【2024年最新】金融系SIer企業比較:売上・年収ランキングと優良企業の選び方

金融業界におけるITシステムの重要性が高まる中、金融系SIerの役割は非常に大きくなっています

キャッシュレス決済やオンラインバンキングなど、現代の金融サービスを支える技術基盤を提供しているのがこれらの企業です。

ITエンジニアのキャリアを考える上で、金融系SIerは魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。

本記事では、主要な金融系SIer企業の業績や従業員の待遇について、売上高、営業利益、平均年収などの指標を用いてランキング形式で解説していきます

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金融系SIerとは?やめとけと言われる理由は?

金融系SIerとは?やめとけと言われる理由は?

金融系SIerの役割と特徴

金融系SIerは、金融機関の業務システムに特化した開発・管理・運用を行う企業です。

主に銀行、証券会社、保険会社などの金融機関が、自社のIT部門を独立させたり子会社化したりして設立されることが多いのが特徴です。

これらの企業は金融業界に関する深い専門知識を有しており、金融機関の業務プロセス最適化や最新テクノロジーの導入支援など、高度な要求に応えるサービスを提供しています。

金融系SIerは、金融業界の急速なデジタル化やシステムの複雑化に対応し、重要な役割を果たしています。

金融系SIerの業務内容:上流と下流工程の特徴

金融系SIerの業務は、下流工程と上流工程に大別されます。

下流工程では、主にシステム構築に関する業務を担当します。具体的には、プログラミングやテストなどの作業が中心となります。上流工程で定義された仕様に基づいて、正確かつ完全なシステムを構築する能力が重要です。また、バグやシステムエラーを最小限に抑える技術も求められます。

一方、上流工程では、

  • 要件定義
  • 基本設計
  • 詳細設計

など、システム開発プロジェクトの初期段階で行われる作業を主に担当します。金融機関であるクライアントと綿密な打ち合わせを重ね、最適なシステムを立案し、それを具体的な設計に落とし込むのが主な役割です。クライアントの業務効率化や要求事項を満たすシステムを提案するために、顧客の業務内容や必要とするシステムを深く理解する能力が不可欠です。

金融系SIerが敬遠される理由

金融系SIerが敬遠される主な理由には、以下のような点が挙げられます。

まず、金融業界特有の頻繁な規制変更や業務フローの見直しに伴い、システムの仕様変更が多くなる傾向があります。これにより、エンジニアは常に最新の変更に対応し、システムの調整や再構築を行う必要があります。急な変更にも柔軟に対応することが求められるため、業務の負担が大きくなりがちです。

次に、プロジェクトの条件が厳しいことも挙げられます。金融業界では大規模なシステム導入やアップデートが突発的に行われることがあり、限られた人員と厳しい納期の中で作業を進めなければなりません。さらに、金融システムには高度な信頼性とセキュリティが要求されるため、ミスが許されない環境下での作業はプレッシャーが大きいと言えます。

最後に、プログラミングスキル以上に業務知識が重視される点も特徴的です。金融商品や業務プロセスに関する深い理解がなければ、効果的なシステム設計・開発は困難です。例えば、銀行システムの開発では、以下の分野の知識が必要となります:

  • 預金
  • 融資
  • 外貨取引
  • 証券取引

純粋にプログラミングだけを追求したいエンジニアにとっては、この点が負担に感じられることがあります。

これらの要因により、金融系SIerは一部のエンジニアから敬遠される傾向にあります。

金融系SIerの売上高ランキング

金融系SIerの売上高ランキング

野村総研の7つの強み:トータルソリューションの核心

野村総合研究所の強みは、顧客の課題を先取りし、解決まで導く包括的な「トータルソリューション」を提供できる総合力にあります。このトータルソリューションは7つの主要な分野で構成されています:

  • 社会・産業の予測と展望
  • 市場分析・業務分析・経営診断
  • 企業経営・政策立案に関する提言
  • 経営・業務革新のソリューション提示
  • システム設計・ソリューション提供
  • アウトソーシング・システム運用
  • ビジネスの実行支援

