AWSエンジニアの転職実情や年収、転職実現のコツを解説!

クラウドサービスが様々な産業で注目を集めており、企業がサーバーなどをクラウド環境に移行する動きが加速しています。

クラウドサービスの中でも、Amazon Web Services(AWS)が代表的なプロバイダーとして広く採用されており、AWSエンジニアの需要が高まっています。

AWSエンジニアは将来性のある職種であり、この分野でキャリアを積みたいと考えるエンジニアも多いでしょう。

本稿では、AWSエンジニアの業務内容と、その職に就くために必要なスキルについて説明します。

  • 業務内容
  • 必要なスキル

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AWSエンジニアとは

AWSエンジニアとは

クラウドコンピューティングは、インターネット接続環境さえあれば、サーバーやデータベース、ソフトウェアなどのITリソースをオンラインで利用できるサービスです。
従来は企業が自社でインフラを構築する必要がありましたが、クラウドサービスの登場により、必要に応じてリソースをレンタルできるようになりました。

Amazon Web Services(AWS)は、アマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。

  • 仮想サーバー構築の Amazon EC2
  • ストレージ兼コンテンツ配信の Amazon S3
  • データ分析の Amazon Personalize
  • データベースサービスの RDS

など、多様なサービスが用意されています。

他にも Google Cloud Platform(GCP)や Microsoft Azure など、主要なクラウドサービスが存在し、これらを総称して「3大クラウド」と呼ばれることがあります。
総務省の調査によると、2020年時点で国内企業の68.7%がクラウドサービスを導入しており、前年比で4%増加しています。
導入企業の87.1%が効果を実感していると回答しており、1.6%増加しています。
このように、日本企業でもクラウドサービスの活用が進んでいます。

AWSエンジニアは、AWSを活用してサーバー、ネットワーク、データベースなどのインフラを構築・運用する役割を担います。
インフラエンジニアやデータベースエンジニアの経験を活かせる職種でもあります。

AWSエンジニアの仕事内容

AWSエンジニアの仕事内容

AWSエンジニアの職務は多岐にわたります。
彼らの主な業務内容を確認しましょう。

  • クラウドサービスの設計、構築、運用が中心となります。
  • システムのアーキテクチャを策定し、リソースのプロビジョニングを行います。
  • また、セキュリティ対策やパフォーマンス最適化、コスト管理なども重要な役割です。

顧客のニーズに合わせてクラウド環境を構築し、安定した運用を維持することが求められます。

AWSインフラ設計の重要性

インフラストラクチャの構築においては、AWSのリソースの配置が極めて重要となります。
ユーザー数、通信方式、データベースの規模などを考慮し、設計を行う必要があります。
通常時のみならず、アクセス集中やトラブル発生など、様々な状況を想定した上で設計することが不可欠です。
設計時に想定外の負荷がかかった場合、サーバーがダウンし利用できなくなるリスクがあります。
そのため、基本的には想定の2倍程度の負荷に耐えられるよう設計を行うことが求められます。

AWSエンジニアの構築業務

要件定義書に基づき、実際にAWSクラウド環境を構築することがAWSエンジニアの役割です。
この工程では、以下の作業を行います。

  • LinuxなどのOSやミドルウェア、ソフトウェアのインストールと設定
  • テスト実施
  • データベース構築

近年、自社インフラからクラウドへの移行が増えており、その際の既存データベースの移行作業も構築段階の業務に含まれます。

AWSエンジニアの運用・保守業務

AWSの運用においては、さまざまな課題に直面することがあります。
システムの停止や不具合への対処、利便性の向上など、AWSエンジニアの役割は多岐にわたります。
このような運用・保守業務は、比較的取り組みやすい領域とされ、初心者のAWSエンジニアが最初に携わる分野となることが多いでしょう。

AWSエンジニアの年収

AWSエンジニアの年収

就職情報サイトの調査によると、AWSエンジニア(クラウドエンジニア)の平均年収は598万円と高水準にあります。
IT業界全体の平均年収497万円と比較すると、AWSエンジニアは高収入職種であることが分かります。
最低給与は353万円ですが、中央値の4分の1程度にとどまり、低賃金の求人は少数派です。
需要の高い職種ゆえに待遇面での格差が小さいことが魅力的です。
一方、フリーランスのAWSエンジニアは平均年収916万円と正社員を大きく上回る高収入を得ています。
クラウド分野で高収入を望む方は、フリーランスの選択肢も視野に入れる価値があるでしょう。

