Pythonフレームワークのまとめ【2024年6月版】

Webアプリケーションの構築やAI(人工知能)の開発においては、Pythonのフレームワーク選定が重要な課題となります。
現在、Pythonフレームワークや機械学習・ディープラーニングのフレームワークが多数存在しているため、フリーランスエンジニアの方々は、どのフレームワークを使用するべきか、どのフレームワークを習得すべきかで迷うことがあるでしょう。
特に、フリーランスエンジニアの方々は、案件を探す際に特定のフレームワークの経験が求められたり、そのフレームワークの開発経験があれば高い単価が期待できることが多いのが実情です。
本記事では、フリーランスエンジニアの方々に向けて、フレームワークの概要と、おすすめのPythonフレームワークについてご紹介します。

  • フリーランスエンジニアとして活躍中の方はもちろん、今後フリーランスを目指すエンジニアの方にもお役立ていただける内容となっています。

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Pythonフレームワークとは?

Pythonフレームワークとは?

Pythonを用いて機械学習、ディープラーニングなどのAI技術やWebアプリケーションを構築する際の基盤となるソフトウェアがPythonフレームワークです。
つまり、共通するコード群に機能を付加して形作られた枠組みということです。
AI分野やWebアプリケーション開発では、莫大な量のプログラミングが必要不可欠です。
しかし、フレームワークを活用することで、プログラムの記述量を大幅に削減し、作業工数を低減することができます。
経験の浅い開発者でも、セキュリティ面での配慮がなされたプログラムを作成することが可能となります。

フレームワークとライブラリの違い

フレームワークとライブラリの違い

フレームワークとライブラリの違いを簡潔に説明します。

フレームワークは、特定のオペレーティングシステム向けアプリケーションの標準的な構造を実装するためのクラスやライブラリの集合体です。つまり、一般的に必要とされる機能を事前に用意した枠組みや骨格のことを指します。

一方、ライブラリは、汎用性の高い複数のプログラムをひとつにまとめたものです。クラスや関数などのソースコードの部品が提供されるパーツの集まりと言えます。

Pythonフレームワークを利用するメリットデメリット

Pythonフレームワークを利用するメリットデメリット

Pythonフレームワークの活用には、様々な利点と欠点があります。

長所:

  • 開発プロセスの効率化

フレームワークには、テンプレート、再利用可能なコンポーネント、ライブラリ、APIなどが含まれており、これらを活用することで、コーディングの手間が大幅に軽減されます。信頼できるフレームワークを導入すれば、短期間で高品質のアプリケーションを構築できます。

  • コード統一性の維持

チーム開発においては、フレームワークの共通ルールに従うことで、個々のエンジニアによるコーディングスタイルの違いを最小限に抑えられます。これにより、作業効率と開発スピードの低下を防ぐことができます。

  • バグリスクの低減

フレームワークは、テスト済みのコンポーネントで構成されているため、自力でコーディングする場合に比べてバグが発生するリスクが低くなります。

欠点:

  • 学習コストの発生

Pythonの基礎知識に加え、フレームワーク固有の構文や機能を習得する必要があり、一定の学習時間が必要となります。特に情報が少ないフレームワークの場合、習得が難しい可能性があります。

  • 有料フレームワークの存在

一部のPythonフレームワークでは、利用料金が発生します。事前に十分な調査を行い、適切なフレームワークを選択することが重要です。

Pythonフレームワークの求人案件をチェックしてみましょう↓

Pythonフレームワークの市場動向

Pythonフレームワークの市場動向

プログラミング言語Pythonは、技術的にも安定しており、開発者の人口が年々増加しているため、Pythonを用いたフレームワークへの需要も高まっていくことでしょう。

