Unity vs Unreal Engine：初心者向け徹底比較｜ゲームエンジンの特徴とメリット・デメリット

2024年6月30日

ゲーム開発において、UnityやUnreal Engineといったゲームエンジンは広く活用されており、個人開発者から大規模スタジオまで幅広く採用されています。

これらのツールは、ゲーム制作プロセスを効率化し、高品質なコンテンツを生み出すための重要な役割を果たしています。

本文では、以下の点について詳しく解説します：

ゲームエンジンの基本的な概念や機能
ゲームエンジン利用によってもたらされる利点と課題

ゲーム開発に興味がある方や、業界の最新トレンドを知りたい方にとって、有益な情報となるでしょう。

気になる内容をタップ

1 ゲームエンジンとは？
2 Unityについてご紹介します
3 Unreal Engineについてご紹介します
4 Unityと Unreal Engineの違い
5 実際にゲームをつくってみよう
6 まとめ

ゲームエンジンとは？

ゲームエンジンは、ゲーム開発を効率化するための総合的なツールです。これは、ゲーム制作に必要な一般的な処理や機能をまとめたもので、開発者がより簡単にゲームを作成できるようにします。コンピューターゲーム開発において広く利用されています。

かつては、各ゲーム会社や個人開発者が独自のアルゴリズムを一から作成する必要があり、ゲーム開発は非常に労力のかかる作業でした。しかし、時間とともにアルゴリズムの再利用やオープンソースでの共有が進み、共通のオブジェクトやビジュアルデザインを容易に作成できる包括的なツールへの需要が高まりました。

この流れの中で、ゲームエンジンという概念が生まれ、発展していきました。現在では、多くの開発者がこれらのエンジンを活用し、効率的にゲームを制作しています。

Unityについてご紹介します

Unityの魅力：ゲーム開発の万能ツール

Unityは、2Dおよび3Dゲームの開発に特化した総合的なゲームエンジンです。アメリカのユニティ・テクノロジー社が開発・運営しており、ゲーム製作から実行段階までを一貫して行える環境を提供しています。

その使いやすさと機能性から、白猫プロジェクトやPokémon Goなど、多くの有名タイトルで採用されています。

Unityの特徴として、プログラミングスキルがなくても視覚的な操作でキャラクターの動きやデザインの調整が可能な点が挙げられます。さらに、より高度な制御を望む開発者向けに、以下の3つのプログラミング言語をサポートしています：

JavaScript
C#
Boo

これにより、初心者から専門家まで、幅広いユーザーのニーズに対応し、簡単な作品から本格的なゲームまで、多様な開発が可能となっています。

マルチプラットフォーム対応のUnity

様々なプラットフォームに対応

Unityは、多様なプラットフォームで出力が可能で、公式情報によるとモバイル、VR機器、デスクトップなど、合計24のプラットフォームをサポートしています。対応プラットフォームには以下が含まれます：

モバイル向け：Universal Windows Platform、iOS、Android
VR/AR向け：Google Cardboard、Oculus、Steam、Playstation VR、Gear VR、Windows Mixed Reality、Daydream、Apple ARKit、Google ARCore、Vuforia
デスクトップ向け：Windows、Mac、Linux、Universal Windows Platform、Facebook Gameroom
コンソール向け：PS4、XBOX、3DS、Nintendo Switch
Web向け：WebGL

一度開発すれば、多様なプラットフォームでゲームを展開できる利点があります。

豊富なアセットを提供するストア

Unityには、開発者が自作のアイテム、キャラクター、アニメーション、スクリプトなどの素材を販売・提供できるストアがあります。豊富な素材が揃っているため、自作せずとも必要な素材を簡単に入手できます。多くは有料ですが、無料素材も提供されており、効率的な制作に役立ちます。

無料で使用可能

Unityには無料のPersonal版があり、年間収入や資金が10万ドル未満の場合に利用できます。大規模な商用化を目指さない場合、無料版でも充実した機能を使用可能で、ゲーム開発初心者に適しています。より本格的な開発には、個人向けの月額25ドル年間プラン、チーム向けの月額125ドルプランが用意されています。

