ここに世界的に広く利用されているMicrosoftの製品群について説明します。
現代社会においてMicrosoftの技術は不可欠なものとなり、AI、セキュリティ、データサイエンスなど先端分野でも活用されています。
そうした中で、Microsoftの製品に関する知識と技能を証明する「Microsoft認定資格」の需要が高まっています。
本稿では、Microsoft認定資格の概要、試験体系、対象ロール、受験方法などを分かりやすく解説します。
他のIT資格とは異なる独自の形態を持つMicrosoft認定資格について、受験に向けた手続きも簡潔にまとめています。
Microsoftの認定資格を学習中の方や今後学習を予定している方は、ぜひご一読ください。
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Microsoft認定資格とは
マイクロソフト社が提供する認定資格は、同社製品に関する知識や技能を有する個人を世界共通の基準で認証するプログラムです。
製品別、役割別、レベル別など、様々な種類の認定資格が用意されており、自身のニーズに合わせて取得できます。
認定資格の取得には、マイクロソフトが定める一つ以上の試験に合格する必要があります。
- 技術者の多くが、認定資格取得により業務遂行能力の向上や仕事の満足度向上、給与アップなどのメリットを実感しているとの報告があります。
- また、認定資格保有者の大半が、専門性への信頼が高まったと回答しています。
マイクロソフト関連の知識を深め、自身の市場価値を高める上で有益な試験だと言えるでしょう。
2012年以降、クラウドサービス利用増加に伴い、認定資格の体系がロールベースに改められました。
旧来の資格名称と新体系の名称が類似しているため、混同に注意が必要です。
また、改訂に伴い旧資格の一部が廃止されています。
Microsoft認定資格体系
Microsoft認定資格は、分野ごとに構成されており、大きく「基礎レベル」「役割別」「上位レベル」の3つに分類されています。
この3区分は、それぞれ初心者向け、中級者向け、上級者向けと考えられます。
以下では、この3つのカテゴリーについて説明します。
- 基礎レベル
- 役割別
- 上位レベル
Microsoft Fundamentals認定資格の概要
Microsoftの認定資格は、専門分野ごとに異なる試験が設けられています。
初心者は、各領域の基礎レベルの試験から学習を開始することが推奨されます。
Fundamentals認定資格は8種類あり、クラウドサービスの基本概念、AIやデータ分析に関する知識が問われます。
- Azure Fundamentals
- Azure AI Fundamentals
- Azure Data Fundamentals
などの試験があり、それぞれAzure初学者、AIエンジニア、データベースエンジニアに適した内容となっています。
自身の経験やキャリアに合わせて、学習を進めていきましょう。
Microsoft認定資格の改定と更新制度
ここ数年、マイクロソフトの認証プログラムは大幅な変更を遂げました。
2019年に中級・上級レベルの資格が導入され、現在では114種類の専門分野別資格が用意されています。
- Associateの表記がある資格が中級
- Specialtyの表記がある資格が中級
- Expertの表記がある資格が上級
に位置づけられています。
多様な技術領域をカバーしているため、自身のキャリアに合わせて取得したい資格を選択できます。
ただし、2021年6月以降に取得した資格は1年後に更新が必要になる点に注意が必要です。
Microsoftの認定資格「Additional certifications」について
Microsoftは、基礎レベルとロール別の認定資格に加えて、より専門的で高度な資格を提供しています。この上位レベルの資格には、
- 特定の分野に特化した試験や、教育機関向けの資格など、難易度の高いものが含まれています。
対象者は、
- 経験豊富なエンジニアやビジネス担当者
- 組織の管理者
- コンサルタントなど
が想定されています。
上位レベルの資格のほとんどは中級者以上を対象としていますが、初級者向けの資格もあります。
詳細な資格の種類については、公式ウェブサイトで確認することができます。
Microsoft認定資格ロールの定義
ここからは、マイクロソフト社の認証資格プログラムにおける各ロールの詳細を説明します。
この認証制度は、専門分野ごとに異なる試験が用意されているのが特徴です。
数多くの認定試験の中から、主要なロールの定義、認定パス、そして人気の高い資格を複数取り上げ、解説していきます。
- 自身のスキルセットに適した最新の技術トレンドや要件を満たす資格を選び、取得を目指しましょう。
クラウド開発者向けMicrosoftの認定資格
クラウドソリューションの設計、構築、テスト、保守業務を担うIT人材を対象としています。
ソリューション設計者や顧客と協力し、アプリケーションやサービスの実装を行う方々に有益な資格です。
