エドテック(EdTech)業界の主要企業と新興企業について解説します。
近年、プログラミング教育の必修化や新型コロナウイルスの影響によるオンライン学習の普及により、エドテック分野への関心が高まっています。
本記事では、この成長産業における代表的な企業とその事業内容を紹介します。各社の特徴や取り組みを知ることで、エドテック業界への理解を深めることができるでしょう。
業界動向や各企業の特色を把握することは、キャリア選択の際にも役立つ情報となるはずです。
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- 1 EdTech(エドテック)とは
- 2 EdTechの注目企業を紹介!
- 2.1 教育とビジネスを革新する「ENAGEED」サービス
- 2.2 スタディプラス:学習管理アプリで教育革新
- 2.3 オンライン英会話企業の躍進:EdTechを活用した国際展開
- 2.4 進研ゼミ:進化する総合学習支援サービス
- 2.5 スタディサプリ:EdTechを活用した総合学習サービス
- 2.6 オンライン教育プラットフォーム「Schoo」の挑戦
- 2.7 テクノロジーで教育革新:UMUの挑戦
- 2.8 記憶定着を支援する学習プラットフォーム「Monoxer」
- 2.9 オンライン学習で資格取得と企業研修をサポート
- 2.10 EdTechベンチャーLibryの個別最適化学習プラットフォーム
- 2.11 AIが個別最適化する学習システム
- 3 EdTechの市場規模
- 4 EdTechに興味を持ったら転職エージェントに相談してみよう
EdTech(エドテック)とは
エドテック:教育革新の新時代
EdTech(エドテック)は、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を融合させた新しい概念です。この言葉は、最新のテクノロジーを活用して教育分野に革新をもたらす取り組みを表しています。
エドテックは、従来の教育方法を進化させ、より効果的で個別化された学習体験を提供することを目指しています。これには、以下のような様々な形態があります:
- オンライン学習プラットフォーム
- インタラクティブな教材
- 人工知能を活用した学習支援システム
この概念は、教育の質を向上させるだけでなく、学習者の興味や能力に合わせたカスタマイズされた教育を可能にします。また、地理的な制約を超えて教育機会を提供し、生涯学習をサポートする役割も果たしています。
エドテックの発展により、教育のあり方が大きく変わりつつあり、今後も教育業界に大きな影響を与え続けると予想されています。
エドテック普及の背景と展望
エドテックが注目される背景には、いくつかの重要な要因があります。
まず、新型コロナウイルスの感染拡大により、従来の一斉授業の限界が浮き彫りになりました。また、教育の地域格差や経済格差の問題、そして教員への過度な負担も大きな課題となっています。
特に新型コロナウイルスの影響で、学校や学習塾などの教育機関が休校や休業を余儀なくされたことで、ITを活用したエドテックの普及が急速に進んでいます。この状況を受けて、政府は「GIGAスクール構想」を前倒しで実施し、全国の小中高校生に1人1台のコンピュータを配布する計画を加速させました。
これらの取り組みにより、教育現場へのIT技術の導入が急速に進んでおり、エドテックの重要性がますます高まっています。この流れは、今後の教育のあり方を大きく変える可能性を秘めています。
エドテックの最新トレンド
オンライン学習は2012年にアメリカで始まった「MOOK」が起源です。無料でオンライン講義を受講し、修了証も取得できる革新的な取り組みとして注目を集めました。
現在の日本では、日々の授業のライブ配信や、授業中のチャット質問機能など、多様なサービスが普及しています。
アダプティブラーニングは、生徒一人ひとりに最適化された学習を提供します。過去の学習履歴や回答例を分析し、個別に適した内容を提示するため、理想的な学習方法として注目されています。
学習管理の効率化も重要視されており、LMS(Learning Management System)が広く活用されています。生徒の進捗状況を一元管理する考え方は、エドテック分野で非常に重要です。
教育のSTEAM化は、科学・技術・工学・芸術・数学を横断的に活用し、生徒の興味を喚起する教育方法です。単なる理系教育ではなく、創造力を育む文理融合のアプローチです。
VRとメタバースの活用も進んでいます。
- 講習や研修でVRを使用することで、実際の体験に近い学習が可能になります。
- メタバース空間でのアバターを通じたコミュニケーションは、従来の2次元画面よりもリアルな交流を実現し、国内でも普及が進んでいます。
エドテックの可能性と課題
エドテックは、教育分野にテクノロジーを導入し、様々な教育課題の解決を目指す取り組みです。
単なるオンライン学習だけでなく、より広範な教育改革を含んでいます。
近年の長期休校により、オンライン学習環境の有無が学習機会の格差を生み出すことが明らかになりました。
しかし、学校教育の価値は学習内容だけでなく、対面でのコミュニケーションを通じた人格形成にもあります。
デジタルネイティブ世代の子供たちにとって、オンラインでのやり取りは自然なものですが、それでも実際の人間関係構築は重要です。
今後、予期せぬ事態でも学びを継続できる柔軟な教育システムの構築が急務となっています。
EdTechの注目企業を紹介!
