バックエンドエンジニアの方々にとって、リモートワークは魅力的な選択肢となっています。
Webシステムの根幹を支える重要な役割を担いながら、場所を選ばずに業務に従事できるメリットがあるためです。
コロナ禍の影響で、リモートワークへの関心が高まり、様々な職種で導入が進んでいます。
バックエンドエンジニアの方々も、リモートワークの可能性に注目が集まっています。
しかし、実際にリモートワークが可能なのか、疑問に思う方もいるでしょう。
そこで、バックエンドエンジニアのリモートワーク求人・案件の状況を詳しく解説します。
加えて、リモートワークを行う上で必要なスキルや注意点についても説明します。
本記事を通じて、バックエンドエンジニアのリモートワーク事情を深く理解することができます。
気になる内容をタップ
バックエンドエンジニアはリモート/在宅ワークできる?
リモートワークが可能なバックエンドエンジニアの職種は、フロントエンドエンジニアに比べると求人数が少ない傾向にあります。
バックエンドエンジニアとは、Webサイトの開発において
- プログラミング
- サーバー
- データベース管理
などの裏側の作業を担当する技術者のことです。
HTMLやJavaScriptを使ってWebページを作成するフロントエンドエンジニアとは異なり、RubyやPythonなどのプログラミング言語を用いてサーバー側の処理を行います。
また、Webサービスのサーバー側設計や構築業務も担当することから、サーバーサイドエンジニアとも呼ばれています。
セキュリティ面での影響が大きく | 可動性に制約がある |
ため、リモートワークが難しい職種とされてきました。
しかし近年では、リモート勤務の求人案件も一定数存在するため、目指す価値は十分にあると言えるでしょう。
バックエンドエンジニアのリモート/在宅ワーク求人・案件実情
フリーランス従事者の調査結果によれば、バックエンドエンジニアの遠隔勤務の募集は2021年9月時点で389件に上っています。
3月時点の121件から毎月増加を続け、8月より59件多くなっています。
月ごとに大幅な上昇傾向にあるため、今後も安定した募集が見込まれます。
一方、常駐の募集は437件となっており、遠隔勤務の募集よりも多くなっています。
バックエンドエンジニアの募集全体に占める割合は、
- 遠隔勤務が47.2%
- 常駐が52.8%
です。
バックエンドエンジニアの募集は遠隔勤務も増加しているものの、常駐の方が多数を占めています。
バックエンドエンジニアの年収
フリーランスとして活動するバックエンドエンジニアの平均年収は843.6万円となっています。
同種の職種である会社員のサーバーエンジニアの平均年収が465万円であることを鑑みると、高い収入が見込めると言えるでしょう。
また、フリーランスのバックエンドエンジニアの単価は、
- 平均で70.3万円
- 中央値は70万円
- 最高値は150万円
- 最低値は20万円
となっています。
単価はスキルや実績によって変動するため、高収入を目指すには実績を重ねていくことが重要です。
最高単価が150万円であることから、スキルと実績を積み重ねれば、1,500万円を超える年収も可能性としてあります。
リモートワークと年収
リモートワークや在宅ワークの仕事であっても、収入が通常勤務と比べて変動することはありません。
例えば、従業員の場合、勤務形態がリモートワークに変更されたからといって給与が減額されることは、労働契約に反します。
また、リモートワークであっても残業が発生した場合、企業は残業手当を支払う必要があります。
通勤手当のような手当てはありませんが、基本的には給与に変化はないと考えられます。
フリーランスの場合も同様で、
- 仕事によって報酬が異なることはありますが、リモートワークであるからといって明確に低くなることはありません。
ただし、フリーランスは労働基準法の対象外のため、万が一リモート/在宅ワークの仕事が通常勤務の仕事と比べて報酬が低くても違反にはあたりません。
サーバーサイドエンジニアの収入と業務内容
サーバー側の管理を担うサーバーサイドエンジニアは、平均年収が886.8万円と比較的高収入を得られる職種です。
主な業務は、以下の通りです。
- Webサイトや業務システムが適切に機能するよう、サーバー機器の構築、設定、保守運用を行うこと
近年はクラウド化が進み、自社サーバーを持たない企業も増えているため、ネットワークインフラに関する知識も求められます。
業務の性質上、
求人の78.6%が常駐勤務 | リモートワークは21.4% |
となっており、サーバーサイドエンジニアはバックエンドエンジニアより高収入が期待できる一方で、リモート勤務は難しい傾向にあります。
インフラエンジニアの年収と業務内容
インフラエンジニアの平均年収は822万円程度と、バックエンドエンジニアと比較すると低めの水準にあります。
インフラエンジニアは、IT分野におけるインフラストラクチャの設計、構築、運用保守を担当する職種です。
Webサービス業界では、大規模なWebサイトを支えるため、
- データベース
- 仮想化
などの技術が求められます。
