リモートワークとは、従来の勤務形態とは異なり、オフィスではなく離れた場所から業務を遂行することを指します。
インターネット上やソーシャルメディアでは、Webエンジニアがリモートワークに適した職種であると言われています。
本稿では、
- Webエンジニアとリモートワークの関係性
- 求人・案件の状況
- 収入水準
- リモートワーク案件の獲得方法
などについて詳しく説明します。
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Webエンジニアはリモートワークできる?
Webアプリケーションやウェブサイトの設計、開発、プログラミングなどを担当するのがWebエンジニアの主な業務です。
フロントエンド、バックエンド、アプリケーションなどの分野があります。
Webエンジニアの仕事はリモートワークに適しています。
その理由は、
- 個人作業が多いこと
- PCと作業環境さえ整えば在宅でも業務が進められること
- ソフトウェア関連の作業がオンラインで行えること
- クラウドツールやコミュニケーションツールを使えば連絡が取りやすいこと
などが挙げられます。
リモートワーク実態調査
エンジニア職種におけるリモートワーク導入の実態が明らかになった。
転職サポート企業「レバテックキャリア」が300人のITエンジニアを対象に実施した調査では、
- 2022年2月時点で74%がリモートワークを実施しており、
- そのうち半数以上がフルリモートで勤務していることが判明した。
この結果から、エンジニア職種ではリモートワークの導入が比較的容易であることがうかがえる。
リモートワークに向いているエンジニアと向いていないエンジニア
Webプログラマーはテレワークに適していますが、テレワークが困難な技術者も存在します。
具体的には、ソフトウェアではなく、端末や部品、配線などの物理的な製品に直接関わる作業が必要な技術者です。
- ネットワーク技術者
- 組み込み技術者
- インフラ技術者
- サーバー技術者
などがこれに該当します。
さらに、Webプログラマーであっても、クライアントや顧客の元へ直接赴く必要がある業務の場合、完全にリモートワークを実現することは難しくなります。
一方で、月に数回の出勤のみで対応可能なハードウェア関連の技術者の職種もあります。
テレワークのWebプログラマーへの転職やフリーランスの求人・案件を探す際は、職種だけでなく、企業ごとの業務形態にも注目する必要があります。
リモートワークが困難な技術者であっても、2021年現在ではクラウドツールの普及やリモート環境の整備が進んでいることから、テレワーク求人・案件自体は以前より増加傾向にあります。
Webエンジニアのリモートワーク求人・案件実情
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、多くの企業がリモートワークを導入しました。
レバテックキャリアの調査では、77%のエンジニアがリモートワークを経験したと報告されています。
このような状況を受け、リモートワークの求人・案件が増加傾向にあります。
2022年8月時点での求人・案件数を比較すると、
- ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」ではリモートワーク求人が191,965件、在宅求人が62,993件となっています。
- Indeedでは、リモートワーク求人が25,660件、在宅求人が6,667件となっています。
全体に占めるリモートワーク求人の割合は、25%から35%程度です。
Webエンジニア系に絞ると、
職種 | xhours | Indeed |
---|---|---|
フロントエンドエンジニア | 8,733件(全体の23,285件) | 2,521件(全体の3,266件) |
バックエンドエンジニア | 4,636件(全体の8,285件) | 466件(全体の1,623件) |
アプリケーションエンジニア | 9,478件(全体の33,035件) | 991件(全体の3,926件) |
いずれの職種においても、リモートワーク求人・案件が25%から80%を占めており、前年と比べて増加しています。
Webエンジニアの年収
調査結果によると、正社員のWebエンジニアの年収水準は400万円台が一般的です。
一方、フリーランスのWebエンジニアは、職種によって異なりますが、平均して700万円台後半の年収となっています。
- フロントエンド
- バックエンド
- アプリ開発
など、専門分野ごとに年収に差がみられる傾向にあります。
フリーランス・社員のリモートワーク移行と年収
フリーランスの場合、常駐とリモートワークでは年収に大きな変化はありません。
業務内容や成果物に違いがないためです。
実際に求人を調査しても、勤務形態による単価の差はほとんどありませんでした。
正社員や契約社員でも同様で、出勤形態が変わるだけで年収額に変化はないと考えられます。
