インフラ関連の知識を持つ技術者は、Webサービスやシステムの運用業務だけでなく、ネットワークなどの物理的な機器の構築も行います。
近年では、インフラに直接関わる知識だけでなく、プログラミング言語の習得も求められるようになってきました。
プログラミング言語を身につけることで、業務の幅が広がったり、スキルアップにつながります。
本稿では、
- インフラ技術者がプログラミング言語を習得するメリット
- 習得すべき言語
について説明します。
また、市場価値を高めるために身に付けるべきスキルも紹介します。
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インフラエンジニアがプログラミング言語を習得するメリット
インフラ構築・運用の自動化と市場価値の向上が期待できるため、インフラエンジニアにプログラミング言語の習得は有益です。
クラウド環境においては、
- インフラ資源のプロビジョニングやデプロイ作業などをコーディングで自動化することが可能になります。
また、フロントエンドからバックエンドまで幅広い技術を扱えるフルスタックエンジニアとしての能力を身につけることで、より高い評価を受けられるようになるでしょう。
つまり、プログラミングスキルの取得によって業務範囲が広がり、顧客からの信頼も高まると考えられます。
インフラエンジニアのためのコーディング入門
インフラ環境の移行に伴い、設定やセットアップをコード化することで作業の効率化が図れます。
ただし、クラウド基盤の制御にはコーディングが不可欠となります。
このため、プログラミングスキルを持つインフラエンジニアの需要が高まっています。
インフラエンジニアは専門外のコーディングを学ぶ必要があるため、業務に直結するコードを中心に習得することが賢明です。
フルスタックエンジニアの価値と重要性
現代社会においてIT技術が急速に浸透する中、エンジニアの不足は深刻な課題となっています。
特に、開発プロセス全体を一人で担えるフルスタックエンジニアは希少な存在であり、高く評価されています。
転職市場においても、
- インフラストラクチャーの知識
- プログラミング言語の両方を兼ね備えたエンジニア
は少数派です。
一方で、多くの企業がフルスタックエンジニアの採用を望んでいます。
そのため、フルスタックエンジニアの市場価値は高く、
- 転職の際に有利
- 好待遇での採用も多くみられます
。
しかし、オンプレミスのインフラストラクチャーにしか対応できないインフラエンジニアは注意が必要です。
インフラエンジニアとしての高い技術を有していれば、現時点では職を得ることは容易ですが、将来的にはオンプレミスのみに特化したインフラエンジニアの市場価値が低下する可能性があります。
プログラミング言語習得のためのインフラエンジニアガイド
インフラエンジニアの主要な職務はコーディングではなく、サーバー構築やネットワーク管理が中心となります。
そのため、膨大な量のプログラミング言語を習得する必要はありません。
むしろ、業務に直接関連する言語を学習することが賢明です。
インフラエンジニアにとって有用なプログラミング言語は、以下の5つが挙げられます。
- Shell
- BAT
- Python
- Java
- Ruby
これらの言語は、インフラ構築やネットワーク設定の作業に適しています。
各言語の詳細については、以下で説明します。
Shellの基礎知識
OSを操作する際、コマンドラインインターフェースの活用が求められることが多いです。このインターフェースでは、OSに対する指示やスクリプトの実行が行えます。
このようなインターフェースには複数の種類がありますが、Linuxでは標準的にBashが搭載されています。
Bashを使えば、以下が可能になります。
- プログラムの開始や終了
- 新規フォルダの作成
- ファイル一覧の表示
BATファイルとバッチ処理
BATはWindowsに組み込まれており、システムの起動や自動化処理を実行するバッチファイルの作成に活用できます。
バッチファイルはBATファイルとも呼ばれ、Windows環境で実行可能なコマンドの集まりがファイルに記述されています。
- システムの負荷を軽減したり
- 作業の効率化を図ることができるため、様々な場面で利用されています。
Pythonの多様な活用
Pythonは、人工知能やマシンラーニングの領域で広く活用されている言語ですが、その用途はインフラ開発にも及びます。
