フリーランスとして収入を得ながら、家族の経済的支援を行いたい場合、扶養控除の仕組みを把握することが重要です。
フリーランスであっても扶養控除の対象となりますが、一定の収入制限があるため、注意が必要です。
本稿では、フリーランスにおける扶養控除の詳細を分かりやすく解説しています。
家族の扶養に関わる収入の上限を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそも扶養控除とは(適用される税金)
所得税の計算において、一定の条件を満たす親族に対して所得控除が認められる制度があります。この制度は、納税者の経済的負担を軽減することを目的としています。
- 対象となる親族は、納税者と同一世帯で生計を共にし、一定の所得要件を満たす必要があります。
- ただし、事業に従事している親族は対象外となります。
フリーランスの方は、青色申告を選択することで、より高い所得まで控除が受けられます。
- 一方、配偶者は扶養控除の対象外ですが、別途配偶者控除が適用されます。
所得税の計算においては、このような控除制度を考慮することが重要です。適切な申告と控除の活用により、納税額を適正化することができます。
所得税の仕組みと税率
個人の年間収入から控除額を差し引いた課税対象額に応じて、累進的な税率が適用されます。
収入の種類によって経費の計算方式や所得算出方法が異なり、
- 合計10種類に区分されています。
高所得者ほど高い税率が課されることで、納税者の負担能力に基づいた公平な税負担が実現されます。
具体的な税率設定は以下の通りです。
住民税の仕組み
地方自治体が提供する公共サービスに対する対価として、居住者は住民税を納付する義務があります。この税金は、1月1日時点での居住地を基準に、都道府県と市区町村の両方に納める必要があります。
個人の住民税額は、収入水準と居住地域によって異なります。通常、所得割と均等割の2つの要素から構成されます。
- 所得割は前年の総所得に一定の税率を乗じて算出され
- 均等割は所得水準に関係なく定額が課されます
例えば東京都在住者の場合、所得割に加えて
個人都民税1,500円 | 個人区市町村民税3,500円 |
の均等割5,000円を納める必要があります |
つまり、東京都民の住民税総額は、所得金額に応じた所得割と5,000円の均等割を合算した金額となります。
扶養控除の所得要件
扶養控除を受けるための条件は、被扶養者の収入が一定額以下であることです。
その金額は38万円と定められており、38万円を下回れば、収入の多寡にかかわらず控除額は変わりません。
ただし、被扶養者の年齢によって、収入の上限は異なります。
フリーランスとアルバイト・パートの扶養の違い
収入の種類によって課税方式が異なります。
自営業者の場合は
- 事業収入から経費と一定額の控除を差し引いた金額に対して課税されます。
一方、従業員の場合は
- 給与収入から一定額の控除を差し引いた金額に対して課税されます。
このように、収入の性質に応じて所得計算の方式が変わるのです。
扶養控除の適用範囲も収入の種類によって異なります。
自営業者は
- 一定額の控除と経費を差し引いた残りが基準額未満であれば扶養控除を受けられます。
従業員は
- 給与収入から一定額の控除を差し引いた金額が基準額未満であれば扶養控除の対象となります。
従業員の場合、この基準額と控除額の合計が「103万円の壁」と呼ばれています。
フリーランスでも扶養控除が受けられる
フリーランスの方でも、一定の条件を満たせば扶養控除の適用を受けられます。
具体的には、
- 年間収入から経費を差し引いた金額が38万円以上であり、
- かつ青色申告特別控除65万円を上限として控除できる場合です。
青色申告特別控除を最高額で受けるには、
- 事業所得の発生
- 複式簿記による記帳
- 確定申告時の貸借対照表と損益計算書の添付
が必要となります。
これらの要件はフリーランスであれば誰でも満たすことができます。
複式簿記や財務書類作成は手間がかかるように思えますが、現在は専用のソフトウェアを活用すれば容易に対応できます。
条件を満たし青色申告を行えば、103万円までの収入であれば扶養控除を受けられるため、積極的に活用することをおすすめします。
扶養控除額の計算方法
納税者の収入と扶養家族の有無によって、所得税と住民税の金額は変動します。
収入が520万円で扶養家族がいない場合、
住民税は | 49万2,000円 |
所得税は | 47万2,500円 |
となります。
一方、24歳の扶養家族がいれば、
住民税は | 45万9,000円 |
所得税は | 39万6,500円 |
と減額されます。
扶養控除の適用により、住民税で3万3,000円、所得税で7万6,000円の軽減となり、合計10万9,000円の税金が減額されることになります。
収入と扶養家族の状況次第で、納税額に大きな差が生じる可能性があります。
まとめ
フリーランスの方が扶養控除を受けるためには、青色申告を行う必要があります。
この場合、以下が求められます。
- 複式簿記による記帳
- 貸借対照表や損益計算書の作成
- 確定申告書への記載
年収103万円までであれば、扶養控除の適用を受けることができます。
青色申告の準備には、専用のソフトウェアを活用するとスムーズです。
フリーランスとして活躍するためには、適切な申告手続きを経ることが重要となります。