情報処理安全確保支援士試験の詳細や資格取得メリット、対策法を解説

国家資格である情報セキュリティ分野の専門家認定制度について説明します。
この資格の概要、試験内容の詳細、資格保有者が得られる利点や欠点、そして合格に向けた学習方法やおすすめの参考書などを解説しています。

  • 情報セキュリティの知識を身に付けたい方
  • この分野で活躍したい方

は、本資料を参考にしてみてください。

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情報処理安全確保支援士試験とは

情報処理安全確保支援士試験とは

情報処理安全確保支援士は、企業や組織の情報セキュリティ対策を支援する専門家を認定する国家資格です。
この資格を持つ者は、セキュリティコンサルタントなどとして、情報セキュリティシステムの

  • 企画
  • 設計
  • 開発
  • 運用

を担当します。
具体的な業務としては、

  • 規程の策定
  • リスク対策
  • 暗号の活用
  • マルウェア対策
  • 脆弱性への対応

などが挙げられます。
必要なスキルとしては、

  • 情報セキュリティに関する専門知識
  • 脅威分析力
  • 最新動向の把握
  • コミュニケーション力
  • システム開発や品質管理
  • ネットワークやデータベースの知識
  • 暗号や認証、フィルタリングなどの技術力

が求められます。

情報セキュリティ国家試験の違い

情報セキュリティに関する国家試験には、以下の2つがあります。

  • 情報処理安全確保支援士試験
  • 情報セキュリティマネジメント試験

両試験とも専門知識を認定するものですが、その難易度に大きな違いがあります

試験名 難易度 その他
情報セキュリティマネジメント試験 基礎的な問題が中心
情報処理技術者試験のレベル2
全て多肢選択式
情報処理安全確保支援士試験 より高度な専門性が問われる
レベル4
記述式や論述式の問題も含む
試験時間や出題数が多い

このように、情報セキュリティマネジメント試験は基礎レベルの試験情報処理安全確保支援士試験はスペシャリスト向けの高度な試験と位置づけられています。
ITパスポート取得者がさらにスキルアップを目指す場合は、情報セキュリティマネジメント試験の受験がおすすめです

情報処理安全確保支援士試験の詳細

情報処理安全確保支援士試験の詳細

この試験の詳細を確認していきましょう。
情報処理安全確保支援士の資格試験は、ITセキュリティに関する専門知識と実践力を評価するものです。
試験範囲は広範にわたり、

  • システム管理
  • ネットワークセキュリティ
  • 法令遵守

など、多岐にわたる分野をカバーしています。
合格者には、高度な情報セキュリティスキルが認められ、企業や組織におけるセキュリティ対策の中核を担う人材として期待されています。
試験の難易度は決して易しくありませんが、しっかりと準備を重ねれば、確実に合格を勝ち取ることができるでしょう。

情報処理安全確保支援士試験の概要

情報処理安全確保支援士試験の試験場所、実施時期、受験料についてご説明します。
試験は全国の主要都市で行われ、年に2回、春と秋の時期に開催されます。
2022年は4月17日(日)と10月9日(日)に予定されています。
受験料は7,500円(税込)と定められており、

  • 筆記試験の場合は令和3年度秋期試験から
  • CBT方式の場合は令和4年4月の試験から

この金額が適用されています。

情報処理安全確保支援士試験の概要

情報セキュリティに関する国家試験の試験時間、問題形式、出題数は次のとおりです。

  • 午前中の第1部は9時30分から10時20分までの50分間で、四者択一形式の多肢選択問題が30問出題されます。
  • 続いて第2部は10時50分から11時30分までの40分間で、選択問題を含む多肢選択問題が25問出題されます。

午後の第1部は12時30分から14時までの90分間で、記述式問題が3問出題され、2問を解答する必要があります。
最後に第2部は14時30分から16時30分までの120分間で、記述式問題が2問出題され、1問を解答します。

情報処理安全確保支援士試験の出題範囲

情報処理安全確保支援士試験では、幅広い分野からの出題が行われます。
午前の試験では、以下の共通知識が問われます。

  • 基礎理論
  • コンピュータシステム
  • 技術要素
  • 開発技術
  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント
  • システム戦略
  • 経営戦略
  • 企業と法務

また、専門知識として、以下が出題されます。

  • データベース
  • ネットワーク
  • セキュリティ
  • システム開発技術
  • ソフトウェア開発管理技術
  • サービスマネジメント
  • システム監査

午後の試験では、以下に関する問題が出題されます。

  • 情報セキュリティマネジメントの推進や支援
  • 情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保
  • 情報及び情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用
  • 情報セキュリティインシデント管理の推進や支援