管理者の認定は、以下の3つのレベルに分かれています。
- Fundamentals
- Associate
- Expert
具体的には以下の試験があります。
- 「Microsoft Certified: Azure Developer Associate」
- 「Microsoft 認定: Dynamics 365: Finance and Operations アプリ開発者アソシエイト」
- 「Microsoft 365 認定: 開発者アソシエイト」
クラウドアプリケーションの設計・構築・保守から、Microsoft 365の取り扱い、IoTやデータベースまで幅広いIT技術の試験が用意されているため、現役のエンジニアとして信頼と技術を高めたい方におすすめです。
Microsoft Azure管理者認定資格の概要
この認定資格は、Microsoft製品のソリューションを運用、監視、メンテナンスする人材を対象としています。
コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、セキュリティなどの主要サービスに関連する業務を担当する方に適しています。
初心者から上級者まで、レベル別の認定パスが用意されているため、段階的にスキルアップが可能です。
- 「Azure Administrator Associate」
- 「Azure for SAP Workloads Specialty」
- 「Azure Virtual Desktop Specialty」
などの資格があります。
Azure全体の実装・管理・監視能力に加え、SAPワークロードやデスクトップ仮想化の知識も問われます。
詳細は公式サイトでご確認ください。
ソリューションアーキテクト認定試験の変更点
ここでは、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、セキュリティなどの専門分野における技術者向けの認定試験について説明しています。
この認定は、以下のレベルに分けられています。
- Fundamentals
- Associate
- Expert
具体的な試験としては、以下が挙げられています。
- Microsoft Certified: Dynamics 365関連の2つ
- Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty
Azure for SAP Workloads Specialtyは2022年1月に更新されたため、以前学習した方は変更点を確認する必要があります。
一方、Azure Solutions Architect Expertの認定は2022年3月に廃止され、代わりにAZ-305が新たに導入されることになりました。
データエンジニア試験の概要
データ管理、監視、セキュリティ、プライバシーに関する設計および実装能力を評価するのがデータエンジニア試験の目的です。対象となる資格には以下があります。
- Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate
- Microsoft Certified: Customer Data Platform Specialty
試験では、以下のプロセスに関する経験も問われます。
KPIの管理 | データの保持 | データの検証 |
データの視覚化 | データの準備 | データの照合 |
データの断片化 | データのセグメント化 | データの機能強化 |
データベースに関する総合的な知識が求められる試験内容となっています。
データサイエンティスト向けMicrosoft認定試験の概要
データ分析の専門家は、機械学習のアプローチを活用し、企業が直面する課題に対する解決策をモデル化、評価、実装する役割を担っています。
具体的には、以下の資格試験がその対象となります。
- 「Microsoft 認定: Azure Data Scientist Associate」
- 「Microsoft Certified: Customer Data Platform Specialty」
試験では、以下の知識や経験が問われます。
- Dynamics 365アプリケーションに関する知見
- KPI管理、データ保持、検証、可視化、前処理、マッピング、分割、セグメンテーションなどのプロセス
- Azure Machine Learning、Azure Synapse Analytics、Azure Data Factoryの概要
AIエンジニア資格の概要と重要性
AIソリューションの構築に携わる技術者を対象とした試験が用意されています。
この試験では、以下の点に関する幅広い知識が問われます。
- Cognitive Services
- 機械学習
- ナレッジマイニング
- 要件定義からメンテナンス、パフォーマンス調整まで、AIソリューション開発の全工程
また、以下の能力も求められる難易度の高い試験です。
- C#やPythonなどのプログラミング言語