AWSエンジニア需要の転職市場からの見方

AWSエンジニア需要の転職市場からの見方

職種変更を検討する際には、その仕事の展望と自身の適性を慎重に吟味することが肝心です。
そこで、現在の転職市場におけるAWSエンジニアの需要と将来性について探ってみましょう。

  • クラウドコンピューティングの普及に伴い、AWSエンジニアの需要は高まっています。
  • AWSは世界最大のクラウドプラットフォームであり、その需要は今後も拡大すると予想されます。
  • AWSエンジニアは以下のスキルが求められます。
    スキル 内容
    クラウドアーキテクチャ設計 AWSサービスを活用したシステム設計
    セキュリティ対策 クラウド環境におけるセキュリティ対策
    自動化 インフラ構築やデプロイの自動化

AWSエンジニアは今後も需要が高まる有望な職種ですが、上記のスキルを身に付けることが重要です。

AWSエンジニアの需要と供給のギャップ

クラウド技術の進化に伴い、クラウドエンジニアの需要が高まっています。
特にAWSは比較的新しいサービスであり、実践経験を持つ人材が不足しているため、AWSエンジニアは非常に求められている職種となっています。
クラウド市場の拡大に伴い、AWSなどのクラウドサービスへの需要も急速に増加しています。
そのため、AWSの知識と経験を兼ね備えたエンジニアが重宝されているのが現状です。

AWSエンジニアの需要増加と人気の理由

クラウド技術の進化に伴い、クラウドエンジニアの需要は今後さらに高まると予想されます。
求人サイトの統計データでは、クラウドエンジニアの求人数が継続的に増加しており、クラウドサービスの利便性から、多くの企業がクラウド導入を検討していることがうかがえます。
したがって、クラウドエンジニアを目指すことは将来的に有利となるでしょう。

また、クラウドサービスプロバイダーの市場シェアを見ると、

プロバイダー シェア
AWS 45%
Microsoft Azure 17.9%

AWSが45%と圧倒的なシェアを占めており、Microsoft Azureの17.9%を大きく上回っています。
このことから、クラウドエンジニアの中でもAWSのスキルを身に付けることが、高い需要につながることが示唆されます。

AWSエンジニアへの転職を実現させるには

AWSエンジニアへの転職を実現させるには

クラウドサービスが注目を集めている中、AWSなどのクラウド技術に興味を持つ人が増えています。
インフラ分野は重要な責任を伴いますが、着実な努力次第では未経験からでも目標を達成できます。

そこで、未経験者がAWSエンジニアを目指すために必要な能力について確認しましょう。

  • ネットワークの基礎知識
  • プログラミングの基礎知識
  • Linux OSの基礎知識
  • クラウドサービスの基礎知識

AWSエンジニアへの道

クラウドサービスの普及に伴い、従来のオンプレミス環境におけるインフラ構築・運用業務がクラウド上に移行しています。
このため、AWSエンジニアの役割はインフラエンジニアの職務の一部と見なすことができます。
つまり、インフラ開発の経験を積むことで、AWSエンジニアへの道が開かれるのです。

インフラエンジニアは幅広い領域を担当するため、IT業界でも特に人材不足が深刻な職種です。
そのため、未経験者でも目指しやすい職種と言えます。
実際、2022年5月時点で、クラウド未経験者でも応募可能なインフラエンジニア求人は約3,300件に上ります。
インフラエンジニアとして経験を積み、クラウド開発を行う企業に転職すれば、AWSエンジニアへのキャリアパスが切り開けます。

ただし、上流工程の経験の有無によって、応募可能な求人の幅や年収水準が大きく変わってくるため、できるだけ上流工程を経験してからAWSエンジニアへの転職を目指すことが賢明でしょう。

DevOpsの概要と開発の流れ

DevOpsは、開発者と運用担当者の協力関係を構築し、開発プロセスを円滑に進めるための手法です。
従来、両者の連携が不十分であったため、ユーザーの利便性が損なわれたり、サービス改善が困難になるなどの問題が生じていました。DevOpsでは、開発と運用の境界線を曖昧にし、相互の協力体制を整備することで、スムーズな開発を実現します。