情報処理安全確保支援士試験の受験者数・合格率の推移

この記事では、情報処理推進機構(IPA)が公開している統計データを基に、情報処理安全確保支援士試験の受験状況と合格率について分析しています。

  • 過去5年間の平均合格率は18.7%と、同じくレベル4に位置付けられる他の情報処理技術者試験と比べると高い水準にあります。
  • しかし、実際には約5人に1人しか合格できないため、非常に難易度の高い試験であることがわかります。

受験者数は減少傾向にあり、令和2年度の秋期試験では11,597人と過去最低を記録しています。
合格率は年度によってばらつきがあり、令和3年度は20.7%と比較的高い数値となっています。

情報処理安全確保支援士試験の申込手順

毎年2回の機会があり、春と秋に情報処理安全確保支援士試験が行われています。今回は令和4年度春期試験の申込手順を説明します。

まずはウェブサイトから案内書を確認し、インターネットで受験申込を行います。

  • 申込期間は1月11日から2月1日の18時までで、この間に本人が必要事項を入力し、受験料7,500円を支払います。
  • 支払い方法はコンビニ決済、クレジットカード決済、ペイジー(Pay-easy)などが利用可能です。

申込内容の変更期間は1月11日から2月9日の12時までとなっています。

受験票は3月29日に発送される予定で、再発行の受付は4月7日から12日までとなります。

試験当日は4月17日で、合格発表と合格証書の交付日は未定です。

情報処理安全確保支援士の更新制度

情報処理安全確保支援士の資格には期限はありませんが、登録した場合は3年ごとに更新が必要となります。

情報処理推進機構では、最新の知識と技能を維持するための更新制度と更新講習を実施しています。この更新制は、

  • サイバーセキュリティの最新動向に対応できる能力を確認するだけでなく
  • 資格保持者の適格性を再確認することで、制度の信頼性向上を目指しています

登録者は義務付けられた講習を修了し、所定の期間内に手続きを行えば、3年間の有効期限が再設定されます。

更新手数料 無料
講習費用 有料

詳細については、関連サイトをご覧ください。

情報処理安全確保支援士試験の合格に向けた勉強時間

情報処理安全確保支援士試験は、情報処理技術者試験の中で最も難易度が高いレベル4に位置づけられています。
合格率は18%前後と非常に低く、合格を目指すには相当の努力が必要とされます。
当社では、この試験に合格するためには500時間を超える学習時間が必要不可欠であると見なしています。
ただし、個人のスキルやノウハウによって必要な学習時間は異なるため、500時間以上という目安を参考にしつつも、余裕を持った計画を立てることが重要です。
情報処理安全確保支援士試験に臨む前に、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などのレベル2〜3の資格を取得しておくと、ITに関する基礎知識と応用力が身につき、学習時間の短縮が期待できます。

情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリット

情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリット

この資格を取得することで得られる恩恵について説明します。

  • 情報セキュリティの専門知識を身につけることができ、企業や組織における信頼性が高まります。
  • キャリアアップの機会が広がり、収入面でも有利になる可能性があります。
  • 最新の脅威や対策に関する知見を常に更新できるため、スキルの陳腐化を防ぐこともできます。

情報処理安全確保支援士試験で得られる知識

情報処理安全確保支援士の資格取得により、幅広い情報セキュリティに関する知見を習得することができます。
具体的には、

  • 情報システムの企画から運用に至るまでの安全性確保のための総合的な知識
  • ファイアウォールや暗号化、SSL(Secure Socket Layer)の仕組み
  • ファイル共有ソフトウェア
  • タイムスタンプ

などについて学ぶことができます。

情報処理安全確保支援士の資格取得メリット

情報セキュリティに関する高度な専門性を証明する資格である情報処理安全確保支援士を取得することで、IT企業への就職が有利になります。
この資格試験は情報セキュリティ分野の中でも難易度が高く、合格者は高いスキルと知識を客観的に示せるためです。
情報処理安全確保支援士の資格保持者は、以下のような業種の企業や組織で活躍が期待されています。

  • システム開発を行う企業

情報処理安全確保支援士の資格手当と合格一時金

情報セキュリティの専門資格を取得すると、勤務先の企業や組織から手当や報奨金が支給される場合があります。

  • 株式会社エフ・アイ・ティでは月額5万円の手当と合格時に7万円の一時金
  • キャロットソフトウェア株式会社では月額1万8千円の手当と合格時に3万6千円の一時金
  • 株式会社ユートピアでは月額2万円の手当が支給されています

