中年期に異業種への転職を決意することは、かなりの勇気が求められるでしょう。
特に専門性の高い職種への就職を望む場合、不安に駆られるのは自然なことです。
結論から言えば、50代でエンジニアとしての転職は容易ではありません。
しかし、不可能ではなく、成功のためのコツを把握することが肝心です。
本稿では、以下について解説します。
- 50代からエンジニアへの転職方法
- 需要動向
- 平均年収
最後までご一読いただければ幸いです。
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50代未経験でエンジニアに転職できる?
中年期に専門職への転職を果たすことは、簡単なことではありません。特に、その業界での経験がない場合はなおさらです。
若年層であれば、未経験からでも将来的に経験を積む時間的余裕がありますが、中年期ではそのような猶予はほとんどありません。
採用側も、未経験の中年転職者よりも、若手層の方が望ましいでしょう。
このような状況から、中年の未経験者が専門職に転職するのは極めて困難です。
しかし、困難であるということは不可能ではありません。
実際に、中年期の未経験者でも専門職に転職した例は存在します。
ただし、若年層と同様の転職活動では、専門職への転職は実現できません。
中年期から未経験で専門職を目指すには、以下が不可欠です。
- 若手に劣らないモチベーションを維持すること
- これまでの人生で培った経験から生まれる魅力を、アピールすること
未経験から50代でエンジニアに転職するメリット
50代で未経験からエンジニア職への就職は現実的に困難な状況にあります。
しかし、転職を決意した以上は、「必ず就職を果たす」という強い意欲を持ち続けることが重要不可欠です。
そうした熱意を維持するためにも、エンジニア転職のメリットを理解しておくべきでしょう。
- メリット1
- メリット2
- メリット3
将来性が高く、エンジニアへの需要は高い
エンジニアは将来性豊かな職種であり、今後も需要が途絶えることはないと言われています。
ただし、高度なAIの登場により、エンジニアの仕事が淘汰されていくという見方もあります。
しかし、新たなテクノロジーが次々と生み出されていくことを考えれば、エンジニアの仕事が将来的に淘汰されることはあり得ません。
現状でもエンジニア不足が深刻化しており、将来的にはさらに需給ギャップが広がると予測されています。
少子高齢化が進む中で、求められるのは40代から50代の人材です。
このような状況を踏まえれば、50代になってからでもエンジニアに転職すれば、長期にわたり活躍できるでしょう。
エンジニアは高年収
収入面においては、エンジニアは魅力的な職種と言えるでしょう。
専門的な知識とスキルが求められる上、人材不足が続く中で需要が高まっているため、他業種と比較しても高水準の年収を得ることができます。
特に50代でキャリアチェンジを果たした場合、これまでの実務経験が十分に評価されないことが多い一般企業とは異なり、エンジニアとしての能力次第では経験が浅くても収入アップが期待できます。
管理職に就いた50代でさえ、エンジニアとなれば更なる高収入を手にする可能性があるのが特徴です。
- 仕事に専門性が求められるため
- 人材需要が高まっているため
- 経験が浅くても実力次第で高収入が望める
このように、エンジニアは年齢を問わず高い年収を得られる可能性を秘めた職種なのです。
実力を重視される
年齢に関係なく実力が重視される職種がエンジニアです。
若年層が転職に有利であるのは事実ですが、50代の未経験者でも十分にエンジニアとしてキャリアを歩めます。
50代で転職を検討する方は、未経験者でもエンジニアの職に就けるかどうか不安に感じるかもしれません。
しかし、エンジニアとして求められる能力と知識さえ備えていれば、50代の未経験者でも問題なく活躍できるはずです。
- 仕事に必要なスキルを身につけていれば、年齢は関係ありません。
フリーランスへ独立できる
エンジニアは、独立してフリーランスとして活動することが比較的容易な職業です。長年企業に勤めてきた方の中には、以下のようなフリーランスの働き方に魅力を感じている人もいるでしょう。
- 自身の判断で業務を決定できる
- 場所や時間を選ばずに働ける
- 案件を選択できる
- 人間関係に悩まされることがない
- 育児と仕事を両立しやすい
- 自分の努力次第で収入アップが期待できる
一般的にこのようなフリーランス特有の長所がありますが、50代でエンジニアとしてフリーランスを選ぶ最大のメリットは「収入増加」にあるといえるでしょう。50代でエンジニアとして独立し、自ら案件を獲得して業務をこなせば、その分だけ報酬を得ることができるフリーランスは魅力的な選択肢となります。
60代エンジニアの平均年収
中年期に職場を変更する場合、通常は以前の収入水準を下回る傾向があります。
