FinTech業界は、デジタル決済や家計管理アプリの普及により、急速な発展を遂げています。
この成長に伴い、大手金融機関やクラウドサービス企業など、幅広い分野でFinTech関連の人材需要が増加しています。
キャリア形成を考える上で、FinTech業界は注目に値する分野となっています。
本記事では、以下について解説します:
- FinTech業界における最新の転職動向
- 注目すべき企業の特徴
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FinTechを提供するSaaS型有名企業選
FinTechは幅広い分野に影響を与えています。
この革新的な産業では、多くの企業が新しいサービスを開発し、金融サービスの在り方を変革しています。
ここでは、FinTech業界で注目を集めている代表的な企業5社を取り上げ、それぞれがどのようなビジネスモデルを展開しているかを簡単に紹介します。
これらの企業の事例を通じて、FinTechがもたらす変革の一端を理解することができるでしょう。
スマホで簡単送金:「pring」の革新
スマートフォンを活用した革新的な送金サービス「pring(プリン)」を提供する企業です。
このアプリは、銀行口座と直接連携し、手数料なしで自由な入出金を可能にします。さらに、送金や店舗での支払いもアプリ内で完結できる便利な機能を備えています。
「pring」は、スマートフォンでメッセージをやり取りするような感覚で、簡単かつスムーズな金銭のやり取りを実現し、日常的な金融取引をより身近で効率的なものに変えています。
Sun Asterisk: DX推進の総合パートナー
Sun Asteriskは、300以上の新規事業やDXプロジェクトを成功に導いてきた実績を持つ企業です。1,500名を超える専門家チームが、様々な産業分野におけるデジタル化を包括的に支援しています。
FinTech領域においても豊富な経験を有し、著名な金融テクノロジー企業の新サービス開発をバックアップした実績があります。「自由な価値創造」をビジョンとして掲げ、デジタル・クリエイティブスタジオとしての機能を果たしながら、多岐にわたるソリューションを提供しています。
Sun Asteriskは、クライアントのニーズに応じて、戦略立案からシステム開発、デザイン、マーケティングまで、一貫したサポートを行う体制を整えています。革新的なアイデアと最新技術を融合させ、ビジネスの変革と成長を促進する partner として、多くの企業から信頼を得ています。
SBIグループのFinTech革新
SBIホールディングスのグループ企業として、FinTech分野で革新的なサービスを提供しています。
2020年8月末時点で、
- 融資残高は426億円に達し、
- 56,676人の投資家が登録を完了しており、
国内有数の規模を誇っています。
当社は、テクノロジーを活用して従来の金融の枠を超え、効率的で利便性の高い資産運用サービスと、柔軟な資金調達ソリューションを提供することで、お客様のニーズに応えています。
Kyash: スマート決済で支出管理を革新
Kyashは、スマートフォンとVisaカードを活用した革新的な決済・送金アプリを提供する企業です。
このサービスの特徴は、リアルタイムで取引通知を受け取れることで、利用者は即座に支出を把握できます。
また、詳細な利用履歴が即時に更新されるため、効率的な支出管理が可能となっています。
さらに、Kyashは利用者の利便性を考慮し、多様な入金方法を用意しています:
- クレジットカード
- ペイジー
- 銀行振込
これにより、ユーザーは自身のニーズに合わせて最適な入金手段を選択できます。
bitFlyer: 日本の仮想通貨取引所大手
bitFlyerは、日本を代表する大手仮想通貨取引所の一つです。
ビットコインなど様々な仮想通貨の取引が、モバイルアプリやウェブサイトを通じて24時間可能です。
同社はブロックチェーン技術の開発にも注力しており、独自のブロックチェーンプラットフォーム「miyabi」を生み出しました。
革新的な金融テクノロジーを駆使し、仮想通貨業界のリーダーとして確固たる地位を築いています。
FinTechの歴史
FinTechが日本で注目を集め始めたのは2015年頃からですが、金融業界では以前から「金融工学」というテクノロジーが存在していました。
資産運用におけるリスク回避と効率的な利益獲得には、数学や統計学の知識と理論、そして実務での活用が不可欠です。この高度な専門性ゆえに、金融向けシステムを得意とする大手IT企業が存在しています。
FinTechが注目されるようになった主な要因の一つは、スマートフォンの普及です。スマートフォンは人々の生活様式を大きく変え、金融業界にも多大な影響を与えました。
