フレキシブルな働き方が求められる中、自由な職業としてフリーランスが注目を集めています。
- 経験がなくても仕事を請け負えるため、初心者でも取り組みやすい職種が多数存在します。
- 同一クライアントから継続的に案件を受注できるケースも珍しくなく、一般的な認識よりも安定した収入源を得られる可能性があります。
本稿では、フリーランスの種類や仕事の獲得方法について詳しく解説するとともに、個人事業主との違いや独立時の留意点についても触れます。
特に、フリーランスとして新たにキャリアを歩みたい方、既にスキルを有しており独立を検討している方、新卒でフリーランスを志す学生の方には、ぜひ一読いただきたい内容となっています。
フリーランスの職種10選
フリーランスとして収入を得られる職種は多岐にわたります。ここでは、代表的な3つの職種について説明します。
- エンジニア
- デザイナー
- ライター
の職種です。
エンジニアの場合、未経験者はプログラミングスクールで学んだ後、企業に就職し実務経験を積んでから独立するケースが多くみられます。フリーランスとして活躍するためには、一定の実務経験が求められます。エンジニアの業務委託案件では、使用言語に加え3年以上の開発経験が必須とされることが多いのが実情です。
エンジニアの仕事は常駐型が主流で、在宅勤務の案件は少ない傾向にあります。まずは企業に勤めてスキルを磨くことが賢明でしょう。
プログラマーの年収と学習の重要性
プログラミング言語を駆使してウェブサイトやアプリケーションを構築することがプログラマーの職務です。
Java、PHP、JavaScript、Ruby、Python、Swift、Kotlinなどの言語によって、収入や需要は異なります。
そのため、将来的に有利な言語を見極め、継続して学習を重ねることが賢明です。
2021年6月の時点で、月額報酬は30万円から100万円、年収換算では360万円から1,200万円となっています。
この情報はITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を参照しています。
システムエンジニア(SE)の仕事と報酬
システム開発における重要な役割を担うのがシステムエンジニア(SE)です。要件定義や設計書の作成、プログラミングやテストなど、様々な業務を行います。
- Java
- PHP
- JavaScript
- Ruby
- Python
- Swift
- Kotlin
などのプログラミング言語の知識に加え、上流工程を行う際の指示力やコミュニケーション能力も求められます。
2021年6月時点での月額報酬は45万円から200万円、年収換算では540万円から2,400万円となっています。
フロントエンドエンジニアの仕事と報酬
ウェブサイトの見た目や操作性を担当するのがフロントエンドエンジニアの役割です。
HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を駆使し、ユーザーインターフェースを構築します。
2021年6月の時点で、月額報酬は
50万円 | から | 160万円 |
年収換算では
600万円 | から | 1,920万円 |
が相場となっています。
インフラエンジニアの仕事と報酬
アプリケーションの稼働に必要なサーバー、ネットワーク環境の設計・構築、セキュリティ対策、運用・保守業務を担当します。
Windows、Linux、Unixなどの主要サーバーOS、セキュリティ、クラウドサーバーに関する知識と、インフラ設計スキルが求められます。
2021年6月時点での月額報酬は50万円から200万円、年収換算で600万円から2,400万円となっています。
デザイナー職では、会社員としての実務経験を積んだ上でフリーランスへ転身するのが一般的です。
- 案件受注時には、Adobe IllustratorやPhotoshopの操作スキルだけでなく、実務経験が重視されます。
- クライアントの要望を的確に汲み取る力は、経験を重ねることで培われます。
Webデザイナーの仕事と報酬
Webサイトの外観やレイアウト、アイコンやバナーなどのビジュアル要素を制作するのがWebデザイナーの役割です。
クライアントの要望を理解し反映することで、デザイナーとしての価値が高まります。
- HTMLとCSSの知識があれば案件を受注できますが、
- IllustratorやPhotoshopなどのツールも使えると仕事の幅が広がります。
現在のWebデザイナーの月額報酬は40万円から110万円程度、年収換算では480万円から1,320万円となっています。
