企業の機密情報を外部から守るための専門的な技術を持つセキュリティエンジニアは、現代の企業にとって不可欠な存在となっています。
多くの企業がセキュリティエンジニアの確保に努めており、関連する求人や案件も増加しています。
このように重要な役割を担うセキュリティエンジニアですが、近年注目されているリモートワークに対応できるかどうかが気になるところです。
本稿では、セキュリティエンジニアがリモートワークで勤務できるかについて解説します。
- 現役のセキュリティエンジニアで転職を検討している方
- リモートワーク可能なエンジニアへの転職を目指している方
は、ぜひ参考にしてください。
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セキュリティエンジニアはリモートワークできる?
セキュリティ専門家もオフィスに出勤せずに業務を遂行できる環境が整ってきました。
セキュリティ分野の職務には、以下が含まれます。
- 脅威の特定と対策案の策定
- 設計
- 実装
- テスト
- 運用・保守
企業の重要データをマルウェアや不正アクセスから守ることがセキュリティ専門家の役割です。
従来は情報システムへの対面対応が求められていましたが、新型コロナウイルス感染拡大を受けてエンジニア全般でリモートワークが推奨されるようになりました。
セキュリティ分野でも在宅勤務の求人が増加しています。
近年はクラウドベースの業務が増え、コミュニケーションツールや業務管理ツールも普及したため、セキュリティ専門家でもリモート環境で働きやすくなっています。
今後はセキュリティ分野でリモートワークが主流になる可能性があります。
セキュリティエンジニアのリモートワーク求人・案件実情
セキュリティ分野におけるフリーランス需要は、月を追うごとに上昇傾向にあります。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の統計データによると、
- 2021年9月のリモートワーク案件数は17件でしたが、2022年8月には68件と大幅に増加しています。
- 現在、募集中の案件全体に占めるリモートワーク案件の割合は約61.8%と高い水準となっています。
前年はリモートワーク案件が約40%でしたが、コロナ禍の影響で比率が逆転しました。
今後もコロナ禍の長期化やリモートワーク導入企業の増加が見込まれることから、セキュリティエンジニアのフリーランス需要はさらに高まると予想されます。
セキュリティエンジニアの年収
セキュリティエンジニアの収入水準は高めであると言えます。
求人ボックスの2022年8月のデータによると、正社員のセキュリティエンジニアの平均年収は約596万円となっています。
これは会社員エンジニアの平均年収469万円を上回る金額です。
このように高額な報酬が支払われているのは、セキュリティエンジニアの重要性と責任の大きさが評価されているためだと考えられます。
優秀な人材を確保するために、十分な報酬を用意することで職場への定着を図っていると推測されます。
一方、フリーランスのセキュリティエンジニアの収入は更に高額となる可能性があります。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」のデータによれば、セキュリティエンジニアの平均単価は高額となっています。
正社員よりも高収入を望むのであれば、フリーランスという働き方を選択肢に入れることをおすすめします。
セキュリティエンジニアの年収とリモートワーク
セキュリティエンジニアの平均年収は、勤務形態によって大きな差異はみられません。
常駐かリモートワークかは、年収に直接影響を与える要因ではありません。
むしろ、業務内容や難易度が平均年収に影響を及ぼすと考えられます。
したがって、リモートワーク案件を選んだからといって、必ずしも年収が低くなるわけではありません。
ただし、リモートワークでは残業がほとんどないため、残業代による収入アップは期待できません。
これまで残業代で年収を確保していた場合、リモートワークに切り替えると収入が減少する可能性があります。
一方で、案件によってはリモートワークを選択できるケースもあります。
- 残業の有無を確認し、自身の事情に合わせて勤務形態を検討することが重要です。
セキュリティエンジニアとネットワークエンジニアの年収比較
セキュリティエンジニアを志す際には、ネットワークエンジニアの収入との差異を確認しておくことが賢明です。
ネットワークエンジニアは、サーバーやネットワークの保守・運用を担当する職種です。
セキュリティエンジニアとネットワークエンジニアの業務には共通点が多く、転職先として検討されることもあります。
それでは、両者の年収にはどの程度の開きがあるのでしょうか。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」のデータによると、
