多くの人々が認定ホワイトハッカーという資格に関心を持ちながらも、その実態を把握できていないのが現状です。
日本国内では認知度が低く、受験方法や学習アプローチなどの情報を入手するのが難しい状況にあります。
そこで本稿では、認定ホワイトハッカーに関する基礎的な知見をまとめました。
- 試験の難易度
- 出題範囲
- 推奨される参考書
などの詳細について解説していきます。
本稿を通じて、認定ホワイトハッカーという資格の本質を理解し、受験の是非を判断する一助となれば幸いです。
関心のある方はぜひ参考にしてください。
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認定ホワイトハッカーとは
ここでは、不正アクセスや情報漏洩などの脅威から保護するための技術的な能力を評価する、EC-Councilが認定する国際的な資格について説明しています。
正式名称はCertified Ethical Hackerですが、日本では認定ホワイトハッカーと呼ばれることが多くなっています。
国内での知名度は低めですが、海外では信頼性の高い資格として人気があり、特に外資系企業への就職で有利になる場合があります。
この資格を取得することで、ウェブサービスなどのネットワーク環境における脆弱性を発見し、適切な対策を講じるためのスキルを身につけることができます。
常時接続されているサービスでは外部からの不正侵入のリスクが高まるため、そうした脅威に対する防御対策は必須と言えるでしょう。
ホワイトハッカーとは?
コンピュータやネットワークに関する専門知識を持つ人を指す言葉として、ハッカーという呼称が使われています。しかし、この言葉には犯罪者を連想させる負のイメージもあります。
実際には、ハッカーは不正アクセスなどの違法行為を行う人だけを指すわけではありません。
ハッカーは、
- ホワイトハッカー
- ブラックハッカー
の2つに分類されることがあります。
ホワイトハッカーは、高度なIT技術を活用してサイバー攻撃から守る役割を担っています。一方、ブラックハッカーは不正アクセスなどの犯罪行為に手を染める存在です。
ホワイトハッカーは、以下のような業務を行います。
- プログラムのセキュリティ強化
- ネットワークやサーバーの監視・メンテナンス
このようなハッキング対策の専門家は、ITベンダーだけでなく、一般企業や公的機関からも求められています。
サイバー攻撃のリスクが高まる中、ホワイトハッカーの重要性は増しています。
GSXのCEHコース
CEHコースは、GSXが運営する認定ホワイトハッカー資格取得を目指すためのプログラムです。
日本語版の認定試験を受けるには、基本的にEC-Council公認のトレーニングを修了する必要があります。
国内ではGSXが唯一の販売代理店となっています。
このコースでは、資格合格に必要なハッキング対策に関する基礎知識を習得できます。
- 講義は日本語で行われ、講師も日本人です。
- CEHコースはオンライン受講も可能です。
- 申し込みの際は、公式サイトから受講日程を選択します。
認定ホワイトハッカー試験概要
本文書では、公認のホワイトハッカー資格に関する詳細情報を纏めています。
- 公認ホワイトハッカー資格の概要
- 試験の出題範囲
- 受験者数
- 合格率と難易度
- 申請手続きの流れ
- 資格の有効期間
- 学習に必要な時間
認定ホワイトハッカーの詳細
ここに認定ホワイトハッカーの詳細をまとめました。
- 試験の実施場所は全国の会場またはオンラインから選択可能です。
- 試験日時は希望する日程を指定することができます。
- 試験時間は4時間です。
- 出題形式は選択式問題で、問題数は125問です。
- 合格基準は70%以上の正解率が必要です。
- 受験料は547,800円(税込)でGSXのCEHコース受講料が含まれています。
- 物理テキストが必要な場合は、別途33,000円(税込)が加算されます。
- 受験資格(日本語版)としては、EC-Council公式トレーニングコースの修了が義務付けられています。
認定ホワイトハッカーの出題範囲
ここでは、認定ホワイトハッカーの試験範囲について紹介します。
- 情報セキュリティと倫理的ハッキングの概要
- 倫理的ハッキングの紹介
- リコネッサンス手法
- フットプリンティングとリコネッサンス
- ネットワークのスキャン
- 列挙
- システムへの攻撃フェーズと手口
- 脆弱性分析
- システムへの侵入
- マルウェアの脅威
- ネットワークとペリメータへの侵入
- スニッフィング
- ソーシャルエンジニアリング
- サービス妨害攻撃
