この記事は、転職を検討している方々に向けて、人事担当者の目に留まる履歴書の作成方法をご案内するものです。
就職活動の経験が浅い人や、長らく転職していない人は、履歴書の書き方に不安を抱えがちです。
新卒者と転職者では履歴書の記載内容が異なるため、その違いを理解することが重要です。
本稿では、そうした疑問にお答えしながら、印象的な履歴書の書き方をお伝えします。
後半には実例と無料テンプレートも掲載しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
気になる内容をタップ
履歴書の書き方と注意点
履歴書を作成する際には、事前に把握しておくべき重要な点がいくつかあります。
それらを確認しておくことが賢明でしょう。
履歴書の書き方と種類
履歴書には様々な形式が存在します。
市販されている中で最も一般的なのは、JIS規格に準拠した履歴書です。
- 経歴、資格、志望動機、スキルなどの記入欄が適切に配置されています
- 転職の場合は新卒採用とは異なり、個人の経歴によって必要な記入欄の広さが変わってきます
- 転職経験が多い方は職歴欄が広い履歴書を、初めての転職や第二新卒の方は志望動機欄が大きい履歴書を選ぶなど、状況に応じて使い分けることが賢明です
履歴書のサイズには、A4サイズ(A3を2つ折りにしたもの)とB5サイズ(B4を2つ折りにしたもの)の2種類があります。
- ミドル・シニア世代の方は、B5サイズの履歴書に親しみがあるかもしれません
- 近年では書類管理の観点からA4サイズを採用する企業が増えています
現状ではA4とB5のどちらでも問題ありませんが、応募先企業によっては指定されている場合もあるので、募集要項を確認しておくことが重要です。
応募書類の作成方法 - PC入力と手書きの比較
履歴書の作成方法については、従来の手書きから変化が見られるようになりました。
i-plugが実施した調査によると、企業の85.6%が手書き以外の履歴書でも問題ないと回答しています。この結果は、新卒採用の人事担当者を対象としたものですが、中途採用の場合はさらに手書きの重要性が低くなる可能性があります。
しかし、履歴書の作成方法は企業の業界や風土によって異なる場合があります。
- 創業から長い歴史を持つ企業や伝統的な業界では、手書きの履歴書に慣れ親しんだ人事担当者が一定数いる可能性が高くなります。
- 一方、外資系企業やIT関連のベンチャー企業では、手書きにこだわることはほとんどありません。
つまり、履歴書の作成方法については、PCでも手書きでも構いませんが、応募先の企業の特性を考慮して判断することが賢明です。字に自信がある場合は、手書きで誠実さを示すのも一案でしょう。能力や効率を重視する企業であれば、PCで作成することをおすすめします。
履歴書作成のポイント
履歴書を作成する際に、心に留めておくべき重要な点を説明します。
人生の節目において、自身の経歴を正確かつ簡潔に記載することが求められます。適切な表現を用いることで、読み手に良い印象を与えることができます。
主な留意点は以下の通りです。
- 正確な日付と期間を記載する
- 簡潔かつ分かりやすい言葉遣いを心がける
- 自身の強みや実績を具体的に示す
- 真実を曲げることなく正直に書く
- 体裁を整え、見やすいレイアウトにする
履歴書は、自分自身を最大限にアピールする重要な機会です。丁寧な作成を心がけましょう。
最新の年号に統一したタイトル
履歴書には、学業や職務の経緯、資格取得時期など、年代を記載する箇所が複数存在します。
西暦表記と和暦表記のどちらを採用しても構いませんが、使用する表記方式は必ず統一する必要があります。
履歴書は自身の経歴を企業に伝達する重要な文書であり、年代表記を混在させることは分かりにくく、人事担当者に好ましくない印象を与えかねません。
作成後は一貫して同じ表記方式が用いられているかを確認してください。
また、和暦を用いる場合、
- 「S」や「H」などの省略形は不適切です。
- 正式な年号表記、つまり「昭和〇年」や「平成〇年」と明記しましょう。
色付きのインク活用術
履歴書の作成には、適切なペンやインクの選択が重要です。
- 手書きでも、パソコンでも、黒色のインクを使用することが賢明です。