グラフィックデザイナーの仕事と報酬
グラフィックデザイナーの主な業務は、印刷物やウェブコンテンツのビジュアル制作です。
顧客のニーズに応えつつ、ターゲット層に訴求力のあるアイディアを盛り込む必要があります。
- Illustrator
- Photoshop
- InDesign
- Mayaなどのデザインツールを活用して作業を行います。
2021年6月時点の月収は4万円から100万円、年収換算で48万円から1,200万円となっています。
イラストレーターの仕事と報酬
クライアントからの依頼に基づき、イラストレーターは作品を制作します。通常、1点ごとの単価契約で業務を請け負うことが多くなっています。
主な仕事内容は、
- アニメやゲームのキャラクターデザイン
- CDジャケットや説明図のイラスト
- 雑誌や書籍の表紙・挿絵など
さまざまな紙媒体向けのイラストレーションです。
デジタルイラストが主流となっているため、ペイントソフトの操作スキルが必須となっています。
2021年6月時点での月収は
4万円 | から | 130万円 |
、年収換算では
48万円 | から | 1,560万円 |
となっています(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」より)。
一方、ライター職はフリーランスとして未経験からでも始められる職種です。近年、広告収入が減少する中で、企業は自社の商品やサービスをWebコンテンツで訴求する動きが活発化しており、ライター需要は高まっています。
Webライターの仕事と必要なスキル
Webコンテンツの制作を担うWebライターは、サイトに掲載される様々な記事を書くことが仕事です。
- コラム
- 広告
- PR
- 取材
- レポート
- ノウハウ
など、多岐にわたる分野の文章を執筆します。
仕事の受注は、
- ライター募集サイト
- クラウドソーシング
などを活用します。
読者にわかりやすく、検索エンジンにも上位表示されるよう、文章力とSEO知識が求められます。
専門性の高い分野ほど単価は高く、経験を活かせば比較的すぐに収入を得られます。
ただし、
- 構成力
- 情報収集力
など、一定のライティングスキルがなければ安定した仕事は難しくなります。
Webディレクターの役割と報酬
Webサイトの制作プロセスにおいて、文章の校正、修正、書き直しを行うのがWebディレクターの役割です。
また、クライアントからの指示を受け、
- エンジニア
- デザイナー
- ライター
などのメンバーに適切な指示を出すまとめ役も務めます。
そのため、クライアントとのコミュニケーション力やトラブル対応能力が求められます。
2021年6月時点での月額報酬は
3万円 | から | 195万円 |
、年収換算では
36万円 | から | 2,340万円 |
となっています。
ブロガーの収益化と必要スキル
ブロガーは独特な職業で、仕事を請け負うことなく活動を行います。
アフィリエイトブログでは、記事内で商品やサービスを紹介し、読者がそれらを購入または登録すると、紹介料が発生して報酬を得ることができます。
しかし、ブログから収益を上げるには、以下の過程が必要で、時間がかかります。
- 記事数を増やす
- 広告の審査を通過する
- 実際に商品が購入される
そのため、ブログを副業として始める人が多くいます。
必要なスキルとしては、
SEO | コーディング |
の知識が欠かせません。
フリーランスと個人事業主の違い
フリーランスと個人事業主は異なる概念を指しています。
- 個人事業主とは、法人格を持たず個人で事業活動を行う者のことを指します。
- 一方、フリーランスは企業や組織との雇用関係がなく、独立して仕事を請け負う働き方を指しています。
フリーランスは案件ごとに契約を結び業務を遂行しますが、個人事業主は税務署に開業届を提出した者を指す税務上の区分です。
つまり、個人事業主は所得の分類であり、フリーランスは労働形態を表す言葉だと言えます。
フリーランスの仕事の探し方
フリーランサーとして業務を見つける明確な規範はありませんが、ウェブ上で案件を獲得する手段をご説明します。
知人や友人からオフラインで仕事を受注することも可能ですが、ここではオンラインでの仕事探しに焦点を当てます。
インターネット上には、様々なプラットフォームやサービスが存在し、そこで
- 求人情報を閲覧したり
- 自身のスキルを宣伝することができます
適切な方法を選択し、着実にアプローチすれば、確実に新たな案件を獲得できるはずです。
