AWSは、Amazonが運営するクラウドプラットフォームです。ネット経由で、必要な分だけインフラやアプリケーションを利用できます。
AWSには多様なサービスが用意されており、
- 高性能
- 費用削減が期待できる
などの長所があります。
本稿では、
- AWSの概要
- 機能
- 利点・欠点
- 他サービスとの違い
- AWSエンジニアの需要動向
などについて解説します。
AWSの学習を検討中の方は、この記事を読めば理解が深まるはずです。
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AWSとは?
クラウドコンピューティングのリーディングカンパニーであるAmazonが運営するAWSは、ネットワーク経由で必要な分だけITリソースを活用できるプラットフォームです。
初めに、
- クラウドサービスの概要
- AWSの長所
- 同社が業界をリードする理由
について説明を加えましょう。
クラウドサービスの概要
インフラストラクチャやソフトウェアを自前で準備する代わりに、クラウド事業者が提供するリソースを活用することで、コストや運用負荷を軽減できるのがクラウドサービスの特徴です。
メールサービスなどは、ユーザーがソフトウェアをインストールする必要なく、ブラウザ上で利用可能な代表例です。
クラウドサービスには、以下の3種類があります。
- インフラ資源を提供するIaaS
- 開発環境まで含むPaaS
- アプリケーションそのものを提供するSaaS
Amazon Web Servicesは、Amazon社が運営するクラウドサービスプラットフォームで、幅広いサービスメニューを備えています。
AWSの特徴と利用シーン
AWSは、インフラストラクチャ、プラットフォーム、ソフトウェアの各レベルでサービスを提供しています。
この包括的なオファリングには、以下のような特徴があります。
- 豊富な選択肢
AWSには200種類を超えるサービスが用意されており、ウェブサイトやアプリケーションの構築・運用、データ管理、データベース管理など、様々な目的に活用できます。 - 高い信頼性
10年以上の実績があり、堅牢性と拡張性に優れたセキュリティ対策が施されています。そのため、データの保護やセキュリティ面での懸念は最小限に抑えられます。
AWSの高いシェアの理由
クラウドサービスの2023年第1四半期における利用状況を見ると、AWSが32%と最も高いシェアを占め、Microsoft社のAzureが23%で2位となっています。
AWSが多くのユーザーに選ばれ続ける主な理由は、以下の2点にあります。
- 豊富なサービス展開と幅広い環境への対応力
AWSは200を超えるサービスを提供しており、
- Webサービスの構築・運用
- オンラインストレージ
- データベース
など、さまざまな分野をカバーしています。
このように多様なニーズに応えられるため、多くのユーザーに利用されています。
- オンプレミス環境からの移行が容易
AWSは多様なOSやミドルウェアに対応しているため、既存の環境からスムーズに移行できます。
このように幅広い環境に柔軟に対応できることが、高いシェアを維持する要因となっています。
AWSでできること7選!
本文では、Amazon Web Services(AWS)の実践的な利用方法について、具体例を交えながら解説します。
多岐にわたる事例がありますが、ここでは7つの代表的なケースに焦点を当てます。
- ケース1: ウェブサイトのホスティング
- ケース2: バックアップとディザスタリカバリ
- ケース3: ビッグデータ分析
- ケース4: モバイルアプリケーション
- ケース5: メディア配信
- ケース6: ゲームホスティング
- ケース7: 企業システムのクラウド移行
サーバーレスWebサービス構築
Webアプリケーションやオンラインストアの構築・運用が可能なソリューションを提供しています。
例えば、「AWSラムダ」では、
- 作成したコードのみを用意すれば、サーバーレスでコードを実行する環境が利用できます。
- Webサーバーやアプリサーバーの管理は不要で、プログラミングに専念できます。
データ保存・保護のためのクラウドストレージ
データの保管や保護を目的としたサービスも存在します。災害などの緊急事態が発生した際でも、データを安全に保持することが可能です。
代表的なサービスとして「Amazonシンプルストレージサービス(S3)」があげられます。
S3はオンラインストレージサービスであり、
- データのバックアップ
- 復元
- 分析
などに活用できます。
大量のデータを保有する企業は、自社でデータベースサーバーを用意する必要がありますが、S3を利用すればその手間が省けます。
低コストかつ安全にデータをバックアップできるサービスです。
データベースサービスの活用
