SIerから転職を成功させるためのコツを解説！

2024年6月19日

現代では、IT分野の専門家が職場を移る例は珍しくありません。システムインテグレーター企業から別の職種へ転職に成功した人も多数います。
しかし、十分な準備なしに転職活動を始めても、うまくいくとは限りません。システムインテグレーターから異なる職種へ移る場合、適切な選択が重要です。
また、転職を実現するためのポイントもあるでしょう。
本稿では、

システムインテグレーターから転職可能な職種と
転職を成功に導くコツについて説明します。

気になる内容をタップ

1 SIerとは
- 1.1 SIerの業務と課題
2 転職する理由
3 転職先の職種選びのヒント
4 SIerから転職を成功させるために
5 まとめ

SIerとは

システムインテグレーションを担う企業を指すSIerは、クライアントの要求に応じてソフトウェア設計、運用、コンサルティングなど、システム関連の様々な業務を引き受けます。
このようなシステム関連業務を請け負うSIerには、技術力に加え、企業としての信頼性が求められます。
そのため、SIerとして知られる企業は多くありません。

日本の代表的大手企業やその子会社がSIerとして名を連ねています。

国内では、情報システムの導入や保守をSIerに一括発注することが一般的です。
SIerはそうした案件を受注し、

プログラム開発会社や協力企業と連携しながら、情報システムの構築や維持を請け負うのが通例です。

SIerの業務と課題

システムインテグレーターは、顧客のニーズに合わせてシステム関連の様々な業務を請け負います。そのため、多様なシステム開発に対応できる能力が従業員に求められます。
しかし、一人の社員が顧客の全ての要求に応えられるとは限りません。
システムインテグレーターでは、専門の子会社や協力企業と連携し、顧客のニーズに応えています。

ITをどのように活用して顧客の課題を解決するかを学べるため、将来的に社内システムエンジニアやコンサルタントへの転職に適した経験を積むことができます。

ただし、大規模なシステム開発では複数の協力企業と連携する必要があり、システムインテグレーターの従業員の中には、協力企業との対応しか任されず、エンジニアとしてのスキルアップの機会が少ないと感じる人もいます。

転職する理由

SIer企業に勤務する従業員は、大手企業やその子会社であることが多いため、手厚い福利厚生制度を享受できます。
また、他のIT企業と比較して給与水準が高いことから、安定した職場を望む人にとっては転職をおすすめできません。
しかし、給与や福利厚生だけが転職の理由ではないはずです。
将来を見据えると、若いうちから様々な経験を積むことが、転職においてメリットとなるケースも多くあります。

SIerで働く中で、期待していた業務とは異なり、満足のいく仕事ができないと感じる人もいるでしょう。
IT業界でも比較的恵まれた環境にあるSIerでさえ、転職を希望する人がいます。
転職者の転職理由を見ていきましょう。

クライアント企業への常駐勤務が辛い

大手SIerでも、クライアント企業への常駐勤務は一般的です。
しかし、常駐していても、クライアント企業の社員と同等の扱いを受けるわけではありません。
さらに、長期間同一案件やプロジェクトに携わり続けると、習得できるスキルが限定されてしまいます。
そのため、クライアント常駐が辛くなり、転職を考えるようになります。

スキルアップの機会が乏しい

エンジニアとしてSIerに入社したはずなのに、実際の業務は協力会社への発注管理や予算管理のみという場合があります。
エンジニアとしてのスキルアップができず、仕事に対する不満から転職に至ります。

担当できる案件が限られている

大手SIerでも、常に新規案件に携われるとは限りません。
古いシステムの保守運用業務に回されることもあります。
古いシステムの業務に長く従事すれば、次も同様の古いシステムの保守を任されがちです。
将来のキャリアを考えた際、そうした業務に不安を感じ、転職を選択する人もいます。

転職先の職種選びのヒント

SIerの方々が持つITに関する豊富な知識は、新しい職場でも活かすことができるはずです。
企業の課題解決に携わった経験があれば、それを生かす機会も見つかるでしょう。
ただし、SIer時代と同水準の報酬や福利厚生を求めると、選択肢は限られてしまう可能性があります。
SIer向けの待遇は恵まれているため、転職先でそれと同等のものを得るのは難しいかもしれません。
しかし、新たな挑戦の機会は様々な形で存在しています。
適切な職種を見つけることで、スキルと経験を最大限に活かせるはずです。

