ゲーム業界で「IP」という言葉は、知的財産を表す重要な概念です。
これには主にゲーム内のキャラクターや世界観など、創作物に関する権利が含まれます。
IPは単なる著作権以上の意味を持ち、ブランド価値や商業的可能性も包含します。
ゲーム会社は自社IPの開発や他社IPのライセンス取得を通じて、魅力的なコンテンツを生み出しています。
IPの管理や活用には、様々な専門家が関わっています：
- クリエイター
- プロデューサー
- 法務担当者
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IP（知的財産）の意味・定義とは
ゲーム業界におけるIPの重要性と活用
IPとは、Intellectual Property（知的財産）の略称で、人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などの財産的価値を持つものを指します。
ゲーム業界では主にゲームタイトルやキャラクターのことを指し、例えば「スーパーマリオブラザーズ」のマリオや「ポケットモンスター」のピカチュウなどが有名なIPです。
自社IPは自社が作ったキャラクターやタイトルを指し、他社IPは他社が持つ知的財産を指します。
自社IPのメリット・デメリット：
- メリット：利益を全て自社で回収できる、ブランド価値の向上につながる
- デメリット：初期段階での売上見込みの不確実性、集客の手間
他社IPのメリット・デメリット：
- メリット：既存のファン層による一定の売上見込み、集客の容易さ
- デメリット：意思決定の遅さ、創作の自由度の低さ、利益率の低下
IPの活用方法としては、アニメ化やグッズ化、リアルイベントの開催などがあります。
ゲーム業界でIPに携わる職種には、イラストデザイナー、ディレクター、プランナーなどがあります。
ゲーム業界は市場規模拡大を続けており、IPの活用で様々な価値を創出するチャンスがある業界です。業界経験者も未経験者も、保有するスキルを活かしてゲームの仕事に携わるためには、転職エージェントの活用が効果的です。
自社IPと他社IPの違い
ゲーム業界における自社IPの重要性
自社IPとは、企業が独自に開発した知的財産を指します。
ゲーム業界では、オリジナルのキャラクターやゲームタイトルがこれに該当します。例えば、「ポケモン」というフランチャイズは、株式会社ゲームフリークの自社IPです。この中には、「ピカチュウ」のようなキャラクターも含まれます。
同様に、
- 「パズル＆ドラゴンズ（パズドラ）」はガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の
- 「モンスターストライク（モンスト）」は株式会社ミクシィの
自社IPとして知られています。
これらの自社IPは、企業が一から創造したものであるため、関連するすべての権利は開発会社に帰属します。このように、自社IPは企業にとって非常に価値のある資産となっています。
他社IPの活用：ゲーム業界での展開
他社IPとは、他社が所有する知的財産のことを指します。
ゲーム業界では、他社が権利を持つキャラクターやタイトルを意味する言葉として使われています。
他社IPを活用したゲーム制作の例としては、集英社の人気作品「NARUTO」を基にしたゲームが挙げられます。
2018年には、バンダイナムコと中国のゲーム会社テンセントが共同で、NARUTOのモバイルゲーム開発権を取得し、新たなゲームを制作しました。
このように、他社IPを利用することで、既存の人気コンテンツを異なるメディアで展開する機会が生まれています。
自社・他社IPのメリットとデメリット
これらの概念については既に説明しましたので、ここではそれぞれの長所と短所を体系的に見ていきましょう。
自社IPと他社IPの活用メリット比較
自社IPを活用する利点には、以下があります：
- 売上利益の全額回収
- ファン獲得による将来の売上予測
- 自社ブランド強化
自社IPの場合、利益は100％自社に帰属し、知名度向上に伴い収益も増加します。著作権所有により、グッズ展開なども自由に行えるのが強みです。
他社へのIP貸与でロイヤリティ収入も得られ、新たな収益源となります。ゲームの知名度上昇は会社の認知度向上にもつながり、企業評価にも好影響を与えます。
一方、他社IPを使用する利点としては、以下が挙げられます：
- 既存ファンの存在による一定の売上見込み
- 集客労力の削減
認知度獲得、広告宣伝、キャラクター設定、ストーリー構築などに時間をかける必要がなく、ゲーム制作に注力できます。自社IPがゼロから始まるのに対し、他社IPは既存の基盤から大きな成果を生み出せる可能性があります。
IPの使用における自社と他社のメリット・デメリット
自社IPと他社IPの使用にはそれぞれデメリットがあります。
自社IPを使用する場合、新しいコンテンツを創造し、ヒットさせるまでに多大な時間と労力がかかります。期待した売上に達せず、赤字になるリスクも高くなります。大手企業でさえ、新たなIPの創出は困難を伴い、一定のリスクを負うことになります。既に成功している自社IPの場合はデメリットが少ないですが、新規IP開発には忍耐が必要です。
一方、他社IPを使用する場合は、権利取得のための初期投資が必要となります。十分な資金力と技術力がなければ、効果的に収益を上げることは難しいでしょう。また、原作の制約に従って作品を制作する必要があるため、クリエイティブ面での自由度が制限されます。新しい要素を追加したい場合、IP元の承認を待つ必要があり、開発のスピードが遅くなる可能性があります。さらに、ライセンス料の支払いにより利益率が低下することも考慮すべき点です。
IPの活用事例を紹介
IPの活用方法は主に3つあります。
- 1つ目は「アニメ化」で、自社IPではポケットモンスターや妖怪ウォッチ、他社IPではドラゴンボールやNARUTOなどが有名です。
- 2つ目は「グッズ化」で、フィギュアやポスター、アクリルキーホルダー、缶バッジ、一番くじ、飲食物とのコラボレーションなどがあります。