野村総研は、現代のビジネスや技術が複雑に絡み合う環境において、断片的な情報だけでは顧客の付加価値を十分に高められないと認識しています。そのため、社会や産業の綿密な調査研究活動を通じて、コンサルティングからシステム設計、構築、運用に至るまでの幅広い機能を顧客の課題解決に効果的に活用するための洞察力を培ってきました。

NRIグループでは、これら7つの分野の専門家が協力し合うことで、大きな相乗効果を生み出し、顧客に対して総合的かつ効果的なソリューションを提供しています。

日本総研:金融とITの融合で革新を牽引

日本総合研究所の強み

1969年に設立された日本総合研究所は、2003年に三井住友フィナンシャルグループの一員となり、銀行のIPネットワークなど重要なシステムを支えています。同社の主な強みは、金融サービス業における安定した経営基盤です。

ITソリューション部門は、三井住友フィナンシャルグループ各社のシステム運用に特化しており、これにより安定した収益を確保しています。長年にわたり大手金融機関のシステムを支援してきたことで、金融とIT両分野に精通したプロフェッショナル集団としての豊富な経験とノウハウを蓄積しています。

この専門性を活かし、「先端技術ラボ」を設立。ここでは、ITと金融の融合による革新的なサービスの創出に取り組んでいます。日本総合研究所は、総合情報サービス企業として、国内外から収集した幅広い情報を活用し、今後も新たな金融サービスの開発を続けていくことが期待されています。

みずほリサーチ&テクノロジーズ:3社統合で総合力強化

みずほリサーチ&テクノロジーズは、3社の強みを結集して誕生した企業です。みずほトラストシステムズ、みずほ情報総研、みずほ総合研究所の合併により、「リサーチ力」「コンサルティング力」「IT構築力」が融合され、総合的な「サービス提供力」が同社の中核となりました。

この統合によって強化された能力は、クライアントや社会が直面する課題の解決に貢献し、持続可能な発展を支援しています。さらに、科学技術や情報技術の最前線を走る企業として、デジタルヒューマンや量子コンピューターなど、先進的な技術開発にも積極的に取り組んでいます。

これらの総合力により、みずほリサーチ&テクノロジーズは、多様化する顧客ニーズに応え、革新的なソリューションを提供する能力を有しています。

MUITの金融IT戦略:国内最大規模の技術力とグローバル展開

三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社(MUIT)は、三菱UFJフィナンシャル・グループのIT戦略を支える中核企業です。

MUITの主な強みは、国内最大規模の金融システムを扱う能力にあります。システムインテグレーターとして、国内トップの銀行グループ各社のシステム設計・構築を担当しています。

さらに、MUITは国内トップクラスの海外拠点を持ち、以下の分野で最先端のシステム開発やネットワーク開発を国内外で展開しています:

  • システム開発
  • 為替
  • 証券
  • デリバティブ

これらの特徴により、デジタル化とグローバル化の両面で事業を拡大し続けています。金融テクノロジーの最前線で、革新的なソリューションを提供する企業として、MUITは金融業界のデジタル変革を牽引しています。

ニッセイ情報テクノロジーの強みと展望

ニッセイ情報テクノロジーの特徴と強み

ニッセイ情報テクノロジーは、日本生命グループのIT戦略を担う中核企業として設立されました。当社の最大の強みは、IT戦略の立案から実際のシステム開発、そして運用に至るまでの包括的なサービス提供能力です。この強みの基盤となっているのは、日本生命の情報システム構築を通じて蓄積された豊富な業務知識と、大規模システム開発における高度な技術力です。

当社は「ITで"いのちを支える"産業のプラットフォーマー」というビジョンを掲げ、単なるシステム構築にとどまらず、その先にある人々の想いや需要に応える新たな価値創造に注力しています。日本生命だけでなく、多様な保険会社、金融機関、医療機関に対しても、幅広いITソリューションを提供しています。

さらに、ニッセイ情報テクノロジーは従業員の能力開発に力を入れており、充実した育成制度を通じて、社員の技術力と専門性を継続的に向上させています。これにより、常に最先端のIT技術と業界知識を組み合わせた革新的なソリューションを提供し続けることが可能となっています。