インフラエンジニアの求人案件のうち、リモートワークは22.7%にとどまり、77.3%が常駐勤務となっており、サーバーサイドエンジニアと同様に、常駐勤務が主流です。
求人案件数自体は安定しているものの、リモートワークを希望する場合は、バックエンドエンジニアの方が適しているかもしれません。
バックエンドエンジニアのリモート/在宅ワーク求人・案件獲得方法
フリーランスのバックエンドエンジニアが、リモートワークや在宅ワークの仕事を獲得する方策は多岐にわたります。
- フリーランス専門の仲介サービスやクラウドソーシングプラットフォーム、SNSなどを活用することができます。
- フリーランス初心者であれば、まずは仲介サービスを利用するのがスムーズでしょう。
- 会社員の傍ら、クラウドソーシングで副業案件に携わるのも一案です。
- 実績とスキルが蓄積されてきたら、サービスと直接営業を併用することで、さらなる高収入を目指せるでしょう。
それぞれの手段について、より詳しく説明していきます。
フリーランスエージェントの活用メリット
フリーランスのバックエンドエンジニアとして、安定した仕事の獲得と業務への集中を両立したい場合、フリーランスエージェントの活用が有効です。
フリーランスエージェントは、フリーランスと企業の仲介役を担い、スムーズな案件のマッチングを実現するサービスです。
- 事前に登録した条件に合致する案件をエージェントが紹介してくれるため、自ら営業活動を行う必要がなく、安定した受注が可能になります。
- さらに、エージェントが営業や事務作業をサポートしてくれるので、本業に専念できるメリットもあります。
ただし、エージェントを介在させると手数料が発生するため、直接受注する場合と比べて収益性が低下する点には留意が必要です。
クラウドソーシングサービスの活用
仕事を安定的に確保する有効な手段として、クラウドソーシングサービスの活用が挙げられます。このサービスは、企業がオンラインで不特定多数に業務を発注することを支援するものです。
- 代表例としては、クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどがあります。
- 大手サービスでは多数の求人が用意されており、専門分野のサービスでは特定ジャンルの案件を受注できます。
ただし、フリーランスエージェントとは異なり、自身のスキルや実績をクライアントに積極的にアピールする必要があります。
また、手数料が発生するため、収益が減少するリスクにも留意が必要です。
SNSを活用した営業の可能性
現代社会においてSNSは有効な営業手段となり得ます。
TwitterやInstagramなどのプラットフォームを活用し、自身の実績や活動状況を定期的に発信することで、不特定多数の人々に向けてアピールできるからです。
投稿内容がポートフォリオの役割を果たすため、クライアントに対する効果的なPRにもなります。
最初は反応がなくても、粘り強く発信を継続すれば、思わぬ依頼が舞い込む可能性があります。
さらに、サービスを介さないため、収益性が高いメリットもあります。
ただし、SNSのみに頼った営業では安定した受注は難しいため、
- 他の方法と組み合わせることが賢明です。
バックエンドエンジニアがリモート/在宅ワーク求人・案件で要求されやすいスキル
リモートワークや在宅勤務の職を得るためには、特定の能力や経験が求められます。
- プログラミングやフレームワークの知識
- サーバーやデータベースの構築力
- システム開発や運用のスキル
- 自己管理能力
バックエンドエンジニアとして活躍するための技術力は不可欠ですが、フリーランスとしての成功には自己管理能力も欠かせません。
これらの能力を磨けば、将来的な収入増加にもつながるでしょう。
各能力について詳しく説明しますので、ご確認ください。
バックエンドエンジニアに求められるプログラミング言語の習得
バックエンドエンジニアとして活躍するには、サーバーサイドプログラミング言語の習得が不可欠です。
代表的な言語としては、以下が挙げられます。
- PHP
- Ruby
- Perl
- Python
- Java
- C++
各言語は異なる分野で必要とされるため、特定の言語に特化すれば求人や案件の紹介を受けやすくなる一方で、選択肢が狭まってしまいます。
例えば、PHPやRubyは高速開発が可能なためWeb系スタートアップ企業で採用されがちですが、大規模開発ではJavaやC++のように長年使用されている汎用性の高い言語が選ばれます。仕事の幅を広げるには、1つの言語にこだわらず、複数の言語を習得することが賢明です。
フレームワークの重要性
業務を円滑に遂行するには、フレームワークに関する知識と実践経験が不可欠です。
フレームワークとは、システム開発において作業を合理化するための機能群のことを指します。
バックエンド開発者が活用する代表的なフレームワークには、以下のようなものがあります。
- CakePHP
- Laravel
- Ruby on Rails
- Express
- Django
- Flask
フレームワークを習得することで、プログラムの必要性と配置場所が明確になり、効率的な開発が可能になります。