リモートワークだからといって給与を減らすことは法的に難しいでしょう。
フリーランスや社員のWebエンジニアにとって、勤務場所が変わっただけで、作業内容や年収自体は変わらないと理解するべきです。
システムエンジニア(SE)の年収とWebエンジニアとの違い
調査結果によると、従業員としてのシステムエンジニア(SE)の平均年収は452万円程度となっています。
他の転職サイトの情報でも、おおよそ400万円から600万円の範囲内と示されていました。
この金額はWebエンジニアよりも多めとなっています。
一方、フリーランスのシステムエンジニア(SE)の平均年収は787万円と、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が発表しています。
会社員、フリーランスともにWebエンジニアを下回る年収ですが、これはシステムエンジニア(SE)の業務範囲が広範にわたり、企業によって担当領域が異なるためと考えられます。
システムエンジニア(SE)はWebエンジニアのように特定の成果物の制作に特化しているわけではなく、エンジニアリングの枠組みにおいて重要な役割を担っています。
システムエンジニア(SE)の職種には
- Webエンジニア
も含まれる広い概念であると理解できます。
Webエンジニアのリモートワーク求人・案件獲得方法
フリーランスのWebエンジニアは、企業に雇用されている従業員とは異なり、自らの手で仕事を見つける必要があります。
ただし、知名度が高かったり、長期契約や専属契約の案件を受注できる場合は別です。
自営のWebエンジニアが遠隔で仕事を得る3つの方法をご紹介しましょう。
- クラウドソーシングサイトを利用する
- 自分のポートフォリオサイトを作成する
- SNSやコミュニティで情報収集する
フリーランスエージェントの役割と利用メリット
フリーランスの方々が仕事を見つけるのを支援するサービスがあります。
このサービスは、求人情報の提供や企業との交渉、契約手続きなどを代行してくれます。
主な対象は、
- Web・IT分野で活躍するエンジニア
- プログラマー
- デザイナー
- ディレクター
などです。
サービスの主な内容は、
- 希望条件に合った案件の紹介
- 企業面接の同行
- スキルシートや経歴書の添削
- 契約書類の作成代行
- 面接対策のアドバイス
などが含まれます。
また、カウンセリングなども行われます。
フリーランスの方がこのサービスを利用するメリットは、
- 大手企業や高単価の案件を見つけやすくなること
- 営業が苦手でも安定した仕事が得られること
- 市場相場を把握しながら相談できること
などが挙げられます。
さらに、福利厚生制度の利用も可能です。
代表的なフリーランスエージェントには、
レバテックフリーランス | フォスターフリーランス | FREE-DA(フリーダ) |
などがあります。
クラウドソーシングサービスの概要と利用のメリット・デメリット
ネット上で仕事を発注したい人と受注したい人をマッチングするサービスがあります。インターネットを介して双方をつなぎ、仕事の条件を決めて取引が成立するのが目的です。
このサービスを利用するメリットは、
- いつでも仕事を探せること
- 副業者や初心者でも手軽に利用できること
- 実績を公開できること
などです。
一方で、
- 低価格の仕事が多かったり
- 手数料がかかったりするデメリット
もあります。
メインの活動としてはもちろん良いですが、副業としての利用や、フリーランス活動に慣れるための利用も検討できるでしょう。
代表的なサービスとしては、
クラウドワークス |
ランサーズ |
などがあげられます。
SNSを活用した求人・案件獲得
ソーシャルメディアプラットフォームを活用し、企業や採用担当者、個人事業主と直接つながることで、仕事を得る機会が広がります。
求人サイトやコーポレートサイトだけでなく、SNSで募集される案件も増加しています。
SNSを利用するメリットとしては、
- 直接のやり取りが可能なため円滑なコミュニケーションが図れる点
- 手数料や仲介者がいない点
- 一般的な求人サイトでは見つからない独自の案件に出会える可能性がある点
- 自身のブランディングにもつながる点
などが挙げられます。
一方で、
- 営業サポートが受けられないこと
- SNS上での悪評が拡散しやすい
というデメリットもあります。
Webエンジニアがリモートワーク求人・案件で要求されやすいスキル (2024年6月)
Webプロフェッショナルとして活躍するためには、リモート環境で求められる技能と知見を習得することが重要です。
そうすれば、以下のようなメリットがあります。
- より良い条件の仕事に就く機会が増える
- 長期的な案件でも報酬アップのチャンスが高まる
Webエンジニアに求められるプログラミング言語
Webデベロッパーが習得しておくと有益なプログラミング言語は、常駐の有無にかかわらずほぼ同じです。
