ゲームエンジニアの転職実情や年収、転職実現のコツを解説!

この記事では、ゲームプログラマーへの職種変更を目指す方向けに、その職務の中核的な業務内容、必要となる技能、報酬水準や労働環境などの情報を提供します。
ゲームソフトウェア開発の現場で活躍するエンジニアの実態に迫り、キャリアチェンジのための知見を得ることができます。

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ゲームエンジニアとは

ゲームエンジニアとは

ゲーム開発に携わるIT技術者は、ゲームの種類によって求められるスキルセットが大きく異なります。

  • 家庭用ゲーム機やPCなどのハードウェアで動作するゲームでは、キャラクターやグラフィックス、オブジェクトの動作を制御するプログラミングが主な業務となります。
  • 据え置き型のコンシューマーゲームは基本的にオフラインで遊べますが、デスクトップゲームではハイスペックなPCを前提に高画質グラフィックスや3D、VRなどの先端技術を活用したゲームが多くなっています。
  • 一方、スマートフォンなどのモバイル端末向けゲームは、通勤や待ち時間などスキマ時間を想定したライトユーザー向けのソフトが中心です。

ゲーム開発者を目指す際は、どのようなゲームジャンルに特化するのか、事前に熟考する必要があります。

ゲームエンジニアの仕事内容

ゲームエンジニアの仕事内容

ゲームの開発プロセスにおけるエンジニアの役割を、各段階に分けて説明します。

  • プランニングフェーズでは、ゲームコンセプトの具体化やシステム設計を行います。

  • プロトタイプ制作では、基本機能の実装やテストを重ねます。

  • 本番開発では、グラフィックスやサウンド、ゲームロジックなどの実装を担当します。

  • リリース後は、バグ修正やアップデートの対応に当たります。

各工程で高度な技術力とクリエイティビティが求められる職種です。

ゲーム開発の企画・設計工程

ゲーム制作の初期段階では、企画担当者がゲームの概要や基本的な仕様を検討します。
その後、技術者がプログラミングの詳細や開発環境、ツールなどについて提案を行います。
企画担当者は必ずしも技術的な知識を持っているわけではないため、技術者には企画の意図を理解し、適切な提案ができるコミュニケーション能力が求められます。
特にスマートフォンゲームなどの開発では、スピードが重視されるため、企画段階から技術者が主導的な役割を果たすことが多くなっています。

ゲーム開発の環境整備と主要プログラミング言語

ゲームの企画が固まると、実際の制作工程に入ります。
最初は開発環境の構築が必要不可欠です。
制作するゲームのジャンルによって、適切な開発ツールは異なります。

  • 3Dグラフィックス重視のタイトルでは「Unity」や「Unreal Engine」が
  • スマートフォンゲームや2Dゲームでは「Cocos2d-x」などが主に活用されます。

また、選んだ開発ツールに合わせて、補助ソフトウェアの選定も求められます。
補助ソフトウェアとは、OSとアプリケーションの間に位置し、両者の橋渡し役を果たすものです。
環境が整い次第、プログラミング作業に取り掛かります。
まずはゲームの中核部分を一通り完成させ、プレイ可能な初期バージョンの完成を目指します。
ゲーム開発で汎用される主要なプログラミング言語は5つあります。

C# は歴史が長く、複雑な処理でも安定した動作が期待できます。Unityでの利用も可能です。
C++ はコンシューマー機からスマホまで幅広く使われ、高度な演算処理に適しています。
JavaScript はWebブラウザで利用されることから、スマホアプリやブラウザゲームに使われます。
Ruby は記号が少なくシンプルな記述ができ、自由度が高いのが特徴です。
Swift は、Appleデバイス向けアプリ開発に使用され、分かりやすく誤りが起きにくい言語です。

ゲームのデバッグ作業

ゲーム開発が進行し、一通りプレイ可能な製品が完成すると、次はデバッグ工程に入ります。
ゲームデバッガーやテスターがシナリオに沿ってゲームをプレイし、重大なバグや不具合がないかを確認します。
エンジニアは発見された問題点を修正し、品質向上に努めます。
デバッグ作業は複数回行われ、問題がなくなった時点で製品版が完成します。
発売後に重大なバグが見つかれば、メーカーに深刻なダメージが及ぶ可能性があります。
地味で根気が必要な作業ですが、品質保証のために欠かせない工程なのです。

ゲームエンジニアの年収

ゲームエンジニアの年収

ゲーム業界の年収実態について、CESA(コンピュータエンターテインメント協会)の調査結果を踏まえると、ゲームエンジニアの平均年収は約551万円と、日本人の平均年収433万円を上回る高水準にあります。
最多は400~499万円の範囲で、中央値は500万円となっています。
しかし、この業界には大きな年収格差が存在します。
メーカーによっては最低350万円から最高800万円と、450万円もの開きがあるとの指摘があります。
この要因として、

  • 開発コストの違い
  • ヒット作の有無

が影響しているものと考えられます。
メジャータイトルの開発費は平均1億円以上、中には40億円に達するものもあり、一方でポケモンGOのような大ヒット作品は4年間で3,350億円以上の売上を記録しています。
ゲームエンジニアの高年収には経験とスキルが重要ですが、プロダクトの成功や企業業績によっても左右されることがあります。

