ゲーム開発の中心的役割を果たすことから人気の高い職種である2Dデザイナー。個性を発揮しやすい魅力的な仕事でもあり、この分野への転職を希望する人が多数います。
本記事では、
- 2Dデザイナーの業務内容
- 収入水準
- 転職事情
- 転職を成功に導くためのポイント
を詳しく解説します。
グラフィックデザイナーとの違い、ポートフォリオの作成方法、転職に必要なスキルについても網羅しています。
転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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2Dデザイナーとは
ゲーム業界において、平面的なグラフィックを担当するのが2Dデザイナーの役割です。
キャラクターやUI、エフェクトなどの制作を行い、近年のスマホゲーム市場の拡大に伴い、その重要性が高まっています。
一方で、3Dデザイナーは立体的なオブジェクトの製作に従事し、街並みや武器、ステージなどを手掛けます。
両者は類似点もありますが、それぞれ専門的な知識が求められるため、基本的には別個の職種と位置付けられています。
自身の適性を見極め、希望する分野を事前に検討することが肝要です。
グラフィックデザイナーと2Dデザイナーの違い
2次元のビジュアルを手掛ける職種と、商業広告やプリントメディアのデザインを担当する職種は、しばしば混同されがちですが、その役割は全く異なります。
- 前者はゲーム業界において、キャラクターやイラストの制作を行いますが、
- 後者は企業の広告やプロモーション素材のデザインに従事しています。
両職種ともにクリエイティブな分野に属しますが、扱う対象物が大きく異なることから、その性質も大きく異なります。
したがって、商業広告のデザイナーには、ゲームやアニメ調のイラストを描く機会はほとんどありません。
デザイナーの仕事内容
2Dデザイナーの職務は主に4つの領域に分かれています。
- キャラクターや背景などのイラスト制作
- UI/UXデザイン
- 2Dモーションとエフェクトのデザイン
- その他の2Dデザイン業務
まずは「キャラクターや背景などのイラスト制作」が2Dデザイナーの代表的な役割となります。クライアントからの要望に基づき、ゲーム内に登場する人物、モンスター、背景などのイラストを描きます。ゲームの雰囲気を捉えつつ、自身のアイデンティティも発揮できるため、充実感のある仕事と言えるでしょう。
ゲームには欠かせないのがUIです。画面上に様々なメニューやオプション画面、ウィンドウなどを配置し、プレイヤーを誘導します。UIの設計を行うのが「UI/UXデザイナー」の役割です。必要な情報を見やすく配置することは、ゲームを進行する上で極めて重要です。ゲームの完成度にも直結するため、やりがいのある業務と言えます。
「2Dモーションデザイナーとエフェクトデザイナー」は、キャラクターに表情や動作をつけることで、人間味や感情を与える役割を担います。戦闘時の火花やステータス異常時のアクションなども、この業務に含まれます。この分野では、通常の知識に加えてSpriteStudioやLive2D、Spineなどのツールの理解が求められます。
もちろん、ゲームはキャラクターや戦闘だけで構成されているわけではありません。アイコン、武器、告知用バナーなど、様々なデザインが必要となります。これらをデザインするのが、最後の「その他の2Dデザイン業務」に該当します。細かい作業が多く、入社後はまずこの領域から任されるケースが多いでしょう。
2Dデザイナーの年収
2Dデザイナーの平均報酬は年間474万円となっています。
月額に換算すると約39万円で、初任給相場は23万円前後と見られています。
2Dデザイナーの給与水準は、国内平均と比較して高めの傾向にあります。
また、平均年収は489万円ですが、それを上回る収入を得ている2Dデザイナーも多数おり、勤務先や経験、求められるスキルによって報酬額に大きな開きが生じていると言えそうです。
一方、フリーランスの2Dデザイナーの平均年収は以下の通りです。
職種名 | 平均年収 | 中央値年収 | 最高年収 | 最低年収 |
---|---|---|---|---|
2Dデザイナー | 648万円 | 660万円 | 1,560万円 | 264万円 |
(参照:2Dデザイナーのフリーランス求人・案件一覧)
正社員とフリーランスの2Dデザイナーの平均年収を比べると、フリーランスの方が約1.4倍高い収入を得ていることがわかります。
2Dデザイナーとして高収入を望む方は、フリーランスへの転身を検討されることをおすすめします。
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転職市場からみる2Dデザイナー需要
就職市場における2Dデザイナーの求人動向を分析していきましょう。
デザイナーの現状
現在、モバイルアプリを中心としたゲームタイトル数の増加と、それに伴うユーザーのコンテンツ消費ペースの上昇により、ゲーム業界全体が人材不足に陥っていると言えます。
また、ゲーム業界に限らず、Webサービスの分野においてもCGに対する需要が高まっており、両業界で2Dデザイナーの求人が増えています。
時代の変化が加速する中、常に最新の技術に精通し、学習意欲の高い人材が求められています。
市場の動向や時代のニーズを把握し、スキルアップを図ることは、転職の成功にも直結します。
転職活動を通じて、最新動向のチェックと継続的な学習の習慣づけが重要です。
デザイナーの将来性
近年、2Dイラストは動画化が可能になり、関連ソフトウェアも増加しているため、2Dデザイナーの活躍の場が広がっています。
Sensor Towerの調査によると、2021年の国内スマホゲーム市場は約2兆3900億円に達し、前年比6.5%の成長となりました。
この結果を踏まえると、2022年以降も国内スマホゲーム市場は拡大する可能性が高く、ゲーム業界と密接な関係にある2Dデザイナーの需要も増加すると予想されます。
激しい競争が続くモバイルゲーム市場において、
- 最新のソフトウェアや流行デザインなど、常に新しい情報に注目し
- 継続的に学習を重ねることで
将来にわたり活躍できる2Dデザイナーへと成長できるでしょう。
2Dデザイナーが転職する際に必要なポートフォリオとは?