消費者向けの新しいスマートフォンサービスが次々と登場し、従来は法人や資産家・投資家向けだった金融商品・サービスを、一般ユーザーが簡単に利用できる形に変換したのがFinTechの特徴です。
今後は、ユーザーのニーズに適合した商品・サービスの開発が不可欠となり、大手金融機関でさえも、この変化に適応できなければ存続が危ぶまれる時代となっています。
FinTech業界の特徴
スマートフォンの普及とユーザーニーズの変化が、FinTech産業の成長を牽引しています。
この背景を踏まえ、FinTech業界の本質を理解するための重要な特徴を3点解説します。
これらの特徴を把握することで、FinTechが金融サービスにもたらす革新と、その将来性をより深く理解することができるでしょう。
FinTechの規制と特徴
金融業界では、預金取扱、金融商品取引、貸金業など、多くの事業に許認可が必要です。
一方、FinTech業界の特徴は、許認可が必要な事業と不要な事業が混在している点です。
金融庁の許可を必要としないサービスの例として、
- 個人間送金
- 個人向け家計簿アプリ(PFM: Personal Financial Management)
などがあります。
このように、FinTech業界は従来の金融業界とは異なる特性を持ち、より幅広いサービスを提供しています。
FinTechスタートアップの急成長と環境変化
FinTech業界では、ユーザーのニーズに迅速に対応できる柔軟性を持つスタートアップ企業が主導的な役割を果たしています。
これらの企業数は年々増加傾向にあり、業界の成長を示しています。例えば、FinTech協会の会員数は、
- 2015年の設立時には20社程度
- 2020年には130社以上に拡大
この急速な発展に呼応して、政府も新しいサービスの創出を促進するための規制緩和や法整備を進めています。
こうした環境の変化は、FinTechスタートアップにとって大きな成長の機会となっています。
FinTech投資拡大と金融機関の対応
FinTech分野への投資は年々拡大しており、ビジネスマッチングや事業化の動きが活発化しています。
大手金融機関とスタートアップの協働が進み、様々なイベントや事業構想コンテストが開催されています。
一方で、地方銀行や中小証券会社の中には、独自の人材育成や技術開発に課題を抱えているところもあります。
そのため、FinTech企業との提携や契約を通じて、デジタル化の流れに追いつこうとする動きが見られます。
実際、調査によると地方銀行の35%が2020年度にデジタル投資を増加させており、特に「モバイルアプリ」分野に注力する傾向が強いことがわかっています。
このような状況下で、FinTech企業にとっては、これらの金融機関も重要な顧客ターゲットとなっています。
金融業界全体でデジタル化が進む中、FinTech企業と既存の金融機関との協力関係がますます重要になってきているといえるでしょう。
FinTechの商品・サービス
FinTechは、革新的なスタートアップ企業によって急速に発展し、従来の金融サービス業界に変革をもたらしています。その対象は、一般消費者から企業、金融機関まで幅広く及んでいます。
FinTechサービスは多岐にわたりますが、主に6つの主要な領域に分類することができます。これらの領域では、最新のテクノロジーを活用した新しい金融サービスや商品が次々と生み出されており、従来の金融サービスのあり方を大きく変えつつあります。
以下では、これらの領域について、具体的な事例を交えながら詳しく見ていきましょう。
新時代の個人向け資金調達法
近年、個人が少額から資金調達できる新しい方法が登場しています。
その代表的なものが「ソーシャルレンディング」と「クラウドファンディング」です。
ソーシャルレンディングは、インターネットを介して資金の貸し手と借り手をマッチングさせるシステムです。
この仕組みにより、個人投資家が比較的少額から融資に参加できるようになりました。
一方、クラウドファンディングは、プロジェクトや活動の提案者がオンラインで企画を発信し、それに共感した人々から広く資金を募る方法です。
様々なアイデアや事業が、このプラットフォームを通じて実現されています。
これらの新しい資金調達方法は、従来の金融機関を介さずに直接的な資金の流れを作り出し、小規模なプロジェクトや個人の夢の実現を支援する役割を果たしています。
FinTechが変える日常の決済と送金
キャッシュレス決済や送金サービスは、FinTechの代表的な例として日常生活に浸透しています。
- 「PayPay」や「楽天ペイ」といった人気の決済アプリを使えば、店舗でバーコードを読み取るだけで簡単に支払いができます。
- 「LINE Pay」などの新しいサービスでは、口座番号を知らなくても個人間で手軽に送金することが可能になりました。
