CTOの仕事内容と必要スキルを解説 2023年最新版

CTOの役割や責務については、多くの人が十分に理解していないのが実情です。
IT企業においてCTOは極めて重要な地位を占め、プロジェクトの成否を左右する影響力を持っています。
エンジニアの方やIT業界への転職を希望する方は、CTOの職務内容を把握しておくことが賢明でしょう。
本稿では、CTOの業務範囲、必要なスキル、平均年収などについて解説します。
加えて、CTOとCEO、CIO、VP of Engineeringとの違いも明らかにしています。
本稿を通じて、CTOに関する基礎的な知見を得ることができます。
IT関係者の皆様は、この機会にCTOの実態に迫ってみてはいかがでしょうか。

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技術責任者の役割と重要性

技術責任者の役割と重要性

CTOは「Chief Technology Officer」または「Chief Technical Officer」の略称であり、技術面における最高責任者を指します。この役職は、IT企業における技術関連の意思決定を担い、技術分野の責任を負います。

もともとCTOはアメリカ企業でのみ存在していましたが、近年では日本企業においても導入が進んでいます。

  • 株式会社マネーフォワード
  • 合同会社DMM.com
  • LINE株式会社

などがCTOを設置している例です。

大手企業においては、CTOは取締役に次ぐ影響力を持つ重要な職種とされることが多く、一方でベンチャー企業では、技術系部門のマネジメントを担うプロジェクトマネージャーに近い立場にあることもあります。このように、CTOはIT企業にとって重要な役割を担う存在です。

技術責任者の業務内容

技術責任者の業務内容

企業の最高技術責任者であるCTOの職務は、主に3つの側面から構成されています。
第一に、IT技術やテクノロジーに関する事項の審議と判断を行います。
第二に、会社の事業戦略と技術面の調整を図ります。
第三に、経営方針、技術開発、研究開発を包括的に監督する役割があります。

  • 新製品の技術的な検討
  • システム開発の進捗管理
  • 研究開発プロジェクトの優先順位付け

役割 内容
技術面の意思決定 新技術の導入や製品の技術仕様を決定する
戦略策定への関与 事業戦略に技術的な観点から助言を行う
技術人材の育成 エンジニアの採用や研修計画を立案する

最新のテクノロジー動向の検討と意思決定

最高技術責任者(CTO)の主要な職務は、IT技術やテクノロジーに関する意思決定を下すことです。
企業内に新たな技術を導入したり、逆に古い技術の利用を中止したりする判断を下します。
例えば、近年注目を集めているAI(人工知能)やIoTなどの技術について、導入のタイミングを決定するのがCTOの役割です。
採用する技術によってサービスの品質や開発効率が変化するため、プロジェクトの成否はCTOの判断次第と言えます。
CTOには、必要なコストや事業との親和性を勘案し、最適な技術を選択する判断力が求められます。
また、技術導入が決まれば、現場のエンジニアに対して説明する責任も負います。
エンジニアが作業に専念できるよう、CTOは技術に関するガイドラインを示す必要があります。

企業の戦略と技術の調和

会社の経営陣との協議に加わり、技術的観点から企業戦略に対する見解を示すことも最高技術責任者の職務です。
経営トップ層はIT技術に精通していないケースが多く、技術面を軽視した戦略を策定してしまう可能性があります。
例えば、新規事業を立ち上げる際、開発費用が過大になることが判明した場合、最高技術責任者から意見を述べます。
最高技術責任者は技術力とマネジメント能力の両方を兼ね備えているため、このような役割を担うのです。

経営・技術・研究開発の総合的な管理

CTOは企業の技術戦略を立案し、研究開発や技術開発を統括する役割を担います。
技術的な助言を行ったり、プロジェクトの進行状況を管理することが求められます。
また、導入したITシステムが適切に運用されているかをモニタリングする責務があります。
プロジェクト完了後は、次の開発に活かせるよう課題や反省点を洗い出し、チームと共有することが重要です。
このように、CTOには

