エンジニアが考えるべきKPIとは?目標設定の方法とポイントについて解説

エンジニアとしてキャリアを積み重ねていくには、明確な目標を自身に設定することが肝心です。
適切な指標を定めることで、今後の行動計画を立てたり、不足している能力を補完したりできるため、プロフェッショナルとしての技術力や評価を高める好機となるでしょう。
しかし、指標の意味や重要性を正しく理解できていなければ、効果的な目標設定は難しくなります。
業務を効率的に遂行し、スキルアップを図るためにも、指標の概念や設定方法を把握することが肝心です。
本稿では、エンジニアが留意すべき指標の基本と、具体的な目標設定手順を解説します。
IT企業などでエンジニアとして従事している方は、この機会に指標について考えてみましょう。

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KPIとは?

KPIとは?

業務の進捗状況を把握し、目標達成に向けて適切な対策を講じるための指標として、KPI(重要業績評価指標)が活用されています。この指標は、定量的な数値で表され、一定期間ごとに設定されます。
期間の長さは企業や業務内容によって異なり、日単位から年単位まで様々です。
KPIを設定することで、業務完了までに解決すべき課題や重点事項が明確になり、エンジニアが適切にリソースを割り振ることができます。
結果として、業務効率と生産性の向上が期待できます。

KGIとKPIの違いと設定方法

KPIと並行して用いられる指標として「KGI」という概念があります。KGIは「Key Goal Indicator」の略称で、事業や業務の最終目標を示す重要な指標です。
KPIが中間的な目標を設定するのに対し、KGIは期間内に達成すべき具体的な目標を定量化したものです。
KGIを達成するためのプロセスを検討し、そのための KPIを設定することで、実際的な計画を立案します。
例えば、

  • 「年間売上○○円」をKGIとして掲げ、
  • 「月次売上○○円」
  • 「新規受注件数○○件」

などをKPIと位置付けます。
KGI・KPIともに、抽象的な表現ではなく、数値化された達成基準を明確に定めることが肝心です。

KFSとは何か

KPIと混同されがちな概念に「KFS」があります。KFSは「Key Factor for Success」の略語で、目標達成に不可欠な要素を指します。
指標ではなく、成功のための重要な要因に着目する点がKPIなどとは異なります。
目標実現に何が必要か、どのような対策が求められるかを検討します。

  • 例えば製造業ではブランド認知度の向上が、小売業では商品の豊富さや価格競争力がKFSとなり得ます。
  • IT企業においては、技術者の能力や新システム導入などが成功の鍵を握ることがあります。

エンジニアが設定するべきKPIは2種類ある

エンジニアが設定するべきKPIは2種類ある

エンジニアが定める業績評価指標には、個人的な目標を示す指標と業務上の目標を示す指標の2種類があります。
それぞれの指標設定のポイントを理解しておけば、円滑に目標を立てることができるでしょう。
ここでは、エンジニアが設定すべき2種類の業績評価指標について説明します。

  • 個人的な目標を示す指標
  • 指標例 設定のポイント
    ・技術力向上 ・具体的な学習内容や習得レベルを設定する
    ・資格取得 ・取得を目指す資格名を明記する
  • 業務上の目標を示す指標
  • 指標例 設定のポイント
    ・プロジェクト納期遵守率 ・遵守率の目標値を設定する
    ・作業効率化 ・具体的な効率化方法を検討する

個人目標を踏まえたエンジニアのキャリア形成

エンジニアが定める個人的な目標には、スキルアップや将来の職種選択に関わるものがあります。
現在の立場から、どのようなエンジニアを目指すかを具体的に設定します。

  • プログラミング言語や業務内容の専門家を目指すルート
  • 管理業務に特化するルート

個人の目標をKPIとして設定し、将来のビジョンを確立することが重要です。

仕事の目標設定におけるKPIの重要性

エンジニアは、業務における目的を数値化したKPIを定める機会が多々あります。
会社が目指す成果やタスクを理解した上で、それらに寄与できる目標を設定することが肝心です。
業務単位の目標は周囲と共有する必要があるため、明確な数値と期限を設けます。
場合によっては、

