C++は多様な領域で活用される汎用プログラミング言語です。
- インターネットが普及する以前から、組み込みシステムの制御目的で設計されました。
- その後、ウェブアプリケーション、業務システム、ゲームなど、さまざまな分野で幅広く利用されるようになりました。
本稿では、C++の特徴、得意分野、苦手分野、実際の利用事例について説明します。
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C++とは、どんなプログラミング言語?
C++は高速な処理能力と優れた開発効率を兼ね備えたプログラミング言語です。
1972年に誕生した古くからある言語ですが、現在でも幅広い分野で活躍しています。
- ハードウェアの制御や組み込み開発から始まり、
- Webアプリケーションやゲーム開発など、
多くの既存システムがC++で構築されています。
C++の特徴について、より詳しく説明していきましょう。
C++の特徴と優位性
C++は高速な処理能力と高負荷処理への対応力を備えており、小規模ツールから大規模システムまで幅広い領域で活躍しています。
この言語は汎用性に優れ、
- 組み込み開発
- ゲーム開発
- Webアプリケーション開発
など、ほとんどあらゆる分野で利用可能です。
さらに、オブジェクト指向プログラミングをサポートしているため、従来のC言語に比べて開発効率が大幅に向上しています。
このように、比較的古い言語ながらも優れた機能を有するため、現在でも多くのユーザーに利用され、多数の企業で採用されています。
C++、C言語、C#の違い
C言語とC++は密接な関係がありますが、C#とは全く異なる言語です。
C++はC言語を基に構築された後継言語であり、
- 高速な処理能力
- オブジェクト指向による開発効率の向上
を兼ね備えています。
さらに、C言語とC++は相互運用が可能です。
一方、C#はMicrosoftが独自に開発した言語であり、C++とは系統が異なるため互換性がありません。
また、得意分野も異なります。
名前が類似していますが、C#はC言語やC++とは全く別物であることに留意する必要があります。
C++でできること7選!
C++は、幅広い領域で活用されるプログラミング言語です。
- ゲーム開発
- システムソフトウェア
- 科学技術計算
などの分野で、その性能と柔軟性が発揮されています。
高度なアプリケーションから組み込みシステムまで、C++は信頼性と効率性を兼ね備えた選択肢となります。
プログラミングの基礎から応用まで、C++の知識を深めることで、さまざまな可能性が広がるでしょう。
C++によるWebアプリ開発の現状と課題
C++は高い処理能力を持つため、大規模で複雑なWebアプリケーションの開発に適しています。
しかし、その難解さから開発コストが高くなる傾向があります。
世界的に利用されているWebブラウザ「Google Chrome」は、C++を用いて構築されています。
信頼性の高いC++の活用
C++は、企業の中核業務や金融機関、政府機関などの重要システムの開発に幅広く活用されています。
その高い信頼性から、システム障害が発生した場合の影響が甚大となるため、処理能力に優れたC++が選択されることが多いのです。
多数のユーザーに影響を及ぼす可能性があり、経済的・社会的損失リスクが高いシステムでは、高速な処理性能と実績のあるC++が好んで採用されています。
C++の汎用性とAI分野での活躍
C++は、人工知能やディープラーニングなど、最新の技術分野においても広く利用されています。
長い歴史を持つプログラミング言語ですが、汎用性が高いため、革新的な領域でも活躍しています。
C++の柔軟性と強力な機能は、先端技術の開発に欠かせない存在となっています。
C++によるロボット開発の可能性
C++は本来、ハードウェアの制御を目的として設計された言語です。
そのため、ロボットや各種機械の制御システムの開発に適しています。
近年、産業用ロボットやドローンなどのロボット開発分野が注目を集めており、需要が高まっています。
ロボット開発では、以下の点で高い精度が求められます。
- 正確な動作
- 高速な処理
- 安全性の確保
C++はその高度な処理能力から、こうした要求に応えることができます。
C++の組み込み開発への適性
C++は、デバイスに搭載されるソフトウェアの開発に適しています。
- 家電製品、ゲーム機器、携帯端末などの機器に組み込まれるプログラムの制作を指す組み込み開発において、C++は処理速度が速く、プログラムサイズが小さくなるという長所があります。
近年、情報機器に搭載されるシステムへの需要が高まっており、C++を用いた組み込み開発のスキルを身につけることで、エンジニアとしての活躍の場が広がることでしょう。
C++によるゲーム開発の可能性
C++は高い処理性能を持つため、ゲーム制作に適した言語です。