Webエンジニア転職の難しさと必要なスキル

プログラミング未経験者の多くがウェブ開発の道を志望しています。システム開発企業に勤務しながらも、技術習得の機会に満足できずにウェブ開発者への転職を望む人もいます。
しかし、システム開発者からウェブ開発者への転職は容易ではありません。

Java
PHP
Ruby
Python
C言語

などのプログラミング言語の知識、データベース活用スキル、ウェブサーバー運用スキルが必要とされます。
プログラミングスクール卒業生など多数の転職希望者と就職の機会を争うことになるでしょう。
そのため、ウェブ開発者を目指す場合は

明確な目標設定
学習習慣の確立
他の転職希望者に勝るスキルの習得

が不可欠です。

ITコンサルタントの役割と転職の可能性

ITコンサルティングの専門家は、企業のIT活用を通じて経営上の課題を解決するための提言を行います。
高度なIT知識に加え、論理的な分析力と円滑なコミュニケーション能力が求められます。

システムインテグレーターにも同様の業務があり、そこで経験を積んだ人材がITコンサルタントに転身することもあります。

実務経験やシステム開発の上流工程を経験したエンジニアであれば、ITコンサルタントへの転職の道も開かれています。

社内SEの転職事情と転職エージェントの活用

企業内で情報システムを担当する社内SEは、ITエンジニアにとって魅力的な転職先として知られています。

システムインテグレーターでの開発や保守経験が活かせるため、幅広い知識を持つエンジニアに適しています。

しかし、社内SEの求められる役割は企業によって大きく異なります。

単なるパソコンサポート業務に留まる場合もあれば、経営層を目指す人材として採用される場合もあり、多様です。

そのため、転職を検討する際は募集内容を詳しく確認する必要があります。
自身のスキルや希望に合った企業を見つけるのは容易ではありません。
転職エージェントを上手に活用し、適切な求人を紹介してもらうことをおすすめします。

SIerからフリーランスエンジニアへの転職

SIer出身者にとって、フリーランスエンジニアは魅力的な選択肢となります。これまでの経験を活かしながら、自身の好みに合った案件を選択できるメリットがあります。
近年では、フリーランス向けのエージェントも充実しており、案件探しも容易になっています。
さらに、他の職種に比べて学習のための空白期間を最小限に抑えられる点も利点です。

ただし、フリーランスエンジニアとして活躍するには、報酬に見合う経験とスキルが求められます。そのため、SIerとしての実績を積んでおくことが重要です。
案件の種類は多岐にわたり、

古いシステムの保守運用から最新の言語を用いた開発まで、様々な分野があります。

フリーランスエンジニアとして成功するには、現在のスキルに満足することなく、常に新しいスキルの習得に意欲的であることが不可欠です。

SIerから転職を成功させるために

情報技術分野においてシステムインテグレーターは、比較的高給与で福利厚生も整っており、就労環境は恵まれている一方で、全ての技術者にとって理想的な職場とは限りません。
そのため、システムインテグレーターの技術者の中にも転職を検討する人が多数います。
転職は人生の重要な節目であり、十分な準備が求められます。
本章では、システムインテグレーターから転職する際の留意点を説明します。

転職活動で自分の魅力をアピールする方法

転職活動では、新しい職場で共に働きたいと思われるよう、自身の魅力を効果的に伝えることが肝心です。
しかし、自分の長所を上手く説明できる人はほとんどいません。
そのため、まずは自身のキャリアを振り返り、

保有するスキル
経験
性格
特技

などを洗い出す必要があります。
そうすることで、自身のアピールポイントが明確になるでしょう。
加えて、転職先となる企業の分析も欠かせません。
なぜなら、自身の能力を十分に発揮できる職場でなければ意味がないからです。
SIer出身者が転職を成功させるには、自己分析と企業分析を徹底的に行うことが不可欠なのです。