- RESTベースのAPIやSDKを使ったAzureでのコンピュータービジョン、自然言語処理、会話型AIソリューションの構築能力
AIに関する需要が高まる中、この資格を取得することで、将来に向けて有益となるでしょう。
DevOpsエンジニア試験の概要
DevOpsの専門家を目指す人材には、ユーザーのニーズとビジネス目標を満たすための継続的な製品・サービス提供が求められます。そのため、以下の知識が試験で問われます。
- 人的スキル
- プロセス
- テクノロジーの知識
具体的には「Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert」が該当します。合格には、Azureの運用と開発の両面での高い能力が必須です。
また、以下のスキルの理解が求められます。
- ラボ環境
- コーディング
- インフラ
- ソース管理
- セキュリティ
- コンプライアンス
- CI
- テスト
- デリバリー
- モニタリング
- フィードバック
テクノロジーと顧客をつなぐ一連のスキルの理解が求められます。
セキュリティエンジニアの資格試験と今後の動向
セキュリティ専門家には、保護対策の実装、IDとアクセス管理、データ、アプリケーション、ネットワークの保護が求められます。
関連する試験には、
- 「Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate」
- 「Microsoft Certified: Security Operations Analyst Associate」
- 「Microsoft Certified: Identity and Access Administrator Associate」
があります。
セキュリティ分野では、運用分析からアクセス管理、エンジニアリングまで幅広い知識が必要とされます。
セキュリティ業界は今後も有望な分野であり、確かな技術力を身につけることが重要です。
「Microsoft Certified: Information Protection Administrator Associate」の英語版は2022年1月28日に更新されるため、学習者は更新内容に注意を払う必要があります。
機能コンサルタントの役割と認定試験
当社では、ビジネスニーズに合わせたソリューション提案を行うプロフェッショナルを求めています。
Microsoft Dynamics 365やMicrosoft Power Platformなどの製品知識に加え、顧客の要求を的確に把握し、最適なシステムを設計できる能力が必要とされます。
対象となる資格には
- Microsoft Certified: Dynamics 365 Customer Service Functional Consultant Associate
- Microsoft Certified: Dynamics 365 Field Service Functional Consultant Associate
- Microsoft 認定:Dynamics 365 Finance Functional Consultant Associate
などがありますが、その他の関連資格についても確認が可能です。
Microsoft認定資格の受験方法
Microsoft認定資格の取得プロセスを説明します。
まず、受験申込みの手順を確認しましょう。
- Microsoft指定の試験会場または、オンラインのPearson VUEで試験を受けることができます。
- 受験したい試験を選び、必要事項を記入し、監督方法を指定して日程を決め、支払いを済ませます。
- Microsoftアカウントが必要で、会場やオンラインによって注意点があるので確認が重要です。
当日は指定の場所で試験を受けます。
合否は試験終了直後に判明し、結果レポートが渡されます。
申込み手順を守らないと受理されない可能性があるため、注意が必要です。
Microsoft認定資格の有効期限
Microsoft認定資格の有効期間について説明します。
ロールベースや専門分野の認定資格は、更新しない場合、1年で期限が切れます。
毎年更新する必要があるように聞こえますが、実際はMicrosoft Learnのオンライン評価に合格するだけで無料で更新できます。
更新内容は新しい技術の部分のみなので、短時間で済みます。
他の資格に比べて気軽に更新できるでしょう。
有効期限の約6か月前から更新期間が始まり、都合の良い時に更新が可能です。
コストをかけずに最新のスキルを維持できるため、資格の信頼性が高く、技術者の実力を証明できます。
一方、
- Fundamentals認定資格には有効期限がありません。
詳細は関連サイトをご確認ください。
まとめ
この記事では、Microsoft認定資格の概要、試験の構造、役割の定義、受験方法などの情報を包括的に提供しました。
Microsoft認定資格の合格を目指して学習を始めることをお勧めします。
記事の内容が皆様の助けとなれば幸いです。