フレームワークの学習は、プログラミング言語と併せて行うと理解が深まります。
バックエンドエンジニアに必須のミドルウェア
サーバーやデータベースなどのミドルウェアに関する知識と経験は、バックエンドエンジニアの仕事を円滑に遂行するために欠かせません。
ミドルウェアとは、オペレーティングシステムとアプリケーションの中間に位置するソフトウェアで、OSだけでは面倒な作業を補助する役割を担っています。
バックエンドエンジニアが利用するミドルウェアには、
- Webサーバーソフトウェアのapache
- データベース管理システムのMySQL
などが代表的です。
これらは広く使われているツールです。
かつては、
Linux | Apache | MySQL | Perl | PHP | Python |
の頭文字を取ったLAMPが、Webアプリケーション開発の基盤として、バックエンドエンジニアに求められる必須スキルとされていました。
バックエンドエンジニアの運用スキル
プログラムやアプリケーションの構築だけでなく、それらの維持管理も担当するバックエンドエンジニアには、運用に関する幅広い知識が求められます。
必要とされるスキルには、
- ITシステム全般への理解
- 課題の発見と分析力
- コミュニケーション能力
が挙げられます。
実際に稼働させた際に発生する可能性のある問題点や不具合を事前に洗い出す必要があります。
セキュリティ上の脆弱性 | エラーの監視 | 障害への対処 |
も運用業務に含まれるため、開発と一体となって学習を進めることが賢明です。
フリーランスの自己管理スキル
フリーランスとして活動するためには、技術的な知識だけでなく、自己管理能力を高めることが重要です。
具体的には、
- 健康管理に気を配り
- 自身の行動を律し
- スケジュール管理を行うこと
が挙げられます。
体調を崩せば収入が減るだけでなく、クライアントからの信頼も失われてしまいます。
また、自由に活動できるからといって、無秩序な行動をすれば、やはりクライアントの信頼を失うでしょう。
自らを厳しく律し、計画的に行動することで、将来的な収入アップにつながるのです。
リモート/在宅ワーク求人・案件に参画する際の注意点
リモートワークに従事する際には、いくつかの留意点があります。
- 評価基準が成果物のみであることから、長時間労働になりがちです。
- 情報漏洩のリスクも存在します。
確かに、リモートワークは通勤時間の削減や育児との両立など、柔軟な働き方を可能にしました。しかし、注意を怠ると収入減や健康被害、場合によっては賠償責任を負うこともあり得ます。適切な対策を講じることが重要です。
リモートワークにおけるモチベーション維持の重要性
リモートワークでは、業務の評価は最終的な成果物のみに基づくため、作業意欲の低下に注意が必要です。
オフィス勤務の場合、上司や同僚との交流を通じて、他者からの評価や承認を得ながら業務に従事できます。
一方、リモートワークではコミュニケーションが困難なため、作業過程が評価されず、適切な評価を受けているかどうか不安を抱えがちです。
定期的に進捗状況を共有することで、不安を払拭し、安心して職務に専念できるようになります。
リモートワークの長時間労働リスク
リモートワークでは、成果物のみが評価対象となるため、締切日までの圧力から長時間労働に陥りがちです。
期限内に業務を完了しなければならないストレスから、過剰な労働時間を費やし、健康を損なうリスクがあります。
また、集中力が欠如する環境で作業を引き延ばし、結果的に長時間労働になってしまうケースもあります。
長時間労働を回避するには、以下が重要です。
- 月次や週次で業務計画を立てる
- 1日の作業量を把握する
- 決められた1日分の仕事が終わったら、しっかりと休息を取る
リモートワーク時の情報漏洩対策
バックエンドエンジニアがリモート環境で作業する際、最重要視すべきは情報の漏洩リスクです。
情報処理推進機構の報告書によると、テレワークを標的とした攻撃が増加傾向にあります。
このような状況下で、情報漏洩対策は徹底して行う必要があります。
- 具体的には、通信の暗号化
- セキュリティソフトの導入
- 端末の紛失・盗難防止などが挙げられます。
万が一情報が漏れた場合、企業の信頼を失うだけでなく、賠償金の支払いも発生する可能性があります。
そのため、しっかりとした対策を講じた上で業務に当たることが求められます。
まとめ
バックエンドエンジニアのリモートワーク求人や案件の実態について詳しく説明しました。
IT業界やウェブ業界が発展している現代社会において、バックエンドエンジニアの将来性は引き続き期待できるでしょう。
従来はリモートワークが困難な職種とされていましたが、コロナ禍によりリモートワークのニーズが高まり、求人や案件数が増加しています。
実績とスキルを積み重ねれば、これまで以上の高収入を目指すことができるかもしれません。
この記事を読んで、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用し、バックエンドエンジニアのリモートワーク求人や案件に挑戦してみてはいかがでしょうか。