Rustでできること8選！具体例つきでわかりやすく解説

Rustは、システムプログラミング言語として2010年に誕生した比較的新しい言語です。
高速な実行速度と並列処理の能力、優れたセキュリティ性能を備えており、近年注目を集めています。
本稿では、Rustの特徴や可能性、限界点、学習方法などについて詳しく説明します。
CやC++の代替として、新たな言語を習得したい方におすすめの内容となっています。

Rustとは、どんなプログラミング言語？

Rustは比較的新しいプログラミング言語ですが、Microsoft、Google、Amazonなどの大手テクノロジー企業が積極的に活用していることから、近年注目が高まっています。
大企業の採用が他社にも波及し、今後さらに普及が進むことが予想されます。
本稿では、Rustの特性や長所、用途などについて詳しく説明していきます。

Rustの特徴と優位性

Rustは高速な処理能力、並行処理への対応、そして優れた安全性を備えた言語です。
C言語やC++の代替を目指して開発されたため、処理速度の高さが特徴的です。
また、複数のタスクを同時に実行できる並行処理にも適しています。
従来の言語では、開発者がメモリ管理を手動で行う必要があり、エラーが発生しがちでしたが、Rustではメモリ管理が自動化されているため、安全性が高まっています。
開発者はメモリ管理を気にすることなく、安全なプログラミングに専念できます。

Rustの学習に向いている人

• グローバル企業が採用する最新の言語を学びたい方
• 高パフォーマンスな言語を習得したい方

MicrosoftやGoogle、Amazonなどの世界的大企業がRustを採用していることから、今後の主流となる可能性が高い言語です。
さらに、Rustは優れた設計の言語であり、高品質な開発が可能な高性能言語として、習得する価値があります。

Rustでできること8選！

Rustの能力について解説しましょう。
Rustの機能を理解すれば、Rustを学習するかどうかを判断できるはずです。

• メモリ安全性
• スレッド安全性
• 高性能
• 抽象化
• パターンマッチング
• ジェネリクス
• トレイト
• 所有権モデル

機能	説明
メモリ安全性	Rustのコンパイラは、メモリ安全性を保証するためのチェックを行います。ダングリングポインタやデータ競合などの問題を防ぎます。
スレッド安全性	Rustは、スレッド安全性を言語レベルで保証しています。データ競合などの問題を防ぎます。
高性能	Rustは、システムプログラミング言語として設計されており、高い実行速度を実現しています。
抽象化	Rustは、抽象化の仕組みを備えており、コードの再利用性と保守性を高めることができます。
パターンマッチング	Rustには、パターンマッチングの機能が備わっており、複雑なデータ構造を簡潔に扱うことができます。
ジェネリクス	Rustには、ジェネリクスの機能が備わっており、コードの汎用性を高めることができます。
トレイト	Rustのトレイトは、インターフェースの役割を果たし、コードの拡張性を高めます。
所有権モデル	Rustの所有権モデルは、メモリ安全性を保証するための仕組みです。リソースの所有権を明確にすることで、ダングリングポインタなどの問題を防ぎます。

Rustの高速Web開発フレームワーク

Rustには、ウェブアプリケーションの構築に適した多様なフレームワークが用意されています。

• Actix Web
• Rocket
• warp

などの実用的で高パフォーマンスなフレームワークが代表例です。
これらのフレームワークは、効率的で処理能力の高いウェブアプリケーションの開発を可能にします。
ウェブ開発分野では、使いやすく高速なフレームワークが継続的に登場しており、Rustはそうした需要に応えられる言語です。
ウェブ関連の仕事に携わる予定があれば、Rustの習得が有益でしょう。

コマンドラインツールの開発とRust

コンピューターへの指示を一括で実行できるのがコマンドラインツールです。
これらは、コマンドプロンプトで入力する命令を1つのプログラムにまとめたものです。
Rustプログラミング言語を使えば、高速で保守性に優れたコマンドラインツールを開発できます。
作成したツールは、専用のコミュニティを通じて世界中に配布することができます。

APIサーバーの活用とRustでの開発

APIサーバーの存在により、外部のサービスやツールを介してデータやサービスにアクセスすることが可能になります。
しかし、Rustを使えばAPIサーバーの開発も行えます。
TwitterのAPIは広く知られており、活用することでツールやアプリ内にタイムラインを表示できます。
Rustを使ってAPIサーバーを構築する際は、以下のWebフレームワークを利用するのが一般的です。

