転職すべきなのか?コロナがもたらした転職市場の変化と今後の転職市場とは?

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、就職の動向は大きな変化を遂げました。
「転職を検討していたが、現状で本当に就職活動を進めるべきか疑問に思う」という人も多いでしょう。
本稿では、パンデミック下における転職の是非を主題に、

  • 就職環境の変化
  • コロナ禍での転職準備のポイント
  • 就職市場や企業の将来展望

について論じていきます。

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新型コロナによる転職市場の変化

新型コロナによる転職市場の変化

新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の採用活動は大きな変化を余儀なくされています。
企業業績の悪化や経済の不安定さから、将来の見通しが立てづらい状況にあります。一部の業界では2021年以降に深刻な影響が出る可能性もあります。

転職サービス会社の調査によると、6割から7割の企業が中途採用に影響があったと回答しており、採用を減らした企業が多数を占めました。
実際、厚生労働省の求人データでも、有効求人倍率と新規求人はともに減少傾向にあります。
ただし、2020年11月から2021年11月にかけては、ゆるやかな増加が見られます。

一方で、dodaの調査では、2020年1月を境に有効求人倍率は減少を続けていましたが、2020年7月から回復の兆しが見え始めました。
ITエンジニアの有効求人倍率は高水準を維持していることも分かりました。

興味深いことに、求人が減少する中で転職希望者数は過去最高値となっています。
その要因としては、

  • テレワークの増加による地元志向の高まり
  • 家族や人生について考える機会の増加
  • 企業対応への不安
  • 副業やリモートワークを通じた独立志向の高まり

などが挙げられます。

オンライン面接の普及と採用プロセスの変化

コロナ禍において、企業の採用プロセスは大きな変化を遂げました。

  • オンライン面接の導入が顕著な変化の一つとして挙げられます。ビズリーチの調査では、44.2%の企業が採用プロセスのオンライン化を進めていると回答しています。
  • また、採用手法や基準の見直し、採用数の調整などの対応も行われています。
  • ワース社の調査でも63.4%がオンライン面接を実施または予定していると報告されています。
  • ディップ社の調査結果からも、オンライン面接導入を検討する企業が増加傾向にあることがうかがえます。
  • 採用基準の見直しなど、より根本的な対応も見られるようです。

Indeed Japanの調査では、就職・転職活動の過程でオンライン面接を経験した人が50.5%に上ります。

  • 社員職希望者では55.6%、最終面接でのオンライン実施割合は39.1%となっています。

このように、コロナ禍は企業の採用プロセスに大きな影響を及ぼしています。

新型コロナ禍における企業の採用動向

新型コロナウイルスの影響により、多くの企業が人員不足に直面しながらも、採用計画の見直しを余儀なくされています。

  • 航空業界などの深刻な影響を受けた分野では、2021年度の新卒採用を見送ったり、主要企業の高卒内定者数が大幅に減少するなどの事態が生じています。
  • 一方、IT業界を含む他の業種では、例年並みか若干控えめな採用活動が行われています。

このように、将来の見通しが不透明な状況下で、企業は採用に対して慎重な姿勢を示しているものと考えられます。
しかし、リクルートキャリアの調査によれば、

  • 緊急事態宣言下でも中途採用を継続する企業が6割を超え
  • 解除後もWeb面接を実施する企業が9割近くに上る

など、採用活動を完全に停止する企業はごく一部にとどまっています。

業界 採用活動の状況
航空業界など深刻な影響を受けた分野 新卒採用の見送り、高卒内定者数の大幅減少
IT業界を含む他の業種 例年並みか若干控えめな採用活動

即戦力重視の採用動向

コロナ禍における企業の採用動向に変化が見られます。
即戦力となる人材を重視する傾向が強まっているようです。
新卒や既卒者のポテンシャル重視ではなく、すぐに活躍できる高スキルな人材を求める企業が増加しています。

  • 人材育成の余裕がなかったり
  • 業績への即時貢献を期待しているためと考えられます

転職支援会社の調査では、未経験者向け求人が大幅に減少し、第二新卒者の転職活動が滞っている実態が明らかになりました。
10月時点でも求人数は回復基調にあるものの、離職者の多くが転職に苦労していることが分かっています。
若年層の就職環境は依然として厳しい状況が続いているようです。

今だからこそ出来る転職の準備とは?

