります。

PHPのライブラリの種類

PHPのライブラリの種類

PHPには、主に3種類のライブラリが存在します。それぞれの性質や代表例を説明しましょう。

  • 最初に標準ライブラリがあり、PHPコアに同梱されています。
  • 次に拡張モジュールで、追加機能を提供するものです。
  • 最後に外部ライブラリで、サードパーティ製のパッケージが該当します。

PHPの標準ライブラリ(SPL)の活用

PHPには、初めから組み込まれた便利な機能群が用意されています。この機能群は「SPL(Standard PHP Library)」と呼ばれ、インストール作業なしで利用可能です。
SPLには、イテレーション処理を拡張する機能が中心的に備わっています。

  • オブジェクト内のコレクションに対するループ処理を、Iteratorインターフェイスを活用することで効率的に実装できるようになります。

加えて、

  • データ構造
  • 例外処理
  • ファイル操作

などの機能を強化するクラスや関数も提供されているため、状況に応じて活用するとよいでしょう。

PHPの拡張モジュール

PHPには、標準で組み込まれているライブラリやモジュールが多数存在しますが、それらの中には利用頻度が低いものもあります。
そういった機能は、必要に応じて個別にインストールできる拡張モジュールとして提供されています。

  • 拡張モジュールの一例が文字列操作を簡単に行えるStringライブラリです。
  • このライブラリには、複雑な文字列処理を可能にするクラスや関数が含まれています。

また、

  • ネットワーク
  • ファイル
  • データベース

などの操作を容易にする拡張モジュールも用意されているため、状況に応じてインストールすると便利でしょう。

PHPの外部ライブラリ活用

PHPには標準で備わっている機能以外にも、サードパーティー製の外部ライブラリが存在します。
PHPは優れた言語ですが、標準機能のみでは実装が困難な場合や、コードが冗長化する可能性があります。
そういった際に外部ライブラリを活用することで、コンパクトなコーディングながら高度な機能を実現できるのです。

PHPのおすすめ外部ライブラリ10選

PHPのおすすめ外部ライブラリ10選

PHPプログラミングにおいて、様々な機能を実装するための優れたライブラリが存在します。

  • HTTPリクエストの処理には「Request for PHP」
  • コードの実行には「PsySH」
  • デバッグには「PHP Debug Bar」が役立ちます。
  • ログ出力には「Monolog」
  • ダミーデータの生成には「Faker」が便利です。
  • メール送受信には「PHPMailer」
  • グラフ描画には「pChart」が適しています。
  • バリデーションチェックには「Validation」
  • 画像アップロードには「class.upload.php」
  • ユーザー管理には「Sentinel」が活用できます。

これらのライブラリを活用することで、効率的で堅牢なPHPアプリケーションを構築することができます。

HTTPリクエスト拡張ライブラリ「Requests for PHP」

PHPは、Webアプリケーション開発に広く利用されていますが、標準機能ではHTTPリクエストの処理に制限があります。
そこで、HTTPリクエストに関する機能を強化する「Requests for PHP」というライブラリが役立ちます。
このライブラリを活用すれば、

  • 基本的なHTTPメソッド(DELETE、GET、PATCH、POST、PUT)
  • ヘッダー
  • フォーム
  • ファイル
  • パラメータなど

を含むリクエストを送信できます。
さらに、リクエストに対するレスポンスも取得可能なため、HTTPリクエストの処理を効率的に行えます。

PHPコンソール実行ツール「PsySH」の紹介

PHPのコードを即座に実行できる機能を提供するライブラリが「PsySH」です。
新しく習得したPHPのクラスや関数を試す際、通常はファイルに記述してからブラウザで実行する必要があります。
しかし、PsySHを利用すれば、RubyやPython同様にコンソール上で対話的にコードを実行できます。

  • 関数の動作確認やコード断片のテストなどに活用でき、PHPの学習を助けるため、初学者にも役立つツールです。

PHPデバッグ支援ツール「PHP Debug Bar」

プログラミングにおいて、デバッグは重要な作業です。
「PHP Debug Bar」はその作業を強力にサポートするツールです。
PHPは簡潔で扱いやすい言語ですが、バグの原因を特定するのが難しい場合があります。
このライブラリを利用すれば、変数の状況をステップごとに確認できるようになります。
ブラウザの下部にデバッグ情報が表示されるため、

