創造性と技術力を兼ね備えた3Dデザイナーは、ゲーム業界のみならず建築、医療、映像制作など幅広い分野で需要が高まっています。
リモートワークの普及に伴い、フリーランスとして活躍する3Dデザイナーも増加しています。
本記事では、リモート/在宅ワークを希望するフリーランス3Dデザイナーに向けて、
- 求人・案件の実情
- 年収水準
- 獲得方法
- 求められるスキル
などを詳しく解説します。
転職を検討する際の参考資料として、ぜひご一読ください。
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3Dデザイナーはリモート/在宅ワークできる?
3Dデザイナーは在宅勤務が可能な職種です。
この分野では企業からの依頼が主流であり、個人からの案件は少数派です。
フリーランスとして活躍するには一定の実務経験が求められることが多いでしょう。
3Dデザイナー不足が慢性化する中、未経験者がフリーランスとして参入することは困難な状況にあります。
一方、企業に雇用されれば、スクール卒業程度の経験でも受注できる機会があるかもしれません。
フリーランスを目指す際は、経験を積み重ねポートフォリオを充実させることが重要です。
また、適切な案件獲得方法を活用することも欠かせません。
契約形態にも注意を払う必要があります。
- 請負契約では納品物に不備があれば責任を問われる可能性があり、未経験の分野では避けるべきでしょう。
- 一方、準委任契約なら中途解除時でも既履行分の報酬を得られます。
新たな挑戦をする際は準委任契約を選ぶと良いでしょう。
ただし、企業によって契約内容は異なるため、事前に確認することが重要です。
トラブル防止のため、双方で認識を合わせておくことが賢明です。
3Dデザイナーのリモート/在宅ワーク求人・案件実情
3Dデザイナーの働き方について、国内最大級のフリーランス向けITサービスを参考に現状を確認しましょう。
2022年9月時点で、717件の3Dデザイナー向け案件が掲載されていました。
そのうち、リモートワーク/在宅ワークの案件は56件と限られた数でした。
業務内容は、
- Mayaや3dsMaxを使ったモデリング業務が多く
- ゲーム業界やアニメーション関連の案件が目立ちました
コロナの影響やワークライフバランスの重視から、前年比でリモート/在宅ワーク案件は増加傾向にあります。
3Dデザイナーの需要増加と将来性
3Dデザインの分野は、ゲーム業界を中心に発展してきましたが、近年では建築、広告、アパレル業界など、様々な業種で活用が進んでいます。
ARやVRなどの新技術の登場により、3Dデザイナーの活躍の場が広がっています。
ARやVRは一般層にも普及が進み、エンターテインメント分野だけでなく、
- 自動車設計
- 旅行の下見
など、日常生活にも浸透しつつあります。
このような需要の高まりから、3Dデザイナーの
- 求人
- 案件
は増加傾向にあり、将来性の高い職種と言えるでしょう。
3Dデザイナーの年収
3Dデザイナーの収入水準について、国内有力なフリーランス向け求人サイトのデータを基に概観しましょう。
サイト上の月額単価相場から年収を推計すると、
中央値 | 720万円 |
最高 | 1,200万円 |
最低 | 324万円 |
となっています。
ただし、フリーランスの場合、
- 個人の能力や経験値によって収入は大きく変動するため
この数値は目安に過ぎません。
リモートワークと年収の関係
勤務形態の違いによって収入に変動が生じる可能性はありますが、一般的には業務範囲が同じであれば大幅な変化はないと言えます。
しかし、実際には
- リモートワークや在宅勤務の案件の方が常駐勤務よりも単価が低く設定されている傾向があります。
これは、
- リモートワーカーに初心者や副業者が多いこと
- 発注側が相場より低い金額を提示していること
が要因と考えられます。
結局のところ、フリーランスの年収は個人の実力次第で変動するでしょう。
3Dデザイナーと2Dデザイナーの年収比較
次に、3Dデザイナーと2Dデザイナーの収入格差について検討しましょう。
両者の年収は、2022年9月時点のITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」のデータを基に算出されています。