ポートフォリオとは、簡潔に言えば個人の過去の制作物を指します。自身のデザイン能力、スタイル、経歴を示す最も適切な方法と言えるでしょう。
入社選考の際、履歴書や職務経歴書と併せてポートフォリオの提出を求められることが多く、非常に重要な資料となっています。
特にクリエイティブ分野においては、掲載作品のみならず、デザイン、構成、フォント選定、配色など細部にまで評価の目が向けられることが多いのが特徴です。
そのため、
- 単に過去作を並べるだけでなく、応募先の性質に合わせて内容を最適化する必要があります。
また、
- 面接時だけでなく応募段階でポートフォリオの提出を求められることが一般的なため、転職活動に先立ち、事前に作成し磨き上げておくことが肝心です。
未経験から2Dデザイナーへの転職を実現させるには
以下に、未経験から2Dデザイナーへの転職を成し遂げる手順を説明します。
最初に、2Dデザインの基礎知識を身につける必要があります。
- 専門的な教育機関での学習
- オンライン講座の受講
- 書籍の購読
デザインの理論や実践的なスキルを習得することが重要です。
次に、ポートフォリオの作成が不可欠です。
- 学習成果を形にしたデザイン作品を集める
- 自身の実力を示すことができる
- クオリティの高い作品を揃えることで、採用の際に有利に働く
また、インターンシップへの参加も有効な手段の一つです。
- 実際の現場で経験を積む
- スキルを磨く
- 業界の雰囲気を体感できる
さらに、関連する資格の取得を目指すのも良いでしょう。
- デザイン系の公的資格は、一定の実力を証明するものとして評価される
最後に、積極的に転職活動を行います。
- 応募書類の作成
- 面接対策
- 確実な準備を怠らずに臨む必要がある
デザインスキルや実務経験を身に付ける
デザインソフトの操作スキルを身につけることが2Dデザイナーを目指す上で不可欠です。
Illustrator、Photoshopといった基本ツールに加え、SpriteStudio、Live2D、Spineなどの専用ソフトや、ペイントツール、3DCGソフトの知識があれば有利でしょう。
3ds Maxなど3Dソフトの経験も役立ちます。
こうした技術は
- 大学や専門学校のコース
- デザインスクール
で学べますが、未経験者は企業の採用試験に直接応募する選択肢もあります。
ただし、ポートフォリオの準備が必須です。
また、資格取得も有利に働く可能性があります。
・Photoshop®クリエイター能力認定試験 |
・Illustrator®クリエイター能力認定試験 |
・CGクリエイター検定 |
・色彩検定 |
デッサン力を身に付ける
2次元のデザインを手掛ける職種においては、描写力が必須の要件となります。
単にゲーム内で適切に動作するだけでなく、魅力的なキャラクターやアイデアを生み出す創造力も重要視されます。
この能力は非常に重要です。
志望先によって求められる技術や知識は異なるため、まずは相手が何を求めているのかを確認することが賢明です。
コミュニケーションスキルを身に付ける
2Dクリエイターは、3Dアーティストや開発者、監督など、さまざまな職種の人々と連携しながら作業を進めていくため、コミュニケーション能力が不可欠な資質となっています。
優れた描画力だけでなく、クライアントの要望やプロジェクトの性質を的確に捉える力が重要視されます。
日々のコミュニケーション能力の向上に努めることが肝心です。
デザインスクールを受講する
デザイン分野への転職を目指す未経験者にとって、専門的な知識とスキルを身につけることが不可欠です。そのため、デザインスクールの受講が有効な選択肢となります。
デザインスクールでは、以下のようなメリットがあります。
- 社会人向けに柔軟なスケジュールのコースが用意されており、2ヶ月から1年までさまざまな期間から選択できます
- 基礎からPhotoshop・Illustrator、UI/UXなど実践的な内容を学ぶことができます
- 即戦力となる幅広い技能を習得できます
多くのスクールが転職を見据えたカリキュラムを組んでいるため、未経験からデザイン職への最短ルートとなり得ます。
デザイン転職を希望する方は、ぜひデザインスクールの受講を検討されることをおすすめします。
転職サイトや転職エージェントの活用
デザイナーとしての転職を目指す際は、専門的な転職サービスを利用するのがお勧めです。こうした転職支援サービスは、デザインスキルや知識の有無が前提条件となっています。
そのため、デザインスクールなどで実力をつけてから利用することが賢明でしょう。
デザイン特化の転職サイトは、一般の転職サイトに比べてデザイン関連の求人が豊富で、自分のペースで活動できるメリットがあります。
一方、転職エージェントは以下のような独自の強みを持っています。
- 非公開求人を多数保有している
- 利用料は無料
- 専門のアドバイザーがサポートしてくれる
- 履歴書の添削や面接対策をしてくれる
- 退職手続きや入社日の調整などもバックアップしてくれる
未経験からデザイナーを目指す方にとって、こうした専門的な転職サービスは有益なツールとなるでしょう。ぜひ活用を検討してみてください。
まとめ
この記事では、2Dデザイナーへの転職を検討している方向けに、その職種の業務内容、収入水準、転職の実情、そして転職を成功させるためのヒントをご紹介しました。
ぜひこの情報を参考に、2Dデザイナーへの職種転換を実現してみてください。
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本記事がみなさまのお役に少しでも立てましたら幸いです。