SaaS業界完全ガイド:2つの種類と注目企業・サービス一覧|転職成功のポイント

クラウドサービスの普及に伴い、SaaSは特に企業向けソリューションとして急成長を遂げています

本記事では、SaaSの多様な種類や特徴、さらには主要なSaaS企業の事業内容について詳しく解説します。

SaaSの基礎知識から、業界の最新トレンドまで幅広くカバーしていますので、クラウドテクノロジーに興味のある方や、ビジネス戦略を検討している方にとって有益な情報源となるでしょう

SaaSが現代のビジネス環境にもたらす影響や、将来の展望についても触れていきます。

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「ホリゾンタルSaaS」と「バーティカルSaaS」とは?

「ホリゾンタルSaaS」と「バーティカルSaaS」とは?

SaaSの2つのタイプ:ホリゾンタルとバーティカル

SaaSは、Software as a Serviceの略称で、インターネットを通じてクラウド上のソフトウェアを利用できるサービス形態を指します。

このSaaSは主に2つのタイプに分類されます:

  • 1つ目はホリゾンタルSaaS
  • 2つ目はバーティカルSaaS

これらは異なる特徴を持ち、様々な業界や用途に応じて選択されています。

ホリゾンタルSaaSは幅広い業種で利用可能な汎用的なソフトウェアを提供し、バーティカルSaaSは特定の業界や職種に特化したソリューションを提供しています。

ホリゾンタルSaaSの特徴と活用例

ホリゾンタルSaaSとは、特定の業界に限定されず、幅広い分野で活用できるクラウドサービスを指します。

この用語は英語の「horizontal」(水平の)に由来し、様々な業種や部門を横断して利用可能なSaaSを表現しています。

具体例としては、以下のようなアプリケーションが含まれます:

  • ビジネスコミュニケーションツール
  • マーケティング自動化システム
  • 人事管理ソフトウェア
  • 電子契約サービス
  • クラウドストレージ

これらのサービスは、業種を問わず多くの企業で共通して必要とされる機能を提供しています

バーティカルSaaSの特徴と意義

バーティカル(vertical)は「垂直」を意味し、「水平」を表すホリゾンタルの反対概念です。

SaaSの文脈では、ホリゾンタルSaaSが幅広い業界で利用される汎用的なソフトウェアを指すのに対し、バーティカルSaaSは特定の業種に特化した専門的な機能を提供するサービスを指します。

例えば、以下のような特定分野に焦点を当てたソリューションがこれに該当します:

  • 医療
  • 農業
  • 建設
  • 外食産業

このような業界特化型のSaaSは、その専門性から「インダストリー・クラウド」とも呼ばれることがあります。

バーティカルSaaSは、各業界固有のニーズに深く対応することで、より効果的なソリューションを提供することができます。

ホリゾンタルSaaSを提供する企業

ホリゾンタルSaaSを提供する企業

クラウド名刺管理の最大手:Sansan株式会社

Sansan株式会社は、法人向けクラウド名刺管理サービスを提供しています。
このサービスは、企業全体で名刺情報を一元管理することで、収益や生産性の向上、働き方改革を実現することを目指しています。

主力サービスの「Sansan」は、モバイル端末用アプリを通じて、いつでもどこでも名刺のスキャンや最新情報へのアクセスが可能です。
現在、Sansanは7000社以上に導入され、業界シェア82%を誇る最大手の名刺管理サービスとなっています。

顧客には、以下のような大企業や官公庁が含まれています:

  • トヨタ自動車
  • 三井住友銀行
  • 日本郵便
  • サイバーエージェント

さらに、中小企業向けに「Eight Team」という、手軽に社内の名刺管理を始められるサービスも展開しており、幅広い企業規模のニーズに対応しています。

freee:中小企業のバックオフィス革命

freee株式会社は、個人事業主や法人向けに、確定申告、経理、給与事務、請求事務などのバックオフィス業務を自動化・最適化するサービスを展開しています。

主力製品の「freee会計」は、自動仕分け機能や領収書の電子化、POSレジや電子マネーとの連携など、多彩な機能を備えています。

2013年3月の発売以来、100万以上の事業所に導入され、中小企業のバックオフィスのクラウド化を推進しています。

また、「freee人事労務」は給与計算から勤怠管理まで、複雑な労務事務を一元管理し、ミスの削減や作業時間の短縮を実現するツールとして注目を集めています。

クラウドサービス大手ラクスのSaaS展開

株式会社ラクスは、多様なクラウドサービスを展開する企業です。

主力製品には経費精算システム「楽楽精算」やクラウド帳票発行サービス「楽楽明細」があります。他にもメールディーラーや配配メールなど、年間売上高10億円を超える複数のプロダクトを提供しています。特に「楽楽明細」は、クラウド帳票発行サービス市場において高いシェアを誇っています。

SaaSとは「Software as a Service」の略称で、インターネットを通じて利用できるクラウドベースのソフトウェアサービスを指します。ユーザーは端末にソフトウェアをインストールすることなく、ウェブブラウザを通じてこれらのサービスにアクセスし、利用することができます。このモデルは、企業や個人ユーザーにとって柔軟で効率的なソリューションを提供しています。