先に3Dデザイナーの年収を振り返ると、
- 平均で694万円
- 中央値は720万円
- 最高額は1,200万円
- 最低額は324万円
となっています。
一方、2Dデザイナーの年収は、
- 平均640万円
- 中央値660万円
- 最高額1,560万円
- 最低額264万円
と推計されています。
最高額では2Dデザイナーの方が上回りますが、全体的に見ると3Dデザイナーの収入が高い傾向にあります。
3Dデザイナーには高度な専門知識と最先端の技術が求められるため、人材が不足しがちです。
そうした希少性が収入に反映されているものと考えられます。
3Dデザイナーのリモート/在宅ワーク求人・案件獲得方法
確かに、リモートワークの機会は3Dデザイナーにとって魅力的です。
しかし、そのような仕事を見つけるには戦略が必要です。
- まず、専門的なオンラインプラットフォームやフリーランスサイトを活用することが重要です。
- 次に、ポートフォリオを整備し、自身のスキルと経験を効果的にアピールすることが不可欠です。
- さらに、ネットワーキングを通じて関係者との繋がりを構築し、新しい機会を探ることも有益でしょう。
このようにして、リモート環境での3Dデザイン業務の獲得に取り組むことができます。
フリーランス3Dデザイナーのための案件獲得術
リモートワークやフリーランスとして3Dデザイン業務に従事する際、人材紹介サービスを利用するのがお勧めです。
このサービスは、クライアントと個人の仲介役を務め、双方のニーズをマッチングさせます。
- 特に経験が浅い方でも、適切な案件を見つけやすくなります。
- 人材紹介会社は、デザイナーの実力に見合った案件を提案してくれるため、クライアントも安心して発注できます。
そのため、待遇の良い案件が多い傾向にあります。
また、
- 信頼関係が構築しやすく、大規模な発注を受けられることも多いでしょう。
- 収入の安定性も人材紹介サービスのメリットの一つと言えます。
クラウドソーシングサービスの活用
フリーランスの3Dデザイナーとして在宅勤務の仕事を獲得する際、クラウドソーシングプラットフォームを活用することが有効な選択肢となります。
クラウドソーシングサービスとは、企業がデザイナーを募集できる場を提供するものです。
クラウドワークスやランサーズなどが代表的なサービスです。
これらのプラットフォームでは、
- 様々なカテゴリに分かれた求人案件から、自身の適性に合ったものを選んで応募することができます。
デザイン関連の分野から好みの案件を探し、応募を行いましょう。
その後、企業側が応募者のプロフィールやメッセージを確認し、採用が決まれば仕事を受注できる流れとなります。
クラウドソーシングの大きな利点は、企業と直接やり取りができる点にあります。
基本的に、クライアントとデザイナーが直接コミュニケーションを取り合うことになります。
一方で、参入障壁が低いため、初心者やフリーランス未経験者も多く参加しているため、報酬水準が低めの案件も多いのが実情です。
企業側も、スキルの見極めが難しいため、人材選定に苦慮する面があります。
高額報酬の継続的な受注には、企業との信頼関係構築が不可欠となってきます。
クラウドソーシングは、
- 副業として少量の仕事を受けたい人や、短期間で実績を積み重ねたい人に適したサービスと言えるでしょう。
フリーランス3Dデザイナーのための効果的なSNS活用術
フリーランスの3Dデザイナーとして活躍するには、様々なソーシャルメディアを活用した情報発信やマーケティング活動が重要です。
近年では、SNSを通じて仕事を獲得するケースが増えており、企業からSNSアカウントに直接声がかかることも珍しくありません。
- 自身の実績や過去作品をまとめたポートフォリオをSNSに掲載し、作風や能力を分かりやすく伝えることで、自分の実力をアピールできます。
SNSは受動的な手段と思われがちですが、継続的に作品や情報を発信することで、長期的にクライアントを蓄積できる有効な方法です。
3Dデザイナーがリモート/在宅ワーク求人・案件で要求されやすいスキル
3Dデザイン分野におけるリモートワークや在宅勤務の機会では、特定の能力が求められる傾向があります。