- ネットワークエンジニアの平均単価は56.9万円
- 中央値は55万円
- 最高単価は170万円
- 最低単価は20万円
となっています。
平均単価から年収を算出すると、約682万円になります。
一般的な会社員エンジニアの平均年収469万円や、会社員セキュリティエンジニアの平均年収579万円と比べると、フリーランスネットワークエンジニアの平均年収は高水準にあります。
一方で、フリーランスセキュリティエンジニアの平均年収は約664万円と、ネットワークエンジニアよりもやや低くなっています。
過去にはセキュリティエンジニアの方が100万円近く高収入でしたが、最近ではその差が縮まってきており、セキュリティエンジニアに対する市場の評価がやや低下している可能性があります。
セキュリティエンジニアのリモートワーク求人・案件獲得方法
セキュリティ分野の専門家がテレワークの機会を見つけるには、いくつかの選択肢があります。
リモート勤務はまだ一般的な働き方とは言えず、従来の就職活動では適切な求人を見つけるのが難しい場合があります。
そこで、セキュリティエンジニアがテレワークの求人や案件を獲得する方法をご紹介します。
リモート求人を探すには、次の3つの方策を検討してみてください。
- リモートワークに特化した求人サイトを活用する
- フリーランスのプラットフォームに登録する
- 自分のネットワークを活用する
セキュリティエンジニアのリモートワーク求人・案件探しにフリーランスエージェントの活用を
セキュリティエンジニアとしてリモートで働きたい場合、フリーランスエージェントを活用するのが賢明な選択肢です。
これらのエージェントには、テレワーク可能な求人や案件が多数掲載されています。
登録時にリモートワークを希望すると、該当する案件を優先的に紹介してもらえます。
最近では、検索条件で「リモート可」と絞り込める仲介サービスも増えており、適切な案件探しが容易になっています。
時代の流れに合わせ、リモートワーク特化の求人サイトやフリーランスエージェントも登場しつつあります。
- 稼働日数や時間を指定できるサービスも多く、ワークライフバランスに配慮した自由な働き方が実現できます。
- 加えて、フリーランスエージェントでは経験豊富なコンサルタントからアドバイスを受けられます。
面接対策 職務経歴書の書き方 企業の実情 など、転職に関する様々なサポートが期待できます。
セキュリティエンジニアとしてフリーランスに踏み出す際、フリーランスエージェントは頼れる味方となるでしょう。
リモートワーク案件を探すなら、複数のエージェントに登録し、自分に合ったサービスを見つけることをおすすめします。
セキュリティエンジニアのリモートワーク求人とクラウドソーシング
セキュリティエンジニアがリモートで働く機会を見つける際、クラウドソーシングプラットフォームを利用するのも一つの選択肢です。
クラウドワークスやランサーズなどの有名サービスがあり、基本的にはリモート契約を結ぶため、リモート対応の有無を確認する必要はありません。
- セキュリティ関連の仕事があれば、自宅などからリモートで従事できることが多いでしょう。
しかし、クラウドソーシングには利便性の裏側で、相手の信頼性が不明確であるというリスクが伴います。支払い遅延や連絡途絶などのトラブルが発生した場合、自身で対処しなければならない点に留意が必要です。
そうしたデメリットを理解した上で、クラウドソーシングサービスの活用を検討するべきでしょう。
SNSを活用したセキュリティエンジニアのリモートワーク求人獲得
ソーシャルメディアを活用することで、セキュリティエンジニアのリモートワークの機会を見つける手がかりとなる可能性があります。
現代の企業は公式アカウントを通じて積極的に情報発信しているため、セキュリティエンジニアの求人案件をSNSプラットフォーム上で公開することもあります。
そのため、
- セキュリティエンジニアとしての経歴や就職希望を示すアカウントを作成しておけば、SNSを通じて応募できるリモートワーク案件に出会えるかもしれません。
- 企業側からアプローチを受けることもあり、実績次第ではスカウトによる就職の可能性も考えられます。
- セキュリティエンジニアとしての実績を積極的にアピールし、企業からの連絡を待つのも一つの選択肢です。
セキュリティエンジニアがリモートワーク求人・案件で要求されやすいスキル
セキュリティ専門家がテレワークを実施する際、職務遂行に求められる能力がいくつか存在します。これらの必須スキルを事前に把握しておけば、在宅勤務でも円滑な業務が可能となるでしょう。
以下に、セキュリティエンジニアのリモートワーク時に必要とされがちな資質を列挙します。
- 自己管理能力
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- 技術力
- 柔軟性