ゲームエンジニア需要の現状

ゲームエンジニア需要の現状

現在の就職環境において、ゲームエンジニアの職種に対する需要はどの程度存在するのでしょうか。
本文ではゲームエンジニアの現状と今後の展望について説明していきます。

  • ゲームエンジニアの仕事内容
主な業務 内容
プログラミング ゲームのロジックやAIなどを実装する
グラフィック制作 キャラクターやマップなどの3Dモデリングを行う
効果音・BGM制作 ゲームに使用する音声データを作成する

ゲームエンジニアの需要は今後も高まると予想されています。
理由は以下の通りです。

  • ゲーム市場の拡大
  • 新しいゲームプラットフォームの台頭
  • 技術革新に伴うゲームの高度化

ゲーム業界の市場動向とゲームエンジニア需要の変化

ゲームエンジニアの求人動向は、ハードウェアの種類やプレイ環境によって大きく異なります。

角川アスキー総合研究所の調査によると、

  • 国内ゲーム市場は2兆円を超え
  • そのうちゲームアプリ市場が1兆3,164億円と最大の割合を占めていることがわかりました

この数値は全体の約3分の2に相当し、ゲーム業界がオンラインシフトしていることを示しています。

スマートフォンアプリゲームは開発サイクルが短いため、ゲームエンジニアの需要は根強いままです。

一方で、

  • 家庭用ゲームソフトのオンライン販売は好調ですが
  • ハードウェア自体の売上は伸び悩んでおり

据え置き機向けゲームエンジニアの求人は横ばいか、若干の減少傾向にあります。

ゲーム業界のエンジニアキャリア

ゲーム開発には多数の人材が求められる一方で、業界の特性上従業員の入れ替わりが激しく、根本的に人手不足が課題となっています。
そのため、転職が比較的容易であり、スキルと経験次第で年収アップの機会もあるエンジニア職と言えます。
しかし、キャリアアップを目指すには単にプログラミングスキルを磨くだけでは不十分です。
今後のゲーム業界では、

  • ゲームの企画やデザインなど上流工程に関わるゲームプランナーとしての視点や
  • 複数のプロジェクトを同時に進行させるプロジェクトマネジメント力

が求められると予想されます。

未経験からゲームエンジニアへの転職を実現させるには

未経験からゲームエンジニアへの転職を実現させるには

初心者がゲーム開発の仕事に就くことは容易ではありませんが、不可能ではありません。
この項目では、ゲームエンジニアへの転職に向けて必要な知識やスキルについて解説します。

  • プログラミング言語の習得
  • ゲームエンジンの理解
  • 数学的知識
  • ポートフォリオの作成
知識/スキル 重要度
C++ ★★★★★
Unity ★★★★☆
線形代数 ★★★☆☆

ゲーム業界への転職

他業種でのIT経験を活かし、ゲーム業界への転職を目指すことができます。
スマホやタブレット向けのソーシャルゲームやアプリの開発現場では、iOS/Androidの知見やスキルを持つエンジニアが求められています。
一方で、未経験からゲーム開発に携わりたい場合は、

  • デバッガーやテスターとして実務に従事しながら、開発の実践的な知識を身につけることが選択肢の一つとなります。

プロの制作プロセスを間近で学ぶことで、実践的な経験を積むことができるでしょう。

ゲームエンジン活用のススメ

ゲーム制作の現場では、ゲームエンジンやミドルウェアなどの開発ツールが一般的に活用されています。

  • 「Unity」や「Unreal Engine」などの主要なツールについて知識を深めることで、転職の可能性が広がるでしょう。

Unityを使う開発ではC#を、Unreal Engineを使う開発ではC++やUnrealScriptなどのプログラミング言語の習得を目指すとよいでしょう。

ゲームサーバー開発の重要性

近年のゲームでは、高度なグラフィックスや大容量化に伴い、サーバー間でやり取りされるデータ量も増加しています。
長時間のロードはユーザーの離脱につながるため、快適なプレイ環境を維持するための負荷軽減スキルが、ゲーム開発・運用現場で不可欠となっています。

ユーザーから見えない裏方の役割ですが、サーバーエンジニアはゲーム開発を支える重要な存在です。

サーバー構築で一般的に使用される開発環境は、以下の4つから成るLAMP環境と呼ばれています。

  • Linux
  • Apache HTTP Server
  • MySQL
  • PHP/Python/Perl

サーバーエンジニアとしてこれらの開発環境での経験や知識があれば、未経験からゲームエンジニアへの転職においても活躍できる可能性が高まります。

未経験からゲームエンジニアへの転職のコツ

経験やスキルだけでなく、転職の背景と志望動機を一貫させることが重要です。
単に「ゲームが好き」という理由では不十分で、ゲーム開発への強い熱意と、その企業を選んだ明確な理由が求められます。
未経験からの転職にはリスクがありますが、それを乗り越えてでも携わりたいという具体的な思いを示す必要があります。

未経験からゲームエンジニアへの転職成功術

ゲームエンジニアへの転職を実現するには、多数の企業にアプローチすることが肝心です。
有名タイトルを手掛ける大手だけでなく、優良な中小開発会社や案件も存在します。

  • 転職サイトやエージェントを活用し、幅広く情報を収集することが重要となります。

まとめ

まとめ

ゲーム開発の現場で必要とされる知識や経験を持っていれば、未経験者や異業種からの転職者でも、ゲームエンジニアとして働くことができます。
これまで培ってきたキャリアを生かしながら、ゲーム制作に求められる経験を身に付けることで、有意義な転職を実現できるでしょう。
現在の状況を踏まえ、ゲームエンジニアへの転職に向けて着実に準備を進めていきましょう。
本記事がゲームエンジニア転職を目指す方々の一助となれば幸いです。