ネットワークエンジニアという職種は、IT業界における人手不足の中で注目を集めています。
この職種の年収水準や仕事内容、必要なスキルや資格、将来性などについて詳しく説明します。
IT業界への転職を検討している方や、ネットワークエンジニアとしてのキャリアに関心がある方は、この記事を参考にしてください。
- ネットワークエンジニアの平均年収や最高年収、年収アップに役立つ情報を網羅しています。
- また、フリーランスの求人・案件数からニーズの高さも確認できます。
ネットワークエンジニアの仕事内容や将来性についても解説しているので、この職種への理解を深めることができるでしょう。
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ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの職務は、ネットワークの設計、構築、監視、運用を担当することです。
プロジェクトやネットワークの規模によっては、これらの業務を一人で行うこともあります。
主な作業は、プログラミングよりも、ルーターやLANケーブルなどの機器の取り扱いが中心となります。
具体的な業務内容としては、まずクライアントの要求をヒアリングし、要件を定義した上で設計を行います。
- ネットワーク構成、使用機器、回線選定、コスト見積もり、スケジューリングなどを要件定義書にまとめます。
- 無線技術、VPN、SDNなどの知識も必要とされます。
次に、設計書に基づきネットワーク機器の設置と設定を行い、構築作業を進めます。
大規模なネットワークでは数ヶ月を要する場合もあります。
近年は通信の暗号化や認証の要求も高まっています。
構築後は、運用フェーズに入ります。
ネットワークは常時稼働が求められるため、機器の設定変更や構成変更などの保守作業が必要になります。
さらに、障害発生時には原因の特定と復旧作業を迅速に行う必要があり、クライアントへの状況報告も重要な役割となります。
ネットワークエンジニアの年収
この節では、ネットワークエンジニアの収入状況について説明します。
フリーランスとして働く場合と企業に雇用される場合の年収を比較し、それぞれの特徴を明らかにします。
フリーランスのネットワークエンジニアの平均年収は715万円、最高年収は2,040万円、最低年収は240万円となっています(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年5月時点)。
この数値は、月額単価の平均59.6万円、中央値60万円、最高170万円、最低20万円を年換算したものです。
一方、企業に雇用されたネットワークエンジニアの平均年収は469万円です(転職会議発表)。
年齢別に見ると、
- 20代が375万円
- 30代が526万円
- 40代以上が596万円
となっています。
以上の数値から、フリーランスのネットワークエンジニアの方が企業に雇用された場合よりも241万円(約1.4倍)高収入を得られることがわかります。
ただし、フリーランスには不安定な収入リスクがあることも留意が必要です。
ネットワークエンジニアとして活躍するなら、高年収が期待できるフリーランスの道が有利といえるでしょう。
ネットワークエンジニアの年収アップに必要なスキル
この節では、ネットワーク技術者の収入向上に役立つ能力について説明します。
ネットワーク分野で求められる専門知識とスキルを身につけることで、高い報酬を得られる機会が広がります。
これからネットワーク業界に携わる方も、収入アップのための参考情報としてご活用ください。
ネットワークエンジニアの年収アップに必要なスキル
ネットワーク分野の専門家にとって収入を向上させるためには、ネットワークに関する高度な技術力が不可欠です。
- ルーター、LANケーブルなどのネットワーク機器や、ドメイン、DNSサーバーについての深い知見が求められます。
- さらに、サーバーやデータベースの知識も必要とされる場合があります。
ただし、ネットワークの専門知識だけでなく、IT全般に関する基礎的な知識と、最新の動向を常に把握する姿勢も重要な要素となります。
論理的思考力がネットワークエンジニアの年収アップに必須
ネットワーク分野で活躍するプロフェッショナルにとって、合理的な思考プロセスを持つことが収入向上の鍵となります。
システムの構築や運用において、様々な課題に直面することは避けられません。
そのため、相手の立場を理解しながら、双方の認識を一致させる論理展開が求められます。
- 相手が抱える問題点
- 判断基準
- 提案によるメリット
- 潜在的リスクへの対処
など、相互理解を深めるポイントが重要です。
このような場面で、論理的な思考力が不可欠な能力として浮かび上がってきます。
ネットワークエンジニアの年収アップに必要なスキル
ネットワーク分野で活躍する技術者にとって、収入を向上させるための重要な能力は、プロジェクト運営力です。
ネットワークシステムの構築では、
- ベンダー選定
- 要件策定
- 設計
- 実装
- 運用
- メンテナンス
までの一連のプロセスを担います。
そのため、担当範囲に関わらず、プロジェクト全体を広く見渡し、開発に取り組むことが求められます。
クラウド対応スキルの重要性
ネットワーク分野の専門家にとって収入を向上させるための重要な能力は、クラウドに関する知見です。
近年、クラウドサービスが広く普及したことで、
- ネットワークの仮想化に関する理解
- 仮想化技術を考慮したネットワーク設計力
- IaaS、PaaS、SaaSなどのクラウドサービス全般の知識
が求められるようになってきました。
そのため、クラウド対応の技術力を身に付けることが、より高い収入を得るための有利な条件となるでしょう。
