Unityは3次元コンテンツ制作のためのソフトウェアプラットフォームです。
ゲーム開発以外にも、XRアプリケーションや様々なアプリの開発に活用されています。
Unityのスキルを身につければ、ゲーム業界に限らず幅広い分野で活躍できる可能性があります。
本稿では、以下について説明します。
- Unityの機能
- Unityで実現できる内容
- ゲーム以外のUnityの利用例
Unityの利用を検討中の方や、Unityの能力を知りたい方は、この記事を通してUnityの可能性を理解できるでしょう。
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Unityとは?
Unityは、ゲーム開発プラットフォームとして広く利用されています。この環境は、多様な機能を備えており、さまざまなジャンルのゲームを制作することが可能です。
Unityの主な特長は、以下のようなものが挙げられます。
- クロスプラットフォーム対応
- 高い拡張性
- 豊富なアセットストア
実際に、Unityを使ってリリースされた人気タイトルも数多く存在しており、その汎用性の高さがうかがえます。
Unity - 多彩なゲーム開発ツール
Unityは、C++言語を用いて構築されたゲーム制作ツールです。
- 3次元ゲームやモバイル向けゲームの開発に加え、XRコンテンツやアプリケーションの制作にも活用されています。
ゲームエンジンとは、ゲーム開発を効率的に行うための開発環境のことを指します。
- キャラクターや背景の映像、音声データなどの素材や、ゲーム開発で一般的に使用される処理、開発に必要な環境が一体化されています。
開発が容易な環境が整備されているため、プログラミング初心者でも高品質なゲームを制作することが可能となっています。
Unityの特徴と利点
Unityは、プログラミングの知識がなくても直感的な操作で高品質なゲームを制作できる環境を提供しています。コーディングを必要としないため、用意された素材や機能を活用して開発が可能です。
ただし、高度な機能や独自の要素を実装したい場合は、プログラミングスキルが必要になります。
Unityには、現実世界の物理法則をゲーム内で再現する「物理エンジン」が標準搭載されています。この機能により、リアルな映像やキャラクターの動きを表現できます。
波の動きなどの自然現象も、物理エンジンによる計算で再現されます。
Unityは開発用プラットフォームとしても機能します。直感的なツールやゲーム開発を支援する補助ツールが用意されており、効率的な開発が可能です。
さらに、C#によるプログラミングで独自機能の実装や、外部アセットの活用も可能です。
Unityで開発されたアプリでマルウェア感染の事例がありましたが、現在は最新のセキュリティ対策が施されています。
常に最新バージョンに更新することで、高い安全性を維持できます。
Unityで開発された人気ゲーム紹介
ここでは、Unity エンジンを使って制作されたゲームタイトルをご紹介します。
人気ゲーム「Among Us」では、プレイヤーが宇宙船内で互いに疑心暗鬼の心理戦を繰り広げます。2018年のリリース以降、世界中で熱狂的な支持を受け、ユーザー数は驚異的な6,000万人に達しています。Unity は、このようなマルチプレイヤー対応ゲームの開発にも適しています。
また、人気ドラマ「ウォーキング・デッド」の公式スマートフォンゲーム「ウォーキング・デッド:ノー・マンズ・ランド」も Unity 製作です。ゾンビに蔓延る世界を生き残るため、キャラクターを操作してスリリングな戦闘を体験できます。フィンランドのゲーム会社ネクストゲームズが手掛け、ドラマの世界観をリアルに再現しています。
Unityでできること3選!
