CMSの概要や種類と特徴、基本機能、メリット・デメリット、確認ポイント、おすすめのツールについて解説

2024年6月19日

コンテンツ管理システム(CMS)は、Webサイトの制作・更新・運営を容易にするツールです。
プログラミングの知識がなくても、誰でも手軽にウェブページを作成・編集できます。
本稿では、以下の点を解説します。

CMSの概要
CMSの種類と機能
CMSの長所と短所
CMSの選定のポイント

ITエンジニアやWebデザイナーの方は、CMSの活用法を理解するうえで参考になるでしょう。

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1 CMSとは？
2 CMSの種類と特徴
3 CMSの基本機能
4 CMSのメリット
5 CMSのデメリット
6 CMSを選ぶ時に確認したいポイント
7 CMSの例
- 7.1 WordPressの概要と特徴
- 7.2 WiXクラウド型CMSの特徴と利用シーン
8 まとめ

CMSとは？

CMSとは、ウェブサイトやホームページの制作、管理、運営を容易にするシステムを指します。
従来は専門的な知識が必要でしたが、CMSを利用すれば初心者でも簡単にページを作成・更新できるようになりました。
プログラミングスキルがなくても、誰もが自社サイトの構築や運営を手軽に行えるようになったのです。

CMSの種類と特徴

この記事では、コンテンツ管理システム(CMS)の種類と特性について説明します。
CMSは、ウェブサイトの構築や更新を容易にするためのソフトウェアツールです。
主要なCMSには、以下がありますが、それぞれ独自の長所と短所を持っています。

WordPress
Joomla
Drupal

WordPress	使いやすさと拡張性に優れています。
Joomla	高度な機能を備えています。
Drupal	堅牢性と柔軟性に長けています。

ニーズに合わせて適切なCMSを選択することが重要です。

オープンソース型CMSの特徴と留意点

オープンソースのCMSは、プログラムのソースコードが公開されており、ライセンス料金を支払う必要がありません。そのため、低コストで導入が可能です。
デザインやテンプレートのカスタマイズ性も高く、柔軟な変更が行えます。
しかし、企業での本格的な利用を想定した設計ではないため、大規模なウェブサイト構築には適していません。
また、公式サポートが提供されないものが多く、不具合やセキュリティ上の問題が発生した場合、自身で対処する必要があります。
代表的な製品としては、

WordPress
Drupal
Concrete5

などがあげられます。

CMSの種類と特徴

ウェブサイト構築に利用できるCMSには、ベンダーから販売されている商用製品があります。これらの製品は、以下のメリットがあります。

ベンダーによる公式サポートが受けられる
システムの保証が受けられる

企業向けに開発されているため、大規模なサイトにも対応可能な製品が多数存在します。ただし、以下の点には注意が必要です。

導入時にライセンス料金が必要になる
初期コストが高くなりがち

中規模サイト向けの代表的な製品としては、以下のようなものがあります。

HeartCore
NOREN

大規模サイト向けには、以下のようなものが挙げられます。

Sitecore
Adobe Experience Manager

Webサイト開発のためのフルスクラッチ型CMS

Webサイトの構築から運用まで、すべての工程を自社内で完結させるためのシステムがフルスクラッチ型CMSです。
独自の機能を多数組み込み、高度なカスタマイズを施したい場合に、この方式での開発・導入が検討されます。
ただし、設計から実装まで一から行うため、導入コストが高額になり、導入までに長い期間を要する点には留意が必要です。

CMSの基本機能

この記事では、コンテンツ管理システム(CMS)の中核的な機能性について3つの側面から説明します。
CMSは、ウェブサイトの構築や更新を容易にするためのソフトウェアツールです。
その主要な特徴は、

非技術者でも簡単にコンテンツを作成・編集できる点にあります。
テンプレートを活用することで、ウェブサイト全体の一貫したデザインを維持できます。
ユーザー権限の設定機能により、複数のユーザーがコンテンツを共同で管理することが可能になります。

