SI業界完全ガイド:市場規模、仕事内容、将来性を徹底解説【2024年最新】

SIとは、システムインテグレーションの略称で、企業のIT課題を解決するためのシステム構築を行う業界です。

この記事では、以下の点について詳しく解説します:

  • SI業界の特徴
  • 市場の現状
  • 将来の展望

また、この業界で活躍できる人材の特性についても触れていきます。

SI業界に興味がある方や、キャリアを検討している方にとって、有益な情報となるでしょう。

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SI業界とは?

SI業界とは?

SIはシステムインテグレーションの略で、ITを活用して社会に必要な仕組みを構築する業界を指します。

様々な業界や企業の課題を解決するため、システムの企画提案から設計、開発、運用、保守まで全工程を担当します。

この業務を行う会社はSIer(エスアイヤー)と呼ばれ、政府のマイナンバー制度で使用される「情報提供ネットワークシステム」などを手がけています。

官公庁や一般企業が提供する多くのシステムは、SIerが開発に関わっています。

本文では、SI業界の構造や分類について詳しく説明していきます。

SI業界の3層構造と役割分担

SI業界は、大きく3つの階層で構成されています。

  • 最上位には大手SIer
  • 中間には中堅SIer
  • 最下層には小規模SIer

これらはそれぞれ一次請け、二次請け、三次請けとして機能します。

システム構築プロジェクトでは、通常複数の企業が協力して作業を行います。典型的なプロセスでは、顧客企業から大手SIerが直接発注を受け、その後中堅SIerへ業務を委託し、さらに中堅SIerが小規模SIerへ作業を依頼するという流れになります。

各層の主な役割としては、

大手SIer システム提案などの上流工程を担当
中堅SIerと小規模SIer 主に設計や開発実装といった下流工程を担当

この階層構造により、効率的なプロジェクト管理と専門性の活用が可能となっています。

SI業界の市場規模と成長予測

総務省の2021年情報通信業基本調査によると、SI業界が含まれる「情報サービス業」の2020年の市場規模は、18兆7,928億円に達しました。その内訳を見ると、SIerの主要業務である「受託開発ソフトウェア業」が8兆7,673億円と全体の約半分を占めており、次いで「情報処理サービス業」が4兆5,805億円となっています。

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展するにつれて、システム開発への投資が継続すると予想されるため、SI業界の規模も今後さらに拡大していくと考えられます。

世界のSI市場に目を向けると、2020年には3,032億米ドルの規模に到達しています。市場調査によれば、2021年から2026年にかけての年平均成長率(CAGR)は14.21%で推移すると予測されており、引き続き拡大傾向が続くと見込まれています。

この成長の背景には、以下の要因があります:

  • クラウドサービスの普及
  • ビッグデータ、SaaSなどの最先端技術を導入する企業の増加

これらの技術を効果的に統合し、業務の合理化を図るためのシステムインテグレーションへの需要が高まっているのが現状です。

システム導入の包括的サービス:SI

SIは、システム導入の全工程を一括して担当する包括的なサービスを提供します。

クライアントの課題解決を目的として、システムの企画から運用・保守に至るまでの一連のプロセスを管理します。

具体的には、システムの定義、設計、構築、開発などの各段階を統合的に進めていきます

SIの主な役割は、クライアントのニーズに合わせて最適なハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、効果的なシステムを構築することです。

