プリセールスの転職実情や年収、転職実現のコツを解説!

プリセールスの職務は、セールスマンシップとテクニカルな知見を活用し、IT製品やソリューションの導入を検討している企業に対するビジネス活動をサポートすることです。
営業とエンジニアリングの両方の専門性が求められるため、高い能力が期待され、それに見合った報酬が得られる傾向にあります。
本稿では、以下について詳しく説明します。

  • プリセールスの業務内容
  • 収入水準
  • 転職の実態
  • 転職を成功させるためのポイント

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プリセールスとは

プリセールスとは

プリセールスという用語は、事前の営業活動を指す言葉です。この言葉は、「プリ(Pre)」が前もってという意味を持ち、「セールス(sales)」が販売を意味する2つの単語から成り立っています。

ビジネス界や転職の場面において、プリセールスとは、

  • システム構築やソフトウェアの導入に関わる営業担当者に同行し、様々な支援業務を行うことを指します。

ITに関する経験や導入システムの知見を有するプリセールス担当者は、

  • 営業スタッフに代わってクライアントからの質問に回答したり
  • 技術的な面でのヒアリングを実施したりする役割を担います。

エンジニアとプリセールスの違い

プリセールスとエンジニアの役割には違いがあります。
プリセールスは顧客に対して

  • 提案
  • 見積もり

を行う業務であり、エンジニアは顧客からの発注を受けて

  • 実際の設計
  • 構築

を担当します。
しかし、両者ともITに関する実務経験と専門知識が求められます。
そのため、

  • エンジニア出身者がプリセールスに転身するケース

が多く見られ、

  • 「プリセールスエンジニア」
  • 「セールスエンジニア」

と呼ばれることもあります。
一方で、プリセールスとエンジニアの業務を一貫して請け負う企業も存在します。

コンサルタントとの違い

プリセールスとコンサルタントの業務における主要な相違点は、その目的の違いにあります。
プリセールスの目的は「自社製品の販売を通じた利益獲得」であり、コンサルタントの目的は「自身の知見やスキルの提供による報酬獲得」となります。

  • プリセールスにとって商品は自社製品であり、製品が売れなければ利益は発生しません。
  • そのため、プリセールスが行う知識やノウハウの共有は、ほとんどの場合、自社製品の販売促進を目的とした無償のサービスとなります。

一方、コンサルタントの商品は、問題解決能力や専門知識そのものです。クライアントの課題解決を通じて報酬を得るため、知見やスキルの提供は有償となります。

プリセールスの仕事内容

プリセールスの仕事内容

営業活動において、プリセールス担当者の主な職務は3点に集約されます。

  • 1点目は、技術的な観点から営業チームをサポートすること。
  • 2点目は、顧客が抱える課題を技術面から把握し、解決策を提示すること。
  • 3点目は、製品やサービスの導入段階で、技術的な支援を行うことです。

要するに、プリセールス担当者は、顧客と営業担当者の間に立ち、橋渡しの役割を果たすのが使命となります。

営業サポートの技術的側面

本来、顧客との商談は営業担当者の職務ですが、必ずしも技術面での経験や知識を有しているとは限りません。顧客から専門分野に関する質問や技術的な説明を求められた際、適切な回答ができない場合があります。
そこで、プリセールスは自身のIT関連やシステム構築の知見・ノウハウを活用し、営業担当者をサポートします。
主な業務は以下の通りです。

  • 顧客からの技術面やシステム構築関連の質疑への対応
  • 自社製品・サービスの技術的側面に関する具体的な解説やプレゼンテーションの実施

顧客の立場から見れば、技術的な部分に疎い営業担当者からの曖昧な回答では、契約に不安を残すでしょう。また、コンペ形式で受注している企業としても、具体的な内容を提案できない営業担当者への発注は控えるはずです。
プリセールスの役割は、自社製品の契約締結において重要な位置付けといえます。

