プログラミングの経験がない方や新しい言語を学びたい方は、「Python」の習得を検討するのがよいでしょう。
Pythonは初心者にとって適した言語であり、AIやIoTなどの先端技術、効率化や自動化との親和性が高いため、幅広い分野で活用できる利点があります。
本稿では、
- Pythonの基礎知識
- Pythonを用いた開発事例
- Pythonを習得した後に就ける職種
について解説します。
Pythonでできること
Pythonは多くのプラットフォームで実行可能なオープンソースのプログラミング言語です。構文が簡潔で理解しやすいため、初学者にも適しています。
Pythonの活用範囲は広く、
- データ解析
- 機械学習の適用
- Webアプリケーション開発
- ウェブスクレイピング
など、様々な分野で利用されています。
これらの用途について、簡単に説明します。
データ分析とビジネスチャンスの創出
Pythonは大規模なデータの処理に長けており、エクセルでは実現できない高度な分析手法を適用することができます。
データサイエンスの分野でも広く活用されており、単純な集計や統計に留まらず、複雑な分析にも活用されています。
- 既存のデータだけでなく、ウェブスクレイピングによって収集したデータも活用可能であり、ビッグデータの蓄積に伴い、新たなビジネス機会の創出も期待されます。
データマイニングを活用して、企業内や公的機関が公開するデータを分析することで、言葉の関連性や重要度を把握し、データだけでは見えにくかった課題や問題点の特定、改善策の検討も可能になります。
機械学習とPythonの活用
Pythonは機械学習を活用したシステム開発に適しています。
いわゆる人工知能(AI)やロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)による自動化など、コンピューターに学習させることで精度向上や予測、創造的な活動を可能にしています。
近年では、将棋やチェスなどの対戦型ゲームにおいても、
- AI対人間やAI対AIの対局が増え、人間がAIから学ぶ機会も生まれています。
音声や画像認識のほか、動画や動体検知にも利用され、IoTやセンシング技術と組み合わせることで
- 自動運転や防犯への応用も期待されています。
さらに、様々な技術分野で自動化や最適化にも役立ち、煩雑な作業をPythonに任せることで人的リソースと時間的リソースの確保にもつながります。
Pythonの可能性と活用範囲
Pythonは、ウェブサービスの開発にも活用されています。Dropbox、YouTube、Instagramなどの有名サービスでも利用されており、単なる初心者向けのプログラミング言語ではないことがわかります。
ウェブサービスだけでなく、ウェブアプリケーション開発にも適しています。
- HTML
- CSS
- データベース
- サーバー
に関する知識を併せて習得することで、プラットフォームに依存しない独自のシステムを構築することができます。
さらに、ブラウザで動作するシンプルなゲーム開発も可能です。習熟すれば、できることが増えていくのが魅力的です。
エンジニアやプログラマーなど、就業できる職種や分野が広がることから、転職や収入アップを目指す方にもおすすめできます。
Pythonによるスクレイピングの活用
Pythonは、ウェブサイトからデータを収集する機能に長けています。この作業は、ウェブサイトに掲載された情報から必要な部分を抽出し、CSV形式などの扱いやすい形式に変換することを指します。
一般に公開されている情報であれば、自動的に収集することが可能です。
そのため、組織内にないデータを収集し、
- マーケティング分析
- 市場シェアの把握
- 将来予測
- 潜在的なニーズの発見
などに活用できます。
実際に、ビッグデータや公開データを収集・分析することで、新商品・サービスの開発や課題の発見、改善につながったケースがあります。
Pythonで苦手なこと
Pythonには、特定の領域において制約があると言えます。
携帯端末向けアプリケーションの開発や、視覚的なデザインの作成には、他の言語やツールの方が適しています。
- スマートフォンアプリの開発では、ネイティブアプリ開発に特化した言語が有利です。
- また、デザインにおいては、専用のグラフィックツールを活用する方が効率的です。
Pythonは汎用的な言語ですが、それぞれの分野で最適な選択肢があることを認識する必要があります。
Pythonの適切な使い分け
Pythonは、Webアプリケーション、Webサービス、Webサイトの開発には適していますが、スマートフォンアプリの開発言語としては適切ではありません。
Pythonの弱点と言える「処理速度の遅さ」が原因で、
- 単純なアプリであれば作成可能ですが、
- 処理速度を必要とするゲーム、
- 複雑な機能、
- リアルタイム処理が必要な場合は向いていません。
実際、企業や組織の基幹システム開発においても、処理速度の面で課題があると言われています。
つまり、Pythonに適さない作業はPython以外の言語や手法を使うべきです。
Pythonの得意分野はPythonに任せ、Pythonに不向きな作業は別の方法を選ぶことが賢明です。
Pythonとデザイン
Pythonは、ウェブサイトやウェブアプリケーションの基本的な外観を実装することは可能ですが、デザイン関連の作業には適していません。
処理速度が遅いことが課題となり、無理をすれば実現できないことはありませんが、そうすべきではありません。
しかし、PythonをベースとしたシステムにHTML、CSS、JavaScriptなどを組み合わせれば問題ありません。
また、既存の画像、動画、音声を組み合わせることで動的なアニメーション要素を含めることができます。