技術者の平均年収は比較的高いと言われていますが、50代で技術職に転じる方にとって、平均的な収入がどの程度なのかを把握しておくことは重要な課題となります。
エンジニア
政府の統計データによれば、一般的な中高年男性の年間収入は50代前半で約494万円、50代後半で約495万円となっています。
一方、同年代のエンジニアの平均年収は以下のように高水準にあります。
- 50歳から54歳: 約630万円
- 55歳から59歳: 約670万円
このように、エンジニア職の収入水準が一般職を大きく上回っていることが明らかです。
女性エンジニア
政府の統計データによれば、一般的な中高年女性の年間収入は、50代前半で約332万円、50代後半で約327万円となっています。
一方、同年代のエンジニア職の平均年収は以下の通りです。
-
50歳から54歳 約560万円 55歳から59歳 約610万円
エンジニアの収入水準は高止まりしていますが、男女間の格差が存在し、女性の方が低収入になる傾向にあります。
フリーランスエンジニア
フリーランスエンジニアの平均収入は約776万円となっています。独立することで収益を上げやすくなりますが、年収には開きがあります。
最高額が2,400万円に対し、最低額は240万円です。
受注した案件の分だけ収入に反映されるため、やりがいも感じられるでしょう。
50代でフリーランスを目指す方は、この収入水準を参考にしてください。
一方で、フリーランスとして軌道に乗れなければ、50代全体の平均年収を下回る可能性もあり、十分に検討する必要があります。
エンジニア転職を成功させる方法
中高年層のエンジニア転職は、若手と比べると困難が伴います。
しかし、50代で未経験からでも転職を成し遂げるには、以下の要点を把握することが重要です。
- 自身の強みを理解し、アピールできるようにする
- 最新の技術動向を把握し、学習意欲を示す
- 面接では経験に裏打ちされた人間性を前面に出す
- 年齢を理由に諦めずに粘り強く求人活動を行う
業界研究を徹底調査する
中年層がエンジニア転職を目指す際には、業界動向の綿密な調査が不可欠です。
プログラミング技術は進化が早く、習得したスキルが時代遅れになるリスクがあります。そのため、言語の人気や習得難易度を事前に把握しておく必要があります。高収入を望むなら、業界全体の現状を把握することが重要なポイントです。
具体的には、転職先の業界に関する様々な情報を収集し、市場動向を分析して戦略を立てましょう。
また、自己分析も欠かせません。
- 自身の強みや魅力を理解し、転職先に効果的にアピールできるよう準備することが成功への鍵となります。
プログラミングスクールやオンライン学習サービスを活用する
中高年層がエンジニアを目指す際は、事前にプログラミングの基礎知識を身につけることが不可欠です。
若年層であれば、転職後に職場で必要な技術を習得できる余裕がありますが、中高年層にはそうした時間的な余裕はありません。
そのため、転職活動と並行して
- プログラミング言語
- コンピューター関連の知識
を習得しておく必要があります。
中高年層が転職活動と学習を両立するのは相当な負担がかかりますが、エンジニアを目指す上で努力は欠かせません。
時間的制約がある方は、自分のペースで学習できるオンライン学習サービスを活用するのがよいでしょう。
一方で、年齢制限のあるプログラミングスクールもあるため、オンライン学習サービスを中心に利用するのが賢明です。
2024年6月ポートフォリオやスキルシートをしっかり作り込む
中高年でエンジニアリングの道を歩もうとする際、ポートフォリオやスキルシートの作成は欠かせません。
ポートフォリオとは、自身の実績を示す作品集であり、転職先企業から提出を求められることがあります。
しっかりと作り込めば、自身の力量をアピールできるでしょう。
企業から求められなくとも、ポートフォリオ作成を通じて自身の強みやスキルを再確認できます。
そのため、中高年エンジニア志望者にはポートフォリオの作成が推奨されます。
同様に、スキルシートの作成も重要です。
スキルシートとは、
- 保有するスキルを一覧にしたもの
です。
転職先企業からスキルシートの提出を求められる場合があり、適切に作成することで自身のスキルをアピールできます。
企業がこれらを求める理由は、
- 単に能力を確認するだけでなく
- 転職への熱意を確かめる目的もあるため
です。
クラウドソーシングサービスで実績を積み上げる
中高年のエンジニア初心者は、オンラインの仕事プラットフォームで実績を積み重ねることをおすすめします。
エンジニアリングに関する業務は、こうしたプラットフォームから受注することが可能です。
オンライン仕事プラットフォームとは、企業などが不特定多数の作業者にインターネット経由で業務を依頼するサービスのことです。
プラットフォーム上には、未経験者でも対応できるエンジニアリング関連の仕事が多数掲載されています。