Unityの欠点と対策

Unityの主な欠点は、その多機能性ゆえにアプリケーションの起動速度が遅くなる傾向があることです。

また、インターフェースに英語が多用されていることも、一部のユーザーにとっては障壁となる可能性があります。

しかし、これらの問題は深刻なものではありません。

日本語化プラグインを利用することで言語の問題は解決できます
使用されている英語も比較的理解しやすいものが多いです

総合的に見れば、Unityの利点はこれらの小さな欠点を大きく上回っています。

Unityの包括的な開発者サポート体制

Unityは開発者向けに包括的なサポート体制を整えています。技術的な側面から運用面まで、多岐にわたるサポートが提供されており、プロジェクトの特性に応じて適切な支援を受けることができます。

ナレッジベースや詳細なドキュメンテーションが用意されており、開発者が必要とする情報に容易にアクセスできる環境が整っています。また、広告収益に関する専門的なサポートも提供されています。

技術面以外にも、ライセンスやアカウント管理に関する問題にも対応しており、開発プロセス全体をカバーする包括的なサポート体制が構築されています。これにより、開発者は様々な局面で直面する課題に対して、適切な支援を受けることができます。

このように、Unityのサポート体制は非常に充実しており、開発者のニーズに応える幅広いサービスを提供しています。

Unreal Engineについてご紹介します

Unreal Engine: ゲーム開発の革新的ツール

Unreal Engineは、Epic Games社が1998年に初版を発表して以来、ゲーム開発業界で広く採用されている有力なゲームエンジンです。

その特徴的な機能の一つが、プログラミングの専門知識がなくてもゲーム制作が可能な「ブループリント」システムです。これにより、直感的かつ効率的な開発プロセスが実現されています。

日本の有名ゲームタイトルでも、Unreal Engineを使用して開発されたものが多数存在します：

「鉄拳」シリーズ
「キングダムハーツ」シリーズ

Epic Gamesは継続的にエンジンの改良を行っており、Unreal Engine 4、Unreal Engine 5と進化を続けています。

業界では一般的に「UE4」や「UE5」といった略称で呼ばれることも多く、バージョン番号で新旧を簡単に識別できるのも特徴の一つです。このエンジンは、ゲーム開発の効率化と高品質なグラフィックス実現に大きく貢献しています。

Unreal Engineの主な特徴と利点

ハイクラスのグラフィック性能

Unreal Engineの最大の特徴は、その卓越したグラフィック性能です。自然描写では、木の幹、繊維や苔などが実写と見紛うほど精緻に表現され、映画製作にも活用されています。標準搭載の高品質なポストプロセス機能により、通常の制作過程でも自動的に美しいオブジェクトや背景が生成されます。極めて高品質なビジュアルを求める場合、Unreal Engineは最適な選択肢となります。

基本完全無料

Unreal Engineは2015年以降、全機能を無料で提供しています。以前は月額2,300円の利用料が必要でしたが、現在は誰でも無償で使用可能です。ただし、Unreal Engineを使用して開発したゲームを販売する際は、売上の5％をロイヤリティとして支払う必要があります。将来のアップデートも全て無料で提供されるため、興味があればすぐに利用を開始できます。

ソースコードの公開

Unreal EngineのソースコードはGitHub上で公開されており、誰でも閲覧可能です。これにより、エンジンの実装詳細や動作原理を直接確認できるため、技術に関心のある開発者にとって大きな魅力となっています。

Unreal Engineの収益連動型ライセンス構造

Unreal Engineは、高品質なグラフィック性能と豊富なプラグインを提供しながら、基本的な使用は無料で行えるゲームエンジンです。

しかし、商用製品を開発する場合、売上の5％をロイヤリティとして支払う必要があります。この支払いは、四半期ごとに3,000ドルを超える売上がある場合に発生します。

製品が成功し、月間収入が1,000ドルを超えるような場合、年間のライセンス料は最低600ドルから始まり、収益に応じて増加していきます。つまり、Unreal Engineでは、製品の人気が高まれば高まるほど、開発者が支払うライセンス料も増加する仕組みになっています。

大規模な企業の場合、個別のライセンス契約を結ぶ可能性もありますが、基本的には収益に比例してコストが上がる構造となっています。

Unreal Engine: 初心者に優しい開発環境と充実したサポート

Unreal Engineは初心者にも優しい開発環境を提供しています。公式サポートページには、新規ユーザー向けの「GET STARTED」チュートリアルがあり、BlueprintなどUE4の基本概念や操作方法を学ぶことができます。さらに、オンラインラーニングコースも用意されており、UE4について深く学習することが可能です。