教育とビジネスを革新する「ENAGEED」サービス
「一人ひとりが、自分の生き方に誇りを持てる社会へ」というビジョンを掲げ、教育機関と企業向けに革新的なサービスを提供している企業です。主力サービスは「ENAGEED」と「ENAGEED for Biz」の2つです。
「ENAGEED」は、学校や塾向けの教育支援サービスで、生徒たちが未来に必要な「自ら考え、動く力」を育成することを目的としています。全国800以上の教育機関で採用され、高い評価を得ています。
一方、「ENAGEED for Biz」は企業向けのプログラムで、組織の生産性を最大化する能動的な人材と組織の開発を支援します。江崎グリコや三菱重工業をはじめ、120社以上の企業で導入されており、ビジネス界でも注目を集めています。
これらのサービスを通じて、教育現場とビジネス世界の両方で、個人と組織の成長を促進し、社会全体の発展に貢献しています。
スタディプラス:学習管理アプリで教育革新
スタディプラス株式会社は、学習管理アプリ「Studyplus」で知られる注目のベンチャー企業です。このアプリは大学受験生の約半数が利用していると言われています。同社は主に2つのサービスを展開しています。
- 1つ目は「スタディプラス」で、主に大学受験を目指す高校生向けの学習管理アプリです。このアプリでは、学習時間や内容、量を記録・分析できます。各教科の進捗状況や目標達成率の確認、他のユーザーとの情報共有も可能です。さらに、コミュニケーション機能も備えており、自宅学習時の孤独感解消やモチベーション維持にも役立ちます。
- 2つ目は「Studyplus for School」で、教育機関向けの学習進捗管理ツールです。2016年4月にサービスを開始し、多くの学校や学習塾、予備校で採用されています。
これらのツールを通じて、スタディプラス株式会社は教育分野での事業拡大を続けています。
オンライン英会話企業の躍進:EdTechを活用した国際展開
オンライン英会話を主軸とした事業を展開する企業で、高品質な英語学習プログラムを提供していることで知られています。
「日本人1千万人を英語が話せるようにする」という大きな目標を掲げ、幅広いレベルに対応したカリキュラムを用意しています。日本国内だけでなく、東南アジア諸国にも事業を拡大しています。
早くからオンラインでのマンツーマン英会話レッスンを展開し、最新のEdTech(教育テクノロジー)を積極的に導入してきました。そのため、EdTechに関する専門知識と実践スキルが豊富で、多くの企業や教育機関から高い評価を得ています。
現在の会員数は80万人を超え、約6,000人の講師陣を擁する大規模な組織となっています。今後のリモート化の進展に伴い、さらなる成長が期待されています。
進研ゼミ:進化する総合学習支援サービス
ベネッセグループの中核サービスである「進研ゼミ」は、乳幼児から高校生まで幅広い年齢層を対象とした総合的な学習支援を提供しています。質の高いカリキュラムと効果的な学習方法により、多くの会員から支持を得ています。
2014年度からは、従来の紙媒体による学習に加え、タブレットを活用した「チャレンジタッチ」というデジタル学習サービスを開始し、さらなる会員拡大につながっています。
また、2015年には新たな展開として、オンライン教育プラットフォームを運営する海外企業と提携しました。これにより、子ども向けの学習コンテンツだけでなく、AIやプログラミング、統計学などのビジネス関連講座もオンラインで受講できるようになり、サービスの幅が大きく広がりました。
進研ゼミは、時代のニーズに合わせて常に進化を続ける学習支援サービスとして、今後も注目されています。
スタディサプリ:EdTechを活用した総合学習サービス
リクルートが運営する「スタディサプリ」は、幅広い年齢層を対象としたWEB学習サービスです。2012年からは小中高生に加えて社会人向けのインターネット学習支援も展開しています。
スタディサプリの特徴は、以下の2点です:
- 4万本以上のプロ講師による動画配信
- EdTechの強みを活かした個別対応の学習記録アプリ
学習者は自分のペースで学習を進められるだけでなく、教師や保護者が学習状況を確認し、適切な指導を行うことができます。
PCやスマートフォンから簡単にアクセスできる利便性により、多くの会員が利用しています。オンライン学習の普及に伴い、EdTech機能をいち早く取り入れたスタディサプリは、この分野のパイオニアとしてさらなる成長が期待されています。
オンライン教育プラットフォーム「Schoo」の挑戦
「生涯学習の実現」をミッションとして、オンライン教育プラットフォーム「Schoo」を運営しています。
このサービスでは、6,500本以上の多様なビジネス関連コンテンツを提供しています。大学教授、企業経営者、芸能人など、様々な分野の専門家が講師を務め、ほぼ毎日ライブ配信での授業を行っています。
Schooの特徴は、チャット機能などを活用し、対面授業に匹敵する双方向的な学習体験をオンラインで実現していることです。
- 個人向けの一般サービス
- 企業向けの「Schooビジネスプラン」
を展開しており、社員研修や人材育成に活用されています。
このプラットフォームは、時間や場所の制約を超えて、継続的な学びと成長の機会を提供することを目指しています。
テクノロジーで教育革新:UMUの挑戦
ユームテクノロジージャパン株式会社は、テクノロジーと学習科学を融合させ、世界の教育を革新することを目指しています。同社が提供するオンライン学習プラットフォーム「UMU」は、誰もが教える側にも学ぶ側にもなれる柔軟なシステムを特徴としています。
UMUは、以下の特徴を持っています:
- オンラインとオフライン、個人学習と集団学習など、多様な学習環境に対応可能
- AIを活用した効果的なトレーニング機能
- 直感的に操作できるコンテンツ作成ツール
例えば、学習者が提出した動画課題をAIが即座に分析し、フィードバックを提供することで、効率的な自主学習をサポートします。このように、UMUは最新のテクノロジーを駆使して、より効果的で魅力的な学習体験を実現しています。
記憶定着を支援する学習プラットフォーム「Monoxer」
モノグサ株式会社は「記憶を日常に」という理念のもと、記憶に関する課題を解決するサービスを提供しています。個人塾や大手塾、学校向けに、教える側と学ぶ側の両方の記憶定着をサポートする製品を展開しています。
主力サービスは、記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」です。このプラットフォームでは、指導者が生徒に覚えてほしい内容を登録するだけで、その内容を定着させるための問題が自動的に作成されます。学習者はスマートフォンやタブレットのアプリを通じて、これらの問題に取り組むことができます。
Monoxerの特徴は、個々の学習者の習熟度や忘却度に応じて、リアルタイムで問題の出題頻度や難易度が調整される点です。これにより、一人ひとりのレベルに合わせた効果的な学習が可能となり、記憶の定着をより効率的に進めることができます。
オンライン学習で資格取得と企業研修をサポート
KIYOラーニング株式会社は、「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」というミッションのもと、オンライン学習サービスを提供しています。主な事業は、パソコンやスマートフォン、タブレットを使用した資格取得支援サービスです。
個人向けには、「STUDYing(スタディング)」というオンライン資格講座サービスを運営しています。このサービスは、司法試験や中小企業診断士などの難関資格取得を目指す学習者をサポートします。
- 通学の必要がなく、個人のペースで学習でき、試験に合わせたカリキュラムを設定できるのが特徴です。
企業向けには、「AirCourse(エアコース)」を展開しています。このサービスは、社員研修や社内ノウハウの伝授に活用されており、MBAやコンプライアンス、階層別研修など、幅広い分野の講座を提供しています。
