プロジェクト管理の専門家として知られるプロジェクトマネージャーの職務は、多くの人にとって謎に包まれています。年収水準や具体的な業務内容が分かりづらいため、様々な憶測が飛び交っています。
しかし、IT分野の急速な進化に伴い、この職種への需要が高まっています。
転職を検討する際、年収は避けて通れない重要な要素です。
本記事では、
- プロジェクトマネージャーの平均年収や最高年収
- 業務内容
- スキルアップに役立つ資格
- フリーランス案件の状況
- 将来性
などを詳しく解説します。
特に、プロジェクトマネージャーの年収に関心がある方、この職種に携わっている方、将来的にこの道を目指す方は、ぜひ一読していただきたい内容となっています。
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プロジェクトマネージャーの仕事内容
プロジェクトの全体像を把握し、関係者間の調整を行いながら、目標達成に向けて取り組みを推進する役割を担うのがプロジェクトマネージャーです。
まずは要件定義の段階から、クライアントや利用者の意向を汲み取り、実現可能な範囲で機能や仕様を決定します。
その上で、
- 開発に必要な人員を確保し、プロジェクトチームを編成します。
開発が進行する中で、進捗状況を管理しながら、課題が生じた際には適切な対応を講じます。
最終的にシステムがリリースされた後は、プロジェクト全体を振り返り、次のプロジェクトに活かせるよう評価とレビューを行います。
このように、プロジェクトマネージャーは、企画から完了までプロジェクト全体を統括する中心的な役割を果たします。
プロジェクトマネージャーの年収
この節では、プロジェクトマネージャー(PM)の収入について説明します。PMの平均年収、最高年収、最低年収を、フリーランスと従業員の立場から比較検討します。
フリーランスのPMの年収詳細は以下の通りです。
- 職種: PM(プロジェクトマネージャー)
- 平均年収: 985万円
- 最高年収: 2,400万円
- 最低年収: 240万円
(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年7月時点)
この年収は、PMの月額単価を年ベースで算出したものです。
月額単価の相場は、
- 平均: 82.1万円
- 中央値: 80万円
- 最高: 200万円
- 最低: 20万円
となっています(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ)。
一方、従業員エンジニア全体の平均年収は469万円です。年齢別では、
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 373万円 |
30代 | 509万円 |
40代 | 605万円 |
50代以上 | 701万円 |
従業員のPMの平均年収は600万円と言われています。これは従業員エンジニア全体の平均を上回り、40代のエンジニアの平均年収とほぼ同等です。
フリーランスのPMと従業員のPMを比べると、フリーランスの方が平均で385万円(約1.6倍)高い年収を得ています。
したがって、PMとして活躍するなら、高年収が期待できるフリーランスのPMがおすすめです。
プロジェクトマネージャーの年収アップに必要なスキル
この節では、プロジェクト管理者の収入向上に役立つ能力について説明します。
プロジェクト管理に求められる資質を備えていれば、高い報酬を得られる可能性が高まります。
今後プロジェクト管理の職務に就く方も、この内容を参考にして収入アップを目指してください。
PMの年収アップに必要なスキル
プロジェクト責任者にとって収入を増やすための重要な能力は、マネジメント力です。
- 現実的な計画を立て、要求に応じた成果物を生み出すことが最低限の条件となります。
- さらに、コストを抑えながら高い成果を上げれば、会社の利益につながります。
また、人材のマネジメント能力も求められます。
- 人を率いる力は簡単には身につきませんが、機会があれば積極的に学んでいく必要があります。
PMのコミュニケーション力が年収アップの鍵
プロジェクト推進の中核を担う役割において、収入向上に欠かせない能力は、円滑な意思疎通力です。
プロジェクトリーダーとして、
- 口頭および文書を通じて正確な情報を伝達し、
- 関係者全員が同一の目標に向かって業務を遂行できるよう導く必要があります。
つまり、組織の内外を問わず、スムーズな対話と適切な情報伝達が不可欠な資質となるのです。
PMに必要なスキル
プロジェクトの舵取り役として、迅速な意思決定と課題解消の手腕が求められます。
トラブルが生じた際、対応が遅れれば納期に間に合わなくなる恐れがあります。
そのため、適切な判断を機敏に下し、問題解決に向けた適切な指示を出せる力が不可欠なのです。
PMの年収アップに必要なスキル
プロジェクト推進の中核を担うマネージャーにとって、収入向上に欠かせないのが技術的素養と業界の理解力です。
- メンバーへの適切な指導には、正確な専門知識が不可欠です。
- また、業界の動向や特性についても熟知しておく必要があります。
マネージャーは、メンバーからの質問に的確に答えられるよう、技術力と業界知識を身につけ、プロジェクトを円滑に遂行することが求められます。
プロジェクトマネージャーの年収アップにおすすめの資格
この節では、プロジェクト管理者の収入向上に役立つ資格について説明します。