Webサイト制作におけるCMSの利点

Webサイトの構築には通常、専門的なコーディング能力と知識が求められますが、CMSを活用することで、プログラミングの経験がなくてもWordやGoogleドキュメントのような直感的な操作でコンテンツを編集できます。
CMSでは、テキストや画像のレイアウトなどを管理画面上で確認しながら、簡単に見た目を調整することができます。
つまり、Webサイト制作にプログラミングの専門知識は必要ありません。

CMSのユーザー管理機能

コンテンツ管理システムには、ユーザー認証機能を搭載しているものがあり、利用者の操作記録を残したり、アクセス権限を細かく設定できます。
このため、誰がどのような変更を加えたかを追跡し、責任の所在を明らかにすることができます。
また、重要なコンテンツへのアクセスを特定の利用者に限定することで、不適切な編集や削除を防ぐこともできます。

CMSプラグインの活用

CMSには、機能を増強するための「アドオン」が多数用意されています。
アドオンとは、追加機能のことを指し、ウェブブラウザやCMSに新たな機能を付与し、操作性を向上させるためのプログラムです。

WordPressには、SEO対策を自動化したり、セキュリティを強化したりするアドオンが豊富に存在し、ユーザーの利便性を高めています。

アドオンには無料と有料のものがあるため、自社のウェブサイトに適したものを選択し、導入することが重要です。

CMSのメリット

本文では、コンテンツ管理システム(CMS)の利点について4つの観点から説明します。
CMSは、ウェブサイトの更新作業を効率化し、コストを削減するための優れたツールです。
専門的な知識がなくても、直感的な操作で情報を公開できます。
また、セキュリティ面でも安心して利用できるため、企業や組織のウェブプレゼンスを強化するのに役立ちます。
CMSの恩恵を最大限に活用し、ビジネスの発展につなげましょう。

Webサイト制作の民主化

Webサイトの構築や更新は、CMSのユーザーフレンドリーな環境を活用することで、専門的な知識がなくても実現可能です。
テキストや画像、デザインテンプレートなどの編集作業は、

マーケティング担当者
人事スタッフ
経理担当者

など、あらゆる職種の方が直感的に行えるようになっています。
高度な技術力は不要で、誰もがWebコンテンツの制作や管理に取り組めるのがCMSの大きな利点です。

Webサイト運用の効率化

Webサイトの管理システムを活用することで、
複数のユーザーに対して異なる権限を設定し、
それぞれの担当範囲を明確にすることができます。

ユーザーごとにアクセス制限を設けることで、安全性と効率性を両立させることが可能となります。

このシステムを導入することにより、

Webサイトの運用を適切に分担し、

円滑な運営を実現することができます。

マルチデバイス対応のメリット

コンテンツ管理システム(CMS)は、様々なデバイスに適応する機能を標準で備えています。
従来のウェブサイトでは、PCとスマートフォンで別々のページを作成する必要がありましたが、CMSを利用すれば一度の更新で全てのデバイスに同期されます。
ユーザーエクスペリエンスを考えると、マルチデバイス対応は必須の機能と言えるでしょう。

CMSとSNSの連携が集客に与える影響

Webサイトの集客力は、コンテンツ管理システム(CMS)と主要ソーシャルメディアとの連携性に大きく左右されます。
CMSを選定する際は、Twitter、Instagram等の人気SNSとの連動機能が重要なポイントとなります。
ソーシャルシェアボタンの設置や、シェア時の投稿文言のカスタマイズ機能、SNSユーザーが共有したくなるようなデザインなど、ソーシャルメディアとの親和性が高いかどうかが、ページビューやコンバージョン率に大きな影響を与えるからです。