Unityは、主に3つの分野で活用されています。
- ゲームの制作
- XR(拡張現実)コンテンツの開発
- アプリケーションの構築
これらの領域におけるUnityの機能と可能性について、より詳しく解説していきます。
Unityのゲーム開発能力と有名作品
Unityは本来ゲーム制作用に設計されたゲームエンジンであり、3Dゲームの開発に長けています。
しかし、2Dゲームの制作も可能です。
Unityが優れているのは、クロスプラットフォーム対応しているという点です。
- Windows、Mac、Linuxなどのパソコン向けだけでなく、iOS、Androidなどのスマートフォン向けのゲームも作れます。
- さらに、PlayStationやNintendo Switchなどのコンシューマー機器向けのゲームも開発できます。
Unityで制作された有名タイトルには、以下のようなものがあります。
・「ポケモンGo」 |
・「ウマ娘」 |
・「ドラゴンクエストウォーク」 |
・「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」のスマホ版リメイク |
・「バイオハザードアンブレラコア」 |
多くの人気ゲームがUnityで作られていることがわかります。
XRコンテンツの可能性と活用
XRコンテンツとは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)のコンテンツを総称する言葉です。
Unityを活用すれば、このようなXRコンテンツの開発が可能となります。
- VRは現実に近い仮想空間を映像や音響で再現したものであり、ゲーム以外の分野でも活用が広がっています。
- ARは現実世界に架空の映像を重ねる技術で、拡張現実とも呼ばれます。
- MRはARをさらに進化させ、映像と現実世界をより高度に融合させた技術です。
XRコンテンツの活用は、ゲーム分野にとどまらず、様々な産業で進んでいます。
例えば自動車業界では | 仮想試乗体験に |
医療分野では | 人体の動きの再現に利用されています。 |
このように、リアルな世界を映像で表す XRコンテンツは、多岐にわたる分野で役立てられています。
クロスプラットフォーム対応のUnityの活用
Unityは、Windows、Mac、iOS、Androidなどの様々なプラットフォームに対応したアプリケーションの開発が可能なクロスプラットフォームツールです。
現代のアプリ開発では、多様な環境への対応が求められるため、Unityのようなクロスプラットフォーム対応ツールは開発に適しています。
さらに、Unityを用いてVR・ARアプリケーションの開発も行えるため、スマートフォンゲーム以外の分野でも幅広く活用されています。
Unityを活用するメリット
Unityの利用によってもたらされる有益な点を確認していきましょう。
ゲーム開発プラットフォームとしての優れた機能性を備えており、多岐にわたる長所が存在します。
- クロスプラットフォーム対応により、複数の環境で動作するアプリケーションの構築が可能です。
- 豊富なアセットストアからリソースを入手できるため、効率的な制作が実現できます。
- C#などの一般的な言語を採用しているため、習得しやすい点も魅力的です。
このように、Unityは様々な利点を有しており、活用すべき価値の高いツールと言えるでしょう。
Unity初心者でも簡単にゲーム開発
プログラミングの素養がなくても、Unityは直観的な操作で開発が可能です。
初心者でも扱いやすいというメリットがあります。
ゲーム制作では、
- 画像や文字の表示
- 音声の実装
- ゲームパッドの操作対応
- 3Dモデリング
などが必要ですが、Unityはこれらの作業をほとんどカバーしています。
独自機能実装によるオリジナリティ溢れる開発
プログラミングの経験がなくても開発は可能ですが、C#の知識があれば、より高度な機能を実装することができます。
Unity Scriptと呼ばれる拡張機能を活用すれば、以下が可能になります。
- 独自の処理を組み込むこと
- オリジナリティ溢れる製品を生み出すこと
レンダリング高速化による映像制作効率向上
レンダリング処理の高速化は、高解像度映像制作における重要な課題です。
映像生成に必要な複雑な計算処理を効率化することで、制作作業の生産性が大幅に向上します。
Unityでは、以下の取り組みにより、レンダリング処理の高速化を実現しています。