2030年までに、IoTやAI(人工知能)などの先端技術を担うIT人材が55万人不足すると予測されています。
特に、

  • TensorFlow
  • Keras
  • Pytorchなど

の機械学習・ディープラーニングフレームワークを活用した開発が今後拡大する可能性が高いと考えられます。

ただし、フレームワークには流行の移り変わりがあり、新しいものが次々と登場しています。
そのため、常に最新の市場動向を把握し、知識を更新し続けることが重要です。

おすすめのPythonフレームワーク10選

おすすめのPythonフレームワーク10選

PythonはWebアプリケーションからAI(人工知能)分野の機械学習やディープラーニングまで、近年注目を集めている開発言語となっています。
YouTubeやDropbox、Reddit、Instagramなど多くのサービスでPythonが活用されており、求人案件数も年々増加しています。
そのため、機能が豊富なフレームワークから軽量化を目指したものまで、様々なPythonフレームワークが使用されています。
本章では、Python開発時によく利用されるPythonフレームワーク10選をご紹介しますので、フリーランスエンジニアの方はぜひ興味のあるものを確認してみてください。

Django

Webアプリケーション開発におけるオープンソース技術の代表格として、2005年にリリースされたDjangoは、Pythonベースのフレームワークの中で最も広く利用されています。
大規模システムの構築に適しており、ユーザー認証やRSSフィードなどの機能を備えているため、Webシステム開発を効率的に行えるのが特徴です。

  • InstagramやPinterestなどの有名サービスでも採用されており、Python開発者にとって習得が推奨されるフレームワークの一つとなっています。
  • 求人案件でも開発経験が求められることが多く、Pythonエンジニアにとって重要なスキルセットの一つと言えます。

bottle

bottleは、Web向けのPythonフレームワークとして非常にシンプルな設計となっています。
WSGIという仕様に準拠しているのが特徴で、これはWebサーバーとWebアプリケーションを接続するためのインターフェイスを定義するものです。
簡潔な仕組みを把握すれば十分に活用できるため、Pythonフレームワークの初学者にとって適しています。
小規模から中規模のWebアプリケーション開発に向いており、Pythonエンジニアにとっては習得しておくべきフレームワークの1つと言えます。

Flask

Flaskは、Pythonで作られたWebアプリケーション開発用のフレームワークです。
bottleと同様にWSGIに準拠しており、マイクロWebフレームワークと呼ばれることがあります。
軽量で必要最小限の機能しか持たないのが特徴です。
FlaskによるアプリケーションはWSGI準拠のHTTPサーバーで簡単に実行できます。

  • 小規模から中規模のWebアプリケーション開発に適しています。
  • Pythonエンジニアにとって、習得しておくべきフレームワークの1つです。

Tornado

Tornadoは、FriendFeedによって構築されたWebアプリケーション向けのPythonフレームワークです。
他のPythonWebフレームワークとは異なり、入出力処理を遅延させ、リクエストを先に受け付けることができる機能を備えています。
この特徴が大きな利点となっています。
2009年にFriendFeedはFacebookに買収されましたが、PythonistにとってTornadoの習得は推奨されています。

Plone

PloneはWebアプリケーション開発のためのオープンソースPythonフレームワークです。
この特徴は、必要な機能がすべて一つのパッケージに含まれていることです。
そのため、

  • データベースやWebサーバーの別途インストールは不要で、Plone単体で利用できます。

主な用途は企業向けコンテンツ管理システム(CMS)の構築ですが、Pythonエンジニアにとっても習得する価値のあるフレームワークの一つと言えます。

CherryPy

CherryPyは、Pythonで構築されたオブジェクト指向のWebアプリケーションフレームワークです。
この枠組みの長所は、

  • わずか数行でWebサーバーを立ち上げられること
  • 軽量であること
  • オブジェクト指向のコーディングスタイルに適していること

などが挙げられます。
CherryPyはリリースから10年以上が経過しており、高速かつ安定した動作が実証されているため、シンプルな開発から複雑な処理まで、様々な開発の現場で活用されています。
Pythonフレームワークの1つとして、Pythonエンジニアにとって習得しておくべきツールの1つと言えるでしょう。

Pyramid

Pythonの世界におけるWebアプリケーション開発フレームワークの中で、Ruby on Railsの影響を強く受けているのがPyramidです。
このフレームワークはWSGI標準を幅広く活用し、機能を個別のモジュールに分割することで構築されています。
小規模から大規模までさまざまな開発に対応できる柔軟性が特徴で、Pythonエンジニアにとって習得する価値のあるフレームワークと言えるでしょう。

TurboGears

TurboGearsは、Pythonで作られたWebアプリケーションフレームワークです。
Ruby on RailsやStrutsと同様に、MVCアーキテクチャに基づいて設計されており、

