リモートワークが広がる中、多くの求職者がこの働き方を経験しています。
Geeklyの調査によると、約83.4%の人がリモートワークを体験したと回答しています。
このように、労働環境の変化や新型コロナウイルスの影響で、エンジニア職種においてもテレワークの導入が進んでいます。
本稿では、汎用機エンジニアがリモートで業務を行うことができるかどうかを解説します。
さらに、リモートワーク関連の
- 求人動向
- 将来性
- 収入水準
についても言及しますので、参考にしてください。
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汎用機エンジニアはリモートワークできる?
一般的なコンピューターエンジニアは、リモート環境での作業が可能です。
その理由は、業務内容がテレワークに適しているためです。
コンピューターエンジニアは、企業の中核システムにメインフレームを活用している組織において、主に以下の業務を担当しています。
- インフラストラクチャの構築と保守
- システム開発
などです。
ただし、一部の業務については、社内に常駐しないと対応が困難な場合もあります。
例えば、外部からのアクセスが難しい作業はリモートでは対処できません。
しかし、前述のコンピューターエンジニアの主要な職務は、基本的にはテレワークでも遂行可能です。
「汎用」とは、特定の目的や対象に限定されず、幅広い用途に使用できることを意味します。
つまり、汎用コンピューターは特定の用途に特化しておらず、様々な目的をカバーできる機能を備えています。
また、汎用コンピューターは、OSなどの技術仕様がメーカー独自の設計となっていることが多いため、その専門家であるコンピューターエンジニアが存在しています。
企業の中核システムで活用されるメインフレームコンピューターは、一般的にホストコンピューターとも呼ばれています。
汎用機エンジニアのリモートワーク求人・案件実情
次に、汎用機エンジニアのリモートワークにおける仕事の実態を見ていきましょう。
- 事例1:生命保険会社向けの統合パッケージシステム開発で、COBOLを使用し、設計から開発まで携わります。報酬は月額50万円(年収600万円相当)で、オンライン面談と在宅勤務が原則となります。
- 事例2:自治体システムの開発支援業務で、オープンCOBOLを使ってバッチ開発(新規/改修)や詳細設計、製造、試験を行います。報酬は月額40万円(年収480万円相当)で、リモートワーク勤務が可能です。
- 事例3:医薬品・医療機器の基幹システムを再構築するプロジェクトで、COBOLからAWS、Java、Vue.jsを使ったシステムへの移行作業に従事します。報酬は月額72万円から80万円(年収864万円から960万円相当)で、リモートワーク勤務が可能です。
このように、汎用機エンジニアのリモートワーク案件は多数存在します。
汎用機エンジニアのリモートワーク求人・案件の将来性
現代のビジネス環境において、企業の中核システムはオープンソースが主流となっています。しかし、汎用機には以下の2つの利点があるため、基幹業務システムに汎用機を採用している企業も多数存在します。
- 高速なトランザクション処理能力
- コンパクトなデータセンターの実現
しかしながら、汎用機エンジニアの高齢化と、オープン系エンジニアの人気の高まりにより、汎用機エンジニアの供給不足が深刻な問題となっています。IT業界全体として、需要に対する供給が不足している状況にあります。このような状況から、汎用機エンジニアの将来的な需要は高いと言えるでしょう。
また、コロナ禍の影響により、従来は常駐を求められていた案件が、リモートワークでの募集に切り替わるケースが増えています。このような社会的潮流を踏まえると、汎用機エンジニアのリモートワーク案件は今後さらに増加する可能性が高いと考えられます。
汎用機エンジニアの年収
汎用機エンジニアのリモートワークと常駐業務における収入水準を比較してみましょう。
データによると、両者の年収に顕著な差異は見られません。
リモートワークの場合、月額報酬の平均値は52.5万円で、年収換算すると630万円程度となります。
- 最低水準は22万円の月額で264万円
- 最高では130万円の月額で1,560万円の年収が見込まれます
常駐業務との収入格差は小さく、リモートワークでも十分な収益が期待できるようです。
汎用機エンジニアの収入水準
汎用機エンジニアの現場勤務における月額報酬の相場は、40万円から60万円の範囲にあります。したがって、年間収入に換算すると480万円から720万円となり、リモートワークの案件と比べても大きな開きはみられません。