- CPUの最適化
- ライティングの高性能化
これにより、開発者の作業効率の改善が期待できます。
マルチプラットフォーム対応のUnity
Unityは複数のプラットフォームで利用可能なツールであり、
- Windows、Mac、Linuxといった主要OSで実行されるアプリケーションや、
- iOSやAndroidといったモバイル端末向けのアプリの開発が行えます。
様々な環境に適応できるため、個別の環境専用の開発作業は不要となり、効率的な開発が可能になります。
Unity - 世界中で愛される多機能ゲームエンジン
Unityは世界中で広く活用されており、多くのユーザーに支持されています。
ゲーミングレポート2022によれば、230,000人以上の開発者が750,000を超えるゲームの制作・運営に携わっているそうです。
Unityが人気の理由は、以下の点にあります。
- 初心者から上級者まで幅広いニーズに対応できる
- 豊富な機能を備えている
ゲーム開発の経験がない人でも、ベテランのゲームクリエイターやコンテンツ制作者でも、十分に活用できる機能が用意されています。
Unityの活用例はゲーム開発以外にもある
確かに、Unityは単なるゲーム制作ツールにとどまらず、様々な産業分野で応用が広がっています。
各業界における具体的な活用事例を、次にご説明しましょう。
- 建設業界では、建築物のデジタルツインを作成し、設計段階での検証や施工時の作業手順の確認に活用されています。
- 製造業界では、製品の操作性や組み立て手順をシミュレーションすることで、設計の改善や作業者の教育訓練に役立てられています。
- 医療分野では、手術シミュレーターの開発や医療機器の操作トレーニングに利用されています。
このように、Unityは単なるゲームエンジンではなく、様々な分野でデジタルツインやシミュレーションに活用されています。
業界 | 活用事例 |
---|---|
建設業 | 建築物のデジタルツイン、設計検証、施工手順確認 |
製造業 | 製品の操作性シミュレーション、組立手順確認、作業者教育 |
医療 | 手術シミュレーター、医療機器操作トレーニング |
製造業におけるUnityの活用
製造業の現場においては、コンピューター支援設計データの立体的なシミュレーションや動画化にUnityが活用されています。
ゲーム業界で培われた3次元シミュレーションや映像レンダリングの技術が、設計データの処理に役立てられているのです。
自動車大手のHondaでは、Unityを使って車両デザインのプレゼンテーション用動画を制作しています。
この手法により、
- サプライヤーに対して詳細な自動車デザインを正確に伝達することができます。
建設現場のデジタルツイン化
建設業界では、建築中の工事現場をユニティで仮想空間に再現することで、現場の生産性向上に貢献しています。
これにより、実際に人員や資材を動かすことなく、仮想空間内で現場の課題を特定する作業が可能となります。
大手建設企業の大林組は、ユニティを活用して建設現場をサイバー空間に構築し、作業効率の改善を目指しています。
バーチャルイベントとUnityの活用
バーチャル空間におけるイベントやゲームの制作にUnityが利用されています。
仮想の世界で、友人と一緒に遊んだり、実際のイベントに参加しているかのような体験ができます。
Unityによるメタバースプラットフォームとして、以下が挙げられます。
クラスター株式会社の「cluster」 |
clusterを使えば、以下のことができます。
- バーチャル上での音楽ライブ鑑賞
- 友人とのゲーム
- 仮想SNSを楽しむ
医療現場におけるUnityの活用
医療分野においては、Unity技術が手術前のシミュレーションツールとして応用されています。人体の骨格や関節の動きを3Dで視覚化することで、従来は把握しづらかった身体の機能を理解できるようになりました。
このようなソフトウェアを活用することで、実際の手術に先立って練習が可能となり、医療現場での貢献度が高まっています。
航空宇宙産業におけるUnityの活用
宇宙航空分野においても、Unityは航空機やロケットの開発に役立てられています。
例えば、精密部品の設計時にARアプリケーションを利用すれば、必要な情報を確認しながら作業を進められます。
さらに、
- 宇宙機器の操作訓練にVR体験コンテンツを活用することで、実践的な研修が可能になります。
Unityでできないこと・デメリットとは?