  • 変数
  • 配列
  • SQLクエリの詳細

を把握しやすくなります。
プログラムに問題があるときに原因を見つけやすくなるでしょう。
PHPのデバッグに課題を感じている方や、より詳細にデバッグしたい方は、「PHP Debug Bar」の活用をおすすめします。

monologによるログ出力の利点

モノログは、プログラムの実行中に様々なログを残すことができるライブラリです。
Webサービスやシステムの開発においては、エラーの解決やバグの発見が不可欠です。
変数やプロセスなどの記録を出力できれば、問題点の特定と改善に役立ちます。
詳細なログを出力すれば、バグの再現性を高め、再発防止策を立てるのに役立つでしょう。
モノログには、ログファイルへの出力機能に加えて、データベースへの書き込みやメール送信機能も備わっています。
さらに、各ログメッセージにレベルを設定することで、表示・非表示を切り替えられるため便利です。
モノログで設定可能なログレベルは、

  • DEBUG
  • INFO
  • NOTICE
  • WARNING
  • ERROR
  • CRITICAL
  • ALERT
  • EMERGENCY

です。
例えば、通常のログメッセージをINFOに、プログラム続行不可能な深刻なエラーメッセージをCRITICALに設定しておけば、デバッグ時はすべてのレベルを表示し、リリース時はCRITICAL以上のみ表示するなど、状況に応じた設定が可能です。

ダミーデータ生成ライブラリ「Faker」

ダミーデータの生成に役立つライブラリ「Faker」は、プログラミングのテスト時に必要となる架空の情報を簡単に作り出すことができます。

例えば、大量の顧客データを扱うアプリケーションをテストする際には、ランダムな顧客情報が必要不可欠です。
Fakerを利用すれば、

  • 住所
  • 氏名
  • 電話番号
  • 生年月日

などのデータを任意の数だけ無作為に生成することが可能です。

さらに、生成したダミーデータを

JSON形式や

CSV形式に変換する機能も備えているため、非常に便利です。

デフォルトではアメリカ基準のデータが生成されますが、日本向けのデータも出力可能なため、国内プロジェクトの開発にも活用できます。

リアルな架空データが必要な場合は、Fakerの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

メール送信ライブラリ「PHPMailer」の概要

PHPにおけるメール送信機能を実装する際に役立つのが「PHPMailer」というライブラリです。
ウェブサイト構築時には、以下のような機能が求められることが多々あります。

  • 資料請求からの確認メールの送信
  • お問い合わせフォームからの確認メールの送信

このPHPMailerには、そうしたメール送信に必要な基本的な機能が網羅されているため、PHPプログラマーにとって習熟しておくべきツールの一つと言えるでしょう。

グラフ描画ライブラリ「pChart」の特徴

pChartは、高品質なグラフを生成するための優れたライブラリです。PHPのグラフ作成ツールとして知られるJpGraphと比べると、pChartは洗練されたデザインと視認性の高いグラフを提供します。

さらに、pChartの公式ウェブサイトには、

  • 様々な種類のグラフを作成するためのサンプルコードが用意されており
  • 初心者でも簡単に活用できる点が魅力的です。

バリデーション処理の強力なライブラリ「Validation」

ユーザー入力値の正当性を検証する「バリデーション」機能は、PHPの標準機能として備わっていますが、細かい条件設定が難しい場合があります。
そこで、Validationライブラリを活用すると、きめ細かいバリデーション処理が可能になります。
ただし、Validationは設定項目が多岐にわたるため、初心者には扱いにくい面もあります。
公式ドキュメントを参照しながら、使い方を確認する必要があるでしょう。
PHPの経験を積んだ上で、バリデーションニーズが高まった際に、Validationライブラリの活用を検討するのがよいでしょう。

画像・ファイル操作PHPライブラリ「class.upload.php」

ファイルのアップロードや画像処理を行うための便利なPHPライブラリが存在します。
この「class.upload.php」と呼ばれるツールは、以下の機能を提供します。

  • 画像の拡張子やサイズの変更
  • 画像の変換
  • 画像の編集
  • サムネイル作成

ウェブサイトやウェブサービスでは、写真やイラストを扱う必要がしばしば生じるため、PHPの標準機能よりも優れた機能を備えたこのライブラリは、活用する価値が高いでしょう。