これらの重要なスキルセットを確実に習得することが不可欠です。
プロフェッショナルとして成長するために、以下の点に注目し、着実に力をつけていくことをお勧めします。
- コミュニケーション能力の向上
- 自己管理能力の強化
- 技術的スキルの継続的な習得
コミュニケーション能力 | リモートワークでは、チームメンバーとのコミュニケーションが不可欠です。メール、チャット、ビデオ会議などのツールを効果的に活用し、円滑なコミュニケーションを心がける必要があります。 |
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自己管理能力 | 在宅勤務では、自己管理能力が特に重要になります。作業環境を整え、時間管理を徹底し、モチベーションを維持することが求められます。 |
技術的スキル | 3Dデザインツールの操作に加え、コラボレーションツールやクラウドストレージの活用など、新しい技術の習得が不可欠です。常に学習を続け、スキルを磨き続けることが重要です。 |
3Dデザイナーのためのデッサン力
3Dデザイナーは立体的な作品を生み出すため、不自然な角度や動きを避けるために、2Dデザイナー以上にデッサンの理解が求められます。
平面のデザインから立体のグラフィックスを作成する際、基礎的なデッサン能力は必須となります。
特にゲーム業界では、
- 2Dデザイナーの作品と違和感なくモデリングすることが3Dデザイナーに課せられた技術です。
本来デッサンは2Dデザイナーの領域ですが、3Dデザイナーとして信頼を得るには、デッサン力の向上が不可欠です。
Webデザインスキルと3Dデザイナー
デザイナーとして活躍するためには、描画能力に加えて、ウェブデザインに関する知識と経験が不可欠です。
ウェブデザインスキルは、3Dデザイナーにとって中核となる重要な能力と言えます。
- ビットマップ画像の編集や合成、レタッチに使われる「Adobe Photoshop」
- ロゴやパッケージ、印刷物のデザインに必要な「Adobe Illustrator」
- DTPソフトウェアの「Adobe InDesign」
の知識は最低限身につけておく必要があります。
これらは2Dデザイナーのスキルと思われがちですが、3Dデザイナーでも頻繁に使用されます。
デザインの最新トレンドや流行、消費者心理、独創性あふれるデザインを生み出す感性も重要なデザインスキルです。
コンピューターでのスキルだけでなく、幅広い知見を持つデザイナーを目指しましょう。
リモートワークでは対面の機会が減るため、コミュニケーションツールが特に重要になります。
複数のデザインツールやコミュニケーションツールを同時に使用しても動作が重くならない、高性能なパソコンを用意することが大切です。
デザインデータ共有の「Zeplin」 |
リアルタイム共同編集の「Figma」 |
チャットツール「Slack」 |
Web会議ツール「Zoom」 |
などのツールは事前にインストールしておくと、新しい環境に移行した際にも円滑に作業できます。
3Dデザイナーに求められるソフトウェア操作力
三次元デザインの分野では、3dsMax、MAYA、Softimageなどの専用ツールが広く活用されています。
これらのアプリケーションを適切に操作する技術は、3Dグラフィックス制作において欠かせない要素となっています。
利用するソフトの種類は、所属する企業の環境によって異なるため、主要なツールについては予め基本的な知識を身につけておくことが賢明です。
複数のソフトウェアに精通していれば、デザイナーとしての活躍の場が広がる可能性があります。
3Dデザイナーのコミュニケーション力
3Dデザイナーにとって、コミュニケーション能力は極めて重要な資質です。
クライアントの要望を正確に汲み取れなければ、期待に添わないデザインになり、信頼を失うリスクがあります。
また、チームで作業する場合は、メンバー間の緊密な連携が不可欠です。
さらに、フリーランスとして活動するには、自ら営業活動を行う必要があります。
どの職種でも、フリーランスとして成功するためには、的確なコミュニケーション力が欠かせません。
