フロントエンドとバックエンドの違いって?

現代社会においてIT技術は不可欠な存在となり、その中核を担うエンジニアの役割は重要視されています。
私たちの生活のあらゆる場面でITが活用されているため、エンジニアの貢献なくしては社会の機能が停滞してしまうでしょう。
このような背景から、エンジニア需要は高く、他業種と比較して給与水準も高めに設定される傾向にあります。
しかし、エンジニアの職種や業務内容について詳しい知識を持つ人は意外に少ないようです。
エンジニアと一括りにされがちですが、実際には複数の種類が存在し、専門分野によって担当業務は異なります。
本稿では、フロントエンドとバックエンドについて解説します。
それぞれに求められるスキルや知識、プログラミング言語、さらには年収や将来性についても言及していきます。

週10時間の副業案件を
会員登録した方限定で配信中!

フロントエンドとは

フロントエンドとは

Webサイトやアプリケーションにおいて、ユーザーが直接触れる部分の開発を担当するのがフロントエンドエンジニアです。
ユーザーに向けた表示や操作の受け付け、ページのデザインなどを手掛けます。
HTMLタグを用いてタイトルやサブタイトルを見やすく整える作業も行います。
フロントエンドはユーザーインターフェースに関わるため、ユーザーの反応を直接的に把握しやすい立場にあります。

バックエンドとは

バックエンドとは

バックエンドは、ユーザーから見えづらい領域を担当します。

  • サーバーやデータベース管理
  • システム開発・運用
  • プログラミングなどの作業が含まれます

ユーザーには見えにくい部分ですが、バックエンドの機能なくしてはシステムは動作しません。
バックエンドは重要な役割を果たす陰の存在と言えるでしょう。

フロントエンドエンジニアに必要なスキル・知識

フロントエンドエンジニアに必要なスキル・知識

フロントエンド開発者として活躍するためには、3つの主要な能力が必要とされます。

  • プログラミング言語の習熟
  • ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスの設計力
  • バックエンド技術の基礎知識

それぞれの要素について、より詳しく解説しましょう。

フロントエンド開発に使われる主要プログラミング言語

フロントエンド開発において、プロジェクトの内容によって使用する言語は異なります。しかし、一般的に以下の5つの言語が広く活用されています。

  • HTML
    ウェブサイトの構造を定義する基本的な言語です。テキストの構成要素やリンク、見出し、表などの役割を指定します。開始タグと終了タグをセットで使用する必要があり、適切なインデントとコメントを付けることが重要です。

  • CSS
    ウェブサイトのスタイルやレイアウトを制御する言語です。フォントサイズ、色、画像の調整などによりサイトの見栄えを整え、企業イメージに合わせた装飾が可能です。音声読み上げや印刷設定にも対応しています。

  • JavaScript
    ブラウザ上でアニメーションを実装したり、HTMLを動的に変更したりする際に使われます。シンプルな構文のため初心者にも習得しやすい一方、サーバーサイドでの利用も増えるなど進化が早い言語です。常に最新の動向を把握する必要があります。

  • PHP
    ウェブサービス開発に特化した言語です。WordPressなどのCMSの構築に欠かせません。サーバーサイドでのプログラム実行も可能なため、ウェブサイト全般で幅広く活用されています。比較的習得しやすい言語とされています。

  • Python
    AI開発や機械学習、IoT、データ分析など、さまざまな分野で利用が広がっている言語です。近年注目が高まっており、今後の需要増加が見込まれています。

UIとUXの違い

ユーザーとの情報のやり取りを担う仕組みがユーザーインターフェース(UI)です。
機器やシステム、ソフトウェアなどから利用者への情報表示方式や、利用者からの操作手段などが含まれます。
一方、ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、システムを通じて得られる全体的な体験を指します。
UI・UX設計では、開発者の理想やデザイン性だけでなく、ユーザーにとっての使いやすさが重視されます。
優れたWebサイトやアプリでも、使い勝手が悪ければ利用されにくくなるでしょう。

フロントエンドとバックエンドの連携

フロントエンド開発とバックエンド開発は異なる役割を担っていますが、完全に独立しているわけではありません。
フロントエンド開発者にとって、バックエンドの基礎知識を持つことは重要です。
それにより、フロントエンド開発業務をより効果的に遂行できるからです。
一方で、フロントエンド開発者にバックエンドの高度な業務を任せることは一般的ではありません。
しかし、バックエンドの簡単な問題に対応できれば、より価値のある存在となるでしょう。

バックエンドエンジニアに必要なスキル・知識

バックエンドエンジニアに必要なスキル・知識

バックエンドエンジニアとしての職務を遂行するためには、3つの主要な能力が必要とされます。

  • プログラミング言語の習熟
  • インフラ設計と構築のノウハウ
  • フロントエンド技術の基礎知識

それぞれの項目について、より詳しく解説いたします。

バックエンドで使われるプログラミング言語の紹介

バックエンドにおいても、フロントエンドと同様にプログラミング言語が活用されますが、共通する言語と異なる言語が存在します。バックエンドで頻繁に使用されるプログラミング言語には、

  • Java
  • Python
  • Go言語(Golang)
  • Ruby

の4つがあげられます。

Java言語は、家電製品などに組み込まれて動作するために開発された言語です。Java言語が登場する以前は、新しい家電が生まれる度にプログラミングが必要でしたが、この言語の登場により開発工数を大幅に削減できるようになりました。Javaは業務システム、Webサイト、Webアプリケーション、Androidアプリ、ゲーム、組み込みシステムなど、様々な分野で活用されています。

