CGクリエイター検定の詳細やおすすめ参考書を解説

CGやアニメーション制作に従事したい方は、「CGクリエイター検定」の資格を取得することをお勧めします。
この資格は、3次元コンピューターグラフィックスやアニメーション制作に関する技能を証明するものです。
デザイナーや映像制作者を志す人にとって、CGクリエイター検定の資格取得は就職や転職の機会につながる可能性があります。
本文では、

• CGクリエイター検定の概要
• 申請手順
• 合格率や難易度

について説明します。
また、合格を目指す際に役立つ参考書も紹介しますので、受験を検討している方はご一読ください。

CGクリエイター検定とは

CG-ARTS協会が認定する民間資格であるCGクリエイター検定は、CGを活用する職場で求められる専門的な技術力を評価する試験です。
映画、アニメーション、CM、ゲーム、ミュージックビデオ、アプリなどの制作現場で役立つ実践的な能力を測ることができます。
将来的にCGディレクター、CGモデラー、CGアニメーター、CGデザイナー、ゲームクリエイター、グラフィックデザイナーなどのクリエイティブな職種に就きたい人にとって、この資格の取得は自身の力量を効果的にアピールする手段となるでしょう。

CGクリエイター検定には「ベーシック」と「エキスパート」の2つのレベルがあり、受験者は自身のスキルレベルに合わせて種類を選択できます。

• ベーシックでは2次元CGと3次元CGの基礎知識、デザインの理解力、静止画制作能力が求められます。
• 一方、エキスパートでは3次元CGと映像制作に関する高度な専門知識と、その実践的な応用力が問われます。

CGクリエイター検定試験

CGクリエイター資格を手にするには、CG-ARTS協会の基準を満たし、試験に合格することが求められます。
最初に試験の内容を詳しく把握し、受験要件や必要な準備を確認することが重要です。

CGクリエイター検定の概要

CGクリエイター検定のベーシックエキスパート試験は、以下の都道府県で実施されます。

• 北海道
• 宮城県
• 栃木県
• 埼玉県
• 千葉県
• 東京都
• 神奈川県
• 静岡県
• 愛知県
• 石川県
• 京都府
• 大阪府
• 兵庫県
• 広島県
• 愛媛県
• 福岡県
• 沖縄県

試験日程は以下の通りです。

2022年7月10日(日)	申込期間:2022年4月1日(金)から6月3日(金)まで
2022年11月27日(日)	申込期間:2022年9月1日(木)から10月21日(金)まで

原則として年2回、7月と11月に開催されます。
試験の詳細な開催情報はCG-ARTS協会の公式ウェブサイトでご確認いただけます。
試験時間はベーシックが60分、エキスパートが80分です。
出題形式はマークシート方式で、問題数は10問です。
合格基準は100点満点中70点ですが、難易度により若干変動する可能性があります。
受験料はベーシックが5,600円(税込)、エキスパートが6,700円(税込)です。
受験資格に制限はありません。
CGクリエイター検定のベーシックとエキスパートは同日に実施されるため、CG-ARTS協会の試験では1日に最大4件まで申し込みが可能なので、併願受験も可能です。
エキスパートに合格できるか分からない場合は、ベーシックも同時に受験すれば資格取得の確率が高まります。

CGクリエイター検定の出題範囲

確かに、CGクリエイター検定の試験範囲は、ベーシックとエキスパートで異なります。
試験に臨む前に、それぞれのレベルで扱われる分野を事前に把握し、重点的に学習する必要があります。
試験範囲を理解し、適切な準備をすることが合格への近道となるでしょう。

CG基礎知識

CGの基礎知識について説明します。
コンピューターグラフィックスは長い歴史を持ち、様々な特性があります。
産業界では幅広い分野で活用されており、映像制作の工程も重要な役割を果たしています。

• 2次元のイラストレーションや、3次元のモデリングを行う際の基本的な理解が求められます。
• 2次元作品では写真の撮影やレタッチングの技術も関係してきます。
• 一方、3次元作品では映像制作の手順や手法に関する知見が必要不可欠です。

また、ハードウェアやソフトウェア、デジタルデータの基礎知識も重要視されます。
さらに、知的財産権や著作権に関する基本的な考え方を理解しておく必要があります。

映像制作の基礎知識

実写映像の撮影方法や編集による表現技法、モデリングやリギングの基礎、CGアニメーションの各種手法、シーン構築における様々なプロセスの知識と技術、映像制作の工程理解、知的財産権に関する基本的な考え方、ファイル形式や規格、数理造形の知識が求められます。

CGクリエイター検定の動向と難易度

CGクリエイター検定の受験者数と合格率は、ベーシックとエキスパートで大きな差があります。
ベーシックは毎年4,000~5,000人程度の受験者がおり、合格率は60~70%代と比較的高めです。
一方、エキスパートは2,000~2,500人程度の受験者数ながら、合格率は20%代と低い水準にあります。