今だからこそ出来る転職の準備とは?

現在、新型コロナウイルス感染症の広がりが深刻な状況にあるため、この機会に転職の準備を進めることをお勧めします。

転職活動に関する分析と提案を以下に示します。

転職面接で即戦力をアピールする方法

企業が採用に慎重になっている現状では、転職活動の事前準備が極めて重要です。面接官に対し、

  • 即戦力であることや成長可能性を示す必要があります。
  • 自己分析を通じて、即戦力性や向上心の根拠となる部分を明らかにしましょう。

また、オンライン面接が増えているため、独自の注意点にも気をつける必要があります。

  • カメラに目線を合わせ、周囲の音声が入らない場所を選び、上半身が映るようにします。
  • 音声機器や通信環境、Web会議ツールを整備し、相槌やリアクションを活用して円滑なコミュニケーションを心がけましょう。
  • 通信トラブルがあっても落ち着いて対処することが重要です。

採用幅が狭まっているからこそ、入念な転職準備が求められます。

コロナ禍の転職活動における情報収集の重要性

2022年以降の転職活動では、市場や企業に関する最新情報の把握が不可欠となります。
コロナ禍の影響で、以下のような点で企業の対応は多岐にわたります。

  • テレワーク導入状況
  • 業績変動
  • 採用活動の変化
  • 新商品・サービスの展開

転職市場や企業の動向が目まぐるしく変化する中、常に最新情報を収集し、自身の転職理由を見つめ直すことが重要になるでしょう。
もちろん、従来からの情報収集項目である以下のチェックも欠かせません。

項目
業務内容
離職率
評判・口コミ

IT市場は人材不足継続中

IT市場は人材不足継続中

現在の状況下においても、IT業界における人材確保の課題は継続しているようです。
様々な角度から、ITセクターの規模や人的資源に関する分析を行います。

  • ITセクターの規模
  • 人的資源

IT人材不足

コロナ禍においても、IT・通信業界の人材需要は旺盛な状況が続いています。
2021年の平均有効求人倍率は6倍を超え、他業界と比べて突出して高い水準にあります。
2020年1月には9倍近くに達するなど、人材確保が極めて困難な状況でした。
政府の試算では、2030年までにIT人材が最大79万人不足すると予測されており、企業からも量的・質的な人材不足が指摘されています。
新型コロナウイルス感染症の影響下においても、IT分野での人材確保は課題となっています。

ITエンジニア需要の高まり

コロナ禍においても、一部のIT企業は業績が向上している様子です。

  • 日本コンピュータシステム販売協会の調査では、7月時点でコロナの影響がプラスと回答した企業が増加しました。
  • また、矢野研究所の推計によると、2020年度の国内IT市場規模は前年を上回りました。
  • 2022年度以降は徐々に回復すると予想されています。

現在も5G、AI、IoTの普及やセキュリティ対策が進んでおり、関連する人材需要は高まるでしょう。

ITエンジニア転職市場の現状と課題

IT業界の雇用環境は楽観視できない状況にあります。
IT業界は他の産業界の影響を受けやすく、他業界の市場が縮小すれば、ITの需要も減少する可能性があります。
例えば、コスト削減のためITシステム投資を見送る企業もあるでしょう。
一方でテレワーク需要はあるものの、顧客企業が倒産すれば、ITベンダーにも影響が及びます。
また、レバテックキャリアの調査では、

  • テレワークによるコミュニケーション不足から20代の転職希望者が増加している

との結果が出ています。
つまり、IT業界でも転職市場の競争が激化すると予想されます。
今後は自身の市場価値を高めるスキルや経験の習得が不可欠となるでしょう。

新型コロナによって今後転職市場や企業(会社)はどのように変化する?(2024年6月)

新型コロナによって今後転職市場や企業(会社)はどのように変化する?(2024年6月)