クラウドベースのデータベース管理ソリューションを活用すれば、自社でデータベース基盤を構築・運用する必要がなくなります。
例えば、ECサイトを運営する際、顧客情報や商品データをクラウドストレージに保管し、そこから参照するといった利用方法が一般的です。
代表的なサービスの一つに「Amazonリレーショナルデータベースサービス(RDS)」があり、
- RDSを導入することでデータベース管理作業を軽減し、システム開発や運用業務に専念できるメリットがあります。
ビッグデータ分析のためのAWS EMRの活用
ビッグデータを取り扱う領域においては、大規模なデータの収集、解析、運用が求められます。
AWSが提供する主要なデータ分析・機械学習サービスは「Amazon Elastic MapReduce(EMR)」と呼ばれるものです。
この機能は、以下の点で活躍しています。
- 膨大な情報を効率的に処理する
- 機械学習などのビッグデータ関連の分野で活躍する
利用した分のみに対して課金されるため、サーバーストレージなどのリソースを無駄なく活用できるという利点があります。
クラウド仮想サーバーの活用
企業は自社でサーバーやネットワーク環境を準備する必要がなく、クラウド上にサーバーを構築することができます。
代表的なクラウドサービスとして、Amazon Web Services(AWS)の「Elastic Compute Cloud(EC2)」があげられます。
EC2は、ユーザーが自由に環境設定を行い、必要に応じてサーバーを構築できる従量課金型のサービスです。
- 構築するアプリケーションの規模やアクセス数に合わせて、適切な環境を用意することが可能です。
実際に、
PayPayのQRコード決済システム | ソニー銀行のシステム |
などでEC2が活用されています。
クラウドIDE「Amazon Cloud9」とAWS CLI
複数のプログラミング言語に対応した統合開発環境(IDE)のサービスが利用可能です。
例えば「Amazon Cloud9」は、ウェブブラウザ上で統合開発環境を提供するサービスです。
- 40種類以上のプログラミング言語をサポートし、開発者同士がチャットでコミュニケーションを取れる機能を備えています。
- Amazon Cloud9を活用すれば、個々の端末にIDEをインストールすることなく開発作業が行えます。
また、「AWSコマンドラインインターフェース(CLI)」は、コマンドラインからAWSサービスを制御・自動化するためのツールです。
- 主にAWSサービスの管理に必要となります。
コンテンツ配信ネットワークの利用事例
コンテンツを高速かつ安全に配信できるクラウドサービスがあります。
そのサービスは低レイテンシーで高速な転送を実現し、
- 動画配信サイト
- ビジネスツール
など、さまざまなウェブサービスで活用されています。
このクラウドサービスを利用することで、ユーザーに快適なオンライン体験を提供することができます。
AWSを活用するメリット
AWSを利用することで得られる恩恵について解説いたします。
- クラウドサービスを活用することにより、企業はITリソースの調達や管理に伴う手間を大幅に削減できます。
- 必要に応じてリソースをすばやく確保・解放できるため、コスト最適化が図れるのも大きな利点です。
- また、高い可用性と堅牢なセキュリティ対策により、システムの安定稼働が実現します。
- さらに、最新のテクノロジーを素早く取り入れられるため、イノベーションの促進にも寄与します。
このように、AWSの活用はビジネスにさまざまなメリットをもたらします。
クラウドコンピューティングの利点
当社のシステムは定期的に最新の機器に更新されているため、高速で安定したパフォーマンスと優れたサービス品質を維持しています。
機器の入れ替えにより、常に最高の性能をお約束できます。
クラウドサービスの柔軟性
多様なサービスが用意されており、ニーズに合わせて必要な機能を自在に活用することができます。
さらに、データ量や規模を自由に調整できるため、柔軟な拡張性が確保されているのが大きな強みとなっています。
クラウドサービスの利点
サービスの利用に応じて料金を支払うだけで、ハードウェアやソフトウェアの購入は不要です。
このような従量課金制のおかげで、コスト削減が実現できるのです。
クラウドサービスの信頼性
AWSは、Amazonが長年の経験と専門知識を活かして構築された、高度なセキュリティ対策が施されたクラウドサービスです。
優れた信頼性と安全性を備えているため、ユーザーは安心して利用することができます。
クラウドコンピューティングの利点
自身でハードウェアを設置する必要がないため、スペースを節約できます。
そのため、住居や事務所の余剰スペースを効率的に利用することが可能になります。
データ保管とリスク分散
データの保管場所をクラウド環境に分散させることで、システム障害が発生した際のリスクを軽減することができます。
AWSのデメリットとは?