バーティカルSaaSを提供する企業

バーティカルSaaSを提供する企業

カイポケ:介護事業所の経営を総合支援するSaaSソリューション

株式会社エス・エム・エスが提供する「カイポケ」は、介護事業所向けの人気の高いSaaSソリューションです。

このサービスは、介護業界の事業者が直面する様々な経営課題に対応するために設計されています。

カイポケの主な特徴には、以下が含まれます:

  • 無料の求人掲載サービス
  • 資金繰りを支援するファクタリングサービス
  • 業務効率化のためのタブレット端末の無償提供

これらの多様な機能を通じて、カイポケは介護事業者の経営改善を総合的にサポートし、業界特有の課題解決に貢献しています。

クラウドPOSレジ「スマレジ」の特徴と利点

株式会社スマレジは、クラウドPOSレジ「スマレジ」を主力サービスとして展開しています。

このサービスは、小売業を中心に多くの事業者に利用されており、販売データをクラウド上で管理する特徴があります。

スマレジの大きな利点は、以下の通りです:

  • モバイル端末を使用可能なこと
  • 受注から売上管理まで、流通・販売プロセス全体を一元的に管理できること

これにより、事業者は効率的な店舗運営と正確な販売分析が可能となります。

建設業界トップシェアのバーティカルSaaS「ANDPAD」

株式会社アンドパッドは、建設業界向け施工管理アプリ「ANDPAD」を提供するバーティカルSaaS企業です。このアプリは業界でトップシェアを誇り、新築・リフォーム、商業建築などの建設現場で広く利用されています。

ANDPADの信頼性は高く、様々な企業や官庁でも採用されています。その技術力が認められ、国土交通省が運営するNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されています。

バーティカルSaaSとは、特定の業界や業種に特化したSaaSのことを指します。ANDPADはまさにこの典型例で、建設業界特有の課題解決に特化したソリューションを提供しています。このような専門性の高いサービスは、業界固有のニーズに応えることができるため、近年注目を集めています。

ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSの働き方の違い

ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSの働き方の違い

ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSは、それぞれ異なる特徴と働き方を持っています。

両者のメリットとデメリットを比較することで、その違いがより明確になります。

以下では、これら2つのSaaSモデルの特性と、それぞれが企業や従業員にもたらす影響について詳しく見ていきます。

ホリゾンタルSaaSの特徴と可能性

ホリゾンタルSaaS企業での勤務には、多様な業界に関する包括的なビジネス理解が求められます。

この分野の特徴として、新規顧客開拓の可能性が広範囲に及ぶことが挙げられます。

企業規模による制限も比較的少ないため、バーティカルSaaSと比較して、より多くの潜在的な顧客にアプローチできる環境があります。

バーティカルSaaSの特徴と市場動向

バーティカルSaaSの仕事では、特定業界に関する深い専門知識が不可欠です。医療、農業、建設業などの専門性の高い分野では、業界固有のシステムが必要とされるため、営業と開発の両方で業界への深い理解が求められます。

バーティカルSaaSは業界特化型であるため、ホリゾンタルSaaSと比べて競合が少ない傾向にあります。これにより、市場での独占的な地位を確立しやすく、高い利益率を実現できる可能性があります。

SaaS業界の売上高ランキングでは、Sansanが204億円で首位に立っています。同社は以下の主要サービスを展開しています:

  • 名刺管理サービス「Sansan」
  • インボイス管理サービス「Bill One」
  • 名刺アプリ「Eight」

これらのサービスは、ビジネスプロセスの効率化や人脈管理に貢献し、多くの企業に採用されています。

ホリゾンタルとバーティカル、転職するならどっち?

ホリゾンタルとバーティカル、転職するならどっち?

ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaSのメリット・デメリット

ホリゾンタルSaaSのメリット:

  • 幅広い業界で利用可能なため、営業先が豊富
  • 知名度の高い企業が多い

デメリット:

  • 競合他社が多い
  • 一社当たりの売上規模が小さい
  • サービスの差別化が難しい

ホリゾンタルSaaSは、様々な業界の問題解決に携わり、幅広い知識や経験を得たい人、または有名企業での就業を希望する人に適しています。

バーティカルSaaSのメリット:

  • 競合が少ない
  • 特定業界の経験を活かせる
  • 市場を独占しやすい

デメリット:

  • ホリゾンタルSaaSと比較すると業界規模が小さい

バーティカルSaaSは、IT知識に加えて特定業界(医療や建設など)の実績や経験を持つ人に適しています。また、以下のような特性を持つ人にも向いています:

  • 物事を深く掘り下げて考えられる
  • 一つのことに集中してコツコツ取り組める
  • 業界特有のプロセスを理解できる

これらの特徴を持つ人は、バーティカルSaaS企業での就業が適している可能性があります。

SaaS企業が気になる人は転職エージェントに相談してみよう

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SaaS企業について、その特徴と可能性を見てきました。

幅広い業界で利用されるホリゾンタルSaaSと、特定業種に特化したバーティカルSaaSの両方が、ビジネス環境に大きな変革をもたらしています。

クラウド上でソフトウェアを提供するSaaSは、業務効率の向上やコスト削減に貢献し、大企業から官公庁、ベンチャー企業まで幅広く採用されています。

このような背景から、SaaS市場は急速に拡大しており、新たなサービスを展開する企業も増加の一途をたどっています。それに伴い、SaaS企業は優秀な人材の確保に注力しており、業界全体が活況を呈しています。

SaaSの発展は今後も続くと予想され、ビジネスや技術に関心のある方にとって、魅力的な分野となっています。