転職を検討中の方へ：フリーランスの経験と気づき

この記事では、フリーランスの活動を終了することについて、その理由や対策を説明します。
独立した仕事スタイルには、仕事の確保や税務手続きなど、様々な課題が伴います。
中でも収入面での不安から、フリーランスを辞めようと考える人が多くいます。
そのため、現役のフリーランサーだけでなく、将来的にフリーランスを目指す人にも、この内容は参考になるでしょう。
特に以下の方は注目していただきたい内容です。

• フリーランスの廃業を検討中の方
• 現役フリーランサーの方
• 今後フリーランスに転身を考えている方

フリーランスの廃業率は高い？

フリーランスの離職率について、現状を把握することから始めましょう。

フリーランスの離職率は以下の要因が影響していると考えられます。

• 収入の不安定さ
• 仕事と生活の境界線がなくなりがち
• 孤独感
• スキルアップの機会が少ない

対策としては、

対策	内容
収入の安定化	複数の収入源を持つ、予実管理を徹底する
メリハリをつける	勤務時間を決める、作業場所を分ける
交流の機会を作る	オフラインのコミュニティに参加する
学習の機会を作る	勉強会に参加する、オンライン学習に取り組む

などが考えられます。フリーランスの離職率低下に向けて、自助努力と環境整備の両面から対策を講じることが重要です。

現在の年月におけるフリーランサーの離職率

ここでは、フリーランス(個人事業主)の事業継続の困難さと、会社経営者の高い生存率について説明しています。

フリーランス(個人事業主)の事業継続は容易ではありません。統計データによると、開業後の時間経過とともに廃業率が上昇する傾向にあります。具体的には、

• 開業1年後に約3割が廃業
• 開業3年後には約65%が廃業
• 開業5~6年後には約75%が廃業

と、開業から10年が経過すると廃業率は88.4%にまで達します。この数値は、フリーランスとして活動を維持していくことの困難さを物語っています。

一方、会社経営者の場合は事情が異なります。2017年の中小企業白書のデータでは、

• 起業1年後の生存率は95.3%
• 起業3年後は88.1%
• 起業5年後でも81.7%

と、フリーランスに比べて高い生存率を示しています。

近年、自由な働き方を求めて会社を退職しフリーランスに転身する人が増加していますが、フリーランスの道は決して平坦ではありません。継続するためには相応の努力が求められるでしょう。

自由な働き方への疑問

フリーランスの多くが離職を検討する根底には、様々な要因が潜んでいます。
現在、フリーランサーが「やめたい」と感じる理由を以下に示します。

• 収入が不安定
• 仕事と生活の境界線がなくなる
• 孤独を感じる
• スキルアップの機会が少ない
• 福利厚生がない

収入が減少した時のフリーランス生活

独立した働き方を選択すると、雇用主から給与を受け取ることはできません。そのため、仕事を確保できなければ収入源が枯渇してしまいます。
その結果、生活の維持や家族の扶養が困難になる可能性があります。
フリーランスの収入が途絶えるおもな状況は以下の通りです。

• 継続的な仕事の確保が難しくなった場合
• 健康上の理由で業務遂行が困難になった場合
• 新規の契約獲得に失敗した場合

自由な働き方や収入アップの機会といったメリットがある一方で、安定した仕事の確保が課題となり、収入が途絶えるフリーランスは少なくありません。この点は、前章で示した廃業率の高さからも窺えます。

税金に備えた貯金の重要性 (2023年5月)

フリーランスとなると、従業員とは異なり、社会保障制度への全額拠出が義務付けられたり、新たに個人事業主としての納税が課されたりと、税負担が増大してしまいます。

ランサーズ社の調査によれば、専業フリーランスの平均年収は206万円程度にとどまり、会社員の平均年収441万円を下回っています。そのため、税金の支払いが収入を上回ってしまうケースもあるのです。

専業フリーランス(*1)とは、

• 企業に所属せず個人事業主または法人経営者として活動し、
• プロ意識を持つ自営型のフリーワーカーを指します。

独立当初は貯蓄があり、収入が少なくとも税金は払えていたかもしれません。しかし、収入が乏しい中で工面を重ねるうちに貯蓄が底をつき、やりくりが困難になれば、ついには廃業を選択せざるを得なくなる人もいるのです。

(*1) 自由業系フリーワーカーと自営業系独立オーナーのこと

独立開業者に求められる幅広い知識

フリーランスとして活動する際の障壁は、仕事の確保や収入の不安定さだけではありません。

• 確定申告
• 国民健康保険への加入
• 国民年金の手続き

など、個人で対応しなければならない公的な手続きが増えます。
特に節税効果のある「青色申告」を選択した場合、複式簿記の運用が求められ、個人では対応が難しくなります。
税理士に依頼することも可能ですが、別途費用がかかり、一定の税務知識が必要となります。
業務に加えて税務手続きの負担から、廃業を選択するフリーランスもいます。
しかし、近年では「クラウド会計ソフトfreee」や「やよいの青色申告」など、業務の簡素化を支援するサービスが充実してきました。
これらのサービスも活用すると良いでしょう。
確定申告の詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

独りでも大丈夫、フリーランスの心の支え

フリーランサーは基本的に単独で業務を遂行していきます。そのため、どんな困難に直面しても一人で乗り越えなければなりません。
会社員であれば、

• 仕事が終わった後に同僚と飲み会に出かけたり
• 休日にストレス解消のためレジャーを楽しんだりできます

しかし、フリーランサーの場合は会社員とは異なる多忙さや苦労があり、理解されにくい面もあるでしょう。仲間内で楽しそうに過ごす人々を目にすると、収入が少ない中で一人で頑張っているため、孤独感を覚え、フリーランスを断念する人もいます。

