RPA関連で取得できる資格の紹介と取得メリット解説

企業の生産性向上と業務効率化を推進する有効な手段として、「RPA(Robotic Process Automation)」と呼ばれる技術が近年注目を集めています。
RPAは既に多くの企業で導入されており、システム担当者やエンジニアなどRPAを活用できる人材への需要が高まっています。
また、高度なスキルと知識を身につけるためにRPA関連の資格試験も用意されています。

本稿では、以下について解説します。

  • RPAの概要
  • 代表的なツール
  • 主要な資格試験

RPAの資格取得を検討中の方、RPAの基礎知識を得たい方、代表的なRPAツールや資格試験の概要を知りたい方は、ぜひご一読ください。

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そもそもRPAとは

そもそもRPAとは

RPAとは、人工知能やマシンラーニングなどの技術を活用し、人間がコンピューターで行う作業を自動化するツールのことを指します。
ロボットに作業の流れを記憶させ、実行することで自動化が可能になります。
ロボットが人間の業務を代行するため、「仮想知的労働者」とも呼ばれ、業務効率化に貢献します。

  • 例えば、Excelへのデータ入力やWebブラウザを使った作業などが、RPAツールで自動化できます。

単純作業を機械的・反復的に進めることで、生産性が向上します。
反復作業が多い企業や部門で大きな効果が期待できるため、大企業だけでなく中小企業や自治体でも導入が進んでいます。
総務省もRPAによる自治体業務の効率化を支援しています。

RPAの多面的なメリット

RPAの活用は、企業にとって多くの利点をもたらします。

  • まず、人的資源の無駄を排除することで、人件費の削減が図れます。
  • 単純作業をロボットに任せることにより、従業員の労働力を本来の中核業務に集中させることができます。
  • さらに、業務量の適正化を通じて作業効率が向上し、長時間労働の是正にも寄与します。
  • 加えて、ロボットによる自動化は人為的ミスを最小限に抑え、業務の正確性を高めることができます。

このように、RPAの導入は企業にとって多面的な恩恵をもたらすため、今後さらに普及が進むものと考えられます。

RPAの代表的なツール(資格取得可能)

RPAの代表的なツール(資格取得可能)

この節では、認定資格の取得が可能な2つの主要なRPAツールについて説明します。

UiPath

  • UiPathは、RPAツールの中でも最も普及しているツールの1つです。
  • UiPathは、RPAの基礎から応用まで幅広いコースを提供しています。
  • UiPathの認定資格には以下のようなものがあります。
資格名 概要
UiPath Certified Associate RPAの基礎知識を問う入門者向けの資格
UiPath Certified Advanced RPAの応用的な知識を問う上級者向けの資格

Automation Anywhere

  • Automation Anywhereは、UiPathに次ぐRPAツールの大手です。
  • Automation Anywhereも、RPAの基礎から応用までさまざまなコースを提供しています。
  • Automation Anywhereの認定資格には以下のようなものがあります。
資格名 概要
Automation Anywhere Certified Advanced RPA Professional RPAの基礎から応用までの幅広い知識を問う資格

RPAツール UiPathの特徴と製品概要

UiPathは、世界中で広く採用されているRPAソリューションです。導入企業数は世界中で1,000社を超え、その利用は現在も拡大し続けています。
このツールは、Windowsパソコンのオペレーションを自動化することが可能です。MicrosoftのWF(Windows Workflow Foundation)をベースに開発されており、UiPath独自のアクティビティに加えて、WindowsのカスタムアクティビティとしてPCを自動操作するためのテクノロジーが利用可能です。

UiPathの主な特長は以下の通りです。

  • 無料版が提供されている点
  • 日本語サポートが手厚い点
  • ロボット管理ツールが充実している点

が挙げられます。有償ライセンスのほか、60日間の試用版や無料のコミュニティライセンスが用意されており、導入前にツールを試せるのが魅力的です。また、ツールのリファレンスやeラーニング教材が日本語で提供されています。さらに、作成したロボットの作業内容を明確化し、自動化の効果を可視化するための管理ツールが実装されています。

UiPathの主要製品には、

  • プロセス実行を担う「Robots」
  • ワークフロー開発環境の「Studio」
  • プロセス管理ツールの「Orchestrator」

があります。特に「Robots」と「Studio」は、UiPathを活用する上で不可欠なコンポーネントです。多くの製品がクラウドサービスとして提供されているため、導入が容易な点も特徴です。

国産RPAツール「WinActor」の特徴と製品

NTTの研究所で2010年に開発された国産RPAツールであるWinActorは、Windowsアプリケーションの作業を自動化することができ、国内で4,000社を超える企業に導入されています。

WinActorの特長は、以下の点です。

  • 日本語に完全対応していること
  • Windowsで操作可能なあらゆるソフトウェアに対応していること
  • プログラミング知識がなくても利用できること

国産RPAツールであるため、日本語サポートが充実しており、利用時の不安が少なくて済みます。
また、現在では他言語への対応も進められています。

さらに、WinActorはWindowsで操作できるあらゆるソフトに対応しているため、物流、小売り、金融など幅広い分野で活用されています。

加えて、プログラミングの知識がなくてもWinActorを利用できるため、エンジニア以外のユーザー部門でも操作が可能です。

WinActorの製品には、以下のものがあります。

  • シナリオの開発と実行を行うWinActor
  • オンプレミス型の管理統制ツールであるWinDirector
  • クラウド型の管理統制ツールであるWinActor Manager On Cloud