Unityは多様な分野でXRコンテンツやアプリケーションの制作に利用されていますが、一方で制約や欠点も存在します。
本稿では、Unityの機能的な限界や短所について解説していきます。
- グラフィックスパイプラインの制約
- マルチスレッド処理の制限
- メモリ管理の非効率性
- ツール連携の課題
項目 | 説明 |
---|---|
グラフィックスパイプラインの制約 | Unityのレンダリングパイプラインは、高度なグラフィックス機能に対応していない。 |
マルチスレッド処理の制限 | ゲームループがメインスレッドで実行されるため、マルチスレッド処理が制限される。 |
メモリ管理の非効率性 | ガベージコレクションによるメモリ管理が非効率的である。 |
ツール連携の課題 | 他のツールとの連携が十分でない場合がある。 |
グラフィック制作におけるUnityとUnreal Engineの比較
Unityでグラフィック素材を生成することは可能ですが、高解像度の画像を求める場合はUnreal Engineの方が適しています。
さらに、外部リソースのインポートが主な用途であるため、オーディオ素材の制作には向いていないと考えられます。
Unity Scriptの活用とC#プログラミング
Unityでは、独自の機能を実装するために、C#によるプログラミングを活用する「Unity Script」が利用できます。
この機能を使えば、
- 物理動作の制御
- キャラクターのAIシステムなど
をカスタマイズして開発することが可能です。
ただし、Unity Scriptで使えるプログラミング言語がC#に限られているというデメリットがあります。
過去には
- JavaScript
- Boo
もサポートされていましたが、現在ではそれらの言語は対応していません。
Unityとその他開発ツールの機能比較
ゲーム制作ソフトウェアには様々な選択肢があり、それぞれ独自の特徴を持っています。
以下の表では、Unityと他のツールの機能を比較しています。
ツール名 | 2D/3D対応 | 主な用途 |
---|---|---|
Unity | 2D/3D | 小規模から大規模まで幅広いゲーム・コンテンツ制作 |
Unreal Engine | 2D/3D | 高品質なグラフィックスを備えたゲーム・コンテンツ制作 |
GameMaker | 2D/3D | インタラクティブなゲーム・コンテンツ制作 |
Godot Engine | 2D/3D | 無料でゲーム開発が可能 |
Cocos2d-x | 2D | 軽量な2Dゲーム開発 |
ご自身のニーズに合わせて、最適なツールを選択することをおすすめします。
Unityエンジニアの需要・将来性
ゲームエンジンや開発ツールの世界市場は拡大を続けており、2027年には18億7,900万米ドルに達すると予測されています。
この成長市場の中で、Unityのシェアは着実に高まっています。
Unityゲーミングレポート2022によれば、
- Unityプラットフォームで制作されたゲームの数が前年比93%増加し
- 新規クリエイターの数も31%増加しました。
さらに、
- 2019年から2021年にかけて、Unityでリリースされたゲーム数は50%も伸びています。
このように、Unityの人気は上昇を続けており、Unityエンジニアの需要と将来性は大いに期待できるでしょう。
Unityを学習する方法
Unity習得のための手段を提案させていただきます。
- Unity公式サイトのチュートリアルやサンプルプロジェクトを活用するのがおすすめです。
- また、書籍や動画講座を利用するのも効果的でしょう。
- さらに、Unity開発者コミュニティに参加し、他の開発者と交流することで、新しい知見を得られるかもしれません。
自身のスキルレベルに合わせて、様々な学習リソースを組み合わせることが重要です。
Unity入門の道しるべ
Unityの学習には、公式が提供するリソースやフリープランを利用するのが賢明です。
初めてUnityエディタをインストールする際は、無償で利用可能な「Personal」プランから始めるとよいでしょう。
詳細な情報は公式サイトで確認できますが、ここでは具体的なリンクは省略します。
Unity活用のためのスクール
一定レベルのUnity知識を身につけ、実践的なゲームやコンテンツ制作に取り組もうと決めた際には、専門スクールを利用するのが賢明です。
そこでは、より高度な技術や専門的なノウハウを習得することができます。
より本格的なプロジェクトに取り組むための知見が得られるでしょう。
Unity独学のすすめ
Unity初心者や個人利用者の場合、自主的な学習が賢明な選択肢となります。
公式ドキュメントや書籍、オンライン教材などのリソースを活用すれば、自力で知識を身につけることが可能です。
専門的なトレーニングを受けずとも、独学で着実にスキルを磨くことができるでしょう。
まとめ
この記事では、Unityという開発ツールについて説明しました。
Unityはゲーム開発だけでなく、XRコンテンツやアプリ開発など、様々な分野で活用できるパワフルなエンジンです。
ゲーム開発やXRコンテンツ制作を目指す方は、Unityの習得が有利になるでしょう。
Unityを使ったフリーランス案件を探している場合は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用するのがよいでしょう。
この記事が皆様の今後の活動に役立つことを願っています。