EdTechベンチャーLibryの個別最適化学習プラットフォーム
株式会社Libryは、EdTechベンチャー企業として「一人ひとりが自分の可能性を最大限発揮できる社会をつくる」というビジョンを掲げています。
同社の主力事業は、中高生向け学習プラットフォーム「リブリー」の開発・提供です。
このサービスでは、提携出版社のテキストをモバイル端末向けにデジタル化し、個々の学習履歴に基づいて最適な問題を提示します。
学習者の回答データ(正誤や所要時間など)を分析し、苦手分野や復習のタイミングを特定します。
そして、これらの情報を基に、各学習者に最適な問題を推奨します。
Libryのアプローチは、既存の教育方針を大きく変えることなく、学習の効率化を実現し、学習者と指導者の双方をサポートすることを目指しています。
このように、テクノロジーを活用して個別最適化された学習体験を提供することで、教育の質の向上に貢献しています。
AIが個別最適化する学習システム
atama plus株式会社は、教育の可能性を広げることを目指す革新的な企業です。
彼らの主力サービスは、AIを活用した学習システム「atama+」で、これを全国の教育機関に提供しています。
このシステムの特徴は、生徒一人ひとりの学習状況を詳細に分析し、
- 個々の理解度
- 学習履歴
- 苦手分野
に合わせてカスタマイズされた学習プランを作成することです。
これにより、各生徒に最適化された、独自の学習体験を提供しています。
EdTechの市場規模
第4次産業革命の影響で、教育分野におけるエドテック(教育×テクノロジー)の導入が急速に進んでいます。
2025年には世界のエドテック市場規模が約38兆円を超えると予測されており、日本国内でも2023年に3,000億円規模に達すると見込まれています。
少子化により子どもの数は減少傾向にありますが、教育現場はこれまでITの恩恵をあまり受けてこなかった分野です。
そのため、プログラミング教育の義務化やデジタルネイティブ世代の増加に伴い、エドテックの需要は今後さらに拡大すると予想されます。
エドテックは2000年に米国で生まれた概念で、教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。
簡単に言えば、ITを活用した教育サービスや製品を指します。従来の教育方法に革新をもたらし、学習効果の向上や教育機会の拡大などが期待されています。
世界的に注目を集めるエドテック市場は、日本においても成長が見込まれる分野です。
教育のデジタル化が進む中、新たな学習体験や効率的な教育システムの開発が進められており、今後の展開が注目されています。
EdTechに興味を持ったら転職エージェントに相談してみよう
エドテックの基本情報と、この分野で活躍する有名企業や注目企業について解説しました。
教育は社会の根幹を成す重要な分野であり、それに関わるテクノロジーであるエドテックは、社会に大きな影響を与える可能性を秘めています。
そのため、エドテック企業には特に高品質なプロダクトの開発が求められます。
この分野は今後さらなる成長が期待されており、多くの企業が革新的なソリューションの開発に取り組んでいます。
エドテックは教育の未来を形作る重要な要素となり、学習者と教育者の双方に新たな可能性をもたらすでしょう。
エンジニアの年収事例と傾向
エンジニアの年収事例:
開発エンジニア: | 600〜800万円 |
WEBエンジニア: | 500〜700万円 |
スマホアプリエンジニア: | 750〜800万円 |
これらの数字は一般的な範囲を示しており、実際の年収は経験、スキル、勤務地、企業規模などの要因によって変動する可能性があります。エンジニアとしてのキャリアを考える際の参考情報としてご活用ください。
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