エンジニアは状況に応じて、コマンドラインインターフェースとグラフィカルユーザーインターフェースを使い分けて作業を行います。
一般的にパソコンを利用する際は、グラフィカルユーザーインターフェースを使用するユーザーが圧倒的に多数を占めますが、コマンドラインインターフェースを活用する理由は何なのでしょうか。
ここでは、
- コマンドラインインターフェースとグラフィカルユーザーインターフェースの違い
- それぞれの長所・短所
- エンジニアがコマンドラインインターフェースを業務で使用する理由
について説明します。
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CUIとGUIの違いは?
CUIとGUIは、コンピューターとユーザーがインターフェースを介して対話する際の手段が異なります。
CUIは文字ベースのコマンドラインインターフェースであり、ユーザーはキーボードからテキストコマンドを入力して操作します。
一方、GUIはグラフィカルユーザーインターフェースで、
- ウィンドウ
- アイコン
- メニュー
などの視覚的な要素を使用し、マウスやタッチスクリーンなどの入力デバイスで操作します。
CUIとは
キャラクターユーザーインターフェース(CUI)とは、キーボード入力によりコマンドを実行する画面のことを指します。
映画やドラマでハッカーが黒い背景に文字だらけの画面を操作しているのを目にしたことがあるでしょう。
これがCUIの一例です。
CUIはコマンドラインインターフェース(CLI)とも呼ばれ、Windowsではコマンドプロンプト、Macではターミナルと称されています。
特定のコマンドを入力することで、
- ディレクトリの移動
- ファイルのコピー
などの作業が行えます。
CUIでコマンドを実行するためのプログラムをシェルと呼びます。
また、シェルやコマンドをテキストファイルに保存し、そのファイルを実行することで、一連の連続した動作を繰り返すこともできます。
このようなファイルをシェルスクリプトと呼び、簡易的なプログラミング言語として扱われることもあります。
GUIとは
GUIは視覚的なユーザーインターフェースを指し、マウスやキーボードを使って画面上で操作を行うものです。
一般的なパソコンはGUIベースであり、私たちにとって親しみやすいインターフェースと言えます。
GUIはテキストのみならず、
- アイコン
- 背景画像
などで構成されており、CUIとは異なる表現方法を採用しています。
CUIとGUIのメリット・デメリット
CUIとGUIには、それぞれ長所と短所が存在します。そのため、開発者は状況に応じて、CUIとGUIを使い分けています。
それでは、CUIとGUIのそれぞれの利点と欠点を確認していきましょう。
CUI | GUI |
---|---|
|
|
CUIのメリット・デメリット
コンピュータの操作インターフェースとして、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)に比べ、キャラクターユーザーインターフェース(CUI)には様々な長所と短所があります。
CUIの最大の利点は、低スペック環境でも動作可能な点にあります。GUIでは画像やアイコンなどの視覚的要素が多用されるため、一定の計算リソースを必要とします。一方、CUIはテキストベースのため、リソース要求が低く抑えられます。そのため、コンピュータの黎明期にはGUIを採用する選択肢はなく、CUIが主流でした。現代でも、ほとんどの機器でCUIが基本的に実装されています。
CUIの他の長所として、キーボード操作のみで済むことが挙げられます。マウスとキーボードを行き来する必要がないため、作業効率が向上します。さらに、シェルスクリプトを活用すれば、繰り返し作業の自動化も可能です。
一方で、CUIには一定の学習コストがかかります。
- ディレクトリ移動、ファイル操作など、基本的な操作コマンドを覚える必要があります。
- また、OSごとにコマンドが若干異なるため、その違いを把握しておく必要もあります。
- さらに、誤ったコマンド入力によりデータが失われるリスクも存在します。例えば、Linuxの「rm -rf /」コマンドは、rootユーザーで実行された場合、システム全体を破壊してしまう危険性があります。
加えて、CUIではファイル/ディレクトリ構造の理解が不可欠です。構造を把握していれば、コマンドですばやく目的の場所に移動できますが、理解が不十分な場合、GUIよりも時間がかかる可能性があります。
以上のように、CUIには一長一短があります。利用目的や環境に応じて、GUIとCUIを使い分ける必要があるでしょう。
GUIの長所と短所
グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の長所は、何よりも直感的な操作性にあります。
コンピューターに詳しくない人でも、アイコンやメニューバーなどの視覚的な表示を見れば、自分の目的を達成するための手順を簡単に理解できるでしょう。
しかし、同じ作業を繰り返し行う場合などの単純作業には不向きです。
例えば、
- 異なるフォルダにある複数のファイルを削除する際、フォルダを移動しながら右クリックで削除を繰り返し、最後にゴミ箱を空にする必要があります。
ファイル数が多ければ多いほど、この作業は手間がかかります。
さらに、GUIを実行するには一定の性能が必要であり、Xubuntuなどの軽量ディストリビューションではGUIが使えない場合もあります。
どうしてエンジニアはCUIを選ぶ?