  • Pythonを使ったWebアプリケーション開発を容易にし、
  • メンテナンスも簡単になるよう開発されています。

さらに、

  • 開発を始めるまでの手順が少なく、
  • 国内での情報量も豊富なこと

が特徴です。
Pythonエンジニアにとって、習得する価値のあるフレームワークの1つと言えるでしょう。

Hug

Hugは、Python 3系のみに特化したWeb APIサーバーの構築を目的とするWebアプリケーションフレームワークです。
このフレームワークは、Pythonで開発されたAPIを可能な限りシンプルに作成することを目指しています。
Hugの特徴は、アルゴリズムをAPI化する際に、ラッピングするだけで動作することです。
他のPythonフレームワークと比べると、Hugはやや小規模ではありますが、関心のあるPythonエンジニアは習得する価値があるでしょう。

Web2py

web2pyは、プラットフォーム横断的に利用可能な簡潔なWebフレームワークです。Windows、Mac、Linuxなど、様々な環境で動作します。web2pyは、データベースとのシームレスな連携や、悪意のあるセキュリティ侵害を防ぐ堅牢な機能を備えています。そのため、セキュリティを重視したフレームワークと言えます。
他のPythonフレームワークと比べると、国内ではあまり知名度が高くありませんが、Pythonエンジニアにとって習得する価値は十分にあるでしょう。

機械学習ディープラーニングフレームワーク4選

機械学習ディープラーニングフレームワーク4選

近年、機械学習とディープラーニングの開発が拡大しています。
将来的にAI(人工知能)関連の開発に従事する際に、経験があると有利となる機械学習・ディープラーニングフレームワークを4つご紹介します。
AI(人工知能)エンジニアや関心のある技術者の方は、詳細をご確認ください。

  • TensorFlow
  • PyTorch
  • Keras
  • Scikit-learn

Tensorflow

TensorFlowは、Googleによってオープンソースとして提供されている機械学習およびディープラーニングに特化したフレームワークです。
当初はテンソル演算を処理するためのライブラリとして開発されたため、計算処理能力が高く、ニューラルネットワークに関する豊富な関数を備えています。
AI(人工知能)や機械学習分野は成長途上にあるため、TensorFlowを活用したサービスの増加が見込まれています。
また、Googleのオープンソースソフトウェアであることから、公開後数か月でユーザー数が急増したことでも知られています。

Keras

ディープラーニングの実装を支援するソフトウェアの一つであるKerasは、TensorFlowやTheanoといった基盤上で稼働するニューラルネットワークライブラリです。
機械学習やディープラーニングの実装を容易にするためのツールセットを指します。
Kerasは初学者にも分かりやすい設計となっているため、機械学習やディープラーニングの学習を始めるエンジニアにとって優れたPythonフレームワークと言えます。

Pytorch

Pytorchは、Facebookが中心となって構築されたディープラーニングのためのプラットフォームです。

  • Pytorchは、ニューラルネットワークの構築に高い柔軟性を備えており、ディープラーニングライブラリの中でも非常に人気が高くなっています。
  • ユーザーコミュニティが年々拡大していることから、他の研究者が作成したコードを見つけやすいというメリットがあります。

NumPy

NumPyは数値演算を行うためのライブラリです。機械学習のみならず、多次元配列や画像・音声処理にも活用できます。
そのため、Pythonの学習時にNumPyも併せて習得することをおすすめします。

  • NumPyの特徴として、C言語並みの高速処理が可能であること
  • 汎用性が高いこと
  • MATLABに近い感覚で利用できること
  • 配列の要素数や型が固定されているため、Pythonの標準リストよりも扱いづらいこと

などが挙げられます。
さらに、NumPyはPandas、SciPy、Scikit-learnなどのライブラリと連携して、大規模データの処理に長けています。機械学習やディープラーニングの開発を志す方は、NumPyの習得が不可欠です。