- サーバー自動化
- ログ解析
など、システム運用の現場でも頻繁に利用されています。
プログラミング言語の中でも汎用性が高く、今後も需要が継続すると見込まれているため、総合的な技術力を身につけたいエンジニアにとって習得する価値は高いと言えるでしょう。
Javaの重要性とインフラエンジニアへの活用
Javaは多様なプラットフォームで活用されており、プログラミング言語の中でも広く知られています。
- IoTや企業の中核システムにも採用されているため、求人数が多い言語です。
- インフラエンジニアにとってJavaのスキルは有益でしょう。
Javaは
- 業務システムやAndroidアプリの開発に用いられ、インフラ開発でも役立ちます。
- また、運用管理画面の作成にもJavaが使われることが多く、インフラエンジニアにはこうした画面の開発が求められる場合があります。
- Javaを習得していれば、業務を一貫して引き受けられます。
Javaは適用範囲が広く、社会的ニーズも安定していますが、習得難易度は高めです。
- 習得には時間と根気が必要ですが、Javaを持つインフラエンジニアは多くの企業で重宝されるはずです。
Rubyの特徴と用途
Rubyは自動化ツールの開発や運用に活用される言語であり、インフラエンジニアが頻繁に利用します。
システム自動化ソフトウェアの構築にも幅広く採用されています。
加えて、Webアプリケーション開発でも広く活用されています。
Rubyは日本人によって生み出された言語であり、日本語のリソースが豊富にあります。
文法体系もシンプルなため、習得の難易度は比較的低いと言えるでしょう。
今後インフラエンジニアが市場価値を上げるために身に着けるべきスキル
インフラ専門家として将来的に価値を高めるには、2つの重要な能力を身に付ける必要があります。
- セキュリティ対策を考慮した上でインフラ環境を構築する力
- DockerやKubernetes などの最新クラウドテクノロジーに精通すること
それぞれについて詳しく説明しましょう。
セキュリティ重視のインフラ構築力
近年、サイバー攻撃の巧妙化と企業のセキュリティ対策への意識向上により、セキュリティを考慮したインフラ環境の構築能力が必須とされています。
インフラエンジニアは、サイバー攻撃や内部の不正行為への対応を任される機会が多いため、セキュリティとの関わりが深くなっています。
セキュリティを踏まえたインフラ環境の構築力は、インフラエンジニアにとってますます重要な要素となっています。
インフラエンジニアに求められるコンテナ技術の知識
インフラエンジニアを取り巻く環境は絶えず変化し続けています。企業から重用されるエンジニアになるためには、時代に合わせてスキルを身に付けることが欠かせません。
近年注目されているのがDockerです。Dockerは、Linuxで仮想環境をコンテナ型で構築するサービスです。従来の仮想OSやハイパーバイザ型の仮想化とは異なり、ホストOS上のコンテナ内でOSを起動しないため、高速な環境を実現できます。
最近では本番環境の仮想化運用が増えているため、安定稼働に向けた知識がより求められるでしょう。
また、Kubernetesの知識需要も高まっています。Kubernetesは大量のコンテナを一元管理するツールで、Dockerだけでは管理が困難な大規模プロジェクトで活用されています。大きなプロジェクトではKubernetesの知識が不可欠とされることが多くなっています。
まとめ
インフラエンジニアは現代社会において高い需要がある職種の一つとなっています。
しかし、近年のIT・システムの進化に伴い、従来以上にプログラミング言語の習得が求められるようになりました。
プログラミング言語を習得したインフラエンジニアは転職市場で有利になる他、良好な待遇が期待できます。
また、プログラミング言語の取得はインフラエンジニアのキャリアアップにも繋がるでしょう。
プログラミング言語には多種多様な選択肢がありますが、インフラエンジニアには
- Shell
- BAT
- Python
- Java
- Ruby
がおすすめです。業務内容や案件の種類、言語の難易度などを考慮し、取得する言語を検討することが重要です。
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