- セッション乗っ取り
- IDS、ファイアウォール、ハニーポットの回避
- Web アプリケーションへの攻撃
- Web サーバーへの侵入
- Web アプリケーションへの攻撃
- SQLインジェクション
- 無線ネットワークへの攻撃
- 無線ネットワークへの侵入
- モバイルプラットフォーム、IoT、OTへの攻撃
- モバイルプラットフォームへの侵入
- IoTおよびOTへの攻撃
- クラウドコンピューティング
- 暗号化
認定ホワイトハッカーの受験者数・合格率・難易度
認定ホワイトハッカーの受験者数と合格率については非開示となっています。この資格は、IT資格の中でも難易度が極めて高いと考えられています。
セキュリティに関する高度な知識が求められるだけでなく、日本語の参考書が少ないため、スムーズな学習が難しい場合も多くあるためです。
合格を目指す方は、十分な学習時間を確保する必要があります。
セキュリティ関連で有名な資格に、情報セキュリティマネジメント試験があります。
この試験では、セキュリティの基礎知識に加えて、
- システム監査
- 経営管理
など、関連分野の幅広い知識が問われます。
出題範囲は広範囲に及びますが、問われる知識は基本的なものが多いため、認定ホワイトハッカーに比べると初心者でも取得しやすいと言えるでしょう。
令和4年度春期の合格率は61.2%と高めです。
セキュリティ関連の知識に自信がない方は、情報セキュリティマネジメント試験などの基礎的な資格から取得することをお勧めします。
認定ホワイトハッカーの申し込み手順
認定ホワイトハッカー資格の取得プロセスについて説明します。日本語版の試験を受けるには、GSXのCEHコースの修了が必須条件となります。
コース修了後、試験申込から受験までの手順は以下の通りです。
【試験会場での受験手順】
- ピアソンVUE対応の試験バウチャーへのアップグレードを申請する
- ピアソンVUEにアカウントを作成(未作成の場合)
- ピアソンVUEで試験日時と会場を予約する
- 完了通知メールが届く
- 指定の日時・会場で受験
詳細な受験方法については、こちらのリンクを参照してください。
【オンライン受験手順】
- オンライン受験が可能かシステムテストを実施する
- RPSアップグレード希望のメールを送信する
- 送付された試験バウチャーから試験を予約する
- 予約した日時にオンラインで受験
オンライン受験の詳細については、「こちら」のリンクを参照してください。
認定ホワイトハッカーの有効期限
認定ホワイトハッカーの資格を保持し続けるためには、年会費の支払いに加えて、一定のポイントを獲得することが求められます。このポイントは、セキュリティ関連の活動に従事していることを示す証となるものです。
資格を更新するには、3年間で120ポイントを取得する必要があります。
認定ホワイトハッカーの勉強時間
認定ホワイトハッカーの資格取得は高度な難易度を伴うため、相当な学習時間を確保する必要があります。
目安として、合格に向けて500時間前後の勉強が求められるでしょう。
セキュリティに関する基礎知識がない場合、さらに多くの時間を要することもあり得ます。
長期にわたる学習が避けられないため、事前に学習計画を綿密に立て、モチベーションを適切に維持することが肝心です。
認定ホワイトハッカーの資格取得のメリット
認定ホワイトハッカーの資格を取得することによる恩恵は主に2点あります。
- 一つ目は、セキュリティに関する専門的な知識と技術を習得できること
- 二つ目は、グローバル企業への就職や転職の際に有利に働く可能性があること
加えて、一部の企業では資格取得者に対して手当てや報奨金が支給される場合もあります。
以下に、それぞれの利点について詳しく説明していきます。
セキュリティ関連のスキルが身につく
資格取得に向けた学習を通じて、現代のサービス提供に不可欠なセキュリティ関連の技能を習得することができます。
攻撃者の視点から侵入手段を学ぶことで、適切な防御策を根本から理解することが可能になります。
セキュリティ専門家やサーバー管理者として更なる知見を得たい方に、この資格は推奨できるでしょう。
転職に役立つ外資系企業への転職
外国資本企業では、認定ホワイトハッカーの資格を高く評価する傾向にあります。
高収入を得やすい反面、人気が高く、転職が難しいと言われています。
このような難易度の高い資格を取得すれば、外国資本企業への転職の可能性が高まります。
また、今後、日本国内でも認知度が上がれば、外国資本企業以外でも評価される見込みがあります。
ハッキング対策のスキルを持つ人材は、多くの企業にとって必要不可欠だからです。