デザイン目的で開発された言語やツールではないことを理解し、Pythonの役割を把握しながら学習することが重要です。
Pythonで開発したサービス例
私がPythonを使って構築したサービスのいくつかを紹介させていただきます。
- Webスクレイピングツールを活用して、ユーザーが指定したウェブサイトからデータを自動収集できるアプリケーションを開発しました。
- 機械学習モデルを搭載した画像認識システムにより、アップロードされた画像から対象物を特定する機能を実装しています。
- 自然言語処理技術を応用したチャットボットでは、ユーザーからの質問に対して適切な回答を生成することができます。
- データ分析ツールを開発し、大規模なデータセットから有用な情報を抽出し、視覚化を行うことが可能です。
Dropboxにおけるマルチプラットフォーム対応とPythonの活用
ドロップボックスは、ファイル共有プラットフォームとして知られており、その多くの機能がPythonによって構築されています。
このプログラミング言語の特性である、クロスプラットフォーム対応力を活用し、デバイスやOSに依存することなく、様々な環境で動作するソフトウェアを提供しています。
Pythonの柔軟性を最大限に生かした設計が施されていると言えるでしょう。
YouTubeのサーバー構成
YouTube(ユーチューブ)は、サーバー側の処理にPythonを活用している動画共有プラットフォームです。
この動画配信サービスは、以下の技術スタックを基盤として構築されています。
- Linux
- Apache
- MySQL
- Python
これらの要素を総合的に習得することで、YouTubeのような大規模なプラットフォームの開発や運用が実現可能となることが理解できます。
Instagramの技術スタック
インスタグラムのようなソーシャルメディアプラットフォームは、AWSを活用してPythonベースのシステムを構築しています。
Djangoと呼ばれるWebフレームワークを採用することで、開発期間の短縮と高品質なアプリケーションの実現に貢献しています。
Djangoの知識を身につけることで、Webアプリケーション開発の分野で活躍する機会が広がるかもしれません。
ロボット開発とPython
ロボット工学分野においてPythonは重要な役割を果たしています。
感情認識機能を備えたPepper(ペッパー)のようなロボットは、ロボットアプリケーション開発とAI技術の両面でPythonを活用しています。
IoTデバイスやセンサーとの親和性が高いため、ロボット開発や新しいデバイスの設計を目指す人々にとって、Pythonは適した選択肢となるでしょう。
Python習得後になれる職種
本文では、Pythonの習得により就職が可能となる職種について説明しています。
Pythonは汎用的なプログラミング言語であり、様々な分野で活用されています。
- データ分析
- Web開発
- 自動化ツールの作成
など、幅広い職種でPythonのスキルが求められています。
Pythonを学ぶことで、新たなキャリアチャンスが広がる可能性があります。
AIエンジニアとPython
人工知能分野の技術者は、Pythonプログラミング言語と相性が良い職種の一つと言えます。
人工知能や機械学習の知識を身につけ、自身の能力や経験に合致していれば、挑戦する価値があります。
実際に人工知能、機械学習、ディープラーニングなどの技術に触れ、仕組みを理解するだけでなく、実践的な経験を積むことが重要です。
自身のスキルアップに努め、この分野での活躍の機会を探してみましょう。
データサイエンティストとPython
データ分析や予測モデリングなどの作業に従事するデータサイエンティストは、数学や統計の素養が求められる職種です。数値データの取り扱いや分析、予測モデルの構築と評価など、基礎的な数理知識が必要不可欠です。
もし数学や統計、分析に強い関心があれば、データサイエンティストを目指すのがよいでしょう。実務経験を積むことで、より高度な分析スキルを身につけることができます。
データ解析力を活かせるマーケター
データ分析に興味があれば、マーケティング職は魅力的な選択肢となり得ます。
近年、デジタル化の進展とリモートワークの普及により、
- ウェブマーケティング戦略の策定
- 効果測定
- 改善を行える人材が高く評価されています。
Pythonを使って
- データ収集
- 解析ができるスキル
があれば、マーケティング職に挑戦するのがよいでしょう。
Pythonで目指すWebエンジニア
WebサービスやWebアプリケーションの開発を目指す場合、Pythonは適した選択肢となります。
つまり、WebエンジニアとPythonは相性が良い組み合わせだと言えるでしょう。
Pythonに加えて、
- 他のプログラミング言語の並行学習
- Linux
- サーバー
- ネットワーク
などの知識を身につけることで、Webエンジニアとしてのキャリアチャンスが広がります。
まとめ
この記事では、Pythonの基礎知識、Pythonで開発されたサービスの例、そしてPython習得後に就けそうな職種について説明しました。
Pythonを学ぶことで、自身のスキルアップにつながるだけでなく、他の技術との組み合わせによって新たな可能性が広がります。
さらに、簡単な作業を自動化・効率化・最適化することで、時間を節約しながら正確な結果を得ることができます。
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早期にPythonを学び始め、自身の知識と視野を広げることをおすすめします。
ご清覧いただきありがとうございました。