具体例としては、
- PHP
- Ruby
- Python
- Swift
- Kotlin
- Java
- JavaScript
- HTML/CSS
などが挙げられます。
最初は1つの言語に集中し、ある程度の習熟度を身につけてから、他のプログラミングスキルや知識の学習と実践に進むことをお勧めします。
データベース・クラウドスキルの重要性
データの保存、検索、抽出に関わる能力は、組織や個人が扱う大量の情報を管理するための「データベース」に関連しています。
これはバックエンドエンジニアリングの領域に属する技術力や知見となります。
併せて、
- AWS
- GCP
- Azure
などのクラウドサービスに関する専門性を兼ね備えていれば、より高く評価されるでしょう。
システム開発スキルの重要性
基礎となるシステム構築の技能と知見を習得することで、企業やお客様からのニーズに幅広く対応できるようになります。
高度なシステム開発力と専門知識を有していれば、Webエンジニア以外の技術職への就業機会も広がる可能性があります。
エンジニアの上流工程スキル
エンジニアには、コーディングやデバッグなどの実践的な技能だけでなく、上流工程における能力と知見も求められます。
上流工程の専門性を備えた人材として評価されれば、企業内での地位向上や、高収入のフリーランス業務の機会が期待できるでしょう。
上流工程で必要とされる能力や知見には、
- 顧客やクライアントとのコミュニケーション力
- プロジェクト全体の管理能力
- 要件定義力
- 開発スケジュールの見通し力
などが挙げられます。
リモートワーク求人・案件に参画する際の注意点
在宅勤務の職や案件には、オフィスで働く際とは異なる留意事項がいくつかあります。リモートワークには、通勤を伴わない働き方に固有の側面があり、それらに気を配る必要があります。
自宅で仕事をする環境を整え、生産性を維持するためのポイントがあるのです。
オフィスとは違う新たな課題に直面することになりますが、適切な対策を講じれば、リモートワークのメリットを最大限に活かすことができます。
リモートワークにおける評価基準
リモートワークでは、同僚や協力者と物理的に同じ場所にいないため、作業姿勢や人間性を直接観察することが難しくなります。
そのため、評価基準は主に成果物の質に依拠せざるを得ません。
ただし、
- 納期の遵守
- 修正要求への対応の速さ
- コミュニケーションの円滑さ
なども、重要な評価ポイントとなるでしょう。
リモートワークの長時間労働問題
リモートワークは、オフィス勤務と比べて長時間労働に陥りがちだと指摘されています。
実際、様々な調査結果からも、在宅勤務では過剰な労働時間となる傾向が見られます。
例えば、
- 連合の調査では半数以上が通常より長時間働いていると回答し
- 民間企業の調査でも同様の結果が出ています。
長時間労働の要因としては、
- プライベートと仕事の区別がつきにくく、生産性が落ちること
- コミュニケーション不足による業務の遅れ
などが考えられます。
さらに、
- 残業代の請求が難しい
- 労働実態の把握が困難
- 上司への相談がしづらい
などの課題も存在します。
特に自由な働き方ができるフリーランスのWebエンジニアは、健康と時間的制約を考慮し、求人や案件を慎重に選ぶ必要があります。
リモートワークにおける情報セキュリティ対策
リモートワークを行うWebエンジニアは、企業の機密データや個人情報の流出に細心の注意を払う必要があります。
企業の堅牢なセキュリティ環境やウイルス対策ソフトが利用できない状況下で作業を行うため、第三者による情報窃取のリスクが高まるからです。
カフェや公共の場所では、特に注意が求められます。
- リモート勤務時には、使用する端末のセキュリティを徹底し、無料Wi-Fiの利用を控え、自宅外での作業を制限するなどの対策が不可欠です。
- 個人としても情報セキュリティ意識を高める努力が欠かせません。
万が一、情報漏えいが発生すれば、企業やクライアントに甚大な損害が及び、場合によっては損害賠償請求に発展する可能性があります。
フリーランスのエンジニアは特に慎重さが求められます。
まとめ
Webエンジニアの職務とリモートワークは相性が良く、実際に求人案件が増加傾向にあります。
主な内容は以下の通りです。
- Webエンジニアのリモート求人案件は増加中
- 常駐とリモートでは年収に大きな差はない
- リモート案件はITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」などで獲得するのが効果的
- リモート案件でもプログラミングスキルや上流工程の知識は重要視される
- リモート案件では成果物評価、長時間労働、情報漏えいに注意が必要
リモートワークを志すWebエンジニアの方は、上記の点を参考にしてください。フリーランスエンジニアを目指す際は、スキルアップと働き方の選択肢を広げることが重要です。