これらの技術革新により、私たちの金融取引はより便利で効率的になっています。
AIが変える資産運用の未来
人工知能(AI)技術を用いた資産運用サービスが近年急速に普及しています。
例えば、以下のようなサービスが登場しています:
- AIが自動的に投資判断を行うロボアドバイザー
- 日々の少額から投資を始められるマイクロ投資アプリ
これらのサービスは、一般の個人投資家にも使いやすいFinTech(金融テクノロジー)の代表例として注目を集めています。
AIの進化により、専門知識がなくても効率的な資産運用が可能になりつつあります。
個人・法人向け財務管理ツールの進化
個人向け家計管理アプリケーションとして広く利用されている「Moneytree」と「Money Forward」は、銀行口座やクレジットカード情報と連携し、個人の資産を効率的に管理するサービスを提供しています。
一方、法人向けには「MFクラウド会計」や「freee」などのクラウド会計サービスが普及しつつあります。これらのサービスは、クラウド上で以下の機能を統合し、企業の間接業務を大幅に効率化することができます:
- 会計管理
- 請求書・領収書の処理
- 労務管理
このように、個人と法人それぞれのニーズに合わせた財務管理ツールが発展しています。
仮想通貨:デジタル時代の新たな通貨
仮想通貨は、ブロックチェーン技術を基盤とした国境を越えて使用可能なデジタル通貨です。
ビットコインやイーサリアムを含め、世界中で1,000種類を超える仮想通貨が存在すると言われています。
その特徴として、スマートフォンを使用した少額取引の利便性が挙げられます。
仮想通貨の取引や関連サービスを提供する取引所は複数存在し、それぞれが独自の特徴を持っています。
これらの取引所を通じて、ユーザーは仮想通貨の売買や管理を行うことができます。
テックエンジニアからFinTech業界への転職
テクノロジー業界のエンジニアがFinTech分野へ転職することは、比較的容易です。
AI(人工知能)やブロックチェーンなど、FinTechの核となる技術に精通していれば、多くの企業から求められる人材となります。これはスタートアップ企業でも大手金融機関でも同様です。
FinTech市場の急成長に伴い、優秀な人材を即座に採用したいと考える企業が増加しており、特に従来の金融機関でその傾向が顕著です。
特に、モバイルアプリケーションのUI/UX設計能力は高く評価される傾向にあります。
企画から開発、テスト、そして保守まで一貫して担当できるエンジニアの需要が高まっています。
FinTech業界への転職:既存金融業界からの転身
金融業界からFinTech分野への転職を考える場合、最新のIT知識が必要とされることがあります。
これは一見ハードルが高く感じられるかもしれません。
しかし、金融業界での豊富な経験を持つ人材も同様に求められています。
実際、多くのFinTech企業にとって、金融商品や取引プロセスに精通した人材は非常に貴重です。
特に金融機関向けのシステム開発や大規模プロジェクトでは、こうした専門知識が不可欠となります。
さらに、FinTech企業が金融業界の中核に進出していく上で、従来の金融現場で培われた経験やスキルは極めて重要な役割を果たすことになるでしょう。
FinTech業界への転職:その他業界からの転身
FinTech業界で今後重要となる人材として、法務やセキュリティの専門家が注目されています。金融サービスにおいて、顧客の資産と個人情報の保護は最重要課題であり、これらの分野に精通した人材がFinTechスタートアップの成長に不可欠だと考えられています。
また、企業の成長段階に応じて、セールス、マーケティング、カスタマーサポート、PR等の専門家も需要が高まると予想されます。これらの経験やスキルは、FinTech業界でのキャリア構築に有利に働くでしょう。
さらに、FinTech企業では、既存の金融システムを簡素化し、ユーザーフレンドリーなサービスやツールを開発できる人材が求められています。特に、スマートフォンを活用した革新的なソリューションを提案できる人材は高く評価される傾向にあります。
多くのスタートアップ企業では、柔軟な採用方針を取っており、特定の職種にとらわれない幅広い人材の登用も行われています。このような環境は、多様な経験や視点を持つ人材にとって魅力的な機会となるでしょう。
まとめ
FinTech業界は急速な成長を遂げており、転職を検討している人々の間で高い関心を集めています。
この分野では、大手金融機関からSaaS企業まで、幅広い企業がFinTechに関連する人材を求めています。そのため、今後ますます多様な職種や役割が生まれる可能性が高いでしょう。
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