ゲーム業界は急速に成長を続けており、C++を使いこなせるゲームクリエイターの需要は高まるでしょう。
有名なゲームエンジン「Unreal Engine」はC++で作られており、C++の知識があれば、より高度なゲーム開発が可能になります。
IoTシステム開発とC++の活用
近年、デバイスとネットワークを統合するIoT技術が広く普及しています。この分野においても、C++プログラミング言語が活用されています。
例えば、
- エアコンやテレビなどの家電製品をインターネットに接続することで、外出先からでも操作や予約設定が可能になります。
C++はハードウェア制御に長けているため、IoTシステム開発に適した言語です。家電や産業機器の開発に携わる場合、C++のスキルを身につけておくと有利でしょう。
Webサービスの例 (C++を使って作成)
C++は実用的なプログラミング言語として、様々な実サービスで活用されています。
実際に運用されているシステムの一例を確認しましょう。
システム名 | 概要 |
---|---|
Google Chrome | Webブラウザ。レンダリングエンジンなどの主要部分がC++で実装されている。 |
Microsoft Office | オフィススイート。Word、Excel、PowerPointなどの主要アプリケーションがC++で実装されている。 |
Adobe Photoshop | 画像編集ソフトウェア。C++で実装されている。 |
MySQL | オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム。サーバー側の主要部分がC++で実装されている。 |
このように、C++は大規模で高性能が求められるシステムで幅広く利用されています。
Google Chromeの信頼性と進化
C++は信頼性の高いプログラミング言語として知られており、Google社が開発したWebブラウザ「Google Chrome」もこの言語で作られています。
世界中で広く使用されているGoogle Chromeは、継続的に新機能が追加されるなど、常に進化を続けています。
このように大規模で重要なアプリケーションの開発にC++が採用されていることから、その高い信頼性が伺えます。
Unreal-Engineの概要と活用
Unreal-Engineは米国のEpic Gamesが開発したゲームエンジンで、C++言語で構築されています。
ゲームエンジンとは、ゲーム制作に必要な開発環境であり、
- キャラクターや背景などの素材
- 開発ツール
などが一体化されています。
Unreal-Engineは3Dゲームの開発に長けており、個人でも高品質な3Dゲームを制作できます。
C++の知識がなくても基本的なゲームは作成可能ですが、C++を習得すれば、より高度なゲームの開発が可能になります。
ゲームクリエイターやゲームエンジニアを目指す場合は、C++とUnreal-Engineのスキルを身につけることをおすすめします。
C++のデメリットと制約事項
C++は多くの機能を備えた言語ですが、一方で制約や欠点も存在します。ここでは、C++の苦手とする領域やマイナス面について解説します。
- 低レベル操作の複雑さ
- ポインタ操作やメモリ管理が難しい
- セキュリティ上の問題が発生しやすい
- 移植性の問題
- プラットフォームによって動作が異なる可能性がある
- 大規模プロジェクトへの対応
- コードの複雑さが高まるため、保守性が低下する
- 学習コストが高い
- 言語仕様が複雑で理解が難しい
項目 | 内容 |
---|---|
低レベル操作の複雑さ | ポインタ操作やメモリ管理が難しく、セキュリティ上の問題が発生しやすい |
移植性の問題 | プラットフォームによって動作が異なる可能性がある |
大規模プロジェクトへの対応 | コードの複雑さが高まるため、保守性が低下する |
学習コストが高い | 言語仕様が複雑で理解が難しい |
UIの限界
C++は多様な機能を備えた言語ですが、ドラッグアンドドロップなどのグラフィカルな操作を伴うユーザーインターフェースの構築には向いていません。
そのため、UIの開発を行う場合は、C#などのGUIツールキットに適した言語の習得が求められます。
C++の学習難易度
C++は言語仕様が複雑で、初学者にとっては習得が容易ではありません。
他の言語と比べると、覚えるべき事項が多岐にわたるため、プログラミング初心者が一から学ぶのは大変な作業となります。
そのような場合、
- 入門書を活用したり
- オンライン学習サイトやプログラミングスクールなどを利用するなど
様々な学習方法を組み合わせる工夫が必要不可欠です。
ただし、過去にC言語やオブジェクト指向のJavaを学んだ経験があれば、共通点が多いため、C++の習得は比較的容易になるでしょう。
C++と他言語のできることを比較!