  • 他のエンジニアの目標を参考にしたり
  • 同じ方向性に修正したりする必要も生じるかもしれません。

エンジニアの仕事におけるKPIの重要性

エンジニアの仕事におけるKPIの重要性

技術の進化に伴い、エンジニアは常に学習を続ける必要があります。
KPIを活用することで、目標を明確化し、スキルアップの道筋を描くことができます。
KPIにより、次なる目標や進路が明確になれば、迷うことなくステップアップが可能になります。
企業では個人の目標設定を求められることもあり、日々の業務に追われ、将来の目標を立てられない場合もあります。
しかし、KPIを理解していれば、明確で効果的な目標設定が可能になるでしょう。

エンジニアがKPIを設定するメリット

エンジニアがKPIを設定するメリット

エンジニアがパフォーマンス指標を定めることには、様々な利点があります。

  • 目標を設定することで、業務に対する姿勢や意識が変化する可能性があり、技術者としての成長を後押しすることもあるでしょう。

エンジニアがパフォーマンス指標の意義を理解し、適切に設定することの恩恵を確認しましょう。

KPIによるエンジニアのスキルアップ

KPIの策定は、技術者としての適切な能力向上につながるプロセスとなります。
単に目の前の作業を処理するだけでなく、その業務から得られる知見や学ぶべき点を明確化できるため、KPIの設定は効率的なスキル習得を実現できるでしょう。

エンジニアに役立つスキルは多岐にわたるため、重点的に身につけたいものを絞り込まないと、どの分野も中途半端な習得に終わってしまう可能性があります。

KPIにより、目指すべき能力や将来のキャリアパスを明確化できるため、的確な技術向上を図ることができるメリットがあります。

KPIによるモチベーションアップの重要性

KPIを活用することで、エンジニアとしての仕事に対する意欲を高められる利点があります。
自ら設定した目標に向けて取り組む場合と、他者から与えられた課題に従う場合では、モチベーションの向上度合いに違いが生じます。

  • 自身で目的を定め、自分自身のためになる目標を設定する方が、高いモチベーションを持ち続けながら、能動的にスキルアップを図ることができるでしょう。

KPIによるモチベーション向上は、日々の業務にも好影響を及ぼします。
仕事が自ら設定した目標の達成に近づくと捉えられれば、生産性や効率性の向上が期待できます。

KPIを活用した主体的な業務遂行と評価向上

目標達成のための指針としてKPIを活用し、その内容に沿って業務を遂行することで、企業から高い評価を得ることができます。
KPIによって設定された目標があれば、自ら積極的に取り組むべき課題や必要な作業を見出すことが可能になります。
このような主体性と貢献意欲は、エンジニアとしての評価につながり、組織内での認知度向上にもつながるでしょう。
組織内での評価が高まれば、昇進や賃金アップの機会が増える可能性があります。
フリーランスのエンジニアにとっても、継続的な案件獲得や報酬交渉の際に有利に働くことでしょう。

エンジニアがKPIを設定する際のポイント

エンジニアがKPIを設定する際のポイント

技術者が個人の業績評価指標を決める際には、いくつか留意すべき重要な点があります。

以下に示す指標設定のヒントを参考にして、実際に目標を立ててみることをお勧めします。

  • 定量的な指標を設定する
  • 達成可能な目標を設定する
  • 期間を明確にする
  • 上司や同僚と目標を共有する

KPIの設定ポイント

KPIを設定する際は、明確かつ測定可能な目標を定めることが重要です。漠然とした目標では、進捗を追跡することができません。

例えば、「不足している能力を補う」という目標を設定する場合、

  • 具体的にどの能力が不足しているのか
  • どのような行動を取ればその能力を身につけられるのか
  • 目標達成の期限はいつなのか

を明確にする必要があります。

数値化できる指標を設定し、定期的に達成状況を確認しながら、必要に応じて目標を調整することが肝心です。KPIは進捗管理のための手段であり、適切な目標設定と継続的な見直しが欠かせません。