WinActorではドラッグ&ドロップなどの操作でシナリオ作成ができます。
WinDirectorとWinActor Manager On Cloudは、さまざまなツールと連携が可能です。

UIPathの資格

UIPathの資格

この節では、グローバルで利用されているRPA製品であるUIPathの認定資格に関する情報を提供します。

UIPathは、RPAツールの中でも世界的に広く利用されている製品です。
UIPathでは、ユーザーの技術レベルに応じて、以下の3つの認定資格を用意しています。

  • UIPath Associate UIPathの基本的な操作方法を理解していることを証明する資格です。
  • UIPath Advanced UIPathの高度な機能を使いこなせることを証明する資格です。
  • UIPath Professional UIPathの最上位の資格で、RPAの実装や運用に関する高度な知識を持っていることを証明します。

各資格の詳細な内容や試験の受け方については、UIPathの公式サイトをご確認ください。

UiPath RPAアソシエイト資格試験(UiRPA)概要

UiPathのRPAツールに関する基礎的な知識と技能を評価する試験がUiPath RPAアソシエイト資格試験です。この資格を取得すれば、シンプルなRPAソリューションの設計や開発能力を証明できます。

出題範囲は、

  • RPAの基本概念
  • UiPath Studioの操作
  • 変数や引数の扱い
  • セレクターの利用
  • 制御フローの記述
  • データ処理
  • 自動化のテクニック
  • UiPath Orchestratorの概要

などが含まれます。

試験時間は90分で、合格基準は70%です。受験料は英語版で150ドル、日本語版で16,000円となっています。事前の受講要件はありませんが、公式トレーニングを受講することが推奨されています。

UiPathツールの使いやすさから、この資格試験は比較的難易度が低めと言えます。ビジネスアナリストやアーキテクト、新卒者など、幅広い層を対象としています。RPAの分野で資格取得を目指す際の良い入門資格と位置づけられています。

UiPath RPAデベロッパー上級資格試験(UiARD)概要

UiPath RPAデベロッパー上級資格試験(UiARD)は、RPAソリューション開発における6ヶ月以上の実践的な経験と知識を持つ人を対象とした、UiPathの上位レベルの認定資格です。
この試験は、複雑で効率的なRPAソリューションを独力で構築する能力を評価します。

試験の詳細は以下の通りです。

資格名 UiPath RPAデベロッパー上級資格試験(UiARD)
受験料 英語版 200ドル(税別)、日本語版 22,000円(税別)
試験時間 120分
合格基準 70%
受験要件 特になし(UiPathアカデミーでの学習が推奨されている)

UiARDの受験者には、RPAデベロッパーとして半年以上の実務経験があることが前提とされています。
試験範囲は、

  • UiPath Studioの活用
  • アクティビティやプロパティの設定方法
  • REFrameworkの利用
  • クラシックセレクター
  • .NETクラス/オブジェクト
  • 高度なメソッド活用
  • UiPath Orchestratorの運用

などが含まれます。

アソシエイト資格と比べ、UiARDは一定の実務経験が求められる点が異なります。
合格基準スコアは同じ70%ですが、UiPathの製品に対するより深い理解力が問われるでしょう。

WinActorの資格

WinActorの資格

この節では、国内で開発されたRPAソフトウェアであるWinActorに関連する認定資格について説明します。

WinActorアソシエイト試験の概要

WinActorの基本的な理解と活用を目指す方向けの試験が、RPA技術者検定アソシエイト試験です。この資格は、WinActorの入門レベルの位置づけとなります。
CBT方式で50問の多肢選択問題形式、試験時間は60分で、合格基準は70%となっています。
受験料は7,150円(税込)で、受験資格は特に必要ありません。
試験範囲は、以下となっています。

  • WinActorの概要
  • WinActorの機能
  • シナリオに関する知識

WinActorを業務で活用する際の基礎力を確認する検定試験であり、DX人材育成や業務担当者の評価にも役立つでしょう。
無料の入門講座を活用しながら、この資格取得に挑戦するのがおすすめです。
ただし、実務レベルでは基礎知識のみでは不十分な面もあるため、より上位の資格取得も視野に入れる必要があります。

WinActorエキスパート試験の概要と範囲

WinActorに関する高度な知識と実践力が求められる試験です。アソシエイト試験よりも難易度が上がり、基本的なシナリオ作成能力に加えて応用力も必要とされます。

選択式問題30問と実技問題3問からなり、オンラインで受験できます。
試験時間は120分で、

  • 選択式と実技のそれぞれに合格基準があります。

実技問題が含まれるため、実際にRPAロボットを作成した経験がないと非常に困難な試験となります。

トラブルシューティングの力も問われ、より実践的な内容が出題されます。
出題範囲は

  • 「WinActor_簡易マニュアル」
  • 「WinActor_操作マニュアル」

ですが、JPathやDB連携、正規表現などは対象外です。

WinActorのRPAエンジニアを目指す上で、この試験の受験は有効なステップとなるでしょう。

まとめ

まとめ

RPAとは、従来人間が行っていた単純で反復的なコンピューター作業をロボットに代行させるためのツールのことです。
RPAを導入することで、以下の恩恵が期待できます。

  • 人件費の効率的な活用
  • 業務の生産性向上
  • 人為的ミスの低減

代表的なRPAツールとしては、以下の2つが挙げられ、それぞれ資格試験が用意されています。

  • UiPath
  • WinActor

RPAスキルを証明し、キャリア形成に役立てるため、これらの試験の受験をお勧めします。
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人間とロボットが協調して作業を行うことで、より高い付加価値の業務に人間が専念できるようになるでしょう。