ネットワークエンジニアのコミュニケーション力
ネットワーク分野で活躍するエンジニアにとって、収入を向上させるための重要な能力は、円滑なコミュニケーション力です。
顧客の要望を正しく理解し、作業の進捗状況を適切に報告したり、営業交渉を行ったりするためには、確かなコミュニケーション能力が求められます。
さらに、IT業界やネットワーク技術は日々進化を遂げているため、最新の動向を把握するには、情報を入手できる人的ネットワークを構築することが不可欠です。
そのためにも、コミュニケーション力の向上が欠かせません。
ネットワークエンジニアの年収アップにおすすめの資格
この節では、ネットワーク技術者の収入向上に役立つ資格について説明します。
ネットワーク分野では多岐にわたる知識と技能が求められるため、関連資格の取得により、自身の専門性を客観的に示すことができます。
ネットワークスペシャリスト試験の難易度と重要性
ネットワーク分野における高度な専門知識を評価する試験として、ネットワークスペシャリスト試験が存在する。
この資格は、ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアの間で非常に難しいと認識されている。
スペシャリストという名称が示すように、ネットワークに関する高度な知識が問われる。
- 要件定義から設計、構築、品質管理、運用、保守、セキュリティまで、幅広い範囲にわたる知識を身につけることができるため、ネットワークエンジニアにとって有益な資格である。
情報セキュリティマネジメント試験の概要
サイバーセキュリティの維持・向上を目指す資格試験です。
ネットワーク技術者にとっては、
- セキュリティ管理
- 技術
- 対策方法
- 関連法規
などを習得できる有益な資格となります。
情報セキュリティに関する
- 知識の提供
- 調査
- 分析
- 評価
- 指導
などが行われ、サイバーセキュリティ分野の理解を深めることができます。
シスコ技術者認定の概要
ネットワーク機器大手のシスコシステムズが提供する認定資格は、同社製品に関する専門知識を証明するものです。
シスコ製品は世界中で幅広く活用されているため、この資格は国際的な基準となっており、ネットワーク業界で多くの取得者がいます。
シスコ機器を利用する企業が多数あるため、この資格を持つことでネットワークエンジニアとしての需要が高まる可能性があり、取得をお勧めします。
認定レベルは5段階あり、
- アソシエイト以上のレベルを目指すことが賢明でしょう。
ネットワークエンジニアのための応用情報技術者試験
この試験は、基本レベルの資格よりも高度な専門知識と実践力が求められます。
合格者は、ネットワーク技術の幅広い理解と応用能力を有することを示すことができます。
この資格の取得により、上位スキルと管理能力を兼ね備えたネットワーク専門家であることが証明されるため、キャリアアップを目指す方に適した資格といえます。
ネットワークエンジニアのニーズ (2024年6月)
この節では、ネットワークエンジニアに対する需要について、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の求人・案件数から説明します。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が公開している職種別の求人・案件数を分析すると、
- ネットワークエンジニアの案件は2,500件となっています(2021年5月時点の同社調べ)
同時期にITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が取り扱う全求人・案件数は約18万9,000件であり、ネットワークエンジニアの案件がその約1.3%を占めていることが分かります。
一定数のネットワークエンジニア向け案件が存在することから、IT業界においてこの職種に対するニーズがあると言えるでしょう。
ネットワークエンジニアの将来性
この節では、ネットワークエンジニアの将来展望について検討します。
短期的な視点から見ると、ネットワークエンジニアの需要が減少する可能性は低いと考えられます。
- フリーランス求人サイトでも、ネットワークエンジニアの案件が一定数存在しており、需要があることがわかります。
- IDC Japanの調査によると、2019年の国内企業向けネットワーク機器市場は前年比3.5%の成長を達成しており、無線LANなどの分野でも今後成長が見込まれています。
- 国内ITサービス市場全体も堅調な成長が予測されています。
- AI、IoT、5Gなどの技術進歩により、ITエンジニア不足が深刻化する可能性があり、ネットワークエンジニアの需要も高まると考えられます。
一方で、中長期的な視点から見ると、クラウドの普及によりインフラ需要が減少する可能性があります。また、インフラ全般のスキルを持つエンジニアが増加していることから、ネットワークエンジニアの需要が減少する可能性もあります。そのため、ネットワークエンジニアとしては、クラウドを含むインフラ全般のスキルを身に付けておくことが重要です。
まとめ
この職種では、ネットワークエンジニアについて詳しく説明しました。
具体的には、以下の点を解説しました。
- 平均年収や最高年収
- 業務内容
- スキルアップに必要な資格
- 需要の高さ
- 将来性
ネットワークエンジニアとして活躍するには、明確な目標を設定し、常に学習を続けることが重要です。
そうすれば、自然と年収もアップするでしょう。
高年収を望むなら、会社員として実務経験を積んだ後、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用するのがおすすめです。
ネットワークエンジニアとしてのキャリアを歩み始めましょう。