ビットコインの流行により注目を集めた革新的な技術が「ブロックチェーン」です。
ブロックチェーン技術を活用した開発や研究を行うブロックチェーンエンジニアは、今後有望な職種と言えますが、新しい分野ゆえに詳しい人材が不足しています。
ブロックチェーンエンジニアは幅広い領域で活躍できる可能性を秘めた職種であり、関心のあるメソッドは早期の調査が重要です。
そこで本記事では、ブロックチェーンエンジニアの概要、業務内容、必要スキルを解説し、需要や報酬、具体的な募集状況などを確認します。
特に以下の方々にご一読いただきたいです。
- ブロックチェーン分野に興味のあるエンジニアの方
- ブロックチェーンエンジニアを志す方
- ブロックチェーンエンジニアの需要や報酬を知りたい方
- ブロックチェーンエンジニアに求められるスキル・知識を知りたい方
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ブロックチェーンエンジニアとは
ブロックチェーンは分散型台帳技術の一種です。
ブロックチェーン開発者が活用するプログラミング言語は以下の通りです。
- Solidity
- Go
- Rust
- JavaScript
また、ブロックチェーン分野で求められるその他の能力は以下の通りです。
能力 | 説明 |
---|---|
暗号化の知識 | ブロックチェーンは暗号化技術を活用しているため |
分散システムの理解 | ブロックチェーンは分散型のシステムであるため |
ネットワークの知識 | ブロックチェーンはネットワーク上で動作するため |
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは分散型データベースであり、「分散型台帳技術」と呼ばれています。この技術は、ビットコイン(仮想通貨)の基盤として、「サトシナカモト」氏によって考案されました。
ブロックチェーンでは、データをブロックという単位で連結して保存し、ユーザー間で分散して共有・管理されます。特定の管理機関にデータ管理権限が集中しないため、データ連携が円滑になり、セキュリティも向上するのが特徴です。
- 一部のコンピューターでデータ改ざんが行われた場合でも、他のコンピューターの多数決によって正しいデータが選択されるため、不正取引やデータ改ざんを防ぐことができます。
このため、近年ブロックチェーンは金融分野のみならず、様々な分野で導入が進められています。
ブロックチェーンエンジニアの仕事内容
ブロックチェーン技術者の職務は、主に2つの領域に大別されます。金融業界のみならず、通信やITなどの分野においても、高度な専門性を持つ職種として注目されています。
- ブロックチェーン技術を活用したサービスの開発
ブロックチェーンの活用により、アプリケーションやデジタルコンテンツ、さまざまなサービスを構築する業務です。電子決済サービスやシェアリングサービスなど、ブロックチェーンを活用したアプリケーションが該当します。
- 新規ブロックチェーン技術の開発および研究
ブロックチェーン技術者は、独自のブロックチェーン技術の開発や研究を行うこともあります。ブロックチェーンはまだ発展途上の技術であり、大手企業を中心にアルゴリズムなどの研究が進められています。
ブロックチェーン技術者の仕事(求人・案件)内容を早速確認しましょう↓
プログラミング言語の選択
ブロックチェーン技術の実装には、様々なプログラミング言語が活用されています。主要な言語としては、以下の4種類が中心的な役割を果たしています。
- JavaScript
ブロックチェーンのWebサービスにおいて、JavaScriptが広く利用されています。多数のブロックチェーン関連ライブラリを活用することで、Webアプリケーションの開発が可能となります。
- C++
ビットコインなど、ブロックチェーン技術の先駆けとなったプロジェクトでは、C++が開発言語として採用されています。C言語との高い互換性と、Javaなどのオブジェクト指向言語との構文的類似性から、C++の理解は他の言語の習得にも役立ちます。
- Go言語
イーサリアムのクライアントソフトウェア「Go Ethereum」の開発には、Go言語が必須となります。ビットコインキャッシュの開発にも利用されているGo言語は、C++などに比べて習得が容易であり、初心者にも適した言語と言えます。
- Solidity
イーサリアム上で動作する分散型アプリケーション「DApps」の開発には、Solidityが使用されます。JavaScriptとの文法的類似性から、JavaScriptの経験があるエンジニアであれば、Solidityの習得も容易となります。
必要なプログラミング言語以外のブロックチェーンの知識・スキル
ブロックチェーンエンジニアには、プログラミング言語に加えて、さまざまな知識とスキルが必要とされます。
まず、ブロックチェーン技術の全体像を把握することが重要です。
また、暗号理論に関する深い理解も求められます。
- ハッシュ関数や電子署名などの仕組みや種類を熟知しておく必要があります。
さらに、ソフトウェア開発のスキルも欠かせません。
- データ構造や分散型データベースに関する知識と実践経験があれば、選択肢が広がるでしょう。
ブロックチェーンが活用されているサービス
ブロックチェーン技術は、様々な分野で活用されています。暗号資産の流通と管理が代表的な用途ですが、それ以外にも、製品情報の追跡や自動化された契約の実行など、幅広い適用が期待されています。