- 3つ目は「ライブなどのリアルイベント」で、「ラブライブ！スクールアイドルフェスティバル」や「バンドリ！ ガールズバンドパーティ！」、2.5次元舞台「刀剣乱舞」などが例として挙げられます。
これらは自社・他社を問わず、ゲーム以外でのIP活用方法として広く利用されています。
香川県のゲーム条例の疑惑に登場したIPアドレスとの関連は
ゲームとIPという言葉を聞くと、香川県のゲーム依存症対策条例を思い出す人もいるでしょう。
その条例では「IPアドレス」という用語が使われていました。
しかし、ゲーム業界で言うIPと、ネットワークで使われるIPアドレスは全く異なる概念です。
ゲーム業界におけるIPの意味と重要性について、これから詳しく説明していきます。
IPアドレスの基礎知識と種類
IPアドレスは、インターネットに接続された機器を識別するための固有の番号で、ネット上の住所のような役割を果たします。これにより、どの機器がインターネットに接続されているかを区別することができます。
IPアドレスには主に2種類あります。
- 「グローバルIPアドレス」はインターネットに直接接続するルーターに割り当てられ、
- 「プライベートIPアドレス」はそのルーターを介してネットに接続するコンピューターやスマートフォンなどの機器に割り当てられます。
最近話題になった香川県の条例に関連して出てきた「IPアドレス」は、このプライベートIPアドレスを指しています。
なお、ゲーム業界で使われる「IP」は全く別の意味を持ちます。これは「Intellectual Property（知的財産）」の略で、ゲームのキャラクターなどを指します。IPアドレスの「IP」が「Internet Protocol」の略であるのとは対照的です。同じ「IP」という略語でも、文脈によって全く異なる意味を持つことがあるので注意が必要です。
香川県ゲーム規制条例パブコメの自作自演疑惑
香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」に関するパブリックコメント（パブコメ）の開示資料が、ある疑惑で注目を集めました。開示された原本に記載されているプライベートIPアドレスが全て同一だったのです。
プライベートIPアドレスは、一つのルーターに接続された端末に割り当てられる番号です。このため、開示されたパブコメが全て同一人物によるものである可能性が指摘されました。
さらに、このIPアドレスから類似した内容の意見が多数寄せられていたことも判明しました。公開されたパブコメの大半が条例に賛成する意見であり、それらの賛成意見のIPアドレスが全て同じだったことから、SNS上では「条例可決のための自作自演ではないか」という疑念が広がりました。
香川県の担当者は「代理サーバーを経由したため同じIPアドレスになった」と説明していますが、自演の疑惑を完全に払拭するには至っていません。実際に不正があったかどうかは明確ではありませんが、この事例は行政の透明性と公正性に関する議論を喚起しました。
ゲーム業界でIPに携わる職種
ゲーム開発の主要職種とキャリア展望
イラストデザイナーは、ゲーム内のキャラクターやアイテムのデザインを担当します。IPタイトルの場合、原作に忠実なデザインが求められるため、オリジナリティよりも既存の絵柄に寄せるスキルが重要です。
ゲームディレクターは、ゲーム全体の方向性を決定し、開発プロセスを管理します。デザイナーへの指示や外注先との連携も担当します。
プランナーは、ゲームの企画立案とアイデアの可視化を行います。コンセプト設定やレベルデザインのスキルが必要で、特にIPタイトルでは原作の世界観を尊重しつつ、その魅力を引き出す企画力が求められます。ゲーム開発経験やIPに関する知識があると有利です。
ゲーム業界は成長を続けており、IPの活用によって新たな価値創造の機会が豊富です。この業界でキャリアを築くには、時代の流れを読み、挑戦と改善を繰り返すことが重要です。経験者も未経験者も、自身のスキルを活かしてゲーム開発に携わる機会があります。
業界の動向や求められるスキルは常に変化しているため、キャリアプランを立てる際は専門家のアドバイスを受けることも有効です。自分の適性や目標に合わせて、ゲーム業界でのキャリアパスを慎重に検討することをおすすめします。
ゲームプランナーの役割と必要スキル
ゲームプランナーは、ゲームの企画立案を通してアイデアを可視化する重要な役割を担います。
この職種では、コンセプトの設定やレベルデザインなど、ゲームの基本構成を考える能力が求められます。また、原作の世界観を尊重しつつ、その魅力を引き出す企画力も必要不可欠です。
ゲームプランナーの主な仕事は、アイデアを具体化することです。ゲームの全体像を描き、それを実現可能な形に落とし込んでいきます。この過程では、創造性だけでなく、論理的思考力も重要になります。
ゲーム業界での開発経験やIPに関する知識があれば、プランナーとしての仕事に大いに役立ちます。これらの経験は、市場のトレンドや消費者のニーズを理解する上で貴重な資産となります。
プランナーには、チーム内の他の職種とのコミュニケーション能力も求められます。デザイナーやプログラマーと協力して、アイデアを実際のゲームへと昇華させていく必要があるからです。
ゲーム業界は常に変化し、成長を続けています。新しい技術やプラットフォームの登場により、プランナーの役割も進化し続けています。そのため、常に最新のトレンドや技術に関心を持ち、学び続ける姿勢が重要です。
キャリアアップを目指す場合、自己啓発や業界内のネットワーク構築も大切です。
- セミナーや勉強会への参加
- 他のクリエイターとの交流
を通じて、自身のスキルや知識を向上させることができます。
ゲームプランナーとしてのキャリアは、創造性と論理性のバランスが取れた人材に適しています。アイデアを形にする喜びと、ユーザーに楽しんでもらえる作品を作る達成感を味わえる、やりがいのある職業と言えるでしょう。
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