このアプローチにより、クライアントは複雑なシステム導入プロジェクトを効率的に進めることができます。

SI業界の分類

SI業界の分類

SI業界は大きく4つのカテゴリーに分けられます。

  • 独立系
  • ユーザー系
  • メーカー系
  • 外資系

これらの分類は、各企業の特性や背景を反映しており、業界の多様性を示しています。

それぞれのカテゴリーには独自の強みや特徴があり、顧客のニーズに応じて適切なSIパートナーを選択することが可能です。

独立系SIerの特徴と強み

独立系SIerとは、特定の親会社やグループに属さず、システムインテグレーション事業を独自に展開する企業を指します。

この独立性により、特定のメーカーやベンダーに縛られることなく、顧客のニーズに最も適したハードウェアやソフトウェアを柔軟に選択し、提供することが可能となります。

これにより、クライアントの要求に対してより中立的かつ最適なソリューションを提案することができるのが、独立系SIerの大きな特徴と言えるでしょう。

ユーザー系SIerの特徴と役割

ユーザー系SIerは、大手企業の情報システム部門が独立して設立された企業を指します。

これらの企業は、元の親会社が属していた業界(商社、金融、通信など)での豊富な経験と専門知識を活かし、多様な業務システムの開発や運用を行っています。

ユーザー系SIerの特徴は、特定の業界に関する深い理解と、それに基づいた効果的なITソリューションの提供能力にあります。

彼らは親会社との強い関係を維持しつつ、他の企業向けにもサービスを展開し、幅広い分野でSI(システムインテグレーション)事業を展開しています。

メーカー系IT企業の特徴と役割

メーカー系とは、主にコンピュータハードウェアを製造する大手企業から派生した情報システム専門の子会社を指します。

これらの企業は、以下のような業務を主に行っています:

  • 親会社が製造するハードウェア製品と密接に連携したソフトウェアソリューションの開発
  • 統合的なシステム構築サービスの提供

親会社のブランド力や技術基盤を活かしつつ、独自の専門性を発揮してクライアントのニーズに応える点が特徴です。

外資系IT企業の日本展開

外資系IT企業とは、海外に本社を置く情報技術関連の企業が日本に設立した子会社や支社を指します。

これらの企業は、グローバルで開発された先進的な技術やサービスを日本市場向けにカスタマイズし、提供しています。

主な業務には、以下が含まれます:

  • 海外製のハードウェアやソフトウェアの日本向け適応
  • 日本企業のニーズに合わせたシステムインテグレーションサービスの展開

SI業界の現状と将来性

SI業界の現状と将来性

SI業界の成長と課題:DX推進と人材不足

IT業界の成長に伴い、SI業界も拡大傾向にあります。システム導入を主な業務とするSI業界は、IT業界全体の動向に大きく影響されます。近年、様々な業界でデジタル化や自動化が進んでおり、IT市場の規模拡大が続いています。

特に注目されているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進です。企業がIT技術を活用して業務プロセスの改善や新しいビジネスモデルの創出を図る動きが広がっています。政府もDX推進を重視しており、これによりSIの需要は今後も高まり続けると予想されます。

一方で、SI業界は深刻な人材不足に直面しています。これはIT業界全体の課題でもありますが、SIは特にシステム導入全般を担当するため、幅広い知識と経験が求められます。多くの企業が人材確保に苦心しており、特に大手企業系のSI企業に人材が集中する傾向があります。そのため、SI業界全体での人材不足は慢性的な問題となっています。

DX時代におけるSI業界の展望と課題

DXの進展に伴い、SI業界の需要は今後も拡大が見込まれます。
官公庁、自治体、金融機関などからの定期的な案件に加え、デジタル庁の発足による行政のデジタル化推進も、大規模プロジェクトの可能性を高めています。
これらの要因から、SI業界の将来性は非常に高いと評価できます。

近年の傾向として、企業が自社でプラットフォームを開発するケースが増加しています。
これはSIerにとって新たなビジネスチャンスとなり、ソリューション提供の機会が広がると予想されます。

一方で、プロジェクトの大規模化と需要の増加に伴い、高度なスキルを持つIT人材の不足が続くと予測されます。
このような状況下では、SI業界は将来性が高く、IT人材の需要も高い状態が継続すると考えられます。
これは業界にとって課題でありながら、キャリア形成の観点からは魅力的な環境とも言えるでしょう。