一方、企業に雇用された汎用機エンジニアの平均年収は、460万円から500万円前後で推移しているのが一般的です。
汎用機エンジニアのリモートワーク求人・案件獲得方法
遠隔勤務の汎用機エンジニアは、自ら仕事を見つける必要があります。この目的を達成するための主な方策は3つあります。
- フリーランス仲介業者の利用
- クラウドソーシングプラットフォームの活用
- ソーシャルメディアの活用
これらの手段について、より詳しく説明しましょう。
汎用機エンジニアのリモートワーク求人獲得におけるフリーランスエージェントの活用
汎用機エンジニアがリモートワークの仕事を見つける際、フリーランス仲介サービスを活用するメリットがあります。このサービスは、以下のようなことを行います。
- 企業からの業務委託案件を紹介する
- 条件交渉や契約手続きをサポートする
- 非公開案件の情報を提供する
- 確定申告のサポートを行う
- スキルアップのための書籍購入を補助する
- 勉強会を開催する
など、様々な付加価値を提供しています。ただし、報酬の一部を手数料として支払う必要があるため、実際に得られる収入は減少します。
クラウドソーシングサービスで自由なリモートワーク
リモートワークを希望する汎用機エンジニアは、クラウドソーシングサービスを利用することで、案件を獲得できます。
クラウドソーシングとは、仕事を依頼する発注者と、仕事を請け負う受注者を仲介するサービスのことです。
クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどが有名です。
フリーランスエージェントと類似していますが、
- 求人・案件の紹介や転職サポートはありません。
代わりに、受注者は好きな時間と場所で仕事ができるメリットがあります。
自由度の高い働き方を重視する方にとって、クラウドソーシングサービスは適しています。
ただし、
報酬からシステム利用料が差し引かれるデメリットもあります。
汎用機エンジニアのSNS活用によるリモートワーク案件獲得
汎用機エンジニアがリモートワークの仕事を見つける際、SNSを利用することで報酬を最大化できます。
- フリーランス仲介サービスやクラウドソーシングプラットフォームは便利ですが、手数料が発生し収入が減ってしまうデメリットがあります。
- そのため、報酬を減らしたくない場合はSNSを活用するのがよいでしょう。
近年、企業がSNSで情報発信を行っていることから、汎用機エンジニアも以下の方法で仕事を獲得できます。
- 自身のスキルをSNSで企業にアピールする
- ポートフォリオサイトを公開し依頼を待つ
ただし、SNSを利用する場合、仲介サービスに比べて即座に仕事を見つけるのが難しいというデメリットがあります。
汎用機エンジニアがリモートワーク求人・案件で要求されやすいスキル
汎用機エンジニアとして活躍するためには、様々な能力が求められます。
- プログラミング言語の習熟度
- 特定業界の業務知識
- システム開発の経験
- コミュニケーション力
- 自己管理能力
などが重要視されます。リモートワークの案件では、これらのスキルがより一層重要視される傾向にあります。
各スキルについて詳しく解説していきましょう。
汎用機エンジニアに求められるプログラミング言語
汎用機分野で活躍するためには、特定のプログラミング言語に精通することが重要です。
- COBOL
- Java
- PL/I
- FORTRAN
などの言語は、この分野で広く利用されており、深い知識とスキルを身につけることで業務をスムーズに遂行できます。
特にJavaは、オープン系の開発にも活用されるため、汎用からオープン系への移行案件でも役立ちます。
プログラミング力を磨き、汎用機エンジニアとしての実力を高めましょう。
金融・官公庁業務の専門用語理解が重要
リモートワークを行う汎用機エンジニアにとって、金融機関や公的機関からの案件では、専門用語の理解が課題となることがあります。
- 金融業界には銀行、証券会社、保険会社などが含まれ、官公庁とは国や自治体の行政機関を指します。
- これらの分野では、一般企業とは異なる独自の用語や規則が存在するため、従来の知識だけでは対応が難しい場合があります。
したがって、汎用機エンジニアとしてキャリアを重ねるうえで、金融業界や官公庁特有の知識を習得しておくことが重要となります。
システム開発に必要なスキル
汎用機エンジニアがリモートで働く際に求められる能力には、システム開発に関するスキルがあります。
- プログラミング言語の知識
- マネジメント力
- 論理的思考力
- コミュニケーション力
- IT関連のスキル
- プロジェクト管理能力
などを身につけることが重要です。
自身の強みと弱みを把握し、スキルマップを作成することも大切です。