- 分散型デジタル通貨の運用
ブロックチェーンは、中央管理者を介さずに当事者間で直接送金できる仕組みを提供します。従来の発行体に代わり、自治体や企業が独自の通貨を創設することも可能です。
- 製品履歴の透明化
ブロックチェーンの改ざん耐性を生かすことで、食品の生産地や原材料情報などを高い信頼性で管理・公開できます。不正表示のリスクを低減する効果が期待されています。
- 自動執行型契約の実装
取引条件をプログラムとしてブロックチェーン上に組み込むことで、当事者間で安全な契約を結ぶことができます。契約内容の改変が困難であり、履行状況を公開して監視することも可能です。
ブロックチェーンエンジニアの需要
ブロックチェーンの技術は、現代においてAI(人工知能)と同等の需要が見込まれる高度なスキルセットと見なされています。
ビジネス向けSNSのLinkedInが2020年1月に実施した企業が求める能力に関する調査では、
- 専門知識やスキルに分類されるハードスキルの中で、ブロックチェーン技術が首位に位置づけられています。
さらに同調査によれば、
- MicrosoftやAmazonといった世界的大手企業においても、ブロックチェーンのビジネス活用が進行中であることが明らかになっています。
これらの事実を勘案すれば、ブロックチェーンエンジニアに対する需要は現時点でも極めて高く、今後さらにその傾向が高まっていくことが予想されます。
ブロックチェーンエンジニアの案件(求人)・報酬 (2024年6月)
ブロックチェーン技術者の仕事の具体例や給与水準について説明していきます。
- ブロックチェーンシステムの設計・開発
- スマートコントラクトの作成
- 分散型アプリケーション(DApps)の開発
- ブロックチェーンネットワークの保守・運用
経験年数 | 年収 |
---|---|
1年未満 | 400万円〜600万円 |
1年以上3年未満 | 600万円〜800万円 |
3年以上5年未満 | 800万円〜1,000万円 |
5年以上 | 1,000万円以上 |
ブロックチェーンエンジニアの案件(求人)2024年6月
ブロックチェーン技術に関連する開発案件は多岐にわたり、フリーランス向けのプラットフォームでは、以下のような案件が提示されています。
- 暗号資産システムの構築【使用技術】C#、CSS3、ASP.NET、HTML5、JavaScript【報酬水準】月額80万円【業務内容】ビットコインなどの暗号資産やブロックチェーン関連の開発業務を担当。暗号資産の販売所・取引所、各種サービスプラットフォームの設計から開発まで幅広く携わる。
- 暗号資産企業におけるクラウド基盤構築【使用技術】AWS【報酬水準】月額85万円【業務内容】ブロックチェーンサービスを提供する企業のインフラ構築を担当。AWSまたはGCPでの設計・構築経験2年以上、またはスクリプト開発経験者が求められる。
- 暗号資産取引所の開発【使用技術】Vue.js、JavaScript、Go言語【報酬水準】月額50~70万円【業務内容】すでにサービスを開始している大手暗号資産取引所の取引システムやディーリングシステムのフロントエンド開発を担当。要件定義から関与する必要がある。
ブロックチェーンエンジニアの報酬
ブロックチェーン技術者の収入は、年間で600万円から1,000万円程度が期待できます。
まだ普及段階にあるブロックチェーンを扱える専門家が不足しているためです。
ブロックチェーンのスキルを身につけるには、技術面だけでなく金融知識も必要となり、ハードルが高いのが実情です。
そのため、ブロックチェーン技術者は企業にとって貴重な存在となり、採用を促進するために待遇を手厚くする傾向があります。
また、ブロックチェーン技術の需要増加が見込まれることから、報酬水準が現在より下がることは考えにくいでしょう。
ブロックチェーン技術者の求人情報や案件の単価詳細をご覧ください↓
ブロックチェーンエンジニアになるためのおすすめ本
- 『Mastering Bitcoin』は、ビットコインの技術的側面を詳細に解説した名著です。
ブロックチェーンの概要や仕組みを理解するのに最適な一冊といえます。
- 『仮想通貨の教科書』は、実用的な観点から仮想通貨全般について説明しています。
暗号理論、マイニング、通貨の歴史など、幅広い知識を得ることができます。
- 『ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書』は、ブロックチェーン技術を活用したアプリケーション開発について、理論と実践の両面から解説しています。
前半では技術的背景や動向を、後半ではサンプルコードを交えた具体例を紹介しています。
まとめ
分散型データベース技術である「ブロックチェーン」に関連する開発や研究を行うブロックチェーンエンジニアの需要は、近年大幅に高まっています。
ブロックチェーン技術は、以下のように様々な用途に活用されており、世界的な企業も次々とビジネス化に乗り出しています。
- 暗号通貨の流通管理
- スマートコントラクト
- トレーサビリティ
ブロックチェーン技術に加えて、ソフトウェア開発のスキルや暗号に関する理解も必要とされるブロックチェーンエンジニアは、現時点では貴重な存在と言えます。
ブロックチェーンエンジニアを目指す際は、関連書籍を読むことをおすすめします。
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本記事が皆様のお役に立てば幸いです。