  • 技術的なリーダーシップ
  • コミュニケーション力
  • マネジメント能力
  • 人望

も必要不可欠となります。

最新CTOの平均年収

最新CTOの平均年収

CTOの具体的な平均年収に関するデータは存在しませんが、IT企業における他の職種と比較すると高額な収入を得ている傾向にあります。

この理由としては、

  • 重大な責任を負っていること
  • 高度な専門性が求められること

などが挙げられます。

統計調査によれば、

プログラマーの平均年収 425万円
システムエンジニアの平均年収 568万円

となっており、CTOの平均年収はこれらを上回ると推測されます。

大手企業に勤務したり、優れた実績を残せば、さらに高い収入を得ることも可能です。
ある調査では、

  • CTOを開発部門長と定義した場合の年収は2,500万円から3,300万円
  • システムマネージャーと定義した場合は1,600万円から2,200万円

とされています。
いずれにしろ、企業のサービスを統括する重要な役割を担うため、高額な報酬が支払われています。

最新のCTOに求められるスキル

最新のCTOに求められるスキル

最高技術責任者(CTO)を目指す際に求められる能力を説明します。
CTOに求められる主な能力は以下の3点です。

  • 技術の運用と活用方法を検討する論理的思考力
  • 事業運営や経営の視点を持つマクロな視野
  • リーダーシップを発揮できる人間性

CTOに就くためには、これらの資質を備えていることを実績で示す必要があります。

思考力の向上による技術活用法の模索

CTOには単なるIT知識だけでなく、技術をどのように活用するかを検討する力が求められます。
コスト面や期限を考慮しながら、新技術の導入を多角的に検討する必要があります。
企業の利益拡大に向けて、最適なソリューションを見出すにはどのようなITを活用すべきか、その判断力がCTOには不可欠です。
新技術の採用は、エンジニア界隈での話題性や優秀な人材確保にもつながる可能性があります。
CTOは他のエンジニアよりも広い視野を持ち、ITについて深く考える資質が求められます。

経営戦略に基づくマクロ経済分析

最高技術責任者は、単に技術的側面のみならず、事業運営や経営の観点からも広範な視野を持つ必要があります。
たとえ卓越した技術であっても、企業にとって導入することが適切であるとは限りません。
状況によっては、ビジネス戦略を考慮した上で、代替の技術を検討することも肝心です。

人間性に富むリーダーシップ

最高技術責任者には、単なる技術力だけでなく、リーダーシップを発揮できる人格も求められます。彼らは開発チームに対して指示を出し、目指すべき方向性を示す必要があります。
時には部下のエンジニアに厳しく注意し、激励することも求められるでしょう。
人間性に欠けると、部下が付いてこなくなり、チームが機能不全に陥ってしまいます。
最高技術責任者には、人間としての振る舞いやマネジメント能力が重要な要素となるのです。

CTOとCEO、CIO、技術責任者の違い

CTOとCEO、CIO、技術責任者の違い

経営陣の役職である最高技術責任者(CTO)、最高経営責任者(CEO)、最高情報責任者(CIO)、および技術部門責任者(VP of Engineering)の相違点について説明します。
これらの肩書きは似通っているため、しばしば混同されますが、実際には異なる職務内容を有しています。
今回は、それぞれの役割の違いを理解する良い機会ですので、しっかりと把握しておきましょう。

最高指揮者

企業の最高指揮者と呼ばれるCEO(Chief Executive Officer)は、その名の通り、会社全体の経営に関する最終決定権を持つ役職です。CTOと同様に、この役職はアメリカで誕生しました。
CTOが技術面の意思決定を担うのに対し、CEOは企業全体の運営に関する判断を下す立場にあります。
したがって、CEOの責任範囲はCTOよりも広範にわたります

最高情報責任者の役割と重要性

企業における情報技術の最高責任者を指す役職がCIO(Chief Information Officer)です。
この役割は、

  • 会社の情報戦略を立案し
  • 情報システム
  • データ管理
  • IT関連リスクの管理を統括します

CIOは

  • 企業のデジタル化を推進し
  • 業務の効率化
  • コスト削減
  • ITを活用した経営戦略の策定
  • IT投資計画の立案

などを任務としています。
CEOがIT全般を監督する役割と比べると、CIOの職務範囲は若干異なりますが、CEOがCIOを兼任することもあります。
また、情報システム部門の責任者がCIOと呼ばれることも多くあります。

技術責任者

開発チームのトップとしてマネジメントを担うのが、エンジニアリングの副社長の役割です。

  • 開発部門の責任者や人事担当者が近い立場となるでしょう。
  • 新人エンジニアの育成計画の策定や、プロジェクト全体の管理業務を行う必要があります。
  • エンジニアチームの成長と他部門との連携を図ることが主な任務です。

エンジニアリングの副社長には高いリーダーシップ力と問題解決能力が求められます。
最新技術の導入に取り組む最高技術責任者とは、役割が少し異なります。
例えば

メルカリ
ヤフー
アカツキ

などの企業では、エンジニアリングの副社長のポジションが設けられています。
日本企業では、最高技術責任者とエンジニアリングの副社長の役割が分かれていないケースも多いです。
一方、アメリカの企業では両者の存在が不可欠と考えられています。エンジニアリングの副社長がいれば、最高技術責任者は最新技術の研究に専念できるからです。
近年、技術の変化が激しいため、最新技術の研究は欠かせません。

概要

概要

この記事では、CTOの役割と責任について説明しました。
CTOは企業の成功を左右する重要な存在であり、その職務には多大な負担がかかります。
しかし、その分高額な報酬を提示する企業も多く、高収入を望む方にとって魅力的な職種と言えるでしょう。
IT業界で働く方は、CTOの仕事内容を理解しておくことが重要です。
また、CTOを目指す場合は、

  • リーダーシップやビジネスマインドを磨き
  • 広い視野を持つこと

が不可欠です。

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この記事がみなさまのお役に立てば幸いです。