- 市販の履歴書には、青色のペンが推奨されている場合がありますが、これは万年筆の濃い青を指しています。
- 一般的な青ボールペンは目立ちすぎる可能性があるため、避けましょう。
手書きの場合、にじまないサインペンやボールペンが適しています。
- しかし、消せるフリクションボールペンは使用を控えましょう。このインクは摩擦で薄くなり、長期保存で消えてしまう恐れがあります。
- 履歴書は公的書類なので、改ざんを防ぐため、消えないペンで記入することが賢明です。
- 間違いは二重線で訂正できますが、書き直した方が好印象です。
パソコンで作成する場合は、インクの掠れや漏れに注意が必要です。
- プリンターで印刷直後は、インクが乾いていない可能性があります。封入前に表面を乾かし、折り目をつけましょう。
- また、フォントや文字サイズも重要です。変わったフォントは避け、ビジネス文書によく使われる明朝体やゴシック体を選びます。
- 名前は14~18pt、本文は10.5~12ptが適切でしょう。
最新の履歴書作成ガイド - 項目別のポイントと書き方
職歴欄
・直近の職歴から記載する
・入社年月日、退職年月日、会社名、役職名、業務内容を記載する
・業務内容は簡潔に記載する
学歴欄
・最終学歴から記載する
・入学年月、卒業年月、学校名、学部・学科名を記載する
資格欄
- 取得年月日、資格名を記載する
- 資格は職務に関連するものを記載する
項目 | 記載内容 |
---|---|
氏名 | フリガナを記載する |
生年月日 | 西暦で記載する |
現住所 | 番地まで記載する |
写真選びのコツ
人事担当者が最初に目を向ける重要な要素である履歴書の写真には、良い印象を与えるための複数の留意点があります。
- まず、3か月以内に撮影された最新の写真を使用することが肝心です。
- 自撮りや無人の証明写真機ではなく、プロのカメラマンに撮影を依頼することで、好ましい第一印象を与えることができます。
服装はスーツが基本ですが、私服通勤可の職場であっても、書類上ではスーツ着用の写真を使用するのがビジネスマナーとされています。
- 女性の場合は派手すぎるメイクは避け、知性と清潔感を感じさせるナチュラルメイクが望ましいでしょう。
履歴書に使用する写真のサイズは「3cm×4cm」、背景は「白または青」が適切です。
- 手書きの履歴書に写真を直接貼付する際は、剥がれる可能性を考慮し、裏面に氏名を記載しておくことをおすすめします。
履歴書の経歴欄の書き方
就職活動における履歴書作成の際、学歴については高校卒業時から記載するのが一般的です。記入欄が不足する場合は、一部を省略することができますが、学校名は正式名称で記載する必要があります。企業名についても、株式会社の表記を略さず、正式名称を使用します。会社合併や買収があった場合は、旧社名と新社名の両方を記載しましょう。職歴欄では、所属部署の下に簡潔な業務内容を追記するとよいでしょう。
学歴・職歴欄の具体例は以下の通りです。枠内に収まるよう改行せずに記入してください。
年月 | 学歴・職歴 |
---|---|
学歴 | |
平成〇年3月 | 東京都立〇〇高等学校 卒業 |
平成〇年4月 | 〇〇大学 工学部 情報システム科 入学 |
平成〇年3月 | 〇〇大学 工学部 情報システム科 卒業 |
職歴 | |
平成〇年4月 | 株式会社〇〇 入社 事業開発本部 カスタマーサクセス課 自社プラットフォームの管理・運営業務に従事 |
令和〇年12月 | 一身上の都合により退職 |
令和〇年1月 | 〇〇株式会社 入社 アプリケーション事業部 開発設計室へ配属 サーバーサイドエンジニアとして開発業務に携わる 現在に至る |
資格取得のための書類作成ガイド
ここでは、免許や資格の記載方法について説明しています。正式名称を使用し、企業や職種に合わせて選択的に記載することが重要です。
実務に関係ない資格は避け、空欄がある場合はセミナー受講履歴や受験予定の資格を記載するのがよいでしょう。
虚偽記載は絶対に避けるべきで、記入前に証明書などで内容を確認することが肝心です。
以下は記載例です。
年月 | 資格・免許 |
---|---|
平成〇年5月 | 普通自動車運転免許証取得 |