Pythonフレームワークの求人案件数

Pythonフレームワークの求人案件数

本稿では、フリーランスエージェントが公開しているPythonフレームワーク関連の求人案件数について分析を行います。
2022年2月時点のデータによると、Djangoが891件、Flaskが315件と、この2つのフレームワークが圧倒的に多くの案件数を占めています。
一方で、Bottle、Tornado、Pyramidといった他のフレームワークの案件数は10件前後と少ない状況です。
また、機械学習・ディープラーニング分野でも、TensorFlow、NumPy、Kerasなどの関連案件数は10件以下と低調な結果となっています。

Pythonエンジニアを目指す方や、フリーランスとしてPython関連の案件に携わりたい方は、DjangoとFlaskの両方を学習することが賢明でしょう。
ただし、フリーランスエージェントが保有する非公開求人案件の中には、インターネット上に出回っていない優良なPythonフレームワークを使用するものも多数あります。

  • 複数のエージェントに登録し、非公開案件情報を定期的に入手することをおすすめします。

以下に、実際のPythonフレームワーク求人案件を一覧します。

Pythonフレームワークの月額単価相場

Pythonフレームワークの月額単価相場

この節では、Pythonフレームワークの一般的な月額料金と最高額について説明します。企業で比較的よく利用されているPythonフレームワーク5つの料金水準を確認しましょう。

フレームワーク 月額料金 最高額
Django $0 無料
Flask $0 無料
Pyramid $0 無料
Tornado $0 無料
Web2py $0 無料

上記の5つのPythonフレームワークはすべて無料で利用できます。

Pythonのフレームワークの月額平均単価

さっそく、Pythonのフレームワークに関する月次の平均報酬を検証しましょう。

Pythonフレームワーク 月額単価
Bottle 783,000円
Flask 761,000円
Django 758,000円
Pyramid 707,000円
Tornado 700,000円

Pythonのフレームワークの月次平均報酬を分析すると、

  • Bottleが783,000円
  • Flaskが761,000円
  • Djangoが758,000円
  • Pyramidが707,000円
  • Tornadoが700,000円

となっています。(※ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調査/2022年2月時点)
Bottle、Flask、Djangoは、Pythonのフレームワークの中でも高額な案件が多数存在することが明らかになりました。

Pythonのフレームワークの月額最高単価

Pythonフレームワークの月額報酬を分析しましょう。以下の表を見ると、Djangoが180万円と最高額となっています。
次いでFlaskが121万円、Bottleが95万円、Tornadoが90万円、Pyramidが77万円と続きます。

Pythonフレームワーク 月額単価
Django 180万円
Flask 121万円
Bottle 95万円
Tornado 90万円
Pyramid 77万円

この数値から、

  • Django、Flask、Bottleが他のフレームワークに比べて高額な案件が多いこと

がわかります。
したがって、Python高単価案件に携わりたいフリーランスエンジニアは、Django、Flask、Bottleを中心に求人を探すのが賢明でしょう。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用するのも良いでしょう。

Pythonフレームワークのトレンド

Pythonフレームワークのトレンド

人気のあるPythonフレームワークを把握するため、Googleトレンドを活用して検索頻度を調査しました。
前章で求人案件数が多かった順にPythonフレームワークを比較対象としています。
その結果、

  • Django
  • NumPy
  • Pytorch
  • Tensorflow
  • Flask

の順で検索されていることがわかりました(2022年2月時点)。
求人案件数が最多のDjangoが、関心度においても首位であることが確認できました。
一方で、求人案件数で2位だったFlaskは、機械学習やディープラーニングのフレームワークよりも世間の注目度が低いことが明らかになりました。
以上を踏まえ、Pythonエンジニアを目指す方は、

  • Django
  • NumPy
  • Pytorch
  • Tensorflow
  • Flask

の順を参考に学習を進めることをおすすめします。

まとめ

まとめ

この記事では、Pythonフレームワークの概要と推奨されるフレームワークについて説明しました。
開発の効率化にはフレームワークの活用が有益です。
現在ではDjangoが有名ですが、NumPyやTensorflowも注目されています。
しかし、フレームワークは流行が移り変わり、新しいものが常に登場しています。
そのため、最新情報を確認し続けることが重要です。
開発の規模や分野を考慮し、慎重に選択することをお勧めします。

  • ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」をご利用ください。
  • 開発言語の単価も確認できます。
  • フリーランスを検討中の方にもおすすめです。

この記事がお役に立てば幸いです。