インフラエンジニアという職種について、その概要や将来性、転職の方法などを解説します。
この職種の名称は耳にしたことがあるものの、具体的な業務内容を把握していない方も多いでしょう。
- エンジニア以外の職種に従事している方や、
- 他の分野のエンジニアからインフラエンジニアへキャリアチェンジを検討している方にも、
参考になる情報を提供します。
需要が高まっているこの職種について、詳しく理解することができます。
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インフラエンジニアとは
インフラエンジニアの役割は、日常生活を支える基盤となる設備や機器を管理することです。
具体的には、
- ガス・水道
- 道路・鉄道
- 電話・電力
- インターネット
など、生活に欠かせない社会基盤を維持する仕事に従事します。
IT分野においては、情報システムを運用するための
- 機材
- 施設
- 通信回線
- ネットワーク
- ソフトウェア
などのITインフラを担当します。
インフラエンジニアは、インターネットを利用するための基盤となるネットワークやサーバーなどを管理し、安定したインターネット利用環境を提供する役割を果たしています。
インフラエンジニアの仕事内容
インフラ技術者の職務は、システムの基盤となる環境を企画、構築、維持管理することです。
具体的には、
- システムの設計図を描き、
- 必要なハードウェアやソフトウェアを組み合わせて実際の環境を作り上げます。
さらに、
- 構築した環境が適切に機能し続けるよう、
- 定期的な監視や障害対応、性能チューニングなどの運用業務を行います。
インフラ設計の重要性
インフラ構築の際には、アプリケーションの要求事項に基づいて、適切なシステム構成やネットワーク構成を策定する作業が必要となります。
実際の運用においては、設計時の想定と異なる動作が発生する可能性があり、そうした事態を未然に防ぐためにインフラ設計が重要な役割を果たします。
インフラ設計の主な業務は、以下の2点です。
- 要件の明確化
- 具体的な設計書の作成
要件の明確化では、利用者の要望やビジネス上の必要条件をシステム化する方針を定めます。
設計書作成では、具体的な構成や設定値などを決定し、文書化を行います。
ITインフラ構築の概要
ITシステムを稼働させるための基盤を整備することがインフラ構築です。この作業には、設備の設置や配線、使用可能な状態への調整が含まれます。
必要なインフラは主に以下の2つに分類されます。
- ハードウェア:コンピューターやスマートフォンなどの情報端末、サーバーやストレージなどの物理的な機器
- ソフトウェア:OSやミドルウェアなど、目に見えない形のもの
ソフトウェアは、インフラ構築には欠かせません。
インフラの設置と接続が完了した後は、ソフトウェアのインストールと設定、動作確認や負荷テストを実施します。
なお、インフラ構築はインフラ設計に続いて行われます。
インフラ運用の概要と業務内容
インフラの適切な機能を維持するために、システムやネットワークの監視と保守が行われます。
この業務は、以下の2つに大別されます。
- 通常の運用
- 障害発生時の対応
日常的な運用管理に加え、トラブル発生時には以下の作業が求められます。
- 障害情報を収集する
- 業務の再開に向けてシステムを復旧させる
インフラ運用分野では、一部の業務において高度な技術力が必ずしも要求されないため、IT業界未経験者でも比較的参入しやすい側面があります。
インフラエンジニアの年収
これまでインフラエンジニアの職務内容を説明してきましたが、次はその年収について触れます。
正社員のインフラエンジニアの平均年収は約480万円となっています。
一方、フリーランスのインフラエンジニアの平均年収は約828万円と高額です(週5日常駐で月140~180時間の場合)。
フリーランスの平均単価は69万円、最高で月200万円、最低で月3万円、中央値は月65万円となっています。
フリーランスと正社員では約1.7倍の年収差があります。
この差は、
- フリーランスがプロジェクト単位で業務を請け負うのに対し、企業は長期的な雇用契約を正社員と結んでいること
- 企業は正社員に給与以外に社会保険料を支払う必要があるため、月額給与は抑えられがち
によるものです。
インフラエンジニアの将来性
インフラエンジニアの収入は年齢や経験によって大きく異なることが明らかになりました。
しかし、インフラエンジニアの将来展望はどうでしょうか。
今後もインフラエンジニアに対する需要は安定的に存在すると予想されます。
まず、人材の観点からインフラエンジニアの将来性を見ていきましょう。
- みずほ情報総研の予測では、現在から2030年まで、IT人材の需給ギャップが拡大し続けるとされています。
- 情報処理推進機構の調査でも、デジタル化を推進する人材の確保が課題となっている企業が4割前後あることがわかっています。