AWSには様々な利点がある一方で、注意すべき欠点も存在します。
ここでは、AWSの欠点について解説します。
- ベンダーロックイン
AWSのサービスを利用すると、そのサービスに依存してしまい、他のクラウドサービスに移行することが困難になります。 - セキュリティ上の懸念
AWSはセキュリティ対策を行っていますが、クラウド上のデータは外部から攻撃される可能性があります。 - コスト管理の難しさ
AWSのサービスは従量課金制のため、利用量が増えるとコストが高くなる可能性があります。
欠点 | 説明 |
---|---|
ベンダーロックイン | AWSのサービスに依存してしまい、他のクラウドサービスに移行が困難 |
セキュリティ上の懸念 | クラウド上のデータは外部から攻撃される可能性がある |
コスト管理の難しさ | 利用量が増えるとコストが高くなる可能性がある |
AWSサービス選定の重要性
AWSには多数のサービスが用意されているため、適切なものを選択することが難しい場合があります。
そのため、AWSに関する知見を深め、必要なサービスを見極める力を養うことが重要となります。
AWSのカスタマイズ可能性
自社のオンプレミス環境では、環境設定などを比較的柔軟に調整できますが、AWSは多くのユーザーが共有するため、そこまで自由度は高くありません。
ただし、
- サーバー数
- ストレージ容量
などの一定の調整は可能です。
クラウドサービスの基礎概念
AWSは膨大な数のサービスから構成される巨大なプラットフォームであり、独自の用語や考え方に基づいて進化を遂げてきました。
そのため、AWSを活用する前に、その根底にある基本的な概念を適切に把握しておくことが重要となります。
従量課金制によるAWSコストの変動性
料金体系はAmazon Web Servicesでは固定額ではなく、実際に利用した分のみに応じて課金されます。
つまり、毎月の支払い額が変動する可能性があることに留意する必要があります。
障害対応とメンテナンス時の対処
システムの不具合やトラブルが起きた場合、基本的に自身で対応しなければなりません。
さらに、AWSが保守作業を行う日は、サービスが利用できなくなることを認識しておく必要があります。
AWSとその他クラウドサービスのできることを比較!
クラウド事業者が提供するサービスの特徴を比較しました。選定の際は、各社の強みを踏まえた上で、ご自身のニーズに合わせて判断することをおすすめします。
【クラウドサービスの特徴一覧】
クラウド事業者の強みは以下の通りです。
AWS | サービスラインナップが幅広く、汎用的な利用が可能。 |
GCP | Googleサービスとの連携や、AI/データ分析に適している。 |
Azure | Microsoftエコシステムとの親和性が高い。 |
Alibaba Cloud | 中国市場での活用に適している。 |
AWSエンジニアの需要・将来性
クラウドサービスにおいて、AWSが最大のシェアを占めていることは周知の事実です。
このため、今後もAWSを活用する企業が増加し続けることが見込まれ、AWSエンジニアに対する需要も高まると予測されます。
AWSエンジニアの将来性は、以下の点から肯定的に捉えられます。
- Microsoft製品との連携が容易であること
- クラウド化の進展が継続すること
- AWSサービスの多様化が進むこと
などが挙げられます。
AWSを学習する方法
AWSの習得方法を説明しましょう。
クラウドサービスの基礎知識を身につけることが重要です。
AWSの公式サイトには豊富な学習リソースが用意されており、
- ハンズオンラボ
- ホワイトペーパー
などを活用できます。
また、AWSの資格取得を目指すのも良い選択肢です。資格試験に向けた学習を通じて、実践的なスキルを身につけることができます。
さらに、
- オンラインコース
- セミナー
に参加するのも有効な手段となります。専門家からの指導を受けながら、確実に知識を深めていくことができるでしょう。
AWSの活用方法
AWSの公式資料は非常に詳細で、サービスの概要や個別の機能について確認することができます。
さらに、AWSには無料プランが用意されているため、
- 初めは無料版を活用してAWSの仕組みを把握するのが賢明でしょう。
AWSの学習方法
AWSの知識を深めたい場合は、専門的な教育機関やイベントを活用するのがおすすめです。
体系立ったカリキュラムを通じて、高度なスキルを習得できるでしょう。
自己学習だけでなく、プロの指導を受けることで、AWSの理解がより確実になります。
AWSの独学方法
自主的な学習を通じてAWSの知識を身につけることが可能です。
公式のリソースやオンラインコンテンツを活用すれば、
- 空き時間や移動時間を利用して効率的に学習を進められます。
外部サイトへの誘導は控えさせていただきます。
まとめ
この記事では、AWSについて詳しく説明しました。
AWSは200以上のサービスを提供しており、エンジニアとしてキャリアアップできる可能性があります。
AWSエンジニアとして活躍したい場合は、適切な案件を見つけることが重要です。
案件の探索には様々な方法がありますが、
- ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用するのも一つの選択肢です。
フリーランスエンジニアとして第一線で活躍するためには、自身のスキルを磨き続けることが不可欠です。