プログラミングにおける数学の重要性と活用分野

プログラミングを学ぼうと考えている方の中には、数学が苦手だと不安に感じている人もいるかもしれません。
また、プログラマーは理系の職業というイメージから、文系出身者は挫折してしまうのではないかと心配する人も多いでしょう。
しかし、数学が苦手でもプログラミングは可能です。
近年では、文系の学部を卒業してプログラマーとして活躍する人が増えており、プログラマーを理系の職業とみなす傾向は以前ほど強くありません。
この記事では、数学とプログラミングの関係を理解した上で、数学が必要とされるプログラミングの分野について説明していきます。

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数学とプログラミングの関係性

数学とプログラミングの関係性

プログラマーに対して「計算力に長けている」「理系の学歴を持つ者が多数」といった見方をされる人が多いかもしれません。
確かに、コーディングでは学校の算数・数学の授業で学んだ知見を活用する機会が多数存在する他、数学で高得点を収めるための論理的な思考力がプログラミングにおいても求められることがあります。
数学とプログラミングの関連性として、以下の3点が挙げられます。

  • プログラミングと数学は論理を重視する点で共通している
  • AI・統計分野など数学的素養が必要とされる領域もある
  • 数学が苦手でもプログラミングは可能である

論理的思考力が必要になる点でプログラミングと数学は似ている

コーディングと算術の共通点は、どちらも論理的な思考力が必要とされることにあります。
数学では公式を暗記するだけでなく、理路整然と考え、答えを導き出すプロセスが求められます。
プログラミングにおいても同様に、成果を上げるためには合理的に推論し、コーディングを行わなければなりません。
また、数学の知見はアルゴリズムの理解の基礎となります。
プログラミングとはアルゴリズムの構築そのものですので、数学に長けている人はアルゴリズムの設計も容易に行えるはずです。

統計など数学知識が必要になる領域もある

プログラミングには様々な領域が存在し、それぞれ必要とされる知識や能力が異なります。

  • AIや統計の分野では、プログラミングにおいて数学的な素養が求められます。
  • AIの開発においては、微分積分や確率統計、線形代数などの数学知識が不可欠です。
  • AIでは機械学習を用いてビッグデータを処理しますが、その際に大学数学の理論が役立ちます。
  • ただし、AIで扱う数学の範囲は限定的なため、高等数学を網羅する必要はありません。

一方、ビジネスの多様化と企業間競争の激化により、統計処理を活用してデータ分析を行い、マーケティングに生かす企業が増えています。

  • そのため、統計処理に関連するプログラミングスキルを持つ人材のニーズが高まっています。
  • 統計処理のプログラミングでは、統計学の知識に加え、確率分布や標準偏差などの数学的知見が求められます。

プログラミングはできる

デジタル機器やオンラインサービスの領域では、プログラマーの3割から5割程度が文系出身者だと言われています。
近年、文系女子大の卒業生の間でもIT企業が人気を博しており、スキルを身につけたいという思いからプログラミングの道を選ぶ文系女子も増加しています。
プログラミングには数学的素養があまり求められない分野が多数存在します。
後に詳述しますが、数学が必要とされる領域もありますが、一部を除いて高度な数学知識は不要です。
例えば

  • Webプログラマーの場合、小学校レベルの算数力さえあれば十分な場合がほとんどです。

プログラミングで重視されるのは、中高で出題される難問を解くことではなく、論理的に物事を考え、解決策を導き出す力です。
数学と論理思考は似て非なるものであり、数学的課題に時間を要する人でも、論理的に考える力を持つ人は多数います。

数学が必要なプログラミングの分野

数学が必要なプログラミングの分野

プログラミングにおいて数学的知識が求められるかどうかは、従事する領域によって異なります。
数学的素養が必要とされる代表的な分野は次の5つです。

  • 人工知能の開発
  • 統計データの処理
  • 画像解析
  • ゲームソフトウェアの制作
  • テキスト情報の分析

AIの開発

数学の知識は、AIの理論的基盤を理解する上で欠かせない存在です。
ディープラーニングなどの機械学習手法は、数学の原理に基づいて機能しています。
AIシステムの実装後、パラメータの調整を行い、精度向上を図る必要があります。

  • 機械学習の計算理論に関する知見がない場合、インターネット上の無料リソースを参考にして実装することは可能ですが、適切なチューニングを行うのは困難です。

さらに、性能評価においても数学的知見が求められます。

  • AIの性能は要件定義に基づいており、性能測定方法や性能指標について、クライアントと綿密な打ち合わせが不可欠です。
  • 性能評価指標には様々な種類があり、適切な指標はシステムごとに異なります。

統計処理

数値データの解析においては、数理統計学の知識が役立ちます。統計学とは、データの集まりから規則性や傾向を見出す学問です。プログラミング言語としては、

  • Python
  • R

が広く活用されています。現代企業にとって、データに基づく経営判断が不可欠となっており、大量のデータを統計的手法で分析することが求められます。そのため、マーケティングを支援するソフトウェアでは、統計処理を行うプログラミングが必要不可欠です。統計処理のプログラミングでは、

  • 確率分布の利用
  • 標準偏差の算出

が求められます。

画像処理

画像処理のコーディングにおいても数学的知見が必要とされます。
例えば、画像は微分計算が可能です。
画像は離散的な点で構成されているため、隣接する画素の明るさの差分を取ることが微分に相当します。
微分計算には高等数学のような複雑さはなく、数学が苦手な人でも問題なく実行できる場合が多々あります。
しかし、高度な画像処理を行うには線形代数やデジタル信号処理などの学習が不可欠です。

ゲームの開発

ゲーム開発において、数学的知識は不可欠な要素となります。
特に3Dゲームの制作では、数学の理解が欠かせません。
キャラクターの動作をリアルかつ繊細に表現するためには、三角関数などの数学概念を把握している必要があります。
ゲームでキャラクターを動かす際、背景にキャラクターを配置し、

  • 1秒間に30コマまたは60コマの撮影を行い、映像として表示しています。

キャラクターにポーズをさせる場合、

  • 肩や膝の関節を曲げ、指定の角度で回転させます。

このとき、3次元空間での回転の結果を算出しなければなりません。
各コマごとに膨大な計算が必要となるため、計算が苦手な人は作業にストレスを感じる可能性があります。

テキストマイニング

テキストマイニングは、大量の文書データから必要な情報を抽出し、分析する技術を指します。
この手法には、サポートベクターマシンと呼ばれる数学的アプローチが活用されています。
企業では、アンケートやコールセンターで収集した情報をテキストマイニングすることで、課題や問題点を特定しています。

まとめ

まとめ

プログラミングには様々な領域が存在し、それぞれの分野で重視されるスキルや知識は異なります。
数学的素養があまり求められない領域もあれば、高等教育レベルの数学力が必要とされる領域もあります。
プログラマーを目指す方は、自身の関心分野を明確にし、特定の領域に特化することをお勧めします。

  • 求められる能力を備えていれば、採用時に有利になるだけでなく、希望する業務に従事しやすくなります。

特にフリーランスを志す方は、特定分野での卓越した能力が重要視されます。

AIやゲーム開発のように数学力が役立つ分野もあれば、
グローバル企業との取引では語学力が有利になる場合もあります。

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