• "Actix Web"
• "Rocket"

Rustによる低レイヤー開発

Rustは低レベルな領域にも対応できるため、オペレーティングシステムの構築も実現可能です。
例えば、

• UNIXに似たRedoxというOSがRustで作られています。

現在はCやC++がOSの開発に多用されていますが、将来的にはRustがそれらに代わる主要な言語になるかもしれません。

Rustと機械学習

Rustは高速な処理能力を持つため、機械学習の領域においても活躍が期待されています。
機械学習とは、大量のデータを学習させることで、そのデータから規則性を獲得し、未知のデータを判別できるようにする技術です。
人工知能技術の一部と位置付けられています。

• 機械学習を実現するには、膨大なデータを処理する能力が求められます。
• Rustは高速処理が可能であり、計算量の多い機械学習プログラムの開発に適しています。
• そのため、Rustを習得することで機械学習分野でも活躍できる可能性があります。

ただし、機械学習向けのフレームワークがPythonほど充実していないという課題があります。
今後、新しいフレームワークが登場する可能性もあるため、動向を注視する必要があります。

Rustによるフロントエンド開発

Rustには、WebAssemblyと呼ばれる技術が組み込まれており、これによりWebブラウザ上でのアプリケーション開発も実現可能です。
WebAssemblyをRustで生成し、それをJavaScriptコードに組み込むことで、ブラウザ上で実行することができます。
ただし、Rustを使ったフロントエンド開発は一般的な手法とは言えず、あくまで可能な選択肢の

• 一つ

に過ぎません。
関心がある方は、詳細を調査してみるとよいでしょう。

Rustでゲーム開発

Rustは高速な処理能力を備えているため、ゲーム開発にも適しています。
C++の後継言語ながら、ゲーム開発に長けたC++と同様に、

• 大規模なデータ処理
• リソース負荷の高いゲーム

でも円滑に動作させることができます。
Rustコミュニティでは、ゲーム開発に関する議論が活発に行われており、最新の動向を把握できます。
さらに、Rustベースのゲームエンジンも多数登場しているため、ゲーム開発を志す方にはRustの習得がお勧めです。

ブロックチェーン開発におけるRustの活用

Rustを活用すれば、近年人気が高まっているブロックチェーン技術を応用したアプリケーションの開発が可能になります。
ブロックチェーンとは、データをブロックという単位で管理し、それらをチェーン状に連結させて保存する技術のことを指します。
この技術は当初、仮想通貨ビットコインの実現のために考案されました。
その後、

• ゲームアイテム
• グラフィックデザイン

などのデジタルコンテンツをユーザー間で取引する際に、取引の信頼性を確保するためにも利用されるようになりました。
Rustはこうした最先端の技術にも対応しており、様々な分野で活躍できる言語です。
そのため、Rustを習得すればエンジニアとしてのキャリアに役立つでしょう。

Rustでできないこと・デメリットとは？

Rustは多様な機能を備えていますが、一方で制約もあります。
本文では、Rustの限界や開発における課題点を取り上げます。
Rustを学習する際は、長所だけでなく短所についても理解しておくことが重要です。

Rustの長所と短所

Rustは低レベルな領域に強みを持つ一方で、ユーザーインターフェースの構築には向いていません。
つまり、

• システムの根幹部分の開発は可能ですが
• ユーザー側の操作画面などの実装には別の言語が必要となります

他の言語では両方の領域をカバーできるものもありますが、Rustを使う場合はユーザーインターフェース用の言語を別途習得する必要があり、そこが短所と言えます。

並行処理の難しさと重要性

Rustは複数のスレッドを同時に実行できるため、高速な処理が可能です。
しかし、並行処理を適切に実装するのは容易ではありません。
複数のスレッドがデータを共有する際、