DevOpsの開発サイクルは、以下の6段階から成り、短期間でこのサイクルを繰り返すことが特徴です。

  • 企画・立案
  • 開発
  • ビルド・テスト
  • デプロイ
  • 運用
  • フィードバック

このプロセスでは、

バージョン管理ツール コミュニケーションツール インフラ管理ツール

など、様々なツールが活用されます。

特にAWSなどのクラウド開発の求人では、GitやDockerなどの経験が必須とされることが多いため、これらのツールを使った実践経験を積むことが重要視されています。

AWS認定資格の概要と重要性

AmazonWebServicesには、同社が運営する公認資格制度が設けられています。
民間資格ではありますが、難易度が高いため、キャリアアップを目指す多くのAWSエンジニアが取得を目指しています。
実務経験を前提とした資格であるため、未経験者でも合格できれば即戦力として評価されやすくなります。
実務経験がない場合は合格が困難ですが、未経験からAWSエンジニアを目指す際には、この資格取得を目標とする価値は大きいでしょう。

この資格には、以下の4つのレベルが用意されています。

  • 基礎
  • アソシエイト
  • プロフェッショナル
  • 専門知識

公式の目安では、

  • 基礎が半年
  • アソシエイトが1年
  • プロフェッショナルが2年

の実務経験に相当するとされています。

各レベルで受験する試験も異なり、

レベル 試験
基礎 クラウドプラクティショナー
アソシエイト ソリューションアーキテクト、ディベロッパー、SysOpsアドミニストレーター
プロフェッショナル ソリューションアーキテクト、DevOpsエンジニア
専門知識 高度なネットワーキング、データアナリティクス、セキュリティ、機械学習、データベース

AWSエンジニアを目指す場合は、アソシエイトレベルのソリューションアーキテクトまたはSysOpsアドミニストレーターの合格を目標とすることをおすすめします。

AWSエンジニア育成の選択肢

AWSエンジニアを目指す人が増えているため、関連する講座を提供するプログラミングスクールやオンライン学習サービスが登場しています。
集中して学習したい場合はスクールがおすすめです。
AWS専門のコースを開講しているスクールには、

  • RaiseTech
  • AWschool
  • Winスクール

などがあります。
一方、大手のプログラミングスクールでは、AWSを活用した開発も行われています。
予算を抑えたい場合や時間が限られている場合は、オンライン学習が適しています。

  • Udemy
  • ドットインストール
  • Paiza

などのサービスでは、AWS関連の講義が提供されています。
特にUdemyは、現役エンジニアも講師として参加しており、専門的な知識を得られます。
また、Amazon公式のAWSome dayというトレーニングイベントも定期的に開催されており、オンライン・オフラインの両方があります。
レベルに合わせて参加できるので、ぜひ活用してみてください。

AWSエンジニアの転職活動における転職サポート活用

AWSエンジニアとしての就職を目指す際は、転職サイトや転職エージェントの活用が有効な手段となります。
特に実務経験がない場合は、IT分野に特化した転職エージェントのサポートを積極的に受けることをおすすめします。
一方で、

  • プログラミングスクールの中にも就職支援サービスを提供しているところがあります。
  • 例えばRaise Techでは、就職支援が付帯しています。

スクールによる就職支援では、担当者が学習内容を把握しているため、スキルについて詳細な情報提供が可能となり、就職が決まりやすくなる利点があります。
そのため、就職支援付きのスクールを選択するのも賢明な選択肢と言えるでしょう。

まとめ

まとめ

AWSは現在注目を集めているツールであり、AWSエンジニアの需要は増加傾向にあります。
供給が需要に追いついていない現状から、AWSエンジニアを目指せば高収入を得ることも可能です。
しかし、AWSエンジニアには即戦力が求められるため、未経験者の転職は困難です。
そこで、

  • 単にAWSを学ぶだけでなく
  • 資格取得や
  • ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の活用など

転職活動において有利になる工夫が必要です。
AWSエンジニアを目指す方は、様々な方策を講じながら、着実に準備を進めていきましょう。