CMSのデメリット

本文では、コンテンツ管理システム(CMS)の欠点について4つの側面から説明します。
CMSには確かに利点もありますが、一方で注意すべき短所も存在します。
CMSを導入する際は、これらの弱点を認識し、適切な対策を講じることが重要となります。

データ移行の重要性

データ移行作業は、CMSの新規導入時に避けて通れない課題です。
ウェブサイトの大きさによっては、相応の期間と費用がかかることが予想されます。
リニューアルプロジェクトの計画段階から、これらの点を十分に検討しておく必要があります。

CMSの操作と注意点

CMSの利用は概して簡単ですが、作業の流れについてある程度の技能や知識が求められます。
無料のCMSでは公式のサポート体制が整備されていないケースが多く、操作方法で疑問が生じた際は自力で調査する必要があるため、注意を要します。

CMSの機能と導入前の確認

企業がコンテンツ管理システム(CMS)を選択する際、各製品の長所や機能範囲は異なるため、導入前に自社のニーズに合致しているかを慎重に検討することが重要です。
CMSごとに得意分野や提供機能が異なるため、

組織の要求事項を満たすかどうかを事前に確認する必要があります。

CMSのセキュリティリスクと対策

CMSには場所や時間に関係なく更新できるという利点がありますが、一方で不正アクセスやサイバー攻撃などのセキュリティ上の危険性も存在します。
近年、脆弱性を狙ったサイバー攻撃が増加傾向にあるため、CMSを選択する際には、セキュリティ対策が十分に施されているかどうかを慎重に検討する必要があります。

CMSを選ぶ時に確認したいポイント

本文では、コンテンツ管理システム(CMS)の選定基準について5つの重要な観点を説明します。
CMSは、ウェブサイトの構築や運用を容易にするためのソフトウェアツールです。
適切なCMSを選ぶことで、効率的なサイト管理が可能になります。
各ポイントを丁寧に検討し、組織のニーズに合ったCMSを見つけることが肝心です。

CMSの選定と導入における留意点

企業がコンテンツ管理システム(CMS)を導入する際は、ウェブサイトの目的を明確にすることが重要です。
各CMSには、操作性、テーマ、プラグインなど、それぞれ長所と短所があります。
現在の課題を特定し、その解決に必要な機能を明確にすることで、適切なCMSを選択できます。

大規模Webサイト運営のためのCMS選定

ウェブサイトの規模が大きくなると、扱うデータ量も膨大になる傾向があります。
サイトの規模に見合わない性能のコンテンツ管理システム(CMS)を使用すると、

サーバーへの負荷が高まり
ページの表示速度の低下
画像処理の遅延など

様々な問題が発生しかねません。
そのため、自社サイトのユーザーアクセス数やトラフィック量を正確に把握し、適切なCMSを導入することが重要です。

CMSの保守性とサポート体制の重要性

ウェブサイト構築に使用するコンテンツ管理システム(CMS)の選定においては、メンテナンス性と技術サポートの有無が重要な確認ポイントとなります。
一部のCMSでは

アップデートやバックアップなどの保守作業が自動化されておらず、すべて手作業で行う必要があるもの

もあります。
また、不明点が生じた際に、どの程度のサポートが受けられるかも検討すべき項目です。
運用担当者のシステム知識が不足している場合は、外部業者への委託も選択肢の一つとなるでしょう。

CMSの例

本文では、コンテンツ管理システム(CMS)の具体例を2つご紹介いたします。
ご一読いただければ幸いです。

WordPress

概要	オープンソースのCMSで、世界で最も人気が高い。
メリット	・無料で利用できる・プラグインが豊富で機能を拡張しやすい・日本語対応が進んでいる
デメリット	・セキュリティ対策が必要・カスタマイズに手間がかかる

CRICP

概要	国産のクラウドCMSで、中小企業向けに開発された。
メリット	・初期費用が安い・操作が簡単・セキュリティ対策が行き届いている
デメリット	・機能が制限されている・カスタマイズが難しい