セキュリティエンジニアのリモートワーク時に求められるスキル
セキュリティ専門家がリモート勤務を行う際には、高度なセキュリティ関連の知識と技能が必要不可欠となります。
サイバー攻撃やマルウェアへの対策を企画したり、現場のセキュリティ上の課題を特定したりするためには、セキュリティに関する専門知識が欠かせません。
- セキュリティプログラミング手法
- セキュリティプロトコル
- OSやアプリケーションのセキュリティ
など、幅広い分野でスキルを習得しておく必要があります。
セキュリティスキルの重要性は、常駐勤務とリモート勤務のいずれにおいても変わらず、セキュリティ専門家として働く上で最新の知見を身につけることが求められます。
リモートワークのセキュリティエンジニアに求められるスキル
セキュリティ分野でリモート勤務を行う場合、サーバー関連の技能が必須となります。
- 安全な通信を実現する暗号化機能の実装力や、OSやアプリケーションに関する幅広い知識が求められます。
リモートワークでは一人で課題解決が求められるため、サーバーの基礎知識を自身で確実に習得しておくことが重要です。
ネットワークセキュリティ対策の重要性
ネットワーク環境の安全性を確保するためには、遠隔地からでも構築・管理できる技術力が必須となります。
脆弱な部分を迅速に特定し、インフラストラクチャのセキュリティを堅牢にする能力を身に付けることが重要です。
クラウドセキュリティの重要性
セキュリティエンジニアがリモートで業務を行う場合、クラウドに関する知見を持つことが求められます。
クラウド上のデータベースへの攻撃対策は、今後ますます重要になるでしょう。
- AWSやAzureなどのクラウドサービスについて、積極的に学習し、スキルを身につけることが賢明です。
リモートワーク求人・案件に参画する際の注意点
セキュリティ専門家がテレワークの職を探す際には、いくつか事前に確認すべき重要なポイントがあります。
従来の勤務形態とは異なるため、最初のうちは戸惑うことも多いかもしれません。
そこで、セキュリティエンジニアがリモートワークで就業する際の留意事項を説明します。
- リモートアクセスの環境が整っているか確認する
- セキュリティポリシーを確認し、遵守できるか検討する
- 通信の暗号化など、セキュリティ対策が十分か確認する
- 作業場所の環境が適切か確認する
メリット | デメリット |
---|---|
通勤時間が省ける | 社内コミュニケーションが取りづらい |
自由な働き方ができる | 作業環境の確保が難しい |
リモートワークにおけるセキュリティエンジニアの評価基準
セキュリティエンジニアがテレワークを行う際、評価の基準は主に成果物に重きが置かれます。
長時間労働しても、成果物に不備があれば評価は低くなってしまいます。
テレワークでは作業状況を直接確認することができないため、完成度の高い成果物が求められます。
そのため、作業時間ではなく、どれだけ成果を上げられたかが重視されます。
リモートワークのセキュリティエンジニアの長時間労働への注意
セキュリティ専門家がリモートで業務を行う場合、長時間労働に陥りがちです。
仕事とプライベートの境界線が曖昧になり、気づかぬうちに過剰な労働時間を費やしてしまうことがよくあります。
その結果、想定以上に労働単価が低下する可能性があります。
また、長時間労働が続けば
- 生活リズムが乱れ
- 健康被害を引き起こす原因ともなります
生産性の低下にもつながるため、セキュリティ専門家がリモートで働く際は、労働時間を適切に管理し、メリハリのある働き方を心がける必要があります。
リモートワークにおけるセキュリティエンジニアの情報漏洩対策
リモートワークにおいては、セキュリティ専門家であっても情報の漏えいに細心の注意を払う必要があります。
在宅勤務では機密データの取り扱いも避けられず、自身の作業環境を万全に整備しなければなりません。
- ウイルス対策やパスワード管理を徹底し、自らが原因で機密情報が流出することのないよう気を付けましょう。
また、物理的な要因によっても情報漏えいが発生する可能性があります。
例えば、PCの紛失や、作業中の画面を第三者に見られるなどの事態が考えられます。 |
セキュリティの専門家が情報を漏らしてしまっては本末転倒です。リモートワーク時には、自身の業務環境を適切に管理する習慣を身に付けることが重要不可欠です。
まとめ
セキュリティ分野においても、リモートワークが浸透しつつあります。
今後、セキュリティエンジニアの募集においてリモート勤務が主流となる可能性が高まっています。
従って、セキュリティエンジニアを目指す方はリモートワークの案件を積極的に探すことが賢明でしょう。
- ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用するのも一つの選択肢です。
スキルアップやキャリア形成の一助となれば幸いです。