体調不良時のフリーランス業務対応

フリーランサーの場合、体調不良で業務を遂行できなくなれば、それに伴い収益が減少してしまうリスクがあります。

そのため、健康上の理由で仕事の継続が困難と判断した際には、活動の終了を検討するケースもあるようです。

一時的な体調不良ではなく、慢性疾患などの持病がある場合、将来的に業務に支障をきたす可能性もあるため、安定収入を優先し、フリーランスを辞めて会社員に転じる人もいます。

フリーランサーとして病気や怪我に見舞われた際の対処法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

仕事とプライベートの切り替えが難しい時

フリーランスは自身の労働時間を自ら決定する権利を有しています。終日勤務することも、一日中ゲームに費やすことも可能です。
しかし、この自由さが災いし、締切直前まで手をつけずにいたり、予定した作業量を消化できずに収入が伸び悩んだりする人も少なくありません。
中小企業庁の調査によれば、

• 1日の実労働時間が5時間未満の人が全体の約3割
• 休日を設けずに働いている人が実に8割に上る

そうです。
会社員時代とは異なり、自らオフを設定する必要があり、自宅にいながらも作業に専念できるよう切り替えるのが難しく、収入が伸びずに廃業に至る人もいるのです。

自由な働き方を継続するための秘訣

フリーランスとしての活動を継続するための要件を確認しました。
これらの条件は全てのフリーランサーに適用されるものであり、現状に満足していても将来的には変化する可能性があります。
本章では、フリーランスとしての業務を今後も安定させるために必要な事項を説明します。
現在フリーランスの廃業を検討している方だけでなく、安心している方、これからフリーランスを目指す方にも参考になる内容です。

独立開業者としての専門性向上

フリーランスとしての専門性を高めるための方策は多岐にわたります。

• 金融系の資格取得により金融ライターとしての信頼性を高めたり
• フロントエンドだけでなくサーバーサイドやインフラなどの経験を積むことでフルスタックエンジニアとしての知見を深めたりできます
• 自身のWebデザインをSNSで発信し続けフォロワーを増やしていくことで、その分野の第一人者としての地位を確立することも可能です
• 自らの経験した領域のスキルや知識を、他のフリーランスが理解していない深遠な部分まで掘り下げることもできるでしょう

現代においては、様々な手段を講じることで自身の価値を高めることができます。
最も手っ取り早い方法は、携わる分野の専門資格を取得することです。資格保有者は信頼性が高まり、無名の人物よりも仕事を依頼されやすくなります。ただし、エンジニア職の場合、クライアント企業は即戦力を求める傾向が強いため、資格保有者よりも実務経験者を優先して採用する傾向にあります。
一方で、SNSを活用し多数のフォロワーを獲得することで、「○○の第一人者」としての立場を確立できれば、企業から仕事を依頼されるケースもあるでしょう。

自己管理力を高めるフリーランス生活

自身を適切に統制する能力、つまり「セルフマネジメント」は、業務と私生活の切り分けや健康管理などを含む重要な要素です。

フリーランスが事業を断念する理由として、以下がありました。

• 体調不良
• 仕事と生活の境界線が曖昧になること

しかし、日頃からセルフマネジメントを徹底することでそうした危険性を回避できます。

また、自己管理が適切に行われていれば、

• 仕事に集中と休息のメリハリがつき
• 収益の向上にもつながります

フリーランスとしてさらなる意欲向上やセルフマネジメントの見直しを望む方は、以下の記事をご覧ください。

独立支援サービスの賢明な利用方法

フリーランスの仕事を確保することが困難になった際、サポートを提供するサービスがあります。これは、代行業者が企業に対して営業活動を行い、案件を獲得してくれるものです。
個人で営業を行うよりも、効率的に仕事を見つけられる可能性が高まります。
さらに、フリーランスエージェントによっては、以下のようなメリットがあります。

• 給与保証
• 交通費・保険などの福利厚生制度

契約者であれば誰でもこれらの恩恵を受けられます。
フリーランスエージェントのサービスを利用したい方は、以下からご確認ください。

フリーランスの後悔と向き合う時 - 現状を見つめ直す機会

フリーランスの仕事を終了し、再び会社員として働くことも一案かもしれません。しかし、すべてがスムーズに進むことは稀であり、フリーランスとしての収入が若干減ったからといって、すぐに辞めてしまうのは惜しいことです。

現在では、フリーランサーをサポートするサービスが充実してきているため、上手く活用すれば、辞める必要はないかもしれません。
また、現在の悩みの原因を検討すると、

• オンとオフの切り替えなど、努力次第で改善できる内容の場合もあります。

フリーランスを辞めようと考えた際は、一旦立ち止まり、現時点で可能なことをすべて試したかを振り返ってみましょう。

要約

この記事では、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」について説明しています。
フリーランスは収入が不安定になりがちですが、

• 固定費を抑えたり
• 求人サイトを活用することで生活を安定させることができます。

また、会社員への転職も選択肢の一つです。
フリーランスの経験は転職後も活かせるでしょう。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用して、フリーランスとしてのキャリアを築いていってください。
この記事がフリーランスの方々の参考になれば幸いです。