ユーザー管理ライブラリ「sentinel」の特徴

ユーザー管理機能を備えたWebアプリケーションを構築する際、「sentinel」というライブラリが役立ちます。
PHPベースのWebサイトやWebサービスでは、ユーザー情報の取り扱いが欠かせません。
例えば、

  • ECサイトの会員登録
  • 認証画面の実装

などがその一例です。
sentinelを活用することで、ログイン認証を含むユーザー管理システムを容易に構築できます。
従来から知られる「cartalyst/sentry」と比べ、sentinelは

  • 追加データの永続的な保存
  • 複数のログイン情報の登録

など、より便利な機能を備えています。

PHPライブラリを検索する方法

PHPライブラリを検索する方法

PHPには多種多様なライブラリが存在しています。
必要なライブラリを見つける際は、

  • 検索エンジンを活用したり
  • GitHubやQiitaなどの開発者コミュニティで探すこと

をおすすめします。
適切なライブラリを見つけることで、効率的な開発が可能になるでしょう。

PHPライブラリの探し方と活用

PHPのライブラリを探す際は、Googleや Yahoo!などの検索エンジンを活用するのが手っ取り早い方法です。
例えば、デバッグ機能を備えたライブラリが必要な場合は、「PHP ライブラリ デバッグ」と検索すれば、関連するライブラリの情報が表示されます。
他の機能についても、「PHP ライブラリ」に続けて機能名を入力することで、目的のライブラリを見つけることができるでしょう。
ライブラリの使用方法については、提供元の公式サイトにサンプルコードやドキュメントが掲載されていることが一般的です。
必要なクラスやメソッドを確認すれば、求める機能を実装することが可能となります。

GitHubでのPHPライブラリ検索

プログラミングライブラリの探索には、開発者コミュニティが活発に活動するGitHubが有効活用できます。
GitHubはソフトウェア開発者が自身のコードを公開し、共有するためのプラットフォームとして広く利用されています。
多くの優れたPHPライブラリがこのGitHubに公開されているため、適切なキーワードを用いて検索を行えば、高機能なライブラリを発見することができるでしょう。

PHPライブラリ検索におけるQiitaの有用性

PHPライブラリを探す際、「Qiita」は有力な選択肢となります。
Qiitaはプログラミングに関する情報や知識を記録・共有できるプラットフォームです。

  • 無料で利用可能であり、検索エンジンでの上位表示が容易なため、高度な情報が多数掲載されています。

そのため、Qiitaで適切なキーワードを使えば、優れた機能を持つPHPライブラリを見つけることができるでしょう。

PHPライブラリをインストールする方法

PHPライブラリをインストールする方法

PHPの外部ライブラリを利用するには、公式ウェブサイトからアーカイブファイルを入手し、それを展開する作業が求められます。
ライブラリの導入手順に従って適切に設置することが重要です。

  • 公式ウェブサイトからアーカイブファイルを入手する
  • アーカイブファイルを展開する
  • ライブラリの導入手順に従って適切に設置する

PHPライブラリ管理ツール「Composer」

ライブラリの導入には手間がかかることがデメリットとなります。
そのため、PHPではパッケージ管理ツールの「Composer」が広く活用されています。
Composerは、

  • 必要なライブラリをコマンド実行で自動的にインストールできる機能を備えています。

Composerを使ったPHPライブラリのインストール方法

PHPライブラリの導入には、Composerというツールを活用することができます。
まずは公式サイトからComposerをダウンロードし、システムにインストールを行います。
次に、「composer.json」と呼ばれる設定ファイルを作成します。
この中に、必要なライブラリの情報を記述していきます。
最後に「composer install」コマンドを実行すれば、指定されたライブラリがインストールされます。
このように、Composerを使えば、PHPライブラリの管理が容易になります。
composer.jsonファイルは、Composerが利用するための設定ファイルで、

  • 導入したいライブラリの情報を記載する役割があります。

まとめ

まとめ

PHPのライブラリを活用することで、複雑な処理を簡潔なコードで実装できるようになります。
今回紹介したライブラリは、用途に応じて便利に使えるものばかりです。
必要な機能を一から作成する必要がなく、スピーディーに実装が可能です。
Webサイトやシステム開発時には、

  • 豊富なライブラリから最適なものを選び、効率的に作業を進めましょう。

ライブラリの活用により、高度な機能を手軽に実装でき、開発の生産性が大幅に向上します。
本記事が皆様の開発の一助となれば幸いです。