プロジェクト管理者になるためには多様な能力が求められるため、関連する資格を取得することで、自身の力量を裏付けることができます。
PMPの概要と重要性
プロジェクトマネジメントの国際的な認定資格であるPMPは、米国のPMI本部が運営しています。PMPの試験は、PMBOKと呼ばれるプロジェクト管理の知識体系に基づいて実施されます。
- 受験要件として、一定期間のプロジェクト実務経験と35時間の公式トレーニングの受講が義務付けられています。
したがって、PMPの資格取得によって、プロジェクト管理に関する知識とスキルを習得できるため、プロジェクトマネージャーにとって不可欠な資格と言えるでしょう。
プロジェクトマネージャ資格の概要
プロジェクト運営に関する専門的な能力を評価する試験が、IPA(情報処理推進機構)によって実施されています。
この資格試験は、IT分野全般に関する知見、プロジェクト管理や計画策定、予算編成、スケジュール管理、品質管理など、プロジェクトを総合的に遂行するためのスキルを問うものです。
プロジェクトリーダーとしての専門性を客観的に示すことができるため、その分野で活躍する人材にとって有益な資格と言えます。
応用情報技術者試験の概要とPMへの活用
情報処理推進機構が主催する国家試験「情報処理技術者試験」の一つである応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験よりも上位の資格です。
この試験に合格すれば、ITスキルや管理能力を含む幅広い知識と応用力を備えたプロジェクトマネージャーであることが証明されます。
そのため、プロジェクトマネージャーを目指す方にとって、応用情報技術者試験は有益な資格と言えます。
ITストラテジストの重要性
ITの専門家として企業経営に関わる最高位の国家資格がITストラテジストです。この資格を持つ人材は、高度なIT知識を活かし、経営陣に対して経営戦略に沿った業務システムやプロセスの提案、経営改革や最適化のアドバイスやサポートを行います。
ITストラテジストの資格取得者は、
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
など、上流工程を担当する職種に多くみられます。
この資格を取得することで、高度なIT技術知識に加え、
- 企業戦略立案
- 経営課題解決
のスキルが身に付くため、プロジェクトマネージャーにとって有益な資格となります。
フリーランス求人・案件数から見るPM(プロジェクトマネージャー)のニーズ
この節では、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」のデータを基に、プロジェクトマネージャー(PM)の需要について説明します。
同サービスに掲載されている職種別の案件数を分析すると、PMの案件数は6,183件となっています(2021年7月時点)。
当時、「xhours」が取り扱う全案件数は199,169件でしたので、PMの案件が占める割合は約3.1%に相当します。
この結果から、一定数のPMの案件が存在することが確認でき、IT業界においてPMの需要があると判断できます。
PM(プロジェクトマネージャー)の将来性
この節では、プロジェクトマネージャー(PM)の将来展望について説明します。
PMの需要は今後も堅調に推移すると予想されます。ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」において一定数のPMの求人案件が存在することから、PMに対するニーズが存在することがわかります。
IT市場の分析を通じて、PMの需要が堅調である理由を探っていきましょう。
- IDC Japanによると、2019年の国内IT市場は前年比4.0%増の17兆9,394億円、2018年から2023年までの年間平均成長率は1.9%と予測されています。
- ガートナー社の調査では、2019年の日本のIT支出は前年比3.0%増と見込まれ、2023年までに29兆円に達すると予測されています。
- AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーン、XR、5Gなどの技術進歩やエンジニアの高齢化により、PMを含むITエンジニアの人材不足が懸念されており、2030年までに79万人の不足が生じる可能性があります。
以上の分析を踏まえると、PMの需要は短期的にも中長期的にも堅調に推移すると考えられます。
まとめ
この記事では、プロジェクトマネージャー(PM)の職種に焦点を当て、PMの年収の詳細、仕事内容、スキルアップに必要な要素、資格、フリーランスとしての需要と将来性について詳しく解説しています。
PMとして活躍するためには、明確な目標を設定し、常に学び続けることが重要です。
目標を持つことで、行動の方向性が定まり、自然と年収もアップすることでしょう。
高年収を望むならITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用することをお勧めしますが、エンジニア未経験者にはフリーランス案件が少ないため、
- 会社員としてPMやシステムエンジニア、プロジェクトリーダーの実務経験を積んだ上で
- フリーランス独立を検討する
のが賢明です。
PMとして高年収を目指すなら、第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。