クローリングとスクレイピングの違いを分かりやすく解説!注意点も紹介

ウェブ上の情報を収集する際、「クローリング」と「スクレイピング」という用語に出くわすことがあるでしょう。
これらはデータ収集を効率化する手法ですが、実施する上で違いや留意点を理解しておくことが重要です。
本稿では、以下について解説します。

  • 両者の概要と相違点
  • 活用できるプログラミング言語
  • 実施時の注意事項

特に、以下の方はぜひお読みください。

  • クローリングとスクレイピングの違いを知りたいビジネスパーソンやエンジニア
  • それぞれの概要を把握したい方
  • 使用可能なプログラミング言語を知りたい方
  • 法的な留意点を確認したい方

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クローリングとは

クローリングとは

Webを移動しながら情報を収集・保存するプロセスを指します。
この行為の名称は、泳ぎ方の一種である「這う」という意味の"crawl"に由来しています。
このようなプログラムは"bot"や"クローラー"と呼ばれることが多くあります。
目的は状況によって異なりますが、主に情報収集のためです。

  • 新規サイトの発見など、Webサイトを巡回して確認する際に利用されるケースがあげられます。

スクレイピングとは

スクレイピングとは

Webサイトから必要な情報のみを収集する行為を指す言葉がスクレイピングです。この用語は、英語の「scrape」という単語に由来しており、不要な部分を削り取る意味が含まれています。
具体的には、HTMLコードから見出しやタイトルなどの重要な要素を抽出することを指します。
Webページの情報を収集する際にこの手法を用いることから、Webスクレイピングと呼ばれることもあります。

クローリングとスクレイピングの違い

クローリングとスクレイピングの違い

Webサイトから必要なデータを取得する際、クローリングとスクレイピングという2つの手法があります。
クローリングは、ウェブページを巡回し、情報を収集する工程に重点を置いています。
一方、スクレイピングは、収集した情報から必要なデータを抽出し、加工することに焦点が当てられています。
つまり、

  • クローリングが情報収集の前段階であるのに対し
  • スクレイピングは収集したデータから目的の情報を取り出す作業を指します

ただし、両者の定義は明確に区別されているわけではなく、情報収集全体をスクレイピングと呼ぶケースもあることに留意が必要です。

クローリングとスクレイピングで活用するプログラミング言語

クローリングとスクレイピングで活用するプログラミング言語

この節では、ウェブデータの収集と加工に役立つ主要なプログラミング言語を4つ取り上げます。

  • Python
  • R
  • JavaScript
  • Ruby

言語 特徴
Python データ解析に適した汎用言語。ウェブスクレイピングに便利なBeautifulSoupなどのライブラリがある。
R 統計解析に特化した言語。データの可視化に優れている。
JavaScript ウェブブラウザ上で動作する言語。ウェブページの解析に適している。
Ruby 人間にとって分かりやすい文法を持つ言語。スクレイピングツールRubyGemが充実している。

Pythonによるクローリング・スクレイピング

Pythonは、ウェブデータの収集において広く活用されている言語です。
クローリングには、

  • Scrapy
  • MechanicalSoup

など、多様なフレームワークやライブラリが用意されています。
スクレイピングにも数多くのライブラリが存在し、最新の情報も豊富なため、Pythonの利用価値は高いと言えるでしょう。

  • Requests
  • BeautifulSoup

などのライブラリを使えば、効率的にスクレイピングが行えます。

Rubyのクローリング・スクレイピング活用

Webデータの収集に適したプログラミング言語の1つとして、Rubyが挙げられます。
この言語は、

  • ウェブクローリングに特化したAnemoneやNokogiriなどの優れたライブラリを備えており、実際に活用されています。

また、スクレイピングにおいても

  • 軽量で扱いやすいライブラリが多数存在し、特にNokogiriはPythonよりも使い勝手が良いと評価されています。

Rubyは、ウェブデータ収集の分野で幅広く活用されている言語の1つです。

PHPによるクローリングとスクレイピング

PHPは、ウェブクローリングとデータ収集の両方に適した言語の1つと言えます。
しかし、その文法は柔軟性が高く、これらの作業に特化しているわけではありません。
そのため、

  • 他の言語で基礎を習得した後に、
  • PHPを学ぶこと

をお勧めします。

Node.jsによるスクレイピング

JavaScriptは主にウェブブラウザ上で動作するプログラミング言語ですが、Node.jsという実行環境を利用することで、サーバーサイドでの処理も可能になります。
この場合、