近年のコロナ禍の影響により、資格取得や転職を目指す人が増加したことで、CGクリエイター検定の受験者数も増加傾向にあります。
また、メタバースやNFTなどの新しい分野との関連性から、CGクリエイターへの関心が高まっている可能性があります。

一方、CG-ARTS協会が運営するCGエンジニア検定では、

• ベーシックの合格率はCGクリエイター検定と大差ありませんが、
• エキスパートではCGエンジニア検定の方が30~40%代と比較的高い合格率となっています。

CG-ARTS協会が公表している「各検定のレベルについて」によると、

対象者	CGクリエイター検定エキスパートの合格率
高校生	25%
専門学校・大学生	40%
社会人	55%

学歴や年齢が上がるほど合格率が高くなる傾向にあります。
回数制限がないため、長期的な勉強を重ねることで合格を目指すことができます。

CGクリエイター検定の申し込み手順と試験当日の注意点

CGクリエイター検定の受験申込手続きは、オンラインまたは郵送のいずれかの方法で行えます。

• インターネット経由の場合、CG-ARTS協会のウェブサイトから受験者登録を済ませ、支払い方法を選択します。入金が確認されると、登録したメールアドレスに受付完了の連絡が届きます。
• 一方、郵送による申し込みでは、受験願書に必要事項を記入し、郵便局で受験料を支払います。こちらも入金が確認されると、メールで受付完了が通知されます。

受験票は試験日の約10日前に送付されるので、当日は受験票と顔写真付き身分証明書を持参する必要があります。
合否発表は試験約30日後にオンライン上で行われ、合格者には約60日後に合格証が郵送されます。

CGクリエイター検定の資格の有効期限

CGクリエイター検定の資格には期限が定められていないため、一度合格すれば永続的にその資格を保持できます。
試験に合格した後は、CGクリエイターとしてキャリアを積むことができるでしょう。

CGクリエイター検定の勉強時間

CGクリエイター検定の合格に向けた学習期間は、レベルによって異なります。

• ベーシックなら約1か月
• エキスパートなら約3か月程度が必要とされています。

具体的には、

• ベーシックで30時間
• エキスパートで100時間ほどの勉強時間が目安とされています。

CGに関する基礎知識や実務経験があれば、ベーシックの学習時間は短縮できる可能性があります。
一方で、CG技術の知見がまったくない場合は、上記の目安よりも長い期間が必要になるかもしれません。
エキスパートは幅広い専門知識が問われるため、知識があっても一定の学習時間を要します。
CGクリエイター検定は年2回実施されるため、その時期に合わせて計画的に学習をピークに持っていくことがポイントです。

CGクリエイター検定の資格取得のメリット

CGクリエイター検定の資格を手にすると、様々な利点が得られます。以下の点を確認し、具体的な恩恵を理解しましょう。

• 専門性の証明となり、就職や転職での有利な立場が期待できます。
• スキルアップの動機付けとなり、技術力の向上が見込めます。
• 同業者とのネットワーク構築の機会が広がります。
• 報酬の増額や昇進・昇格のチャンスが高まる可能性があります。
• 自己実現や達成感を得られ、モチベーションの維持に役立ちます。

資格取得によるメリットを把握し、目標に向けて着実に取り組みましょう。

CGクリエイター検定の意義

コンピューターグラフィックスや映像制作に関する専門的な知識とスキルを身につけるには、CGクリエイター検定の資格取得が有効な手段となります。
この資格を目指して学習することで、体系的に知識を習得できるでしょう。
明確な目標があれば、学習意欲の維持が容易になります。
そのため、ただ漫然と学習するのではなく、

• CGクリエイター検定の合格を目指して着実にスキルを高めていくこと

が賢明です。

CGクリエイター検定の転職・就職メリット

コンピューターグラフィックスに関する専門的な知見は、IT・ウェブ関連の業界で高く評価されます。
企業にとって、そうした資格を有する人材を採用することは、優秀な人材を確保できる好機となるでしょう。
特に、合格率の低い上位レベルの資格を取得していれば、転職や就職の際に有利に働くことが期待できます。
将来的なキャリアアップを見据えて、専門資格の取得を検討するのも賢明な選択肢と言えます。

CGクリエイター検定の収入メリット

CGクリエイター検定の資格を取得すると、企業から手当や賞与が支給される場合があります。
従業員の自主的な能力向上を促進するため、資格取得に対する金銭的なインセンティブを設けている会社も存在します。
会社の制度次第では、CGクリエイター検定の資格取得が直接的な収入増加につながる可能性があります。