このような背景から、IT業界は技術の進歩に伴い発展を続けると考えられます。
次に、技術的な観点からインフラエンジニアの将来性を見ていきましょう。
従来、インフラエンジニアに求められていたのはサーバーのハードウェアやOSに関する知識でした。
しかし、今後は、クラウドや仮想化に関するスキルが不可欠となることが予想されます。
- Canalysの調査によると、2021年第4四半期のクラウド市場は前年比34%増の535億ドルに達しており、AWSが33%、Azureが22%、GCPが9%のシェアを占めています。
クラウドサービス | シェア |
---|---|
AWS | 33% |
Azure | 22% |
GCP | 9% |
オンプレミスからクラウドへの移行が進む中、クラウド市場の拡大が見込まれ、AWSやAzureに対するニーズも高まると考えられます。
以上の技術的な観点から、インフラエンジニアの需要は安定もしくは加速していくでしょう。
また、主要クラウドサービスの機能を把握し、設定・運用できるスキルがインフラエンジニアに求められることになります。
未経験からインフラエンジニアへの転職を実現させるには
インフラエンジニアの職業は、ある程度前途有望であると見なされています。
ここでは、未経験者がインフラエンジニアへキャリアチェンジするための重要なポイントを説明します。
- 基礎知識の習得が重要
- 資格取得を目指す
- ネットワーク技術者試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- プロジェクトマネージャ試験
- 実務経験を積む
- インターンシップ
- アルバイト
分野 | 必要なスキル |
---|---|
ネットワーク | LAN、WAN、無線LANなどの構築・運用 |
サーバー | Web、メール、DNSなどのサーバー構築・運用 |
セキュリティ | ファイアウォール、IDS/IPSなどの設定・運用 |
インフラエンジニアへの転職と必要なスキル
エンジニアの主要な役割は開発作業にあります。この点においてインフラエンジニアも例外ではありません。
開発能力を身に付けることで、インフラエンジニアへの転職の機会が広がります。
エンジニア経験がない方は、以下の知識を習得することが重要です。
- サーバー
- ネットワーク機器
- セキュリティ
- 仮想化・クラウド
OSでは
- Windows
- Linux
- UNIX
が、クラウドでは
- AWS
- Azure
などのスキルが役立つでしょう。
インフラエンジニアとして長く活躍するためには、IT全般の知識に加え、以下のスキルが求められます。
- 個人情報保護法などの法令
- 情報セキュリティマネジメント
- 技術文書を読むための英語力
転職理由と志望動機の一貫性
インフラエンジニアとして転職を希望する際、自身の目標と志望先企業の方針が合致していることが重要です。
転職理由と志望動機が一致していないと、早期退職のリスクが高まり、採用が難しくなる可能性があります。
そのため、
- 長期的なキャリアビジョンと企業の事業内容を十分に検討し
- 整合性を持たせること
が求められます。
インフラエンジニア転職のためのスクール活用
インフラエンジニアへの転職を目指す際、専門的な知識を身につけるための選択肢の一つとして、エンジニアスクールが存在します。
これらの教育機関では、以下の学習が可能です。
- クラウドインフラ技術
代表的なスクールとして、以下が挙げられます。
ネットビジョンアカデミー |
RaiseTech |
一部のスクールでは、ネットワーク技術者向けの資格であるCCNA(Cisco Certified Network Associate)の取得をサポートしています。
就職支援にも注力しているエンジニアスクールもあるため、転職を視野に入れている方は、こうした教育機関の活用を検討してみるとよいでしょう。
インフラエンジニア転職におけるエージェント活用
経験がない方がインフラエンジニアへの職種転換を目指す際、転職サポート会社を活用することが賢明です。これらの会社は無償で利用可能であり、
- 企業情報の提供
- 専門家によるキャリア支援を受けられます
転職支援サービスには様々な利点があります。
まとめ
この記事では、インフラエンジニアの仕事内容、将来性、転職方法について解説してきました。
インフラエンジニアの業務に関する理解が深まった方もいるでしょう。
少しでも興味や関心があれば、
- 自ら情報を収集したり
- 行動を起こすことが重要です。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用することで、インフラエンジニアとしての活躍の場を見つけやすくなるかもしれません。
インフラエンジニアとして活躍する道は多岐にわたるため、様々な選択肢を検討することをおすすめします。
本記事がインフラエンジニアの仕事を知る一助となれば幸いです。