顧客の課題のヒアリングと解決策提示

顧客が抱える問題を把握し、適切な解決策を提示することがプリセールスの役割です。

プリセールスは専門的かつ技術的な視点から、営業担当者では見落とされがちな顧客の潜在的なニーズや細かな要求事項までを聞き取ります。
その上で、顧客の課題や要望に対し、専門知識とノウハウを活用して解決策を策定します。
自社の製品・サービスが顧客の問題を解決できる理由や、システムの実際の動作、技術的な対応可能性などについて具体的な説明を行うことで、顧客に納得してもらった上で意思決定を促すことができます。

さらに、プリセールスは

  • システム開発に必要な工数や導入規模を考慮し
  • 適正なコストと導入スケジュールを提案する役割も担っています。

技術的サポートの導入

プリセールスの主な役割は、システム導入前の段階でプロジェクトを推進することです。
実際の開発や構築作業が始まる際は、プロジェクトマネージャー(開発チームの責任者)に依頼を行います。
ただし、企業によっては、

  • システム導入時の各種設定
  • ユーザートレーニング
  • 技術的な問い合わせ対応

をプリセールスが担当する場合もあります。
チームの人員状況次第では、プリセールスがそのままエンジニアとして開発チームに加わることもあり得ます。

プリセールスの年収

プリセールスの年収

転職サイトの調査結果によると、プリセールスの職種は高年収を実現しやすい傾向にあります。
IT/通信系エンジニアの中でも上位クラスの平均年収を記録しており、800万円以上の高額年収の求人も少なくありません。
このような高年収を実現するには、ITコンサルタントやプロジェクトマネジメントの経験、プログラミングスキルやサーバー運用の知識など、高度な専門性が求められます。
特に外資系企業の求人では、基本給に加えてストックオプションなどの手厚い待遇が用意されている場合も多数あります。
以下のようなスキルセットを備えた人材に対する需要が高まっています。

  • ITコンサルタントの経験
  • コンサルティングファームやシンクタンクでの業務経験
  • プロジェクトマネジメント経験
  • IT業界での営業経験5年以上
  • 企業ごとの開発現場にて使うプログラミングスキルやサーバ運用経験

プリセールスの求人案件には、高年収を実現できる魅力的な機会が多数存在しています。

プリセールス需要の動向

プリセールス需要の動向

プリセールスの職種は、IT業界の現況と人材動向を鑑みると、今後も需要が高まると見込まれています。この職種の「現状」と「将来性」の2つの側面から、転職市場におけるプリセールスの必要性を検討しました。

プリセールスの現状

プリセールスの平均年収は高額であり、日本ではIT人材が不足している状況を踏まえると、2022年時点でもプリセールス人材への需要は大きいと言えます。

しかし、営業力と技術力の両方が高いレベルで求められるプリセールス転職は、どちらかの能力が中途半端では成功が難しいでしょう。特に業界未経験者にとっては難しい課題です。

dodaの2022年5月時点の公開求人データでは、

  • プリセールス求人835件のうち、「業務未経験者歓迎」は5件、「職種未経験歓迎」は4件とほとんどありませんでした。
  • 年収も平均より低い500万円程度が多数を占めていました。

転職エージェント大手の「リクルートエージェント」でも、

  • プリセールス求人4,346件のうち、「未経験でも可」は144件に過ぎませんでした。

このように転職市場においては、プリセールスの経験とスキルが重視されていることがうかがえます。

一方で、現役プリセールスの方は、高い転職価値を持つ人材として評価される可能性が高いでしょう。

将来性

プリセールスは、IT分野においても対人スキルが重視される職種です。
AIによる代替が難しいため、今後も需要が続くと見られています。
テレワークの普及やWebシステム需要の高まりから、BtoBシーンでのプリセールスの役割が拡大しています。
また、企業側の要求が複雑化する中で、専門職としてのプリセールスの募集が増加傾向にあります。