• データの整合性が損なわれたり
• デッドロックが発生したりする恐れがあるためです。

そのため、並行処理を正しく実装するには、厳格なルールに従ってコーディングする必要があり、開発者としての高度な技術力と経験が求められます。

Rustと他言語のできることを比較！

Rustと他の言語で実現可能な領域には違いがあります。
ここでは、各言語の適用範囲を比較してみましょう。

Rustは、以下の開発に適しています。

• Webアプリケーション
• ゲーム
• 機械学習

Javaは、以下の開発で活躍します。

• Webアプリケーション
• モバイルアプリ
• 業務システム
• 組み込みシステム

Pythonは、以下の開発で重宝されます。

• Webアプリケーション
• AIの分野

PHPは主にWebアプリケーションの開発に使われます。

JavaScriptは、以下の開発に適しています。

• Webアプリケーション
• ゲーム
• Android・iOSのモバイルアプリ開発

SwiftはPCアプリとiOSアプリの開発に向いています。
KotlinはAndroidアプリ開発に特化しています。
DartはWebアプリケーションとAndroid・iOSのモバイルアプリ開発に使えます。
Go言語は、Webアプリケーションやモバイルアプリ開発に適しています。
C++は、以下の開発で活躍します。

• 業務システム
• 組み込みシステム
• ゲーム

Rustエンジニアの需要・将来性

Rustは高速で安全性に優れたプログラミング言語として知られています。

• Microsoft、Google、Amazonなどの大手企業でも採用されており、今後さらに需要が高まると見込まれています。
• 新機能の定期的なリリースにより、継続的な改善が行われているため、将来的にも成長が期待できる言語です。

優れた性能と発展性を持つRustを習得することで、エンジニアとしての価値を高め、キャリアアップの機会を得られるでしょう。
現時点でRustエンジニアの数は限られているため、習熟すれば有利に働くことができます。

Rustを学習する方法

Rustの習得方法をご案内いたします。これからRustを習得される際は、以下の内容を参考にしていただければ幸いです。

• 公式サイトの「The Rust Programming Language」を読む
• オンラインの学習教材を活用する
  • Rustbyexample.com
  • exercism.io
• 書籍を購入する
  • 「プログラミングRust」（オライリー）
  • 「Rust本格入門」（技術評論社）
• Rustの開発に参加する
  • Rustコミュニティに参加する
  • オープンソースプロジェクトに貢献する

学習方法	メリット
公式ドキュメント	信頼できる情報源
オンライン教材	無料で学習可能
書籍	体系的に学習可能
開発参加	実践を通じて習得可能

Rustの公式ドキュメントとチュートリアルの活用

Rustの習得を効率的に進めるには、公式が提供するリソースを活用するのがお勧めです。

Rustの公式ウェブサイトには、以下のようなリソースが掲載されています。

• ドキュメント
• チュートリアル動画

標準ライブラリやコンパイラに関するガイドライン、コマンドラインの使用方法などの基礎知識を、公式ドキュメントから学ぶことができます。

また、Rustの公式YouTubeチャンネルでは様々な情報を入手できますが、動画は英語なので注意が必要です。一方、ドキュメントには日本語訳機能があります。

公式が提供する情報は、学習を進める上で役立つだけでなく、今後Rustを使った開発を行う際にも、最新の機能やアップデートについて確認できるため有益です。

Rustの学習方法

Rustの基礎を自力で習得することも可能です。

• 独学用の書籍を購入するか、動画教材を活用するのがおすすめです。
• 動画教材の中には、ブラウザ上でコーディングを体験できるものもあり、環境構築の手間なく学習を開始できます。

一通りの知識を得たら、実際に開発環境を用意し、簡単なツールを作成してみましょう。
プログラムを実行する過程で、理解を深めるとともに、コンパイルの実行方法やエラー対処法など、実践的なスキルも身に付けられるはずです。

プログラミングスクールの活用

プログラミングの基礎を身につけるには、専門的な教育機関を利用するのが賢明です。
そこでは、以下のメリットがあります。

• 初学者でも理解しやすい教材と段階的な課題が用意されており、集中して短期間で確実にRustの習得が可能
• 講師から直接指導を受けられるため、疑問点を即座に解消できる

一方で、専門教育機関の利用には高額な費用がかかり、通学の義務があるというデメリットもあります。
事前に提供されるコンテンツや料金体系を確認し、自分に合った機関を選ぶことが重要です。

まとめ

この記事では、Rustという言語の特徴、可能性、学習方法について説明しました。
Rustは高速処理が実現できる優れた言語で、C言語やC++の後継として開発されました。
現在はまだ主流とは言えませんが、Microsoft、Google、Amazonなどの大手企業で採用されているため、将来的に需要が高まると予想されています。
需要の高まりが見込まれるRustを習得することで、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を通じてエンジニアとしての価値を高められるでしょう。
本記事が皆様の助けになれば幸いです。