SI業界に属する職種

SI業界に属する職種

SI業界で活躍する4大エンジニア職種

SI業界では、様々な専門性を持つエンジニアが活躍しています。ここでは、特に需要の高い4つのエンジニア職種について紹介します。

  • アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは、クライアントの要望に基づいてシステムの設計から開発、テストまでを担当します。Java、C、C#、PHPなどのプログラミング言語スキルに加え、ソフトウェアやハードウェアに関する幅広い知識が求められます。

  • サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、各種サーバーの構築、運用、保守を行います。データベース、ファイル、Web、アプリケーションなど様々なサーバーを扱い、ITインフラを支えています。Windows、Linux、Mac OS、UNIXなどのOS知識やネットワークの理解が必要です。

  • ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、安全で安定したネットワーク環境の設計、構築、運用を担当します。社会インフラとして重要な役割を果たすため、障害時の迅速な対応が求められます。近年は、ファイアウォールやクラウドに関する知識も重視されています。

  • セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティに特化した専門家です。セキュリティ機器の導入やサイバー攻撃対策、情報漏洩防止などを行います。ネットワークサービスの拡大に伴い、情報管理の重要性が高まっており、注目を集めている職種です。

これらのエンジニア職種は、それぞれが専門性を持ちながら、SI業界の発展に貢献しています。

SI業界の営業系職種3選

SI業界で活躍している営業系の職種を3つ紹介します。

  • ITコンサルタント

ITコンサルタントは、経営的視点からクライアントの課題を特定し、IT技術を用いた解決策を提案します。この役割には、クライアントの業界や市場動向に関する幅広い知識が必要です。また、顧客との効果的なコミュニケーション能力、問題発見力、そしてプロジェクト管理能力が求められます。

  • セールスエンジニア

セールスエンジニアは、IT技術の専門知識と営業スキルを兼ね備えた専門家です。主な業務には、クライアントへの製品提案や導入後のサポートが含まれます。単独で企業訪問を行うこともあれば、営業担当者に同行して技術的なサポートを提供することもあります。この役割の強みは、クライアントの潜在的なニーズを理解し、適切な解決策を提案できる点にあります。

  • プリセールスエンジニア

プリセールスエンジニアは、ITの専門知識を活用して営業チームをサポートする役割を担います。主に営業担当者に同行し、システム導入を検討中のクライアントから技術的な課題やニーズを引き出します。この職種では、ソフトウェアなどのIT技術に関する深い知識、問題解決能力、そして優れたコミュニケーションスキルが不可欠です。