Python言語は、フロントエンドと同様にバックエンドにおいても幅広く利用されている言語です。Webサイト構築や機械学習の開発などに用いられており、バックエンドにとって最新技術の開発に携わる上で不可欠な言語と言えるでしょう。

Go言語(Golang)はGoogleによって開発されたバックエンド言語で、2009年にリリースされた比較的新しい言語ながら、その需要は年々高まっています。Go言語はプログラミング言語、開発者ツール、決済や認証などのマイクロサービス、IoT機器の組み込みシステムなどの開発に利用できます。この言語は習得が難しく、近年ニーズが高まっているため、記述できれば高収入の案件を獲得しやすくなります。

Rubyを使えば、通販サイトやメディアサイトなどを構築することができます。Webサイトを通じて情報やサービスを提供したい場合は、この言語を習得しておくと良いでしょう。また、Rubyはサーバーサイド処理の実装にも利用され、Webブラウザ上に表示するデータをWebサーバーから取得したり、加工を行ったりすることが可能です。

バックエンドエンジニアのためのインフラ知識

ソフトウェア開発においては、バックエンドやフロントエンドに加えて、システムの基盤となるインフラストラクチャを担当する専門家も存在します。
バックエンドエンジニアがインフラ構築の知識を持つことで、現場での活躍の場が広がり、より重宝される存在となります。
インフラエンジニアの主要な業務には、以下が含まれます。

  • サーバやデータベース環境の構築

バックエンドエンジニアがコードを実行するための基盤を整備するのがインフラエンジニアの役割です。
バックエンドエンジニアがこの基盤の状況を把握できれば、開発作業をスムーズに進めることができます。

フロントエンド知識の重要性

フロントエンド開発においてバックエンドの理解が重要であると説明しましたが、逆にバックエンド側もフロントエンドに関する基礎的な知識を持つ必要があります。
バックエンド開発者がフロントエンドの基本を把握していれば、

  • プロジェクト進行中の問題解決に貢献できるだけでなく、
  • 開発プロセス全体に幅広く関与することが可能になります。

フロントエンジニアの年収・将来性

フロントエンジニアの年収・将来性

フロントエンドエンジニアの収入水準と今後の展望について解説します。
Webアプリケーションの表示部分を担当するフロントエンドエンジニアは、ユーザーエクスペリエンスを左右する重要な役割を果たします。

  • 実力次第で高給与が期待できる一方、技術の進化に伴い常に学習を続ける必要があります。

適切なスキルを身につけることで、安定した収入と将来性のある職業といえるでしょう。

フロントエンドエンジニアの年収相場

フリーランスのWebエンジニアを対象とした求人プラットフォームの調査によると、フロントエンド開発者の月収相場は60万円から80万円程度となっています。
年収に換算すると700万円から1000万円前後の水準です。
ただし、フロントエンド分野においても、

  • 技術力や業務量によって収入は大きく異なることに留意が必要です。

高度な専門性を持つフロントエンドエンジニアであれば、月額90万円や100万円の収入を得ることも可能とされています。

フロントエンドエンジニアの需要と競争

フロントエンド分野には今後も継続的な需要が見込まれます。
しかし、バックエンド業務と比較すると難易度が低い案件も存在するため、フロントエンド領域における競争は激しくなる可能性があります。
それでも、フロントエンド案件自体は豊富に存在し、今後もその需要が減ることはないと予想されます。
適切なスキルを持つフロントエンドエンジニアであれば、仕事を見つけることに困難はないはずです。

バックエンドエンジニアの年収・将来性

バックエンドエンジニアの年収・将来性

バックエンドエンジニアの収入水準と将来展望について解説します。
バックエンドエンジニアは、ウェブサイトやアプリケーションの裏側で動作するシステムを構築する役割を担っています。
この分野の専門家は、

  • データベース管理
  • API設計
  • サーバー管理

など、幅広い知識とスキルが求められます。
経験を積むにつれて、より高度な技術力と問題解決能力が身につき、報酬も上がっていきます。
将来的には、

  • システムアーキテクト
  • チーフエンジニア

などの上位職へとキャリアアップする道が開かれています。
需要の高まりから、今後もバックエンド分野は有望視されています。

バックエンドエンジニアの年収相場

バックエンドエンジニアの収入水準は、ある情報源によれば月額7万円から8万円程度が一般的な相場とされています。
年収に換算すると800万円から1000万円前後になるでしょう。
ただし、フロントエンド同様、

  • 案件の数や内容
  • 取引先企業の規模

などによって収入は大きく変動します。
高い技術力と熱意を持つバックエンドエンジニアの中には、月収100万円を超える方もいるようです。

バックエンドエンジニアの需要と魅力

バックエンドの分野には継続的な需要が見込まれるため、安定した仕事が期待できます。
フロントエンドに比べて難易度が高いことから、バックエンド開発者の人材不足が深刻化しています。
そのため、バックエンドの知見を持つエンジニアは様々な職場で求められる存在となるでしょう。
収入面でも有利であり、競合他社との競争も少ないため、エンジニアとしてのキャリアを重視する方には魅力的な選択肢となります。

まとめ

まとめ

フロントエンドとバックエンドは、エンジニアという職種は同じですが、担当する業務内容や求められる役割が大きく異なります。
本文で説明したように、それぞれの違いを十分に理解した上で、自身の志向や関心のある分野を明確にしておくことが重要です。
共通する言語やスキルもありますが、必要とされる知識や言語は異なる部分も多くあるため、注意が必要です。
フロントエンドとバックエンドはいずれも安定した需要が見込まれ、将来性のある職種と考えられています。