平成〇年10月 | TOEIC 760点取得 |
平成〇年4月 | 基本情報技術者試験合格 |
志望動機の書き方のポイント
企業への関心を示す際、単に業界への志向性を説明するだけでは不十分です。同業他社との差異や、その企業ならではの特徴を理解することが肝心です。
また、企業が求める人材像と自身の経験やスキルがマッチしていることを示す必要があります。企業には採用目的や解決したい課題があり、その要求に応えられる人物であることを志望動機に盛り込まなければなりません。
優れた経歴を持っていても、企業のニーズに合致しない場合は印象に残りにくいでしょう。志望動機では過去の実績だけでなく、入社後にどのように活躍したいかという将来の抱負を示すことが重要となります。
自分らしい趣味・特技の書き方
履歴書における趣味・特技の記載は、必須事項ではありませんが、適切に記すことで自身の長所をアピールできる機会となります。
経歴や資格、志望動機など、重要な項目が多い場合は、趣味・特技欄のない履歴書を選択するのも一案です。
しかし、趣味・特技を上手く活用すれば、自身のPRにつながります。
- 例えば、野球やサッカーなどのチームスポーツは、チームワークやコミュニケーション力を示す良い例となります。
- 個人競技であっても、長年継続してきた経験は、持続力や忍耐心のある人物像を伝えられます。
また、PCスキルや語学力など、業務に役立つ可能性のある趣味・特技を記載しておけば、面接の際の話題作りや雰囲気作りに一役買うかもしれません。
健康状況の記述方法
募集職種に従事する上で障害となるような健康上の問題がないかどうかが、健康状態の判断基準となります。
軽症で日常業務に支障がない持病の場合は、特に記載する必要はありません。
重大な疾患や健康に対する深刻な不安がない限り、「良好」または「きわめて良好」と記述することができます。
本人希望欄の記入方法
応募書類における個人的な要望の記載については、慎重な対応が求められます。基本的には、給与や労働条件に関する具体的な希望は控え、「会社の規定に従います」と簡潔に記すことが賢明です。
選考の初期段階で細かな条件を提示すると、人事担当者から面倒な候補者と見なされる恐れがあるためです。
条件交渉は、ある程度選考が進んだ面接の場で行うのが適切でしょう。
一方で、以下のような場合には本人希望欄への記載が望ましい場合もあります。
- 複数の募集職種から希望する職種を特定する必要がある時
- 連絡や面接の日時に制約がある時
上記以外で、どうしても譲れない条件がある場合は、丁重な言葉遣いで記載することが肝心です。
謙虚な態度を示すことで、好印象を与えることができます。
最新の履歴書テンプレートをダウンロード
履歴書作成を控えている方々に向けて、オンラインで入手可能な履歴書テンプレートをご案内します。
- ニーズに合わせた履歴書フォーマット
転職エージェントDUDAが提供するテンプレートには、JIS規格に準拠した標準的なものに加え、経歴や志望動機を強調できるよう設計されたバリエーションがあります。自身の強みを効果的にアピールしたい項目に応じて、適切な欄の大きさを選択することができます。
- 無料で利用できる5種類のテンプレート
転職Hacksが公開している履歴書フォーマット集も便利です。経歴に不安がある場合や趣味・特技の記載を避けたい場合など、現在の状況に合わせてテンプレートを使い分けることが可能です。
概要
転職希望者の方々へ、履歴書作成のポイントをお伝えしました。
書類選考で躓く原因は、経歴やスキルではなく、履歴書の記載内容にあることが少なくありません。
そのため、
- 応募先企業に合わせて自身のアピールポイントを変更するなど
- 丁寧な推敲が求められます
この第一関門を乗り越えるべく、努力を重ねましょう。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」に興味がある方は、ぜひ登録をご検討ください。
将来的にフリーランスを視野に入れている方も、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用し、フリーランスとしてのキャリアを切り開いてみてはいかがでしょうか。
この記事が皆様のお役に立てば幸いです。