SI業界で働くメリット

SI業界で働くメリット

SI業界と関連する職種について詳しく説明してきました。

ここからは、SI企業で働くことで得られる具体的なメリットについて詳しく解説していきます。

SI企業での就業は、様々な利点があり、キャリア形成において重要な選択肢の一つとなっています。

SI企業の安定性と魅力

SI企業の主な特徴として、BtoB取引による安定した需要が挙げられます。

特に、官公庁、金融、医療機関向けに特化したSI企業は、より高い安定性を誇ります。現代社会においてシステム開発の需要が消滅することは考えにくいためです。

また、SI企業は常に人材を求めている傾向があります。未経験者でもチャレンジしやすく、キャリアアップの機会も豊富です。

そのため、長期的なキャリア形成を目指す人にとって、SI企業は魅力的な選択肢となるでしょう。

システム開発の工程と SI 企業での経験

システム開発には、「ウォーターフォール型」と呼ばれる手法があり、要件定義から運用まで段階的に進めていきます。

この過程は「上流工程」と「下流工程」に分けられます。

上流工程では要件定義や設計を行い、クライアントとのコミュニケーションや進捗管理が主な業務となります。

一方、下流工程では実際の開発や運用を担当し、具体的な技術スキルを磨くことができます。

SI企業では、これら全ての工程を経験できる機会があり、多岐にわたる業界のプロジェクトに携わることで、幅広い知識と汎用性の高いスキルを習得することが可能です。

SI企業で得られる多様なスキルと人脈

SI企業での経験を通じて習得するスキルは、多岐にわたり汎用性が高いものが多くあります。

IT業界で不可欠なプログラミング能力はもちろんのこと、一般的なビジネススキルも自然と身につきます。

また、SI企業は多様な業界や企業と関わる機会が多いため、幅広いネットワークを構築しやすい環境でもあります。

これらの人脈や業界知識は、将来のキャリア展開において貴重な資産となり、長期的な視点で見ると大きな価値を持つことでしょう。

SI業界で働くには

SI業界で働くには

SI業界への転職を検討する際、多くの人が自身の適性や必要なスキルについて疑問を持つことでしょう。

「この業界は自分に合っているだろうか」「どのような能力が求められるのか」といった不安は珍しくありません。

SI業界で活躍するために重要な資質や、業界で評価される具体的なスキルセットについて、これから詳しく見ていきましょう。

この情報は、あなたのキャリア選択の参考になるはずです。

SIerに求められる人材像と職場環境

SIerは、多様な人々との協働やプロジェクト管理が日常的に求められる業界です。

そのため、優れたコミュニケーション能力やマネジメントスキルを持つ人材が活躍しやすい環境といえます。

また、チームワークを重視し、共同で目標を達成することに喜びを感じる人にも適した職場です。

プロジェクトの成功に向けて、メンバーと協力しながら課題を解決していく過程で、個人の能力を発揮しつつ、チームとしての成果を追求する機会が豊富にあります。

SI業界転職に役立つ資格

SI業界への未経験転職において、特定のスキルや資格が必須というわけではありませんが、転職活動を有利に進める上で役立つ資格がいくつか存在します。

基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎的な知識や技能を証明する「登竜門」的な資格です。この資格は、情報技術を活用した戦略立案や、システムの設計・開発能力を示すものとして評価されます。

より上級者向けには、プロジェクトマネージャ試験があります。これは、プロジェクトの計画、実行、管理を統括できるIT人材であることを認定する国家資格です。システム開発プロジェクトを主導的にマネジメントできる能力の証明となります。

近年注目を集めているのがAWS認定資格です。Amazon Web Servicesに関する専門知識やスキルを証明するこの資格は、AWSを利用したシステム開発が増加している現状を反映し、高い価値を持っています。

AWS認定には複数のレベルと専門分野があり、以下のような様々な認定が用意されています:

  • Cloud Practitioner
  • Solutions Architect
  • Developer
  • SysOps Administrator
  • DevOps Engineer

未経験者の場合、まずはCloud Practitionerから始めるのが良いでしょう。これらの資格取得は、SI業界への転職を目指す上で大きな強みとなります。

SI業界転職の必須スキルと準備

SI業界への転職を目指すには、業界特有の知識とプログラミング能力が不可欠です。

IT分野での経験者は、これまでの業務で培ったプログラミングスキルを再評価し、SI業界で通用する強みを明確にすることが重要です。

IT業界では実務経験が高く評価される傾向があるため、インターンシップやアルバイトでのSI関連の経験も、有力なアピールポイントとなります

さらに、SI業界を体系的に理解するには、関連書籍を活用することが効果的です。これにより、オンライン情報と併せて、より深い知識を獲得することができます。

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SI業界への理解を深め、転職しよう

SI業界への理解を深め、転職しよう

SI業界では技術の進歩が速いため、最新のトレンドを把握し、それに応じたスキルを身につけることが重要です。

常に新しい情報を収集し、自己啓発に励むことで、自身の市場価値を向上させることができます。

キャリアアップを目指す場合、専門家のアドバイスを受けることも効果的な方法の一つです。

自分の目標に合わせて、適切な情報や機会を活用し、着実にキャリアを構築していくことが大切です。

エンジニアの年収事例と高収入への道

エンジニアの年収事例:

開発エンジニア: 600〜800万円
WEBエンジニア: 500〜700万円
スマホアプリエンジニア: 750〜800万円

これらの数字は一般的な範囲を示しており、実際の年収は経験、スキル、勤務地、企業規模などの要因によって変動する可能性があります。エンジニアとしてのキャリアを考える際の参考情報としてご活用ください。

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