VBAは、マイクロソフトがOfficeスイートに統合したプログラミング言語です。
この言語は主にExcelで活用されることから、Excelの機能の一部と見なされがちですが、実際には
- Word
- PowerPoint
- Internet Explorer
- Microsoft Edge
- Outlook
- Access
などの様々なOfficeアプリケーションにも実装されています。
本稿では、
- VBAの求人動向や需要
- RPAとの違い
について説明します。
さらに、フリーランスのVBA開発者の年収水準についても言及します。
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VBAの求人数
VBAの職務機会は、主要なプログラミング言語と比較すると限られているように見受けられます。しかし、一定の求人数が継続的にあるため、「VBAのスキルを身につけたものの、応募先が見つからない」といった事態は避けられるでしょう。
VBAは高度なオフィス業務を可能にする言語であるため、大手企業からの求人も多数あります。そのため、大企業で働きたい方にとって有利な言語と言えます。
以下では、VBAの正社員求人とフリーランス求人について詳しく説明します。
- 正社員求人
- フリーランス求人
VBAとJavaScriptの求人数比較
VBAの職種における募集案件数は約3,700件程度となっています。
一方で、JavaScriptの募集案件数は約4,800件と、VBAを上回る水準にあります。
他の開発言語と比較した場合、VBAの正社員募集は決して多くはないと言えるでしょう。
VBAの求人数と人気の違い
VBAの仕事を探すため、レバテックフリーランスでキーワード検索を行ったところ、約460件の案件が表示されました。
一方で、JavaScriptの求人は6,000件を超えており、VBAの募集は正社員向けの案件に比べると少ない傾向にあるようです。
VBAの需要
VBAは国内で引き続き需要が見込まれる開発ツールです。その理由は、WindowsのOSシェアが高いことに起因しています。
WindowsのOSシェアが8割近くあり、今後もその地位が続く限り、VBAの需要は持続すると考えられます。
プラットフォームの制約はありますが、国内ではVBAの活用が継続されるでしょう。
VBAの求人動向と複数言語習得の重要性
VBAは他のプログラミング言語と比べると求人数が限られていますが、完全に需要がなくなることはないでしょう。
今後も一定の求人が見込まれると考えられます。
ただし、フリーランスエンジニアとしてVBAのみに特化すると、応募できる案件が少なくなり、仕事が途切れる可能性があります。
そのため、VBA以外の開発言語にも対応できれば、VBA案件が一時的に減った際に別の言語の案件で対応できるメリットがあります。
VBAによるExcel業務自動化
VBAスペシャリストは職務においてExcelを頻繁に活用します。
VBAは望む処理をコーディングすることができるプログラミング言語です。
Excelと併せてVBAを運用することで、
- データの入力
- 計算
- 整理などの定型作業を自動化することが可能となり
業務の負荷を大幅に軽減することができます。
VBAによる業務自動化の8つの事例
VBAを活用することで、様々な業務を自動化し、作業効率を大幅に向上させることができます。
- データの集計や計算、レポートの作成
- ウェブからの情報収集
- メールの一括送信
- データの転記
- 帳票の自動生成
- 入力作業の効率化
- さらにはOfficeアプリケーション間の連携まで、幅広い業務に対応可能です。
手作業で行っていた煩雑な作業を自動化することで、本来の業務に専念できるようになり、業務負担や人件費の削減にもつながります。
VBAのスキルを身につけることで、業務の効率化と生産性の向上が期待できるでしょう。
RPAとの違い
VBAとRPAは業務の効率化を目指す点で類似していますが、その手法や適用範囲には違いがあります。
RPAとは、人間が行う定型的な作業をソフトウェアのロボットが代行することです。
このロボットには、ルールエンジンやAIなどの技術が搭載されています。
一方、VBAとRPAの違いは以下の3点にあります。
- 1つ目は、RPAの方が自動化できる範囲が広く、データ処理能力も高いことです。
- 2つ目は、必要なスキルレベルの違いで、VBAの方がより高度な知識が求められます。
- 3つ目は、RPAの方がサポート体制が充実していることです。
これらの違いについて、より詳しく説明します。
RPAと自動化の範囲
RPAとVBAは自動化の範囲が異なります。
VBAは主に
- 文書作成
- データ転記
- メール送信
などを自動化しますが、RPAの自動化範囲はより広範囲に及びます。
RPAはパソコン作業のほとんどを自動化可能です。具体的には、
- Webアプリケーション操作
- 勤怠・給与計算
- データ移行
- 予約情報の更新と転記
- 売上集計と報告
- POSデータ収集と分析
- 競合店調査と集計
などが自動化できます。
RPAは多岐にわたる作業を自動化できる点が特徴です。
VBAとRPAの違い
VBAを活用するには、プログラミング言語としてのVBAの理解が必須です。つまり、VBAに関する技能や知識がなければ、扱うことができません。
一方、RPAは高度な知識やスキルを必要としないため、特別な知識がなくても業務の自動化が可能です。
プログラミングスキルがなくても調整や修正ができるため、エンジニアやプログラミング言語を理解している人材がいない現場でも活用できます。
RPAとVBAのサポート体制の違い
RPAは専門業者による包括的なサポートが期待できるため、導入や運用時の不明点に対して十分な支援を受けられる可能性が高くなります。
また、RPAの稼働状況を部門横断的に把握し、ユーザー部門だけでは対応が困難な課題にも対処できるようになっています。
一方、VBAは古くからある開発ツールであり、サポート体制が手薄になりがちな傾向にあります。
ただし、
- Excelがサポートされている限りにおいては、VBAに関するサポートも継続されるとの見方があります。
フリーランスのVBAの年収
フリーランスとしてVBAの業務に従事する場合、年収は380万円から420万円程度と見込まれています。
求人情報を見ると、月額32万円から35万円の案件が多数を占めています。
日本の平均年収が約400万円とされていることから、VBAのフリーランスとしての年収は平均的な水準にあると言えるでしょう。
案件を適切に獲得できれば、標準的な生活を送ることが可能で、生計を立てるのに困難はないはずです。
ただし、エンジニアの年収は平均を上回る傾向にあり、VBAの年収はエンジニア職の中では低めとなっています。
例えば、JavaScriptの年収相場は600万円前後とされています。
フリーランスは正社員に比べて不安定な働き方であるため、VBA以外の開発言語にも対応できるようにしておくと、さまざまな状況に対処できて安心できるでしょう。
まとめ
VBAは業務効率化ツールの開発や運用に活用されており、書類やグラフの自動作成、データの転記作業、メールの一括送信などが可能です。
WindowsがVBAを使用する限り、VBAのニーズは続くと言われているため、VBAを強みとして転職活動を行うことは現実的な選択肢です。
ただし、
- 他の開発言語に比べてVBA求人は少ないことに留意が必要です。
- また、VBA求人は大都市圏に集中しているため、地方在住者の選択肢は限られる可能性があります。
VBAだけでエンジニアとして働くことは可能ですが、他の開発言語やスキルを身に付けることで、より幅広い活躍が期待できます。
VBAに関心がある方は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用するのも一案でしょう。