エンジニアのKPI設定のポイント

エンジニアのパフォーマンス目標設定においては、現在の自身の役割に応じた課題を掲げることが重要です。

  • 職場での貢献につながるスキルの習得や、評価に直結する業務の達成などを目指すことで、適切な目標設定ができます。
  • 自身の役割に沿った目標を立てることで、高いモチベーションを維持しながら業務に取り組めます。
  • モチベーションの高さは仕事の質にも影響を与え、会社からの評価向上につながるでしょう。

また、現状の自身の立場に合わせた目標設定をすれば、実現不可能な目標を掲げてしまうミスを回避できるメリットもあります。

  • 経験が浅い段階で過度な目標を設定すれば達成が困難となり、やる気が失せてしまう恐れがあります。
  • 一方で、中堅レベルの実力があるにもかかわらず、初心者向けの目標を設定してしまえば、達成しても意味がなく時間の無駄につながります。

現在の自身の立場に求められている課題を目標とすることで、効率的なスキルアップが期待できるでしょう。

エンジニアのKPI設定における目標人物の活用

エンジニアとしての目標を設定する際、優れた人材を参考にすることが重要です。
実際に活躍している著名人の経歴を調べたり、身近な人の実績やスキルアップ方法を参考にしたりすると、具体的な目標設定が容易になります。
自分と目標とする人物を比較することで、不足している点が明確になるメリットがあります。
目標達成に向けて何をすべきか、どのようなスキルや経験が必要かが分かれば、それに基づいてKPIを設定できます。
また、自身を客観的に見つめ直す機会にもなり、現状の立ち位置や課題を把握することができます。

エンジニアがKPIを設定する具体的な方法

エンジニアがKPIを設定する具体的な方法

エンジニアが目標を定める際には、将来のキャリアビジョンを明確にした上で、必要な行動を逆算することが肝心です。

例えば、

  • 特定分野の専門家を目指すなら、何年後までに習得すべき言語や資格、経験すべき業務規模や企業を設定します。
  • 一方、マネジメント業務を中心に活躍したい場合は、プログラミングスキルに加えて、マネジメント環境の確保やビジネス知識、コミュニケーション力の向上が求められます。

このように将来設計に合わせて目標を立てることが、エンジニアにとって適切な目標設定のポイントです。

ただし、現在の職場環境から乖離した目標を立ててしまうと、組織の調和を乱す恐れがあります。チームやプロジェクトの方向性を踏まえた上で、その内容に沿った目標を設定することも重要となります。

エンジニアごとのKPI設定の具体例

エンジニアごとのKPI設定の具体例

エンジニアのパフォーマンス指標は、経験レベルによって異なります。

  • 新人エンジニアは特定の言語の習得や課題の消化を目標とします
  • 中堅エンジニアは将来のスキルや資格取得、開発スケジュールの遵守、上位者の業務を請け負うことを目指します
  • 一方、フリーランスエンジニアは収入目標の設定、案件の確保、副業での達成目標、人脈作りなどを重視します

このように、立場に応じて具体的な指標は変わってきます。
自身の位置づけを把握し、適切な目標設定を心がける必要があります。
特にフリーランスは求人・案件探しの負担が大きいため、指標達成が難しい場合があります。
そういった環境作りの支援として、豊富な案件情報から最適なものを見つけられるサービスの活用が有効でしょう。

まとめ

まとめ

テクニカルスキルの向上には、目標設定が不可欠です。
明確な目標を立て、必要なプロセスを明確にすることで、エンジニアとしての成長を効率的に実現できるでしょう。
将来のキャリアビジョンに悩んでいる方や、具体的な目標を設定してITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」として活動したい方は、目標設定の基本的な意味や利点を理解することをお勧めします。
目標設定の重要性を認識し、着実にスキルアップを図りましょう。