CGクリエイター検定の資格取得のデメリット

確かに、CGクリエイター検定の資格を手にすることには、プラスの面とマイナスの面の両方が存在します。
この資格を取得することで得られる恩恵と、その一方で伴う負担や制約についても考慮する必要があります。

• 資格取得に向けた努力と時間的・金銭的コストを慎重に検討し、
• 自身のキャリアプランに照らし合わせて判断することが賢明でしょう。

CGクリエイター検定の勉強とプライベート生活の両立

CGクリエイター検定の資格取得には、相当な学習時間を割く必要があります。

• 継続的な勉強は避けられず、個人の自由時間を犠牲にせざるを得ません。
• 勉強による精神的負担が高まれば、現在の職務や学業に悪影響を及ぼす恐れがあります。
• 生活リズムの変化は、一部の人にとってはマイナス面と映るかもしれません。

CGクリエイター検定の必要性の再確認

CGクリエイター検定の資格を手にしただけでは、就職が保証されるわけではありません。
状況や目的によっては、この資格が役立たない場合もあり得ます。
自身の目標と資格取得後の計画を明確にし、CGクリエイター検定が本当に必要かどうかを再検討する必要があります。
場合によっては、

• 別のCG関連資格を取得する方が、目標達成への近道となるかもしれません。

CGクリエイター検定合格のためのおすすめの参考書

CGクリエイター検定の合格を目指す際には、効率的な学習が重要です。
参考書を活用することで、より効果的な勉強が可能になります。
ここでは、CGクリエイター検定の受験におすすめの参考書とその長所をご紹介します。

• CGクリエイター検定公式テキスト

長所	・出題範囲を網羅している ・公式なので信頼性が高い

• CGクリエイター検定問題集

長所	・過去問題が掲載されている ・解説が丁寧である

• CGクリエイター検定速習テキスト

長所	・ポイントをコンパクトにまとめている ・短期間で学習できる

CGクリエイター検定問題集 改訂第二版

この参考書は、過去問題を編集して練習問題として収録しています。

• ベーシックとエキスパートの2種類があり、それぞれ3回分の問題が掲載されています。

問題集と解説解答が分冊になっているため、効率的な学習ができる点が利点です。
CGクリエイター検定の合格を目指す受験者にとって役立つ一冊となっています。

CGアニメーション制作の実践ガイド

本書は、CGアニメーション制作の実践的な知識とスキルを身につけることができます。
3次元デジタル映像の制作工程や技術、クリエイター業務で求められる実写とCGの技能について学ぶことができます。
最新版なので、最新のCG関連の試験対策にも役立ちます。
CGクリエイターを目指す方におすすめの一冊です。

CG制作の基礎知識習得書

本書は、CGクリエイター検定の受験者向けに、3次元CGによるデジタル映像制作の基礎知識を習得できる内容となっています。
ベーシックレベルの合格を目指す方に適した参考書で、

• 色の特性
• 写真撮影
• 知的財産権

などCG制作に関わる幅広い知識が記載されています。
基本的な内容から発展的な内容まで網羅されており、CGの基礎を学びたい方におすすめの一冊です。

CGクリエイター検定の過去問活用

CG-ARTS協会が運営するウェブサイトでは、CGクリエイター検定の過去2回分の問題と解答が公開されています。

• 初級レベルのベーシックと上級者向けのエキスパートの2種類があり、受験者のレベルに合わせて活用できます。
• 2回以上前の問題は公開されませんが、検定実施後約1週間で最新の過去問が追加されるため、常に直近2回分の問題を学習資料として利用可能です。

本番と同様の問題に取り組むことで、実際の試験の雰囲気に慣れることができるため、受験予定者は公式サイトの過去問を積極的に活用するとよいでしょう。

CGエンジニア検定にも挑戦してみよう

CG-ARTS協会が主催するCGクリエイター検定の受験に際して、同団体のCGエンジニア検定にも挑戦することをお勧めします。
CGエンジニア検定は、産業界や学術分野において、

• ソフトウェア
• ハードウェア
• システム開発

などの能力を評価する資格試験です。
出題範囲は、

• アニメーション
• 映像
• ゲーム
• VR
• ARアプリケーション

などのソフトウェアやシステムの開発およびカスタマイズに関する内容となっています。
CGクリエイター検定とCGエンジニア検定は併願が可能ですので、両資格の取得を目指して学習を進めるのも良いでしょう。

まとめ

CGクリエイター検定は、CG関連の技能を身に付けるのに適した資格です。
今後、CGエンジニアやクリエイターを目指す方は、CGクリエイター検定の受験を検討するといいでしょう。
受験の際は、

• CGクリエイター検定の基礎知識
• おすすめの参考書

について確認することをお勧めします。
CGクリエイター検定は、CG分野のスキルを習得する上で有益な資格だと言えます。