初めは簡単な案件から経験を積み重ねていくことをおすすめします。
リモートワーク汎用機エンジニアに求められるコミュニケーション能力
汎用機エンジニアがリモート業務を行う際、円滑な意思疎通能力が求められます。
一部の作業はリモートでは対応が困難な場合があり、
- クライアントの要望を把握したり
- 関係部署と適切な連携を図る必要があるためです
金融機関や公的機関からの依頼を受ける際は、特にコミュニケーション力が重視されます。
自己管理スキルの重要性
リモートワークにおいて、時間管理、健康維持、モチベーション維持など、自己コントロールの能力が求められます。
在宅勤務では労働時間や休憩時間が自由裁量となりがちなため、自己管理力がなければ
- 過剰労働に陥ったり
- 怠惰になり納期に遅れる恐れがあります
長期的な過労は健康を損ない、また期限遅れが重なれば発注者の信頼を失う可能性もあります。
したがって、リモートワークを行う際は、自己管理能力を備えることが不可欠となります。
リモートワーク求人・案件に参画する際の注意点
在宅勤務のエンジニア業務には、以下の留意点があります。
- 評価基準が成果物のみに基づくため、作業プロセスが軽視される可能性があります。
- 時間管理が難しく、過剰な労働時間につながるリスクがあります。
- 情報セキュリティ対策が不十分な場合、機密データの漏洩が起こりかねません。
これらの点に十分注意を払う必要があります。
汎用機エンジニアのリモートワーク評価の課題
リモートワークにおける汎用機エンジニアの業務では、完成した成果物のみが評価対象となることが珍しくありません。
成果物とは、以下のようなものを指します。
- 特定の作業やプロジェクトを遂行した結果生み出された納品物
- プログラム
- ソフトウェア
- システム
- 仕様書
- 設計書
通常、エンジニアの仕事は結果だけでなく、その過程も評価の基準とされます。
なぜなら、望ましい結果を得るためには適切な過程を経ることが不可欠だからです。
しかし、リモートワークでは作業過程を直接確認できないため、やむを得ず成果物のみが評価基準となってしまいます。
理想を言えば、結果と過程の両方が重要であり、両者を公平に評価されるべきです。
しかし、過程が評価されないことで、モチベーションの低下や不当な評価を受けていると感じられがちです。
リモートワーク長時間労働の落とし穴
リモートワークの汎用機エンジニアは、長時間労働に陥りがちです。
勤務時間や休憩時間が自由裁量できるメリットがある一方で、自己管理能力が不足すると過剰な労働につながりかねません。
法定労働時間を大幅に超える状態が長時間労働と見なされます。
周囲に人がいない環境では業務の区切りが付けにくく、時間を問わず連絡が入るため、昼夜を問わず仕事から離れられなくなる恐れがあります。
さらに、作業と打ち合わせが同じ場所で行われるため、休憩なく働き続けてしまうケースも少なくありません。
リモートワークにおける情報漏洩リスク
リモートワークにおける汎用機エンジニアは、常駐勤務よりも情報漏えいのリスクが高くなります。
情報漏えいとは、企業の秘密情報や顧客の個人データなど、外部に公開すべきでない情報が、何らかの理由で外部に流出することを指します。
情報漏えいは、すべての企業が対策を講じなければならない課題です。その原因は、
- 悪意を持った第三者による不正アクセスやセキュリティソフトの脆弱性を狙った攻撃
- 操作ミス
- データを含む機器の紛失・置き忘れ
でも情報漏えいが発生する可能性があります。
つまり、リモートワークでは、外部の不正アクセスに加えて、ミスや機器の紛失・置き忘れによる情報漏えいのリスクも高まるということです。
顧客情報や機密データが外部に漏えいした場合、金銭的損害や信用失墜につながり、場合によっては企業の存続さえ危うくなるかもしれません。
そのため、リモートワークでは外部からの不正アクセスへの対策が必要不可欠です。さらに、操作ミスや機器の紛失・置き忘れによる情報漏えいにも細心の注意を払わなければなりません。
まとめ
この記事では、汎用機エンジニアがリモートワークを行うことについて説明しました。
結論として、汎用機エンジニアがリモートワークを実施することは可能です。
常駐案件とリモート案件の年収を比較しても、大きな差はありません。
ただし、プログラミングやシステム開発の知識が不足していると、業務に支障が出る可能性があります。
そのため、汎用機エンジニアとして活躍するためには、必要な知識とスキルを身につけることが重要です。
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この記事が皆様の参考になれば幸いです。