現時点では、転職市場や企業の変化を正確に予測することは難しい状況です。しかし、求人数の急回復や特定業界の需要増加など、楽観的な見方には注意が必要です。

人材ニーズ、雇用方法、オンライン活用による新しい働き方の3つの観点から、2022年以降の転職動向や労働環境の変化を分析していきます。

  • 人材ニーズ
  • 雇用方法
  • オンライン活用による新しい働き方

人材ニーズの変化と新たなITリテラシー

今後の経済情勢は不確実であり、必要とされる人材ニーズが急速に変化する可能性が高まっています。
例えば、非対面型社会の浸透により、

  • IT化や生産ラインの自動化が進めば、求められる人材像や質が変わるかもしれません。
  • 自動化による人員削減の一方で、自動機器の導入やメンテナンスができる人材への需要が高まる可能性があります。

これまでITや通信機器を扱うことのなかった職種や企業、従業員個人においても、徐々にITリテラシーの向上が求められるでしょう。

働き方の変化 ~メンバーシップ型からジョブ型へ

就労形態が変化しつつある現代において、従来の新卒一括採用方式から、業務内容や勤務地を限定した採用へと移行する動きが加速しています。

前者は、ポテンシャルや人柄を評価し、ジョブローテーションなどを通じてゼネラリストを育成する「メンバーシップ型」と呼ばれる雇用形態です。
一方、後者は特定の業務やスペシャリストとしての育成を前提とした「ジョブ型」と称されます。

大手企業が次々とジョブ型採用を表明する背景には、以下の点が挙げられます。

  • テレワーク環境下での評価・管理の容易さ
  • 国際競争力や技術力向上の必要性
  • 同一労働同一賃金の施行による従来型の評価困難さ

ジョブ型では個人の実力と待遇が連動するため、従業員のモチベーション向上が期待できる一方で、能力不足による低待遇や解雇リスクの増大が懸念されます。

今後は企業や他者に依存するのではなく、自らの向上心と積極性次第でキャリアが変わっていく時代を迎えるでしょう。

新時代の働き方とリクルーティング

企業の労働環境や採用プロセスは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、従来の形態から大きく変化する可能性が高まっています。

  • テレワークやオンライン面接の利点が認識されたことから、効率性や収益性の観点から、すべての業務を対面式に戻すことは難しくなっています。
  • しかし、一方でオンライン化が進むにつれ、オフィスでの勤務や対面での面接の重要性も再認識されています。

このため、企業と求職者の双方において、オンラインとオフラインのメリット・デメリットを考慮したハイブリッド形式が採用されるなど、新しい常態に適応する動きが見られるでしょう。

転職すべきか?

転職すべきか?

就職の機会は存在しますが、以前よりも慎重に検討する必要があります。
コロナ禍で就職活動が困難になっているため、入社後の環境が合わなければ退職しづらくなる可能性があるからです。

  • 求人が減少するため積極的に活動すべきという意見もありますが、一概に正解とは言えません。
  • 特殊な状況下では、現状と就職後の自身を分析し、判断を下すことが求められます。
  • 無理な活動は控え、副業やスキル習得など、将来の就職に備えることも選択肢です。

一方で、即戦力や高い能力を持つ人にとっては好機ともいえます。
求人企業は即戦力を求めており、優良企業に採用される可能性があるためです。
ただし、退職後に活動を進めるのは避けるべきです。
緊急事態を除き、この厳しい状況下で無理に退職するのは賢明ではありません。
「今、就職すべきか」よりも「今、自分にできること」「今、就職に必要なこと」を探ることが重要になるでしょう。

まとめ

まとめ

現在の新型コロナウイルス感染症の拡大により、転職活動には慎重な検討が求められています。

  • 採用枠の縮小や業界の不透明さが増しているためです。
  • 特に即戦力が重視される転職市場では、経験やスキルが不足している人にとって厳しい状況と言えるでしょう。

しかし、採用活動が完全に停止しているわけではありません。

  • IT業界では求人が比較的活発であり、コロナ禍においても採用を継続している企業が存在します。
  • ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用すれば、即戦力としての強みをアピールできれば有利に進められます。

現在の自身の価値や状況を踏まえ、「本当に今が転職のタイミングなのか」を熟考する必要があります。