  • ウェブサイトのデータ収集
  • クロール

といった作業を行うことができます。
Node-crawlerなどのNode.js向けのクローラーライブラリが広く使われています。
また、スクレイピングに特化したライブラリも多数存在します。
ただし、Node.jsはまだ比較的新しい技術であり、他の言語に比べて習得が難しい面もあります。

クローリング・スクレイピングで法的に許可されているもの

クローリング・スクレイピングで法的に許可されているもの

この節では、クローリングやスクレイピングを実施する際の法的な制約について説明します。法令を逸脱した行為は、最悪の事態として処罰の対象となる可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。

データ利用の範囲と著作権法

ウェブから収集したデータは、個人的な用途や家族内での利用に限定されています。この範囲は「私的利用」と呼ばれ、データの複製や加工も認められています。
しかし、業務目的や外部への公開は著作権法に抵触する可能性があるため注意が必要です。
外部公開を希望する場合は、引用などの方法で著作権法を遵守する必要があります。

データ収集と情報解析の適切な方法

データの収集や情報の分析を目的としたクロールやスクレイピングは、法的に許可されています。情報分析とは、さまざまなデータから情報を抽出し、統計的な解析を行うことを指します。
ただし、収集・解析したデータを配布することは控えましょう。

Webクローリングの法的許容範囲

ウェブ検索サービスを提供する際、一定の範囲内でクローリングやスクレイピングが認められています。
政令で定められた条件を満たす事業者は、著作物の複製、翻案、自動公衆送信を行うことができます。
「公衆」とは、不特定多数や少数だけでなく、特定された多数の人々も含まれます。
例えば、マンション住民に限定して配信することも公衆送信に該当します。

クローリング・スクレイピングで法的に禁止されているもの

クローリング・スクレイピングで法的に禁止されているもの

この節では、クローリングやスクレイピングにおいて法的に許可されていない行為について説明します。
意図が善意であっても、違法行為に該当すれば処罰の対象となる可能性があるため、十分な注意が必要不可欠です。

クローリング・スクレイピングの注意点

ウェブサイトからデータを収集する際、対象サーバーに過度な負荷をかけてはいけません。
サーバーに障害が発生した場合、所有者から法的措置を受ける可能性があります。
実際に、過剰なアクセスを行ったとして、利用者が逮捕された事例もあります。
最終的には起訴猶予となりましたが、サーバーへの影響を認識することが重要です。
データ収集には細心の注意を払う必要があります。

個人情報保護とクローリング・スクレイピング

ウェブデータの収集と活用においては、個人を特定できる情報を本人の承諾なしに取り扱うことが禁止されています。個人情報保護法の規定により、個人情報を取得する際には、その目的を事前に本人に開示しなければなりません。
しかし、実務上は個別に目的を明示することが難しい場合もあり、そのような場合は

  • プライバシーポリシーなどで目的を事前に公表する

などの対策が求められます。

クローリング・スクレイピングと著作権

クリエイティブな作品を生み出した人々の権利を侵害することなく、ウェブデータの収集と保存を行う必要があります。
オリジナルの知的所有物に対する許可を得ずに、そのコンテンツを利用したり複製したりすることは避けるべきです。
したがって、ウェブクローリングやスクレイピングによってデータを取得する際は、著作権者の承諾を事前に得ることが不可欠となります。
そうしないと、法的リスクにさらされる可能性があります。

不正クローリング・スクレイピングの注意点

特定のウェブサイトにおいて、クロールやスクレイピングなどのデータ収集行為が禁止されている場合、それらの規定に違反すると法的責任を問われる可能性があります。
会員登録が必要なサイトでは、より慎重な対応が求められます。
サイトの利用規約を確認し、データ収集に関する制限事項を把握することが重要です。

まとめ

まとめ

Webサイトを巡回し、情報を収集・保存するクローリングと、必要なデータのみを抽出するスクレイピングは、情報収集という点で共通していますが、スクレイピングでは情報の加工も行われる点が異なります。

クローリングやスクレイピングを実施する際は、法的問題を事前に確認し、十分な知識を持つ必要があります。

情報収集作業を適切に行い、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用して活躍するためにも、関連法規を理解しておくことが重要です。