金融系SIerの年収ランキング

金融系SIerの年収ランキング

野村総合研究所:高年収のコンサル・ITソリューション企業

野村総合研究所は、コンサルティングとITソリューションを専門とする先進的なシンクタンク企業です。

同社の平均年収は1,242万円と高水準で、20代で約750〜800万円、30代で1,000万円程度となっています。

事業内容は主に4つの分野に分かれています:

  • コンサルティング:様々な産業におけるマネジメントとシステムの支援
  • 金融ITソリューション:金融分野に特化したソリューション提供
  • 産業ITソリューション:多様な産業向けのITサービス
  • IT基盤サービス:企業のIT基盤に関する包括的なマネジメントサービス

野村総合研究所の実績例として、東海東京証券向けに開発された店頭取引プラットフォーム「Allain」があります。このシステムは、地方銀行との合弁証券会社や他の証券会社への商品提供力を強化することを目的としています。

三菱UFJインフォメーションテクノロジーの事業と年収

三菱UFJインフォメーションテクノロジーは、三菱UFJフィナンシャル・グループの総合金融サービスを支える重要な企業です。

同社の平均年収は約850万円で、20代で約580万円、30代で約840万円程度となっています。

事業内容は主に4つの部門に分かれています:

  • 銀行事業部門:銀行取引システムの設計・構築
  • グループ事業部門:MUFGグループ各社のシステム開発支援と基盤設計
  • Chance事業部門:三菱UFJ銀行の基幹システムを地方銀行向けにパッケージ化
  • 本社部門:会社組織の運営と各開発部門のサポート

同社は、三菱UFJフィナンシャル・グループ各社にモバイル端末を活用したシンクライアント環境を導入しました。これにより、スマートフォンやタブレットでもサーバー管理が可能となり、数万人規模のユーザーのスマートワーク実現に成功しています。

最新テクノロジーを駆使して効率的で柔軟なワーク環境を提供し、グループ全体のサービス向上に大きく貢献しています。

日興システムソリューションズの事業と年収

日興システムソリューションズは、SMBC日興証券グループに属するIT企業で、証券会社や金融機関向けのシステム開発を専門としています。
システムの企画から開発、運用まで、包括的なサービスを提供しています。

同社の平均年収は約755万円で、年代別では以下のようになっています:

年代 平均年収
20代 約530万円
30代 約700万円

事業内容としては、SMBC日興証券をはじめとする証券会社や金融機関に対し、システムのコンサルティングから企画、設計、開発、運用までを手がけています。証券・金融業務の専門知識と最新のIT技術を組み合わせたサービスが特徴です。

具体的な実績として、以下のような金融機関向けシステムを多数開発しています:

  • 投信口座管理システム(BPStp)
  • 投信インターネット取引システム(BPDirect)
  • コンプライアンスフロントシステム(BPMonitor)

さらに、証券会社向けには、フロント、ミドル、バックオフィスの全業務をカバーする総合的なソリューションを提供しています。

SOMPOシステムズの事業概要と強み

SOMPOシステムズは、SOMPOホールディングスグループに属する企業で、システム開発を主な業務としています。
特に保険契約管理システムや代理店向け保険事務システムの企画・開発に強みを持っています。
同社の平均年収は約627万円で、20代は約500万円、30代は約550万円程度となっています。

事業展開は4つの主要分野で行われています:

  • 国内損害保険システム:保険商品のニーズに対応するシステム開発・刷新
  • 国内生命保険システム:システム開発保守における組織体制の強化
  • 海外事業システム:南アジア・南米・中国でのシステム開発とIT人材育成
  • 金融・サービス事業システム:システム開発と新規事業領域への拡大

SOMPOシステムズは、損害保険ジャパン株式会社やセゾン自動車火災保険株式会社など、複数の保険会社にコンピュータ関連機器の情報処理サービスを提供しています。
保険業界向けに高品質な金融情報サービスを提供することが同社の特徴となっています。

日本総合研究所:多機能型情報サービス企業の実態

日本総合研究所は、シンクタンク、コンサルティング、ITソリューションの3つの機能を統合した総合情報サービス企業として知られています。

従業員の平均年収は約555万円で、20代では400〜600万円、30代では500〜750万円程度となっています。

同社は5つの主要部門で事業を展開しています:

  • 調査部:綿密な分析と適切な提言を通じて社会変革を推進
  • 創発戦略センター:未来を見据えた先進的なシンクタンクとしての役割
  • リサーチ・コンサルティング部門:社会・産業の変革を通じた日本の競争力向上
  • 先端技術ラボ:最新技術の研究開発によるグループ全体の技術革新
  • ITソリューション:高い安全性と信頼性を備えた大規模システムの運用

日本総合研究所の代表的な実績として、三井住友カードのシステム全般の構築が挙げられます。

具体的には、スマートフォンや携帯電話を利用した「Vpass」サービスや、非接触型ICカードによる交通系サービス「PiTaPa」などの開発・運用を手がけています。

これらのプロジェクトは、同社の技術力と革新性を示す好例となっています。

スキルアップが叶う金融系SIerの選び方

スキルアップが叶う金融系SIerの選び方

SIer選びの鍵:親会社の経営状況

働きやすさとスキルアップの機会を重視して転職先を探している場合、SIerの親会社の経営状況を確認することが重要です。親会社の状況はSIer自体の安定性や将来性に大きく影響するためです。

例えば、経営基盤が安定している大手金融機関グループのSIerであれば、親会社の信頼性や豊富な人材を活用できる利点があります。これにより、プロジェクトへの人員配置や資金調達がスムーズに行える可能性が高くなります。

さらに、そのようなSIerは自社の経営も安定していることが多く、充実した福利厚生制度や明確なキャリアパスを提供している傾向があります。結果として、従業員にとって働きやすい環境が整っており、スキルアップの機会も豊富に用意されていることが期待できます。これらの要素は、キャリア形成を重視する転職者にとって大きな魅力となるでしょう。

SIer選びの重要指標:案件の多様性

SIerを選ぶ際は、親会社以外からの案件の割合も重要な指標となります。

多様な顧客から案件を受注しているSIerでは、幅広い業務経験を積むことができ、結果としてスキルアップの機会が豊富です。これは将来のキャリア選択の幅を広げることにもつながります。

一方、親会社からの案件に過度に依存しているSIerでは、特定の業務領域に限定された経験しか得られない可能性があります。

キャリア発展を考える上では、こうした点も考慮に入れて企業を選択することが賢明でしょう。

金融系SIer転職時の業務形態選び

業務形態は、仕事の進め方やワークライフバランスに大きな影響を与える重要な要素です。

金融系SIerへの転職を考える際は、この点も十分に考慮する必要があります。企業によって業務形態は様々で、例えば:

  • プロジェクトごとに異なる形態を採用している場合
  • 定型的な形態を取っている場合
形態 特徴
プロジェクトごと フレキシブルな働き方ができる反面、日々の業務時間に変動が生じる可能性がある
定型的 安定感が高く、規則正しい生活リズムを好む人に適している

自分の希望する働き方と合致するかどうかを見極めるため、転職先候補の業務形態をしっかりと確認することが大切です。

将来のキャリアの可能性を調ベるには「キャリアパス診断」もおすすめ

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診断結果には、以下の情報が含まれており、利用者に有益な洞察を提供します:

  • 適性のある職種
  • 予想される年収
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金融系SIerへの転職は転職エージェントに相談してみよう

金融系SIerへの転職は転職エージェントに相談してみよう

本記事では、金融系SIerの特徴と魅力について詳しく解説しました。
売上高、営業利益、平均年収などの具体的な数字を通じて、業界の現状を把握することができます。
また、年収アップを目指す際の企業選びのポイントも紹介しています。

金融系SIerは、大規模プロジェクトや最新技術に携わる機会が多く、スキルアップに適した環境だと言えます。
一方で、親会社の影響を強く受ける傾向があるため、転職を考える際は親会社の状況も含めて検討することが重要です。

業界に対するネガティブな意見もありますが、実際には多くのメリットがあります。
金融系SIerでのキャリアを考えている方は、これらの情報を参考に、自身の目標や希望に合った企業を探してみてください。

なお、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を利用すれば、金融系SIerを含む様々な企業からの案件情報を直接受け取ることができます。
xhoursはITフリーランス向けのスカウトサイトですので、キャリアアップの機会を探している方にお勧めです。