  • かつては外資系企業が中心でしたが、国内企業での需要も高まっています。

このように、プリセールスの転職市場での価値は今後さらに高まると予想されます。

未経験からプリセールスへの転職を実現させるには

未経験からプリセールスへの転職を実現させるには

プリセールスへの転職は、未経験者にとって極めて困難な道のりとなります。プリセールスは、IT業界で実務経験を積んだ人材が次のキャリアステップとして選択する職種であると認識しておくべきでしょう。
完全な未経験者の場合、まずはIT関連の職に就き、実践を重ねることから始める必要があります。
一方で、経験やスキルを獲得した後も、別の職種に従事する方が賢明な選択肢となるでしょう。そうした基礎を築いた上で、はじめてプリセールスへの挑戦が視野に入ってくるのです。
以下では、プリセールス転職に有利なスキルについて解説します。

ITスキル

IT関連のシステムや技術を説明する役割を担うプリセールスという職務においては、十分な専門知識とスキルを身に付けることが不可欠です。
最低限、自社の製品やサービスの内容を理解し、顧客に分かりやすく説明できるレベルが求められます。

プリセールスを志す未経験者は、営業やコンサルティングよりも、エンジニアやプログラマーなどの技術職での経験を積むことが望ましいでしょう。

プリセールスが営業担当者と同行した際、顧客から細かな技術的な質問が多数寄せられることが一般的です。
そのため、プリセールスを目指す場合、顧客や消費者への営業・コンサルティングも重要ですが、まずは

  • テクニカルサポートの経験を積むか
  • 開発・設計やプログラミングの実務経験を積むこと

が近道となるでしょう。

プレゼンスキル

プリセールスの任務は、顧客から業務を獲得することにあります。そのため、以下の能力が重視されます。

  • 自社の製品やサービスの魅力と詳細を顧客に伝達するためのプレゼンテーション能力

しかし、単なる営業トークでは不十分です。プリセールスには、以下の専門的なプレゼンテーション力が求められます。

  • 技術的視点や専門知識を盛り込んだ説明
  • 実際に製品やサービスを顧客の前で動作させる能力

コミュニケーションスキル

プリセールスは、顧客のみならず、営業担当者、製品開発チーム、経営陣など、幅広い層と連絡を取る必要があるため、コミュニケーション能力が不可欠です。
具体的には以下の点が求められます。

  • 相手を不快にさせずに好意的な対応ができる基本的な資質
  • 顧客の技術的な課題や疑問を掘り下げ、解決策を見出す分析力と問題解決能力
  • 顧客を納得させる説得力
  • 顧客との契約締結に向けた営業力
  • 各部門との円滑な連携を図る全体把握力とバランス感覚

転職サイトや転職エージェントを活用する

プリセールスへの転職を志す際は、転職サイトや転職エージェントを活用することが賢明です。その理由は以下の通りです。

  • 転職サイトでは多様な機能ツールが利用可能で、転職エージェントでは専任のスタッフによる転職サポートを受けられるため、自己分析や応募書類の添削が効率的に行える
  • 転職サイトでは新着求人や気になる求人を自身のペースで閲覧できる
  • 転職エージェントは面接対策やスケジュール調整についても手伝ってくれる
  • 転職エージェントは高年収や上位クラスの非公開求人や独占求人を発掘できる

特に転職経験がない場合、一人で進めるよりも転職サービスのサポートを受けた方が成功確率は高まるでしょう。利用する際はIT分野に精通したサービスを選ぶことをおすすめします。

例:

・ワークポート
・レバテックキャリア
・リクルートエージェント

まとめ

まとめ

プリセールスは営業担当者の提案力やコミュニケーション能力、エンジニアなどの技術者のIT関連の知見や経験が求められる高度な職種です。
しかし、その分だけ高収入が期待できるため、IT業界出身の求職者にとっては、次のキャリアステップの選択肢として推奨できます。

  • 自身のITスキル、プレゼンテーション力、コミュニケーション力に自信がある場合は、ぜひ転職を目指してみてはいかがでしょうか。

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本記事が皆様のお役に立てば幸いです。