フリーランス向けエージェントの役割
フリーランサーにとって、専門のエージェントに仲介してもらうことは大きな利点があります。
- エージェントは自身の能力に適した案件を紹介してくれるため、仕事探しの手間が省けます。
- さらに、業界の動向を熟知しているエージェントから、今後必要とされるスキルについても助言を受けられます。
業界の変化に機敏に対応し、求められる能力を先取りする力は、フリーランサーには欠かせません。
経験が浅い初心者は、判断に迷うことも多いでしょう。そういった場合、エージェントの知見を活用するのも賢明な選択肢と言えるでしょう。
営業メールとポートフォリオの活用
創作活動に従事するクリエイターを求めている企業やウェブサイトに対して、自身のスキルと実績を直接アピールすることができます。
- 公開された採用情報がない場合でも、問い合わせ窓口を活用して自己紹介と作品集を送付すれば、実力が伝わり仕事を獲得する確率が高まります。
積極的なアプローチと適切な自己PRが、新たな機会を生み出す鍵となるでしょう。
クラウドソーシングサービスの活用
クラウドソーシングプラットフォームは、業務委託を希望する個人や企業と、作業を請け負いたい個人をマッチングするサービスです。
- ウェブコンテンツ制作やサイト構築の案件を受注することができます。
- 主なプラットフォームには、ITベンチャーやスタートアップが発注元の多い「クラウドワークス」、大手企業からの案件が中心の「ランサーズ」があります。
- 初心者でも参入しやすい案件が用意されており、多くの人がこれらのサービスから始めています。
ただし、単価は比較的低めに設定されており、サービスごとに異なりますが、手数料は概ね20%程度かかります。
エンジニアの方におすすめなのは、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」です。
フリーランスとして独立する際の注意点
フリーランサーとしての活動を開始するのは、そう難しいことではありません。しかし、十分な準備なしに突然独立すると、
- 事務作業の知識不足
- 資金面での問題
などに直面し、後々後悔することになるかもしれません。
そこで、フリーランサーとして独立する際の留意点をご紹介しましょう。
帳簿の重要性と作成方法
記録は、日々の収入と支出、個人事業で保有する固定資産を管理するための台帳です。
記録を作成する理由は、以下の通りです。
- 確定申告時に記録の作成と保存が義務付けられているため
- 税務調査があれば、基本的な記録の提示で足ります
しかし、記録がない場合は、
- レシートや収益データの提出を求められる可能性があります
また、記録があれば、
- 確定申告時に1年分のレシートや収益の入力作業がほとんど不要になります
記録はエクセルで簡単に作れるので、毎月作成することをおすすめします。
フリーランスの開業届と青色申告
フリーランスとして活動を開始する際、開業届の提出は義務付けられていませんが、早期に手続きを行うことが賢明です。
開業から2か月を経過すると、当年度分の確定申告において青色申告制度の適用を受けられなくなるためです。
青色申告制度は、
- 赤字の繰り越し
- 各種控除が認められる
ため、白色申告よりも節税効果が高くなります。
したがって、税制上の優遇措置を最大限活用したい場合は、遅滞なく開業届を提出することが肝心です。
副業から始めるフリーランス
リスクを慎重に検討し、副業から始めることが賢明です。フリーランスは事業が安定するまでに時間を要するため、従業員時代と比べて収入が不安定になる可能性があります。
これまで給与から控除されていた住民税、健康保険料、年金などを自身で支払う必要があるため、貯蓄が減少していきます。
例えば、
- 空き時間を活用した副業で10万円から15万円程度の収入を得て、最低限の生活が可能になってから独立する
など、目標を設定することが重要です。
専業に移行する場合は、生計を立てられる見通しが立ってから独立することをお勧めします。
まとめ
フリーランスの種類は多岐にわたり、実践的な経験が求められる職種が多数存在します。
しかし、適切なスキルを身につければ、従来の雇用形態よりも高い収入を得る可能性があります。
本記事を通じて、独立に関する知見を深め、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用してみてはいかがでしょうか。
フリーランスの道を歩むにあたり、
- 様々な情報を得ることができれば幸いです。