初心者の場合、受注可能な業務は限られますが、こうしたサービスを利用すれば、エンジニアとしての実績を構築することができます。
代表的なオンライン仕事プラットフォームは以下の通りです。
- ランサーズ
- クラウドワークス
- ココナラ
これらのサービスはほとんどが無料で会員登録可能です。
将来的にフリーランスを志す場合にも活用できるため、早めに登録し、使い方を習得しておくとよいでしょう。
転職サイトや転職エージェントを活用する
中年期にプログラミングの技術を習得し、キャリアチェンジを志す方は、転職支援サービスを賢明に利用することが重要です。
転職サイトと転職エージェントは、それぞれ異なる役割を担っています。
- 転職サイトは、求人情報を閲覧し応募できるプラットフォームです。
- 一方、転職エージェントは、転職活動全般をサポートしてくれます。
転職の準備が整っている方は転職サイトを、これからスタートする方は転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職サイト | 希望条件に合った求人を探せます |
転職エージェント | 適切な求人探しに加え、書類作成や面接対策など幅広い支援を行ってくれます |
50代のキャリアチェンジを目指す方は、これらのサービスを上手に活用しましょう。
60代エンジニアとして活躍するには
中年期に技術者への転職を目指す方々の中には、自身の能力に不安を抱えている人も少なくありません。しかし、50代のエンジニアとして活躍するためには、そうした心配を払拭する考え方を持つことが重要です。
転職活動中から、将来のキャリアを見据え、技術者として必要な力を事前に磨いておくことが賢明でしょう。
長年の人生経験から培われた「人間力」は、50代ならではの魅力です。チームでの業務が多い技術者の仕事では、専門知識以上に「人間力」が求められます。特に、
- 協調性
- チームワーク力
といった「他者との関わり方」に長けていれば、若手に劣る技術力があっても、十分に活躍の場は広がるはずです。
以下では、50代のエンジニアが活躍するためのポイントをさらに詳しく解説します。
周りの意見を積極的に取り入れる
中年のエンジニアとして成功を収めるには、他者の意見を積極的に取り入れることが不可欠です。
人間関係を構築する上で重要な要素の一つは、周囲の声に耳を傾け、それらを前向きに取り入れる能力にあります。
IT業界には若手が多数在籍しており、自分よりも年齢が下の人々と協働する機会も多々あります。
この分野で活躍するためには、
- 自己の考えを押し付けるのではなく
- 建設的な提案には積極的に耳を傾け、取り入れていくことが肝心です。
スキルアップを怠らない
中高年のエンジニアは、技術力の向上に努める必要があります。人間関係能力が優れていれば、若手よりも技術力が劣っていても、活躍の場は広がります。
しかし、プロフェッショナルとして活躍するには、一定の技術力が不可欠です。50代でキャリアを始めた場合でも、スキルアップを怠ってはなりません。
IT業界では、新しい技術が次々と登場しています。そのため、最新の技術トレンドに対応できる能力が重要視されます。
新しい知識や技術を身に付けるには、常に世界に目を向け、好奇心を持ち続けることが肝心です。そのような姿勢がエンジニアには求められるのです。
コミュニケーションスキルを身に付ける
中高年のエンジニアにとって、円滑な意思疎通能力を身に付けることは不可欠な要素です。技術者として活躍するためには、他者との関わりにおける人間力が欠かせず、そのなかでもコミュニケーション力は重要な資質となります。
適切な対話力があれば、顧客や協力者に対して自身の考えや必要な情報を的確に伝達することができるでしょう。コミュニケーションは、相手との信頼関係を築くだけでなく、業務における連携を図る上でも極めて重要な役割を果たします。
チーム内に優れた対話力を持つメンバーが一人でもいれば、作業効率は飛躍的に向上します。中高年層は、これまでの人生経験から若年層と比べても高い意思疎通能力を備えていることが少なくありません。エンジニアとしてその資質を発揮できれば、中高年でも技術者として十分に活躍できるはずです。
まとめ
中高年層がエンジニアに転職することは容易ではありませんが、不可能ではありません。ただし、若年層と比べると格段に困難であることは間違いありません。
同じような転職活動を行っても成功は難しく、たとえ転職できても活躍するエンジニアになるのは簡単ではないでしょう。
50代でエンジニア転職を目指す場合は相当の努力が求められますが、その分野には魅力もあります。
多くの苦労を強いられるかもしれませんが、本文で紹介した内容を参考にしていただければ幸いです。
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