エンジニアの業務においては、コマンドラインインターフェースの理解が不可欠です。
なぜエンジニアがタスク遂行時にCUIを活用するのか、その背景について説明を加えていきましょう。
- CUIは直感的でない操作が必要なため、一見難しそうに見えます
- しかし、一度習得すれば以下のメリットがあります
メリット | 説明 |
---|---|
効率性 | キーボード操作のみで複雑な処理を実行できる |
柔軟性 | スクリプト化が容易で自動化が可能 |
可搬性 | GUIに依存しないので環境を選ばない |
CUIの習得は一見難しそうですが、長期的な視点で見れば生産性向上に大きく寄与します。
操作できないものが多い
先程の説明の通り、GUIを操作するための十分な性能がなく、CUIでしか操作できない機器が多数存在します。
エンジニアが業務で扱う機器は、企業によっては最新の高性能機器よりも低スペックで古い機器が中心となるケースが多くみられます。
また、Webサーバーなどのインフラ関連機器は、CUIでの操作を前提として設計されています。
そのため、特にインフラエンジニアは日常的にCUIと向き合うことが避けられません。
さらに、ソフトウェアのインストールなど環境構築においても、CUIの操作が必要不可欠となります。
このように、エンジニアの基本的な業務を遂行する上でCUIの知識は欠かすことができません。
CUIには
- メリットもありますが
- CUIでしかできないことが多いため、エンジニアはCUIを使用せざるを得ない
と言えるでしょう。
作業履歴を残しやすい
視覚的なインターフェースを備えたGUIでは、マウス操作によってファイルの移動などの作業が実行されますが、CUIではすべての操作がコマンドラインからの入力によって行われます。
キーボードからの文字入力のみで操作が完結するため、作業の履歴が残りやすく、エラーの原因特定も容易になります。
このような利点からCUIが選択される場合があります。
大量の作業もシェルを使うことで簡単に終えられる
生産性の向上という観点から見ると、コマンドラインインターフェース(CUI)は優れた選択肢です。
個人的な軽量なウェブブラウジングであれば、マウス操作で十分かもしれません。しかし、エンジニアは業務上、大量のデータを扱う必要があります。
- そのようなデータを一つ一つマウスでコピーしたり、ドラッグアンドドロップで移動させたりしていたのでは、作業が終わるまでに一日が経ってしまうかもしれません。
- 一方、CUIを使えば、シェルスクリプトを活用して繰り返し作業を自動化でき、すぐに作業を終えることができます。
このように、作業時間の短縮という点でも、CUIは非常に便利なツールなのです。
自由度が高い
CUIの利用には高い柔軟性があります。
GUIでは、ファイルの削除などの基本操作は右クリックメニューから簡単に行えますが、メニューにない機能を使おうとすると複雑な手順が必要になる場合があります。
一方、CUIではほとんどの操作がコマンドで実行できるため、難易度に大きな違いはありません。
複雑な作業でも簡単に自動化できるなど、活用次第で非常に便利なツールとなります。
まとめ
コマンドラインインターフェース(CUI)は、キーボードを使って文字入力で操作するインターフェースです。
一方、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)は、マウスなどのデバイスを使い、直感的に操作できるインターフェースを指します。
GUIは、視覚的に操作方法が分かりやすいよう設計されており、便利な点が多くあります。
それに対し、CUIは基本的にあらゆる環境で動作し、コマンドのみで簡単に操作できるメリットがあります。
特に技術者の場合、CUIしか選択肢がない環境で作業することも多く、CUIの知識は必須となります。
CUIコマンドは無数にあり、少しずつ知識を深めていけば、より快適にCUIを操作でき、業務効率も向上するでしょう。
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