フリーランス3Dデザイナーの自己管理スキル
フリーランスの3Dデザイナーとして在宅勤務を選択する場合、自己管理能力が非常に重要となります。
会社員とは異なり、時間や場所の制約が少ないため、過剰な労働や怠慢が生じがちです。適切な業務量を見極め、自身のペースを守ることが肝心です。
また、クライアントとのコミュニケーションはチャット、メール、電話が中心となるため、こまめにツールをチェックする習慣が求められます。
フリーランス業界では、素早い対応力が信頼につながるため、業務ツールの確認を怠らずに作業に臨むことが重要となります。
リモート/在宅ワーク求人・案件に参画する際の注意点
在宅勤務の仕事に応募する際は、いくつかの留意点があります。
まず、求人内容を慎重に確認し、責任や義務、報酬などの条件が適切かどうかを吟味することが重要です。
また、自身の能力や経験が求められる要件を満たしているかを見極める必要があります。
さらに、通信環境や作業スペースなど、在宅で働くための環境が整っているかを確かめましょう。
適切な環境が整っていれば、効率的に業務を遂行できるでしょう。
このように、リモートワークには様々な点で注意を払う必要がありますが、上手く活用すれば柔軟な働き方が実現できます。
成果物重視のフリーランス3Dデザイナー
リモートワークのフリーランス3Dデザイナーは、成果物のクオリティが評価の基準となる厳しい環境にあります。
作業プロセスや勤務態度、人格などは、ほとんど評価に影響しません。
そのため、提出作品の質に徹底的にこだわり、仕事に取り組む必要があります。
一方で、作業時間が短くても提出物が優れていれば、高い評価を得られます。
フリーランスやクリエイティブ分野では、技術力が評価の大部分を占めるため、常に技術の向上と熟達に努めることが重要です。
リモートワークの長時間労働を避ける方法
リモートワークやフリーランスの仕事では、場所や時間の制約がないため、過剰な労働時間に陥りがちです。
特に経験が浅い場合、作業に要する時間を正しく見積もることが難しく、休憩や睡眠を削って働いてしまうリスクがあります。
このような長時間労働を回避するには、以下の点が重要です。
- 案件の単価を意識し、時給換算して収支バランスを把握する
- 時給の低い案件を減らし、効率的な案件に特化する
これにより、適切な労働時間を維持できます。
また、
- クライアントに対して自身の勤務時間を事前に伝えておく
と、オンとオフの切り替えがスムーズになり、休憩時の罪悪感も軽減されるでしょう。
セキュリティ対策が重要なフリーランス3Dデザイナー
フリーランスの3Dデザイナーとして、情報セキュリティの管理は非常に重要です。
個人で業務を請け負うため、セキュリティ対策が不十分になりがちです。
しかし、情報漏洩などのトラブルが発生すれば、クライアントからの信頼を失うだけでなく、法的責任を問われる可能性もあります。
事態が深刻化する前に、確実なセキュリティ対策を講じましょう。
フリーランスは会社に守られていないため、データ流出やサイバー攻撃の被害に遭えば、自身で全責任を負わなければなりません。
具体的な対策としては、
- セキュリティソフトの導入
- パスワード管理ツールの活用
- 二段階認証の採用
- OSやアプリの最新化
- 信頼できないソフトウェアのインストール回避
- 公共無線LANの利用控えめ
などが挙げられます。
カフェやコワーキングスペースで作業する場合は、事前に施設のセキュリティ状況を確認しましょう。
特に公共Wi-Fiは犯罪に巻き込まれるリスクが高いため、自宅作業以上の警戒心が必要不可欠です。
まとめ
この記事では、リモート/在宅ワークを希望または検討しているフリーランスの3Dデザイナーに向けて、そのような働き方の実情や年収、求人・案件の獲得方法、必要なスキルについて説明しました。
リモートワークや在宅ワークでの3Dデザイナーとしての可能性を、本記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。
フリーランスとして活躍するためのヒントが得られることを願っています。
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