ただし、金額は企業や組織によって異なるため、詳細は勤務先の公式サイトで確認することをおすすめします。

情報処理技術者試験の免除制度

情報処理安全確保支援士の資格を取得すると、2年間の有効期間中は、以下の特典がある。

  • 情報処理技術者試験の上級レベルや同資格試験の一部が免除される
  • 共通的な知識を問う午前Ⅰ試験が免除され、午前Ⅱ試験から受験できるようになる

この免除対象には、以下の者が含まれる。

応用情報技術者試験の合格者
情報処理技術者試験の上級レベル、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格した者
午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を修めた者

情報処理安全確保支援士試験の資格取得のデメリット

情報処理安全確保支援士試験の資格取得のデメリット

この資格の取得には、一定の費用と時間が必要となります。
試験勉強に費やす労力も無視できません。
また、資格を維持するためには、継続的な学習が求められます。
さらに、この資格が必ずしも高い報酬につながるわけではありません。
しかし、情報セキュリティの専門知識を身につけることができ、キャリアアップの機会が広がる可能性があります。
メリット・デメリットを総合的に判断し、自身のニーズに合っているかどうかを検討する必要があります。

情報処理安全確保支援士試験の難易度と勉強時間

情報セキュリティの国家資格を取得するには、長期間の学習が欠かせません。
この試験は、情報処理技術者試験の中で最難関とされるレベル4に位置づけられています。
合格率は約18%と非常に低く、合格を手にするのは容易ではありません。
一般的には500時間以上の学習時間が必要とされていますが、個人の経験や知識によって必要な時間は変わってくるでしょう。
この目安を参考にしながら、着実に準備を進めることが重要です。

情報処理安全確保支援士試験合格のためのおすすめ参考書や対策法

情報処理安全確保支援士試験合格のためのおすすめ参考書や対策法

この記事では、情報セキュリティの国家資格である情報処理安全確保支援士試験に合格するための推奨の参考書と効果的な対策方法を紹介します。
試験に向けた学習計画の立案や、重点的に学ぶべき分野の把握に役立つ情報を提供します。
合格に向けて確実な一歩を踏み出すための指針となることでしょう。

合格に向けた実践的な知識と問題演習

ここでは、知識の習得だけでなく、実践的な問題演習を通じて確実な実力向上を図ることができます。
知識解説と確認問題の組み合わせにより、単なる知識の暗記にとどまらず、得点につながる実践力を身につけることが可能です。
さらに、記述力や論述力を養う多数の確認問題が用意されており、応用力の向上も期待できます。
加えて、付属のWebアプリでは、午前I試験と午前II試験の問題演習がそれぞれ25回分ずつ収録されているため、自身の強みと弱みを分析する良い機会となります。

情報処理安全確保支援士試験対策書

この書籍は、新しい試験の傾向を詳しく分析し、幅広い出題範囲に対応できるよう構成されています。
実際の試験形式に沿った確認問題が収録されているため、知識の理解度を確かめるだけでなく、合格に必要な力が身につきます。
さらに、過去16回分の問題の解説をWebからダウンロードできる特典も用意されています。

過去問解法と確認問題で実践力アップ

ここでは、過去問題の解き方が体系的に整理されており、初心者にも分かりやすい構成となっています。
左右のページに問題と解説が掲載されているため、学習がしやすくなっています。

  • 300問以上の確認問題に加え、上級者向けの追加コンテンツもダウンロード可能で、幅広い問題に対応できる実践力が身につきます。

情報処理安全確保支援士試験対策の極意

情報処理安全確保支援士試験に合格するためには、過去の問題集を活用することが重要です。
問題集を解くことで、以下のことができます。

  • 自身のIT知識レベルを客観的に把握できる
  • 間違えた箇所を分析し、不足している知識を補完したり、さらに学習が必要な領域を特定することができる

問題集は公的機関のウェブサイトなどで入手可能ですので、ぜひ活用してみましょう。

まとめ

まとめ

この国家資格は、情報セキュリティの専門家を認定するものです。取得のメリットとしては、

  • 関連知識が身に付くこと
  • IT企業への就職が有利になること
  • 手当や報奨金を受け取れること
  • 他の高度試験の一部が免除されること

が挙げられます。一方で、500時間以上の学習時間が必要となるデメリットもあります。
合格に向けては、過去問題集や教本を活用することをおすすめします。
近年、企業がセキュリティ対策を重視していることから、この資格の需要は高まると予想されます。
情報セキュリティ分野で活躍したい方は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」をご活用いただき、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。