プログラミング言語の特性は多岐にわたり、それぞれが得意とする領域があります。ここでは、各言語の適用範囲を比較表にまとめました。
言語 | 適用範囲 |
---|---|
C++ |
|
Java |
|
Python |
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PHP |
|
JavaScript |
|
Swift |
|
Kotlin |
|
Dart |
|
Rust |
|
Go言語 |
|
C++エンジニアの需要・将来性
C++は多様な機能を備えた汎用プログラミング言語であり、以下の分野で需要が高まると予想されます。
- Webアプリケーション開発
- 組み込みシステム開発
- ゲーム開発
既存のC++ベースのアプリケーションやシステムの機能拡張やメンテナンスも必要とされるため、C++エンジニアの需要は引き続き高水準で推移すると見込まれます。
ただし、将来的には開発効率の高い新しい言語の台頭により、C++の需要が下がる可能性もあります。そのような事態に備え、新たな言語の習得が求められる場合があるかもしれません。C++と新しい言語の両方を習得することで、以下が可能になります。
- 既存システムの更新
- 新システムへの移行対応
状況に応じて新しい言語を学ぶ必要が生じるかもしれませんが、C++を習得していれば幅広い分野で活躍できるエンジニアになれるでしょう。
C++を学習する方法
C++の習得には様々な方法があります。まずは基礎から着実に知識を積み重ねることが重要です。
- 書籍やオンラインコースを活用し、サンプルコードを実践しながら学習を進めましょう。
- また、プロジェクトを通して実践的な経験を積むことで、より深い理解が得られます。
- コミュニティに参加し、他の学習者や専門家と交流することも有益でしょう。
一歩ずつ着実に取り組めば、確実にスキルを身につけることができます。
C++入門の注意点
C++は他の言語と比べると複雑で覚えることが多いため、初心者にとっては習得が難しい言語です。しかし、C++は広く使われているので、書籍やオンラインで学習資料を簡単に入手できます。
- プログラミングの経験がない場合は、入門書から学習することをお勧めします。
- ただし、独学だけでは効率的な学習は難しいでしょう。
- テキストと併せてオンライン教材や動画を活用すると理解が深まります。
初めてプログラミングを学ぶ場合は、PHPやRubyなど比較的簡単な言語から始め、基礎を身につけてからC++に取り組むのが賢明です。
C++オンライン学習の活用
C++の習得には、オンラインプラットフォームを活用するのが賢明な選択肢です。
各サービスは学習のしやすさや難易度が異なるため、自分に合ったコンテンツを見つけることが重要です。
しかし、テキストのみでは理解が難しい点が多いと指摘されています。
そこで、動画やインタラクティブな教材を併用することで、効率的に知識を身につけられるでしょう。
C++学習におけるプログラミングスクールの活用
C++は習得が困難と言われていますが、本格的に学びたい場合はプログラミング教室を利用するのが賢明な選択肢です。
特に経験が浅い方は自力で学ぶのは難しいため、教室での学習をおすすめします。
- 講師に直接質問できるため、分からない点を即座に解決できます。
- また、レベルに合わせた授業を受講できるので、無理なく学習を進められます。
ただし、プログラミング教室には費用がかかるというデメリットがあります。
料金体系 | 講師の評価 | 教材の内容 |
などを入念に比較検討し、自分に適した教室を選びましょう。
まとめ
この記事では、C++という言語の特徴や適用分野、実際の活用事例について説明しました。
C++は汎用性が高く、長年にわたり様々な領域で利用されてきた言語です。
もともとCという言語をベースに開発されており、処理速度が速く処理能力に優れているため、多くのシステム開発の現場で活躍しています。
- Webアプリケーション開発
- ゲーム開発
- 組み込み開発
- AI開発
など、今後需要が高まると予想される分野でも活用されているのが特徴です。
C++は既存システムでも採用されているケースが多く、今後もニーズが高まると見込まれているため、習得すればエンジニアとして活躍の場が広がるでしょう。
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