ドキュメントは非常に充実しており、カテゴリ別に整理されているため、必要な情報を素早く見つけることができます。基礎から応用まで幅広いトピックがカバーされているので、初心者でも安心して学習を進められます。

また、開発者コミュニティ「AnswerHub」では、他のクリエイターと交流し、問題解決や知識共有を行うことができます。実際の開発者同士のやり取りを通じて、具体的なアドバイスや解決策を得られるだけでなく、開発意欲を高める良い刺激にもなるでしょう。

Unreal Engineの魅力の一つは、Blueprintなど様々な便利なツールを提供していることです。これらの公式サポートリソースを活用すれば、誰でもUnreal Engineを効果的に使いこなせるようになるはずです。

Unityと Unreal Engineの違い

UnityとUnreal Engineの特徴や、メリット・デメリットについて、利用面での違いを説明します。

参考情報の豊富さと利用のしやすさについては、Unityは日本語での説明や記事が充実しているため、初心者でも手軽に始めることができます。一方、Unreal Engineは日本語の資料が比較的少ないため、使用に苦戦する可能性があります。

利用料と機能に関しては、Unityは基本機能が無料で、一部機能が有料です。Unreal Engineは全機能が無料で開放されており、高グラフィックな作品を無料で制作できます。

製品化した場合の収益の支払いについて、

Unityは過去12か月の資金や収入に応じてプランが決まります。
Unreal Engineは四半期の収益に応じてロイヤリティーが課せられます。

ゲーム制作の入門レベルであれば、どちらのエンジンも無料で十分な機能を利用できます。しかし、より高度なクオリティを求める場合や、本格的な収益化を目指す場合には、制作したいゲームの種類や予算を考慮して、適切なゲームエンジンを選択する必要があります。

結論として、手軽に始めたい場合はUnityが、ハイスペックなグラフィックや性能を求める場合はUnreal Engineが適しているでしょう。

実際にゲームをつくってみよう

無料ゲームエンジンで始めるゲーム制作

UnityとUnreal Engineは、個人でも利用可能な無料のゲームエンジンです。

このため、これらのツールを使ったゲーム制作は、比較的容易に始められると言えるでしょう。

ゲーム制作に興味がある方にとって、これらのエンジンは魅力的な選択肢となります。

初心者の方は、まずUnityから始めるのがおすすめです。豊富な参考資料があり、学習しやすい環境が整っているからです。

その後、より高度なゲーム制作にチャレンジしたいと感じたら、Unreal Engineへの移行を検討するのも良いでしょう。

両エンジンの特徴を理解し、自分の目的や好みに合わせて選択することが大切です。

ゲーム制作学習：個人挑戦から専門教育まで

ゲーム制作をより深く学ぶ方法として、スクールや専門学校への進学も考えられます。これらの機関では、体系的な学習と実践的な技術習得が可能です。

ただし、時間と費用の面で相応の投資が必要になります。夜間やオンラインの選択肢もありますが、仕事と両立させるには体力的な負担も伴います。

まずは個人でゲーム制作に挑戦してみることをお勧めします。実際に制作を経験することで、自分にとってのゲーム開発の魅力や適性を確認できます。その上で、さらなる学習に価値を見出せた場合に、スクールや専門学校への入学を検討するのが賢明でしょう。

自己の状況と目標を十分に考慮し、最適な学習方法を選択することが重要です。

ゲーム業界への転職戦略

ゲーム制作を本格的な職業にしたい場合、転職は有効な選択肢の一つです。

ただし、この分野での経験がない状態では採用されにくいため、まずは個人で一つのゲーム作品を完成させることをお勧めします。これにより、自身の技術力と熱意を企業にアピールすることができます。

未経験からの転職は確かに難しい面がありますが、不可能ではありません。個人での活動に不安がある場合や、効果的に転職活動を進めたい場合は、転職エージェントのサービスを利用するのも一案です。エージェントは求人紹介だけでなく、職務経歴書の添削や年収交渉の代行など、転職活動全般にわたるサポートを提供してくれます。

IT、Web、ゲーム業界には、UnityやUnreal Engineを使用する企業が多数存在します。これらのスキルを持っていれば、より多くの転職機会が得られる可能性があります。また、未経験者でもゲーム業界に参入できるキャリアパスも存在するので、自身の経歴や目標に合わせて最適な方法を探ることが大切です。