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
認定ホワイトハッカーの資格を取得すれば、手当や賞与の支給対象となる機会が生まれます。
- 月額5,000円から10,000円程度の手当が一般的な水準とされています。
- 長期間勤務すれば、その分だけ受け取れる金額も増えていくことでしょう。
企業側としても、資格取得を通じて従業員のスキルアップを図りたいと考えているため、手当や賞与制度を設ける例が多数見受けられます。
認定ホワイトハッカーの資格取得のデメリット
認定ホワイトハッカーの資格を取得する際の欠点は2点あります。
- 一つ目は、受講料の支払いが必要となることです。
- 二つ目は、学習に費やす時間を確保しなければならないことです。
それぞれの欠点について、より詳しく説明していきましょう。
受講料の支払いが必要
ホワイトハッカーの国内試験に合格するには、GSXが提供するCEHコース修了が義務付けられています。
このCEHコースには547,800円(税込)の受講料が必要となります。
5日間の短期集中コースであるため、高額な費用を支払うことに抵抗を感じる人も多いかもしれません。
しかし、ホワイトハッカー資格を取得すれば、以下のメリットがあると言えるでしょう。
- 高給与の外資系企業への就職機会が広がる可能性がある
つまり、コース費用に見合うメリットがあると言えます。
勉強時間を確保する必要がある
ホワイトハッカーの認定資格は、IT資格の中でも高度な難易度を誇り、十分な学習期間を設けることが不可欠です。
- 仕事の多忙さから勉強時間を確保できない人もいるかもしれません。
- また、長期間にわたる学習が必要なため、道半ばで挫折してしまう可能性も存在します。
セキュリティ分野の知見に自信がない方は、情報セキュリティマネジメント試験などの他のIT資格を通じて基礎を固めてから、この資格に挑戦するのが賢明かもしれません。
認定ホワイトハッカー合格のためのおすすめの参考書や学習方法
認定ホワイトハッカーの資格取得を志す方向けに、推奨される教材や学習アプローチをご紹介します。
おすすめは以下の3点です。
- GSXが提供するCEHコースの受講
- CEH Pocket Prepアプリケーションの活用
- 参考書「CEH Certified Ethical Hacker Practice Exams」の活用
GSXのCEHコースを受講する
ホワイトハッカーの認定を取得するには、GSXが提供するCEHコースを受講し、基礎的な知見を習得することが不可欠です。
このCEHコースでは、5日間の期間で、以下の内容を学ぶことができます。
- セキュリティ対策の手法
- ハッキングに使用されるツール
ただし、受講に先立ち、以下の予備知識を身に付けておくことが推奨されています。
- CCNAレベルのネットワーク知識
- LPIC Level1相当のLinuxに関する知見
- Wiresharkやtcpdumpなどのツールの操作方法
CEHポケットプレップアプリを活用する
CEHの資格取得に向けた準備を行うためのアプリケーションを活用することができます。
そのアプリでは、合格に必要な700問以上の問題に取り組むことが可能です。
ホワイトハッカーの認定は高度な難易度があり、長期間の学習が求められるため、楽しみながら学習を進められるようなアプリを利用することで、モチベーションを維持しやすくなります。
さらに、アプリであれば空き時間を活用して手軽に学習を行えるため、多忙な方にも適しているでしょう。
CEH 認定エシカルハッカー 実践問題集
この参考書は、CEH認定試験の準備に役立つ問題集として推奨されています。
- 550を超える問題が収録されており、ホワイトハッカーとして必要な知識を着実に身につけることができます。
- 実際の試験に近い形式の問題も多数掲載されているため、GSXのCEHコース教材に加えて活用すれば、理解が不十分な部分を補完できるでしょう。
まとめ
この記事では、認定ホワイトハッカーという資格について説明しました。
認定ホワイトハッカーとはどのような資格なのか、理解していただけたと思います。
確かに難易度は高めですが、取得すれば外資系企業を中心にセキュリティエンジニアとして高く評価されるため、おすすめの資格です。
ハッキングから身を守る人材を多くの企業が求めているためです。
認定ホワイトハッカーを機に、ハッキング対策の知識を身につけるのも良い選択肢でしょう。
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この記事が皆様のお役に立てば幸いです。